[ 苦しげな彼の呻きが、喉を詰まらせる吐息の音が
この行為の生々しさを表しているようでひどく興奮する。
強請るまま与えられる呼び声に愛おしさが溢れて
掻き抱いた彼の唇を奪いに行けば向こうから与えられた。
激情の赴くまま勢いで貪る口付けは酷く拙くて
飲み込みそこねた唾液が清めた肌を伝って汚した。 ]
せんせ……、っ、は、ぁ…ッ、誠丞さ…、……
すき、……俺も、すきだ、…っぅ゙、あ、…────ふ、……
[ ぐずぐずに蕩けた頭でなんとか言葉を返そうとしたら
余裕のない彼の声と重なった。
彼とは違った意味で余裕がなかったけれど
それでも、制止の類の言葉は出てこなかった。
愉快だった。彼が自分に溺れている様が。
それこそ覚えたての餓鬼みたいに、
堪えようとしても抗えずに、に腰を振り始めるのが。
心だけじゃなく体まで彼を手に入れたみたいな気がして。
胸の内の何処かが満たされるような心地がした。 ]