人狼物語 三日月国


227 【身内RP】une jeune sorcière【R18】

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【人】 水の魔騎士 ユスターシュ

分裂する、交錯する。

彼女は婚約者に想いを馳せながら交わりを拒む。

ユスターシュは過去に想いを馳せながら乱暴に交わりを求める。
(0) 2023/10/21(Sat) 23:05:00
肌に触れる度に男としての性衝動が高まる。しかし同時ーー脳裏に何かが過るのだ。

見たこともない王宮、薔薇の咲き乱れる広い庭。

ダンスホールは吹き抜けになっており、二階にオーケストラが控えていて生の演奏をしていた。

何処だーー何処なんだ、ここは。

手を押さえつけ万歳をさせる。彼女の細い両腕は男をはね除けられない。

小さなピンクが咥内にて尖り、弾力を伝えてきた。それを舌で転がしては吸う。

あの時、女は恍惚となった。
しかし今組み敷いている姫は抵抗を示す。

何度も何度も、婚約者への思慕と純潔を護る決意を語られーーユスターシュが覚えた感情は。

 「お前は今までなんでも好きなものを
 手に入れて来たんだろう?
 姫という立場でッ!

 姉も記憶も失った俺には何もないッ!
 
 ーーお前を奪ってやる。
 それがミュジークへの復讐だッ!」

  ーーいけないッ!
  姫を傷つけてはいけない!

  ーーいや黙れッ!
  何故俺だけ我慢せねばならない?
  もう剣技の訓練も、何もかも
  うんざいだッ!

記憶は浮遊する。毎日毎日、雨が降ろうと雪が積もろうと修行を休むことは許されなかった。

  ーー誰に許されなかった?
  わから、ない。

 「脱げッ!こんな服を纏って、
 お高くとまるだけがお前達王族の
 出来ることではなかろう!
 ーー股を開け!」

両手を解放したが、そのまま下肢を覆うものを剥ぎ取る。
彼女はきっと従わないだろう。逃げようとするならうつ伏せにする。

両手を背に組ませるようにしたら片手で固定できるだろう。
丸い臀部を此方に向けさせたい。

彼女が魔力を使い反撃しない限りユスターシュはその処女を散らす。

なんのために?
復讐だ。ミュジークへの。

  ーーやめろ!姫宮さんに、
  なんの咎がある!

分裂する、交錯する。
記憶と想いが。*


「う、うぅっ、いやっ…!」
 
 
硬く尖った胸の先を舌先で弄ばれ、吸われてしまいます。
赤ん坊がする筈のない動きに自分の胸が否応なく嬲られているのだと分かって私は更に顔を背けました。
私の身体の変化が恐ろしかったからです。
けれど。
 
なんでも手に入れてきた?
その言葉に私は愕然としたのです。
私が手に入れられたものなど、本当にあるのでしょうか。
確かに生活には困った事はありません。
貧民から見たら贅沢すぎる暮らしなのでしょう。
けれど。
友人も同等の立場にはいないのです。
部下。仕えてくれる人。そんな方達ばかり。
そして家族からは一線を引かれています。
正妃の子ではなかったから。兄様より姉様より劣っていたから。
そしてその事から周囲からも侮られていました。それは一部の家臣たちからもです。
唯一叶ったユスターシュ様は──。
 

 
「…分かりました。」
 
 
彼にとっては意外な行動だったでしょう。
激昂状態の彼に、私は穏やかに微笑みました。
私には何も無いからです。
彼が私のユスターシュ様で無いのならと死すら覚悟したではありませんか。
こんな、何も無い私を奪う事で彼の空虚な心が少しでも癒やされるのなら。
それを持ってミュジークの罪を濯ぐのも良いのかもしれません。
 
だって。私のユスターシュ様はいなくなってしまった。
私の前から消えてしまった。
あのメイドと駆け落ちでもしてしまったのでしょう。
この目の前の彼は哀れ記憶を奪われ、姉を奪われ、私を罠に嵌める為だけにユスターシュ様の姿形を与えられ、本来の人生すら奪われたのでしょうから。
 
心をあけ渡すつもりはありません。それは宣言の通りであり、私にはそれしか残されていませんから。
けれど私のその心ですら、私のユスターシュ様に受け取ってはもらえてないのです。
だからひっそり、私が抱えたままで。
彼に下半身の布を剥ぎ取られて、私はほぼ裸の姿になってしまいました。
お腹周りに肌の透ける素材が絡まり、脚先を覆うブーツが残るくらいでしょう。
震える身体を何とか動かして膝を割りました。両手で膝を持ち、ゆっくりと。
せめて真正面からこの男を迎え入れてやろう。
自分の罪を受け止めようと思ったからです。
 

 
──ああ、でも。
 
 
「ごめんなさい、ユスターシュ…ゔ、い、あっ!!?」
 
 
──それはどちらのユスターシュに対する謝罪だったでしょう。
より開かれたのでしょうか。どうしてこんな格好をさせられているのかすら理解の及ばない私の脚の間、熱くて硬い何かを押し込められました。
ぴちりと閉じたそこに何を入れるというのでしょう。
お互いの股座を擦り合わせるような形のようですが、私の理解が及びません。
ただ。ぴったりと閉じられ普段開く事もないその場所に何かがねじ込まれる感覚はとても恐ろしく、とても痛くて。
 

 
「い、たい…! う、うゔ…!!」
 
 
みちみち、と自分の内側が無理やり開かれる感覚がしました。
潤滑剤があればよかったのでしょうが、生憎何かを塗られはしませんでしたし、私自身から何かが滲み出てもいませんでした。
こうして私は殺されるのかしら。痛みと恥辱を合わせた方法で?
ふーっ、ふーっ、と痛みを堪える為に呼吸が荒くなってしまいます。
身体の内側が裂けたのでしょうか。それとも、私の知らないところで何かが滲んだのでしょうか。
にち、と身体の内側に湿った音が生じます。
涙が痛みにボロボロとこぼれ落ちて。
 
 
「あ──。」
 
 
ある一線を、私の中で何かが越えて。
破かれたような、引き裂かれたような、押し広げられたような感覚と共に一層の痛みが拡がりました。
 

 
「ああああああああああっ!!!」

 
 
あまりの痛みに私は叫び、体をのけぞらせました。
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
ジクジクと熱を伴った痛み。ズキズキと脈動し、確かに引き裂かれたそこからは血が溢れたのでしょう、きっと彼の動きを助けることになった筈です。
月のもので血が流れるのとは全く違うのは、それを封じる熱い何かが私の中に埋め込まれたままという事でした。
苦痛に叫び涙をボロボロとこぼす私を、彼はどんな顔で見ていたのでしょう。
でも、我に返ったように私は手の甲を自分の唇に押し当て眉を寄せました。
彼の結界の中とはいえ、こんな叫びを仲間に聞かれる可能性を避けたかったからです。
 
 
私の最期を、情けない姿を、仲間に見せるわけにいきませんでした。
憎しみの連鎖は、止めなければならないでしょう?
これは私の選んだ事で。
私が受け止めた罪なのですから。**
 

光があれば闇が生まれるのか。
それても、色濃い闇があるからこそ光が際立ち存在するのか。

チアキローズは光そのものだった。

ゲオルグから強いられた厳しい修行の毎日に、ユスターシュは闇しか見いだせなかったのだがーー彼女との出逢いがまさに光明となり。

生きる希望、意欲、目的を得た。
彼女を護ると。

だが、今のユスターシュはその記憶を全て失い闇の中をさ迷っている。

たまに差す木漏れ日のような光の記憶の意味に気付けたら。

譲として、姫宮千秋に感じた庇護欲を思い出せたら。

この悲劇を回避できたろうか?

後ろから無理やりの体勢を取ろうとしたのは彼女の抵抗を封じるため。
しかし、ユスターシュが血を吐くように訴えた言葉にその態度が変わった。

まるで争いは無意味とでも言うように。
慈愛に満ちた様子で受け入れ体勢を取る。

ーー諦めたのか。

どのみち抗った所で余計に怪我をするだけと考えたか?

憐れな子羊は祭壇の上にて屠られるのを待つ。

ユスターシュは猛り狂った男性自身を露出した。それは硬く雄々しくそそり勃っている。

開かれた股の中央にあてがう。
愛のない行為だからこそ、復讐だ。
迷うな、迷う必要などないーー。

   ーーやめろッ!

濡れてもいない入口は、ユスターシュの分身を拒んだ。しかし上から体重を掛ければメリ、という音と共に裂ける。

初々しい花弁が無惨に散った。

奥まで一気に侵入した為、それは彼女にとっては剣で貫かれるに等しかったであろう。

 「……ッ、狭い……」

ぎち、と食いちぎられそうなほどの締め付けに呻く。

男を知らない可憐を真っ向から穢す獰猛。ぬら、と光るのは内部にはあった潤滑の為か。

彼女は悲鳴を上げたが、ユスターシュにはそれが何処か遠くに聴こえた。

見えたからだ、ついに。
大切な人が。愛しい人が。

美しいドレスを身に纏うかの人と、ユスターシュは踊っている。
夢が叶った。
従者と主人という身分から、婚約者になれたから。

微笑む彼女が映った鏡にヒビが入り無惨に割れた。

甦った記憶に呆然とする。ユスターシュの身体は記憶に反して、組み敷いた"  "を更に深く串刺しにした。

まあもや大きな叫びをあげ、身をしならせる"   "。

引き抜いた男性自身は血塗られている。処女を奪ったからだ。

 「チアキローズ、姫ーー…」

違う。
    いや、彼女だ。
    護りたかった人。
    最愛の、憧れの。

敵だ、この報復は当然だ。
今まで我慢してきた、堪えてきたんだーー。

"  "は涙を流して口を押さえている。痛みを堪えているのか、恐怖に身を震わせているのか。

ユスターシュの心と身体は引き裂かれる。

泣いている"  "と、記憶の中で微笑む姫は1つにならない。

そして飢え乾いた身体は求めた。

ーー"オンナ"を。

流れた血は律動の潤滑となる。
ユスターシュは"オトコ"と成り果て"オンナ"を機械的に貪った。
繰り返し穿つ事で。

 「はぁ、はぁ…、出るッ…!」

欲求の高まりを彼女の内部に放つ。憎み、恨み、全てが入り交じったものを。*


私はこの行為の意味を理解しかねていました。
硬く雄々しく聳り立つそれを目にしなかったからでしょう。
そこに何があったのかを理解し目にするより、ユスターシュへの謝罪を口にしていたのですから。
それはあまりに熱く。
私はそう、貫かれたのだと理解しました。
だから死を覚悟したのです。
ただ、死を覚悟したからでしょうか。
私を貫くものをぎちりと締め付けた体が少し緩まり、私との知らないところでこれ以上身体を傷つけない為にと蜜が湧いたのです。
ず…っ、と熱い剣が引き抜かれて、血が噴き出るかと思いました。
けれどそんな事はなくて。
 
 
「──…?」
 
 
今、姫と呼んでくださった…?
いいえ。彼の方でなくても私をそう呼ぶ事は不自然ではありません。
でも。あそこまで私を恨んだその人が、私に敬称を付けるのでしょうか?
さまざまに浮かぶ疑問。
それを解決する前に。
 

 
「んぐっ!? うっ! あっ、うああっ!?」
 
 
再び剣が…いえ、彼の体の一部が私の中に突き入れられ揺さぶられました。
身体の内側がヒリヒリと痛みます。
ズキズキと鈍い痛みも同時に襲ってきました。
ああ。でも。もしかしたら。
 
 
どれも真実ではないのかしら、と私は考えました。
もしユスターシュ様が本当はミュジークの貴族では無いのなら。
ドローイグから攫われてきたのなら。
そして、ミュジークの貴族として育てられて、再びその記憶を消されたなら。
それらが一本の線で繋がっていたなら。
 
だってそうでなければ、魔力までにているのは説明がつかないではありませんか。
もし、こうして肌を重ねる事でより治癒の力が働き、幼い頃から順番に彼の記憶が取り戻されていたのなら──。
 

 
「んあっ! ゆす、たーしゅ、さ、ま…っ
 ゆす、たーっ、しゅ、…っ!!!」
 
 
揺さぶられながら必死に彼の名前を呼びました。
穿たれる度に痛みに言葉が途切れてしまいます。
でも、泣きながらでも笑って。
次第に血と蜜とでその動きは滑らかになるでしょう。
それでも、私に心地よさを齎すには至りませんでしたが。
 
 
「私は、こ、こに、います…。
 ゆすた、しゅ、さま…っ!?」
 
 
私の中で何かが爆ぜました。
そして注がれていく感覚に目を見開きます。
…ああ。これは。もしかしたら。
私はそれを悟りながら、彼に両腕を伸ばし抱きしめました。
 

 
「…貴方の悲しみも苦しみも全て受け止めさせてください。
 私は貴方を愛しています。
 ユスターシュ様。
 
 貴方がミュジークのものでなくても
 私は貴方を…貴方だけを。」
 
 
貴方を抱き寄せる事はできたでしょうか?
癒しの力で心を癒す事はできません。
それでも。
貴方の心が必要以上に壊れたりしませんように。
私はそう祈るのです。

だって。
貴方はやっぱり、私のユスターシュ様…なのでしょう?**
 

交わりの中に見えたもの。

初めて謁見した際の高貴な装い。
日々警護の折りに垣間見た御姿。
ダンスを踊り寄り添う細身。

一番鮮烈だったのは嵐の夜の記憶だ。

洞窟で怪我をしたユスターシュを助けようとーー彼女は抱き締めてくれた。
その癒しの波動に傷がみるみる治ったのだ。

チアキローズ・ピゥロイド・ミュジーク。

恋い焦がれた人の名を何故忘れていたのかーー

 「は、……、俺、は。
 何てこと、を……。」

精を放つことにより、ユスターシュはすべての負の感情を彼女にぶつけた。

人格から目を背け、オンナとして見ることで。自身の狂った人生に対する恨みを。

しかしそれは、逆恨みでしかない。確かに彼女はミュジークの姫だが、ユスターシュを浚い人生を狂わせたのはその従者でしかないはず。

ドローイグに産まれた自分。
姉と引き裂かれて拐われ、
ミュジークにて育てられた。

過去が繋がっていく、一本に。
道筋として。

 ーー私はここにいると言った彼女。
 涙に濡れながら苦痛に堪える姿は聖母のように全てを受け入れ赦している。

 「姫……姫ッ!」

まだ身体は繋がったままだ。彼女は下から両腕を伸ばしユスターシュを抱き締めた。

その暖かみに、優しさに氷のように冷えていた心が溶ける。

 「チアキローズ姫……俺も、貴女を
 愛してる、心から。

 誰よりも何よりも大切に思っている。

 ……なのに、俺は。」

こんな形で彼女の花を散らしてしまうなど。
こんな場所で。ベッドでもない硬いコンクリートの上で。

今すぐ離れるべきだ。しかし、ユスターシュの分身はまだ精を放っても熱く滾ったままで、彼女の体内に息づいている。*


どうしても呼吸が荒くなってしまいます。
それでも、彼の瞳に理性の光が戻ったようで安心しました。
ホッと肩の力が抜けます。
ああ。やっぱりユスターシュ様だったのですね。
 
 
「良かった…、ユスターシュ様。
 お会いできて本当に良かった…!」
 
 
ほろほろと溢れるのは嬉し涙でした。
はしたない格好になり、身体の奥底を貫かれてはいますが命に別状はありません。
私の中にあるのは武器ではなく、ユスターシュ様の一部だったのですから。
彼を抱きしめ、手を伸ばして頭を撫でました。
そっと頬に唇を寄せます。
 

 
「──記憶を失っていたのです。
 仕方がない事でしたし、…ミュジークの民も
 許されないことをしていたようですから
 ユスターシュ様は何も悪くは、…。」
 
 
何も。本当に、何もでしょうか?
少し言葉を途切らせて視線を伏せました。
無理やり暴かれた体は痛みを伴っていますし、何より婚約者ではないと思った時に肌をさらされた事は恐怖と羞恥の極みでした。
それは変わりませんし、私の中でまだユスターシュ様の剣が埋まったままなのです。
流石にここまでされたなら、──その、本来夜伽と言われるものなのだろう事は、想像が尽きました。
それが、こんなに痛みを伴うものなのだとは。

…あのメイドの言っていたこととは大分違います。
 

 
「…本当に、私を愛してくださっていますか?
 ミュジークの姫だからではなく。
 婚約者にされたからではなく。
 
 先ほど、記憶が失われていた時のように
 今でも私を"欲しい"と思ってくださいますか?」
 
 
──あのメイドの方が良いと言いませんか。
  甘く熱く激しい夜は他の女性が良いと。
 
 
「…わ、たし、
 ユスターシュ様が求めてくださるのなら
 痛くても、たえ、ますけど、
 
 ──私では子供すぎて、メイドたちと違って
 物足りないかもしれませんが、
 どうか、どうか今度は優しく──。」
 
 
脚先を彼に絡ませ、彼の腰の後ろで交差させ引き寄せました。
ほんの少しだけ拗ねた眼差しを向けたのは。
 
…年相応の、ヤキモチというものかもしれません。
こんなふうに強請ることは、それこそはしたないことかもしれませんもの。**
 

真珠のような大粒の涙が彼女の頬を伝う。
婚約した時は、決して泣かせまいと誓ったのに。
愚かな自分は自ら彼女を傷つけた。

ユスターシュは自身に憤りすら感じる。
何故こんな事にーー。
いくら記憶を失ったからとて。

失う?そうだ。何故記憶を失ったり、思い出したりしたのか。

その犯人は。

だがそれを考えるのは後だ。
今はただ、姫との再会に浸りたい。

彼女を抱き締め、髪を撫でる。
涙に濡れた頬を唇で拭った。

二人はまだ口付けすらしていなかったのに、身体だけ早まってしまうなんて。

 「姫…愛しい姫よ。
 俺がどれだけ貴女に逢いたかったか。
 大切に思っていたか。
 こんな乱暴をしてしまった今、
 赦されなくとも当然だが、
 俺は本当に、貴女だけを。」

愛しさが溢れて。ユスターシュもはらはらと涙を溢す。

 「ーー勿論だ。婚約前から俺は
 貴女に惹かれていた。
 そうでなければ、いくら使命でも
 命がけで貴女を護りはしない。 貴女を愛していたからだ。

 ーー恥ずかしい話だが、その気持ちには
 肉欲も伴っていた。
 俺はずっと貴女が欲しかった。
 心の奥底では、貴女を抱きたいと
 思っていたから……。」

だから、身体が求めたのだ。
復讐に駆られたのなら、殺しても良かったはずなのに。

 「貴女が欲しい。チアキローズ。
 貴女に痛みを与えたくなかったが、どうか。
 俺の花となってくれ。
 もう一生離さないから。

 ーーその、だ。俺の分身はまだ、
 貴女を求めている。
 このままもう少しだけーー
 貴女の中にいたいのだが。
 御許しを頂けるか。」*

 
ユスターシュ様の唇が私の涙を拭ってくれました。
その優しさにわたしは余計泣きたくなってしまうのです。
そして彼自身も涙を流していましたから、私は彼の涙をそっと親指で拭いました。
愛しい方の頬に触れながら。
 
 
「本当に…それは、本当ですか?
 良かった…。
 私はもう、身も心も貴方のものです。
 貴方の花であり、貴方に心を寄せるただの乙女。
 その、肉欲、とはよく分かりませんが…。」
 
 
こんな裸の状態で、下半身でつながり合っている──これが肉欲なのでしょうか?
抱きたい。その言葉も、抱きしめてくださっていたと理解はできますが。
改めて自分の格好を考えるとなんてはしたないのでしょう。
恥ずかしい。けれど、今彼から離れたいとは思えませんでした。
 

 
「少しだけ…お待ちください。」
 
 
けれど、私の内側は確かに引き裂かれました。
目を閉じて魔力を意識します。彼にしがみつけば丸い胸が彼の胸板で潰れましたが、温もりを感じ意識を集中させる事で癒しの波動が自分にも巡ってきたのを感じました。
これで、少しは痛みも耐えられるでしょう。
魔力の循環を彼も感じたでしょうか。
そうして傷を癒した後。
 
 
「お待たせ致しました。
 ──私の全てを差し上げます。
 愛しております、ユスターシュ様。」
 
 
彼に微笑みを向けました。
そして、そっと瞳を閉じて口付けを求めたのです。**
 

清らかな乙女の精神をずっと持ち続ける彼女に男性生理を説明するのは恥ずかしいことだ。

メイドとの初めての経験は無我夢中、それから何度か回数をこなし、女体から得る快楽が素晴らしい事をユスターシュの身体は覚えていた。

乱暴に押し入ったのは本意ではない。愛する姫と知れば後悔が過るもそれでも。

男として欲していたのも事実。

誰もが開いたことがなかった花はきつく狭く、今極上の快楽をユスターシュに与え続けていた。

 「気持ちが重なるだけでも幸せと、
 俺も考えていた。
 婚約だけでも身に余る光栄だし、
 貴女がそんな風にずっと、
 想いを寄せてくれていたなんて。
 ……俺と同じように。
 
 でも、こうして得た貴女はーー
 貴女の身体は余りに魅惑的だ。

 俺を蕩けさせる。」

彼女を一心に思うからこそ離れがたく。もっと欲しいと焦がれる。

魔力による癒しにて、彼女が自身の痛みを軽減してくれたならユスターシュは微笑む。

 「すまない、姫。ーー愛している。
 今だけは男として…貪らせてくれ。」