人狼物語 三日月国


102 【身内RP】泡沫に消えし夢の随に

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視点:



[ 音が、聞こえる。
  いつかの、詠うようなものではない。
  それでも、嗚呼この声は。


   
ユー、ラ、



[ どれだけの悪夢を振り払ったか、もう数など
  とうに分からない。
  じわじわと身体を蝕む黒い痣に虫唾が走り、
  言うことを聞かない己が左手を付け根から切り落とし。

  ジリジリと鳴る嫌な音の海の中、
  絹糸よりも細いあの声に向かって
  バランスの取りづらくなった身体をゆらりと起こす。 ]


   最期くらい、逢いたい人に逢いたいと
    願うくらい、バチはあたらねぇ、よな
  **

 


[ こんなことなら、恐れずに
  もっとはっきりと伝えるべきだったのに。
  そう、思っても意識を保つのさえやっとで。

  あいたかった、と言葉にしたら
  その音が形になりはしないか、などと
  じりじりと迫る悪夢を横目に
  夢想をしていた時。

  瞳に映ったのは夢幻か、それとも―――――。 ]


  
――――― また、あえた。



[ どちらだったとしても、
  掠れた音で、喜びを声にするのです。 ]*
  


[ たしかに、きこえる。
  今度ははっきり、詠うような、あの声。

  遠ざかりかけた意識を、繋いでくれる。
  聞こえた言葉に、己の声と精一杯の笑みを重ねよう。 ]



   ─── ああ、ユーラ。
   また、あえた。


 


[ 気を抜けば崩れ落ちそうな足を叱咤し、
  肉片と血錆がこびりついた剣を情けなくも
  杖がわりに地面に刺しては身体を支える。

  視界は赤に染まっていて、愛しい姿が
  どのように変わっているのかはわからない。

  けれど目を閉じれば、ふわふわと風に舞う柔らかな髪と
  希少な宝石よりも煌めく葡萄色の瞳が
  変わらずありありと思い描けるのだから。 ]



   そこの、綺麗な、お姉さん、
   そんなとこに立ったまま、迷子ですか……
   悪いオトコに、ナンパされますよ……
 


[ いつかの台詞をなぞって。
  ふふ、と微笑って手を伸ばす。

  夢なのか、現なのか
  ぼんやりと虚なその境界線を探るように
  指先が、その人の熱を求めた。

  触れられるだろうか。  
  間に合ったのだろうか。 ]



   急いで駆けつける、て言うたのに、
   遅なって、ごめんなぁ。
 **

 

   


[ 彼の声を聞き間違えるはずはなくて。
  近寄りたくて、一歩踏み出せば
  ぐらりと視界が歪んで、血を吐き。

  身体が鉛のように重く感じます。

  髪は血と土に汚れて。
  足には痣も見える、
  決して綺麗と言えない姿なのに。 ]


  
――――― あのとき みたい……

  


[ 
いつかの台詞すらもう、なぞれない。

  それでも、手を伸ばされれば
  ふらり、と倒れ込むように。
  二人の影が、重なるのです。
  
  あたたかさが、伝わってきます。 ]

  
  
おそく、ない……です。


  
すきなひと
 
に……  あえて


                 
しあわせ……。

  


[ あの時に言ったことを証明するように
  たどたどしく詠えば、少しは傷を癒せたでしょうか。
  出血を止めるくらいは……
  もう少し、歩けるくらいには……。


  そう永くは生きてこなかったけれど。
  こんな時に限ってわたくしは
  感情のままに、心のうちを声にするのです。 ]**
  



   ( 嗚呼、ユーラ。 )



[ 伸ばした手にたしかな温もり。
  いつかとは比べ物にならぬほど辿々しい詠。
  いつかとは比べ物にならぬほど気持ちの込められた詠。

  すう、と視界が晴れた。 ]


   ─── ユーラ、


[ 間違いなく彼女のおかげ。
  その詠で確かに癒された赤の双眸が、

  彼女に残された時間がそう多くはないことを
  映した。 

 


[ 片方だけになった腕でそっと引き寄せれば、
  その身を抱きしめることが出来ただろうか。 ]


   運命、やもんな?



[ 背を、髪を、頬を、撫でようと手を動かす。
  ギリギリのところでさえ、人を気遣って詠う
  強く愛しい温もりを。

  エルフェリール様のところまで、間に合うか。

  彼女が救われるのなら、
  生きてくれるのなら、
  それが例え彼女の願いだとしても

  己の命などどうでもいいと、心から思った。 ]
 



   ユーラ、ユーラ。
   聞こえるか、わかるか……?
   いい子やから、聞いてくれるか、
   創造主様のとこまで、がんばれるか───?


[ 囁いて、答えを待って。 ]


   ……独りで生きる人生は味気ないもの。
   おれ、は、ふたりがいい、けど、な。
   ─── ほんま、ごめんなぁ、

 


[ 届くかどうかはわからないけれど。

  大切なことは、はっきりと、言葉に乗せた。
  それだけで、もう、充分
  俺は幸せだと思った。

  あとは、彼女が。

  ジリジリと鳴り響く、嫌な音に
  全て飲み込まれてしまう前に、

  最期に願うことは、
  愛しい人の幸せでしかなかった。 ]
**
 


[ 意識が時々飛びそうな、
  限界に近い状態でも、気持ちが乗った詠は
  確かに効力を発揮したみたいです。

  癒せたことを辛うじて確認は出来ましたから
  
よかった……
と小さく呟きました。 ]
  


[ 抱きしめられて、彼のぬくもりを感じて
  
あぁ、優しいな、こんな時まで、
と思うのです。
  運命、と聞いてもただ黙ってうなずいて。

  もう十分です。

  さいごに会えたから。
  もう、後悔も何もなくて。

  わたくしのことなど打ち捨てて
  このままあなただけでも逃げて欲しいと
  彼の気遣いを無碍にするようなことだけが
  頭の中をめぐっていました。 ]
  



  ―――――……。

  ……ごめんな さい、 もう、……



[ がんばれない、と口にした後。 ]


  いきて、おねがい……。


        わたくしは……、
        もう、いいから

  


[ 考えていることが同じだと分かってしまっても
  わたくしは譲りたくありませんでした。
  連れて行ってもらうまでに
  二人倒れることになる可能性だって
  確かにあって、それを思えば
  もう動けない自分よりも…と思うのは。
  我儘、でしょうか。 ]

  


[ 魔族のあなたには耐性が人よりあって。
  こんなちからに左右されなかったとしても。

  大切な人に想いと願いを伝えられたから。
  それだけで満足でした。

  意識をどうにか保とうとしつつ
  身動きできないわたくしは
  あなたの決断に、
  身を委ねるしか出来ません。 ]**
  

 
 
 
   私の、
しい……――ストル、
   どうか……生きて、繋いで……いって、くれ