人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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[犠牲者リスト]
或る日記帳

二日目

事件:楽観

本日の生存者:エーリク、ルーク、シュゼット、神置 穂村、メルキオール、楊 宇静、ミア、アーサー、七嵐 春生、花続木 弥、アロイス、渡辺 春嗣、雨宮 千夏、渡辺 入矢、五十鈴 雨音、相星 雪也、カミラ、少女以上18名

2020/05/21(Thu) 7:04:00

2020/05/21(Thu) 7:04:14

兄 エーリクは、メモを貼った。
(a0) 2020/05/21(Thu) 8:46:22

イタズラ娘 カミラは、メモを貼った。
(a1) 2020/05/21(Thu) 8:47:39

【人】 赤の騎士 アロイス

[問いを投げかけたと思ったら本を渡されていた。
……な、何を言っているのか分からないだろうが、俺にも何を言われたのか分からなかった……

何でもないようなちっぽけな疑問だったはずのそれは、その"返答"によって、本格的に分からなくなってしまった。その上、口を挟む暇さえ与えぬと言わんばかりに淡々と語られる言葉の数々。俺の首と脳みそはぐらぐらと揺れて捥げそうだ。]

機嫌が良ければ……?
本に機嫌なんてあるのか?

……つーかこれ、なんだ?

[押し付けられるように渡された"それ"は、俺によく似た真っ赤な装丁の本だった。押すな、と言われれば押したくなるのが人の性である。表紙を捲ろうと反射的に伸ばした手は彼女の鋭い視線によって遮られてしまった。]
(0) 2020/05/21(Thu) 8:52:25

【人】 赤の騎士 アロイス

[メルキオールと別れ、宿屋に着くと真っ先に表紙を捲っていた。
彼女の意図は分からないが、謎に包まれたこの本に好奇心が抑えきれなかったのである。

表紙を捲ると、飛び込んできたその頁には……と書かれていた。
当然のように読みものかと思ったそれは、この1頁を除いてすべて白紙であった。どうやらこの本は読みものではなく"書くもの"らしい。

不思議に思いながらも、誰かの手によって書かれたその文言に、気づけば俺は筆を取っていたのだった。]
(1) 2020/05/21(Thu) 8:54:32

【人】 赤の騎士 アロイス

[翌朝、目が覚めるといつものように空き地へ……ではなく、その足はギルド内の小さな商店へと向かっていた。
目的は研磨用布の調達。昨日の大量討伐で愛用する剣の切れ味が落ちてしまっていたのだ。]

おじちゃん。ケンピカひとつ。

[昨日の報酬で銭袋はぱんぱんだった。対照に、昨晩夕飯を食べ損ねたせいでカラダは空腹を訴えている。これを研いたら何を食べようかと思考を巡らせながら広場へと向かった。]*
(2) 2020/05/21(Thu) 8:59:54
赤の騎士 アロイスは、メモを貼った。
(a2) 2020/05/21(Thu) 9:03:40

【人】 数学教師 渡辺 春嗣

 
[家に帰ると、和風出汁が香った。
 家事は自然に分担していた。
 自分が朝食の支度と掃除とゴミ捨て。
 姪が夕食の支度と弁当。
 洗濯はそれぞれ自分のものを。
 十年も一緒にいると、姪だったか娘だったか
 判らなくなるときがある。
 何か欠けているらしい己は
 誰かと愛し合った記憶はないのだが。]
 
(3) 2020/05/21(Thu) 9:46:17

【人】 数学教師 渡辺 春嗣

 


    いただきます……おでん、うまいな


[手を合わせてから食事をいただきつつ
 感想を漏らすと、姪はご機嫌そうに笑う。
 他人と共同生活するに当たって
 ちょっと時期にあってないね、だとかの
 無粋な発言はしないに限るとすっかり学習済みだ。
 やって貰えるのはありがたいことだし。]
 
(4) 2020/05/21(Thu) 9:46:21

【人】 数学教師 渡辺 春嗣

 
[姪が、明日は遅いかと訊ねてきた。

 明日。
 彼女の誕生日はもう過ぎたし
 特別な日ではない筈だ。

 ただの、金曜日。]



    ……ん。遅いと思うが



[どうやら、友人を家に呼びたいらしい。

 気恥ずかしいのか、贔屓云々言われたくないのか、
 自分が叔父で保護者であることは絶対に秘密だと
 耳にタコが出来るくらい聞かされてきた。
 家に友達を招くなど以ての外の筈だったが

 その子のことは、特別らしい。]
 
(5) 2020/05/21(Thu) 9:46:26

【人】 数学教師 渡辺 春嗣

 
[姪は少々厄介な性格をしているので
 親しい友人が出来たことはうれしい。]



    家に呼んで構わない
    仲良く遊びなさい



[定期的に掃除はしているから
 反対する理由もない。
 ズズ、と出汁を啜った。*]
 
(6) 2020/05/21(Thu) 9:46:31

【人】 女子高生 渡辺 入矢

 
    
── 2日目 お昼! ──


[起立、礼。
 4時限目終了の挨拶が終わるなり
 弁当を鞄から出して、抱えて走る。

 上履きの底をキュッと鳴らして
 扉の前でしんこきゅー。
 すりー、つー、……ガラッ!]



    
チカっ お昼たべよっ




[ずかずか、真っ直ぐにチカの席へ。
 チカに声を掛けようとしてたのかしら?
 彼女のそばにいた子たちは
 「失礼〜」と笑顔で牽制して散らした。

 チカは私のよ!]
 
(7) 2020/05/21(Thu) 16:12:38

【人】 女子高生 渡辺 入矢

 
[「借りるねー」と図々しく
 隣の席の子の椅子を奪って
 チカの机の横につけて腰掛けた。

 当然のようにチカの机で弁当を広げる。
 そうしつつ、チカに嫌がられないかな……って
 内心はビクビクしてたりするけど。

 受け入れて貰えて、
 ホッとしながら箸を握った。]
 
(8) 2020/05/21(Thu) 16:13:05

【人】 女子高生 渡辺 入矢

 
[チカは今日はコンビニで買ってきたみたい。
 サンドイッチ、美味しいよね。
 私はフルーツサンドがすきだな。

 チカの500mlパックから甘い香りが香る。>>1:340



    あ、ホント良い匂い



[薄桃色の唇が一度咥えて
 そして、離された。

 そのストローの先をじっとみて
 いやいやヘンタイっぽいなと視線を逸らした。

 タッパーにおでんだけ突っ込んだ
 適当すぎるお弁当だけど、こんなんでも
 チカが偉いって褒めてくれるのは嬉しい。

 大根を箸で掴んで齧る。
 うん。不味くはない。]
 
(9) 2020/05/21(Thu) 16:14:38

【人】 女子高生 渡辺 入矢

 
[もっきゅもっきゅ。
 ほっぺたを膨らませて頬張る私に
 チカから、嬉しいお誘い。>>1:341
 嬉しくてつい、喉に詰まらせそうになった。]



    んぐぐっ……! ぷは

    もちろん、遊べる!
    チカの島、お邪魔する!

    てかさ、今日私の家、来ない?
    一旦家に帰ってゲーム機持っておいでよ
    何なら泊まってもいいからさ



[どう? って小首を傾げて訊ねた。
 箸を握る指先までトクトクと鼓動が鳴ってる。
 緊張するの、私らしくないんだけどな。**]
 
(10) 2020/05/21(Thu) 16:14:49

【人】 軍医 ルーク

 ―― 
明け方の見張り台
 ――

[ 通信機の解析は、順調に進んでいたようだった。
 途中までは。
 あの重みの大半は外殻である箱のものだった。
 内部が破壊されないよう頑丈に作られていたためだろう。
 中から現れた部品は、驚くほどに小さく精巧だった。
 内部に記録の痕跡を発見し、
 色めき立った技術班の解析が止まったのは、
 その通信が暗号化されていたからだ。

 機械の解析はいつの間にやら数学の時間と化し
 (何故言語学ではなくて数学なのかは、
 専門外の自分には朧げに想像するのみだ)、
 役目を終えた自分は解放されて日々の業務に戻り、
 あの見張り台を漸く訪れることが出来たのは、
 箱が発見された翌々日の明け方のこと。

 慣れた道のりを、ぺんぎんと共に歩く。
 階段を上ってゆく。 
 前回は帰りがけに引き出しを開けたけれど、
 今回は最初から見張り台の机に向かった。
 見張りが離れているのを確認し、
 引き出しの中から赤い袋を取り出す。

 机の横にぺたんと腰を下ろして、
 タブレットを取り出しロックを開く。
 指の動きは最初は躊躇いがちに、
 動き始めてからは、逸るように早かった。]
(11) 2020/05/21(Thu) 19:45:09

【人】 軍医 ルーク

[ ノートのページはまた増えていた。
 いつものように、日付から始まる日記。
 一語一句目で追いながら、
 呼吸すら忘れるように真剣に読む。
 ぺんぎんは、画面を覗きこむことはしなかったけれど、
 羽根の一枚も動かすまいとでもいうように、
 口の前で羽をバツにして、しーっと静かにしていた。

 いくつかの箇所で、表情が動いた。
 気付いたことがいくつもある。
 それはまだひどくあやふやで、
 指を伸ばせば煙のように散ってしまいそうな、
 そんなとりとめもない感覚だ。

 例えば、そう、
 この日記の主は『通信機』という言葉を避けている。
 その暫く後で『通信をする』という言葉を使っている以上、
 『何か』と書かれた箇所に入る言葉は、
 文脈からしても、別のものであること自然だ。

 けれど、それが何を意味するのか、
 今は触れることなく、一度、タブレットから視線を上げる。]
(12) 2020/05/21(Thu) 19:46:45

【人】 軍医 ルーク

[ ゆっくりと、片手を伸ばす。
 いつも、大穴に向けてそうしているように。
 目を眇め、その先にある何かを見る。
 朝の光が差し込み始めた見張り台、
 淡く室内を照らす光の筋。
 舞い上がった小さな埃が、光に照らされて、
 ゆるやかに白く光る。
 
 さらに、その向こうを見る。
 誰かの後姿が見えるような気がした。
 凍えるような寒さの中、
 何処までも続く白い景色を、
 たった一人歩いてゆく人影だ。]


  ……、


[ 言葉から思い描くことしかできない、その景色が、
 『どの場所』のものであるのか。
 自分はきっと、気づきかけている。
 その白い景色に足を踏み入れたとしても、
 この足は、きっとまともに動かない。

 ――… けれど、
 
 伸ばした手を握り込み、下ろす。]
(13) 2020/05/21(Thu) 19:48:35

【人】 軍医 ルーク

[ 傍らのぺんぎんに向けて、首を傾げた。]


  息まで止めてるような、顔してる。
  窒息するぞ?

  
[ ぺんぎんはそう言われて目をくりくりさせて、
 ぷはー、と深呼吸した。
 そういえば、此奴らは基本的には寒冷地仕様で、
 この世界のどこでも活動できるように、
 幅広く適応可能な造りになっているようだ。
 
 きっと、いくつものことに、自分は気付き始めている。
 何かの前で立ち竦んでいる。
 けれど、このタブレットを閉じて、
 何もかも見なかったことにして立ち去るのは、
 最早選択肢すら思いつかないことだった。

 ノートのページを改め、指を滑らせて行く。]*
(14) 2020/05/21(Thu) 19:50:09
[ 気付くことは多かった。
 夢の中の“誰か”が兵士であろうということは、
 二度目の日記で確信していた。
 抑々この見張り台に置いてあるという時点で、
 その可能性は高かったけれど、
 二度目の日記には『日々の仕事や訓練』とあったのだ。
 
 夢の中、そのひとは“左手”で白い何かに触れた。
 左利きなのだろうか、あるいは、右手に何かを持っていた?
 それとも、もっと何か他の理由。

 持っていた“何か”を口元に当て、
 誰かに報告をしたみたいだと言いながら、
 その暫く後に、遠くの誰かと『通信』をしていたり、と
 自ら書いている。
 通信をしていると知りながら、日記には“何か”と記していた。

 自分が本当に優しい人かは分からない、と語る。
 自分のことは自分では分からないものだ――
 という意味にも見える。
 けれど、“人”。
 どこか、自身を遠くに見ているような、
 まるで、もう一人の誰かを見ているかのような言い回し。]

[ そして、自分自身の話をしようとしても
 “話せることがなにもない”と。
 人に話せるような出来事がなかったと解釈するには、
 何処か、違和のある言い回し。
 
 ――…
 相手が誰かを探ろうと考えているわけではなくて、
 ただ、一語一句逃さず読もうと思えば、
 自然と目に入ってしまうことだ。
 そう、そして]


  “残した記録を誰かが見てくれるのなら”……


[ やはりこのひとは、自分の残した記録を、
 あとでゆっくりと見直すような心持で
 日記を書いているのではない。
 そのように、直感する。
 胸に手を当てる。
 騒めきが、どうしようもないほどに膨れ上がって、
 その正体も、やり過ごし方も分からない。
 血が出るほどに強く、唇を噛みしめた。]

あなたへ

 夢の話を聞かせてくれて、ありがとうございます。
 白い大地の話、何かの結晶の話。
 聞いたこともない、景色の話。
 人が住めなくなった土地を調査して歩いている――
 聞かせてくれたお話からは、そのような光景に思えました。

 その白いものはなんだろうと、考えてみて。
 以前お話ししたあの本では、
 『ほし』のある場所から落ちてくる
 『あめ』というものがあるのを思い出しました。
 食べる方の、ではなくて。
 水の雫なのだと言います。

 その夢の中では、『以前の記録よりも極寒』と
 報告されていたようですので、
 もしかしたら、落ちてくる水が、
 寒い土地では氷に近い形になるのではと。
 あまり根拠はない想像ですが。

 氷を削ると、白い小さな欠片になる。 
 そうだ、氷菓子を思い出してみるといいかもしれません。
 細かく削った氷に、シロップをかけて食べるお菓子。
 以前見たときには白くてふわふわしていました。
 手に乗せれば、きっと溶けるでしょう。
 あれと似ては、いないでしょうか?

 (結局お菓子の話になってしまったようです、
  ごめんなさい)]

 氷の話よりも、もっとお話ししたいことがあったのに、
 直ぐに書き出す勇気が持てなくて、
 とりとめがなくなってしまいました。
 
 あなたの聞かせてくれた景色を、
 わたしなりに想像しています。
 もう誰も生きてはいない、酷く寒くてどこまでも白い、
 そんな景色の中を、歩いている自分を想像しました。

 きっとわたしは、一緒に歩くとしたら、
 ひどく足手纏いになって、迷惑をかけてしまいます。
 それでも、どうしても、
 そんな景色の中をひとりで行かせるのは、嫌です。

 残された日記を、ただ読み返しながら、
 ひとりで、ここにいるのも。
 
 だから、わたしが居ればきっと先に進む勇気が出ると、
 そう言ってくれて、わたしは嬉しかった。
 不思議な夢を見て、不安もあると思うのに、
 ごめんなさい、そんな風に、思ってしまいました。

 わたしの話も聞きたいと言ってくれて、ありがとう。
 けれど、わたしも、
 お話しできることは多くないかもしれません。
 どれも、楽しくなるような話ではないと思うから。

 でも一つだけ、お言葉に甘えて、伝えさせてください。
 わたしは以前事故に遭い、情緒面と感覚に異常があるようで、
 よく人を不快にさせてしまいます。
 元々の性格も、決して褒められたものではないのですが。
 (もし何か気に障ることをしてしまっていたら、
  ごめんなさい)
 それでも、本当に不思議なのですが、
 こうして文字を使ってお話ししていると、
 まるで昔のように、
 色々な感情を自覚できるような気がしています。
 
 あなたは、自分のことを
 優しい人かどうか分からないというけれど、
 わたしには、あなたの言葉は、やっぱり優しく聞こえます。
 話せることがなく、釣り合う話も出来そうにないと、
 そう言うけれど、
 もう、いくつも、貰っているものがあります。

【人】 軍医 ルーク

[ それは、ばらばらに砕け散った窓硝子を、
 目隠ししたままかき集めて、
 形を探ってゆくパズルのようなものだ。
 少しずつ、必死で、
 自身の中にある何かを探して結い合わせてゆく。

 ――… 時折、指が鍵盤に触れて、音を鳴らす。
 そうして、自身が感じていることを理解する。
 
 恐怖? 不安?
 けれど、違う、決してそれだけじゃない。
 しいて言うなら、これは、そう。
 “望み”。

 綴り終えた指は、少し震えて。
 タブレットを袋に戻し、大切に引き出しにしまう。
 日記の主は、このタブレットを大事にしてくれると、
 そう言っていた。
 自分も、そうしたい。
 これは、今はそのひとの物で、
 書き記した大切な記録だから。]*
(15) 2020/05/21(Thu) 20:01:39
軍医 ルークは、メモを貼った。
(a3) 2020/05/21(Thu) 20:21:24

【人】 軍医 ルーク

 ―― 
医務室
 ――

[ 叩きつけられた机の上から、
 器具が床に落ちてがしゃりと音を立てる。
 椅子を巻き込んで転び、身を起こすのに少し時間がかかった。

 頬の痣の上、広く貼られた湿布の端に、
 刃渡りの広いナイフが突きつけられる。
 刃先が白い湿布を無造作にはぎ取れば、
 下にある青黒い痣の上に、 滑った刃が薄く傷を重ね、
 一筋開いた傷口から、少し間をおいて、
 ぷっくりと赤い血が球になって流れた。]


 『なあ、状況が分かってんのか?
  いいか、もう一度聞くぞ、
  “あのときあったことを、話せ”』


[ 怒りに我を忘れる寸前といった男の声は、どこか酷く冷えて、
 返答によっては何が起こるか分からない。
 けれども、まだだ。
 ひとはそうそう“思い切れる”わけでもないし、
 最後の一線を越えたなら、どのような処分を受けるのかを
 考える理性も残っているのだろう。
 突きつけられた刃先がぴくりとも揺らがないのは、
 やはり兵士だ。]
(16) 2020/05/21(Thu) 21:29:58

【人】 軍医 ルーク

 
   前にも言っただろう?
   好きに想像すればいいって。
   君にも分かりやすく説明すると、だ、
   この基地には機密レベルというものがあり、
   皆、それに応じて、
   目やら耳やら口やらを
   上手いこと動かしているものだ。
   君は手が滑りやすいようだから、
   耳と目くらいは言うことを聞かせておけ。


[ 間をおかずに返って来たのは、
 躊躇なく振るわれ、腹にめり込んだ拳の一撃。
 重い衝撃に視界が明滅し、痛みが遅れてやって来る。
 床に崩れて身体を折り、けほ、と咳き込む。
 腹の底からせりあがる吐き気をこらえきれず、
 けれど、また暫く飲み食いを忘れていた胃からは、
 何も吐き戻すものがなかった。
 身体が痙攣するように震え、起き上がれない。

 成程、以前は腹を殴るのを教えてやろうと思ったけれど、
 少しは考える頭があったのかどうか――、
 思考だけがそんな風に冷静で、身を折って蹲る。]
(17) 2020/05/21(Thu) 21:31:30

【人】 世界の中心 アーサー


[ ソファに沈んでからも、頬を揉んでいた。
  表情筋が悪いのだろうか。
  顔色が悪いのは、寝不足と日照不足と、
  ──生活習慣が悪い。

  随分と久しぶりに窓際に座っている。
  今日は晴れているから、居るだけで焼けそうだ。]


     ( 結局赤くなるばかりで、
          そう日焼けもしないのだけれど… )


     
(18) 2020/05/21(Thu) 21:31:47


  [ ──薔薇色は、薄く開けた窓を眺めている。
     遠くを見つめるような、 冷えた紅。]

 

【人】 軍医 ルーク

[ 次に衝撃があったのは、頭。
 ざり、と固い感触と衝撃。
 床に打ち付けられた頭がぐらりと揺れて痛み、
 踏みつけられたのだと知る。
 視界の片隅、横合いから飛び出してきたぺんぎんが、
 必死に男の足にしがみ付こうとする。]


  『何だ!?
   おい、邪魔するなって!』


[ 男は驚いた様子で足を振り、振りほどこうとするが、
 頑として離れない。
 ぺんぎんを蹴り飛ばすのには躊躇いを覚えるようだった。
 自分相手なら兎も角、何もしていないぺんぎんに
 暴力をふるうような、そういう性質の人間ではない――
 そういうことなのだろう、おそらく。

 それでも、逆上した相手が何をするか分からず、
 手を伸ばし、ぺんぎんを鷲掴みにして引き剥がし、
 戸口の方へ転がす。
 声は出せなかったが、
 にげろ、と、口の形だけではっきり告げた。]
(19) 2020/05/21(Thu) 21:33:20