[ 悪夢への問いに対しては
忘れたよと嘘ばかりを重ねる。
少年の諦観に男はいよいよ同情したが、
それをどうしてやればいいか分からず ]
これまでとこれからは違うだろう。
[ 彼にとって慰めとなるのかならぬのか
分からない台詞を口にした。
先程から彼は彼女と比較するような物言いばかり ]
誰だって自分勝手だ。
だから君が選んだ答えが未来を閉ざすものではない限り、
俺に君を責める権利はないよ。
気にかけてくれるのは嬉しいけどね。
[ 彼の言葉を知らぬふりする。
しかし隣に腰掛ける彼の白い首筋に
こくりと喉奥が嚥下させてしまった ]