人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

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視点:



「……そう。そうか
 もしそんな日々が、少しでも続くのならば」

──貴方が、此方の味方ある必要はない。
だが、そうであるのなら、それは


「きっと、嬉しい」

己の知りうる言葉で表現することが
できなかったたった一言を呟き。

貴方の番犬は目を細めた。

「……ならば、話そう」

包み隠さず告げよう。
それは、拙い言語で淡々と語られる。

「──おれが生まれたのも、下層の掃き溜めだったらしい」

記憶は曖昧だが、物心つくより幼かった。そして、これもまた、ひとに拾われた。趣味で魔術を嗜むような、裕福な魔術師だった。

その扱いは我が子というよりは"実験体"や"奴隷"だ
魔術の実験に使われる日々を送っていた。
成長すれば、実験体に使う為の人殺しなんかもさせられた。

──だが、奇妙なことに本人はそれに疑問を抱いていなかったようだった。
寧ろ"救われたから役に立ちたい"という。

しかしそんな日々も突然終わりを告げた。
自らの手で、その魔術師を殺めることによって。

──殺したくはなかった。だが、それが
"命令"だったから。そうしたのだという。


語られたのは本人の視点。真実はどうだったのだろう?


解放されたあとのほうが、苦労したのかもしれない。
皆も知る通り。居場所のなくなった野良犬ができること
といえば、冒険者くらいだった。

フェリックスは、エドゥアルトの耳をモフモフした。
(t1) 2021/12/18(Sat) 20:58:57