人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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視点:


 
[ 彼が先々代の蛍に殺された、という事は、会合等で大っぴらにされる事はなかったものの、
 秘されてはいない事であったから、当時の灯守りや蛍は知っていることであろう。 ]
 

 
[ さて、加えて、起こっていた“非常事態イレギュラー”がある。
 処暑の灯守りの『証』が、彼が死ぬ前に受け渡されていた事だ。
 ――職員が駆けつけた事切れた彼の隣に居た、彼に似た“私”に。
* ]
 

 

  「 “  ” 」



[ 私の名を呼ぶ彼の声が蘇る。
 他の人に名を呼ばれなければ、彼のその声が永遠になるのではないかと、
 そんな根拠のない、滑稽な事を考える。
 でもそれを信じて、縋って、私は名を伏せている。 ]

 

 
[ 先代処暑と親しかった者なら知っているかもしれない。
 彼が照れくさそうに話す“  大切な人”の存在を。** ]

 

─龍池紫明と小雪の兄妹─


「眞澄のような可愛くて良い子の傍で、か。
 お兄様が直々に言ってくれるとは。
 篠花紫明……字面も良い。悪くない提案だ。

 だ が 。

 俺が菴のことを「
お義兄様
」と呼ぶことになるのが問題だ。
 もう一つ。
 お前が去るならば、その提案は飲めないな。
 中央域の連中のストレスが減るのは喜ばしいことだが、
 その分俺や眞澄が苦労することになるだろう。」


[ 先代小雪である菴と紫明は、冗談を普通に交わす
 気心の知れた仲だった。
 勿論冗談だとはわかっていたが
 
 言われずとも彼に何かがあった時は
 代わりに眞澄の面倒を見る気概は当然備えていた。
]
 

 
 「お褒めの言葉どうも。
  君からそう言われたいと願う者は
  山ほど存在するだろうのに。
  これも無欲の勝利というものかな。
 
  だが、その言葉を聞いたら……と。」


[ 言葉尻が芝居がかかって聞こえるのは、
 隣に君の兄が居たからだが
 彼の表情が見えて、言葉が止まった。
 
 ──本気でショックを受けている顔だ、と。


 だが、頼られて悪い気はしないのは事実。
 灯守りとして初めての任務の時も、
 右から左まで徹底的にレクチャーした。
 彼女が初めての会合に出席した時は、
 見守る立場とはいえ、ほぼ心配はしていなかったのだ。

 ──眞澄なら大丈夫だろう、と。]
 

 
[ 兄から妹への別れの手紙を見せて貰った時
 普段見せることのない感情的な様子に、
 何も言えずただ黙って聞いていた。
 全てをぶち撒け、落ち着き始めた頃に漸く口を開き]


  「大丈夫、あいつのことだ。   
  『 眞澄に会えなくて寂しくて死んでしまう〜! 』
  とか言って、また戻ってくるさ。」


[ 気休めだけを吐いて微笑む。
 その後、彼女の気が済むまで、とことん付き合う気でいた。
 飲み明かしたか、話は続いたか、何処かに外出したか。
 それとも一人になりたい、と申し出があったか。
 後者ならば、意思を尊重し帰ることにした。

 「寂しければいつでも話は聞くから」と言い残して。]  
 

 
[ 灯守りを引退すると告げた時
 彼女は、止めることはしなかった。

 だが、一瞬口を噤んだ様子が見えて。
 紫明の意思を尊重する言葉を聞けたが
 祝福、背を押してくれるような感覚は感じられなかった。
 思い過ごし────では無いのだろう。

 
今思えば、眞澄は菴と紫明。
 二人の近しい灯守りに、似たような形で
 急に去られていたのだから
]


 「眞澄。
  君には本当に長い間、世話になった。
  君と、菴と過ごした日々は、楽しかった。
  ……済まない。菴との約束を守れなくて。
   
  君も、自分が幸せになることを、
  自分のことを一番に考えても、罰は当たらないと思う。 
  
  ……葵を頼む。」
 

 


 『 君は強く立派になったから。
   俺の助けはもう必要ないだろう。 』


[ 
そのような残酷な言葉は飲み込んで。

 
 あの時、姿を消した友のことを怨んだりもした。
 だが、まさか自分が似た道を歩むことになるなんて。
 同じようなことをして、苦しめることをするなんて。 ]



  ( ──人を幸せにするのは、難しいな。 )



[ 斯く男は女の前を去った。
 理由は、半分程度真実を伝えている

 何故このタイミングだったのか。
  ──数年前から決めていたこと。
 
 別れを惜しむ悲しい時間は、少ない方が良い。
 それだけの理由で、伝えるのが直前になっただけのこと。]

 

 
(  ああ、でも。
   自ら去ることを決めたというのに
   もうこの気の強い友の妹と会い、
   話が出来なくなるのは、少し惜しいが。)


         ……大丈夫。きっとどこかで会えるから。


 ( これは今生の別れでは無い。
   だから「さよなら」とは言っていないんだ。 ) *

 

【人】 中央域勤務 天乃

 
  え……?

  あ、い、いえ、これが私共の仕事ですから
  ……ですが、ありがとうございます。励みになります


[ 会合が終わっても灯守り様蛍様方が退席するまでは、しっかりと仕事の顔をしておかねばならない。
 しかし、皆が退出していく中で、菜虫化蝶の彼女に声を掛けられ>>7驚いてしまった。
 労いの言葉が温かい。疲労した精神に染みる。
 あくまで仕事であるが、気苦労を察してもらえたこと、それから己を認めてもらったような言葉に、感動してしまう。
 心からの感謝を述べ、一礼した。

 同僚、とは到底言えないが、蛍はまだ己らに近いものはあり、また灯守りと近い立場であるからか、灯守りと関わる苦悩というものも、共感してくれる者が多いような体感がある。
 ……小満様の蛍、蚕起食桑の彼姿が思い起こされる。
 退屈そうな小満様の隣で、積極的に発言する姿>>21
 彼が居てくれて本当に、本当に良かったと言わざるを得ない。
 時折見られる小満様へ不満をぶつける姿>>22は、共感と同情を覚える。
 小満の蛍といえば、麦秋至の彼女には好感が持てる。
 此方にも朗らかに挨拶をする姿>>0:395は清涼剤、というものである。]
 
(154) 2022/01/20(Thu) 2:39:43

【人】 中央域勤務 天乃

 
[ そんな己の元に、また近付いてきた者がいた。
 雨水の彼女である。手には……菓子の乗った皿>>30。]


  ……!?
  う、雨水サマ……!?

  …………そ、そこまで私共を気遣う必要はございませんので……!


[ マカロンに対し、え?という顔をしていると、雨水様に背を撫でられて更に驚いてしまった。
 あまりの行動に硬直する。
 一瞬の間を置いて、雨水様に、注意とも言える言葉を伝える。
 とはいえ、気遣い不要、とは、自分で言っていて虚しすぎるのだが。

 普通、他人の背中は撫でるものでもないと思う。“灯守り様”ならなおさら。
 これは己の考えであるし、彼女側の事情も何も知ることはないが。
 本当に、子供のようだ。やはり彼女も、普通の人間とは違うのかもしれない、と過る。]


  ……そんなに疲れたように見えていますか。申し訳ありません
  ですが、ありがとうございます


[ ……とはいえ、そういう他人を
(否、中央の職員を、かもしれない)
労える優しさは、どうかずっと持っていてほしいと思う。
 感謝を伝え、マカロンは有り難く頂くこととしよう。*]
 
(155) 2022/01/20(Thu) 2:40:35

【人】 中央域勤務 天乃

―― 会合前 ――


  に……っ! 逃げ……っ!?


[ 大寒様に声を掛けたものの、返ってきた答え>>131にはあからさまに困惑してしまっただろう。
 彼女が機嫌を損ねて今すぐ帰ってしまわぬように、の言葉であったが、逆効果であったかもしれない。
 こちらが何も言わずとも彼女は帰ってしまうかもしれないことは、思考が及んでいなかった。
 冗談であるとは到底思わないし、たちの悪い冗談だ。

 ……この灯守りも、対応が面倒な部類だな、と思う。
 否、普段は会合にも出ないのだから今更か……。]


  ………………ええ、お帰りの際で、問題ありませんので……


[ とはいえ今から、と言える勇気はなかった。
 あと、このやりとりで既に疲れ、気力もなかった、のもある。
]
 
(162) 2022/01/20(Thu) 3:07:41

【人】 中央域勤務 天乃

 
[ 前任大寒様の事は、細かく知る訳ではないが、資料には長く灯守りをやっていた事や、大寒の号を継ぐ家のことは記されていたように思う。
 しかしそこに伴う個人的感情等は記録されず、現大寒様がこうなってしまった訳も己が知ることはない。
]


  えっ
  わ、私がですか……!?

  そ、それは、その……
  時間的に……難しく……


[ その現大寒様が、難題をこちらに振ってきた>>132ため、また情けない声を上げてしまった。
 己は靴選びのセンスなどないのだが……否、それは今重要ではない。
 そう言われても、会合までに靴を選ぶ時間は無さそうであった。
 適当に選ぶ、や、執事やメイドに選ばせ自分が選んだと主張すれば良い、というのが出来ないのが、お堅いと言われる所以である。

 しかし己には、もうそれ以上言えなかった。

 一応執事やメイドに指示は出したが、彼女は言葉通り断っただろうか。
 もし会合に裸足で参加する姿を見たならば、内心頭を抱えただろう。
 これ、もしかしたら“灯守り様”に不便を強いた事による始末書ものだろうか、と……。

 会合が終わり、他の灯守りや蛍が何もしていないようならば、己が靴を持っていく事だろう。
 温かそう、という理由で、カフェオレのような色のふわふわした素材のブーツ(ムートンブーツ)である……。**]
 
(163) 2022/01/20(Thu) 3:09:32
中央域勤務 天乃は、メモを貼った。
(a30) 2022/01/20(Thu) 3:11:09

 ― ぼくのおはなし2 ―

[先代の雨水に出会ったのは引きこもってから何年かした頃。
 ある日突然、彼はやってきた。]


 「やっと見つけた。手間かかったな。悪かったな遅くなって。
  お前は今日から俺の後継者だ。

  大丈夫、悪いようにしないからついてこい」


流石に混乱した。

 でもお母さんが雨水様、と呼んで灯守りという存在くらいは知っていたぼくは目を丸くした。]


 こうけいしゃ……?
 どうしてぼくが?


[首を傾げた質問に彼はにっと笑って返した。]


 「俺もそろそろ引退時でな。
  なんでも溶かす能力者がいたって噂を探したんだよ。
  雨水の季節にぴったりじゃないか」


[ほれ、と手を差し出された。]

 


[─────唐突過ぎてよくわからなかった。

 でも、この手を取れば一人で引きこもっているこの状況を変える事が出来るんじゃないかって。それだけはわかったから。



      ぼくは、その手をとった。


 

 
[そこからはなかば強引に、ぼくは彼に引き取られた。
 お母さんが納得していたかは知らない。半ば拉致じみていたとかそういう話も広まったらしいし中央の人の頭痛のタネになった可能性は今にして思えば高い。

 蛍もいない彼の後継者候補が見つかったのは、悪い事じゃなかったんだろうけどさ。それでもね。


 ……それから数年。ぼくは言われるがままにお仕事やお勉強を教わって。しっかり一人で仕事を回せるよう教育を受けた。その当時の日々はぼくはまだ奥に引きこもりがちだったから他の灯守りと会う事はそうはなかった。
 当時は正直選ばれる意味すらもよくわからなかった。
 でも、いつまでも引きこもっていても仕方ないのはわかっていた。

 それに、ぼくが必要として貰える居場所を作れるのなら、嬉しい と

 少しずつぼくの心を溶かしてくれた彼の跡継ぎになりたいと
 段々とそう思うようなっていった─────。 ]**

 


 「──やぁ。ふむふむ、成る程成る程。
  君が紫明の話していた蛍さんだね。
  僕は"立春"の灯守り、蘭花。
  蘭の花と書いて蘭花。以後お見知りおきを。

  あはは! そう畏まらなくて良いよ、葵ちゃん。
  こんなに愛らしいお嬢さんなら大歓迎さ。

  甘い物は好きかい?
  ちょうど椿餅を作ったところでね、
  君さえ良ければ是非とも味見して
  忌憚のない感想を聴かせて欲しい。

  うん? 紫明の分? 
ないよ、そんなの。

  僕は料理は可愛い子の為にしかしないって決めてるんだ。

  僕の作るお菓子がどうしても食べたければ
  可愛らしく生まれ変わって出直してきてくれたまえ?」

 


[蘭の花びらのように滑らかな白い肌。
目鼻立ちのはっきりした華やかな美人。
涼やかな空色の髪は短く切り揃えられていて
一見して性別がどちらかはわからない。

春の陽射しを閉じ込めたような明るい色の瞳が、
挨拶に訪ねてきた少女を柔らかく見つめただろう。

自分が食べるより作って食べさせる方が好きで、
自分が喋るより話を聴く方が好き。
いつでも穏やかな笑みを絶やさない、とても優しい人だった。]

 


[私が師匠から立春を継承したのは
雪が徐々に解けて日々大地が目覚めゆく啓蟄の頃だった。

その年の立春の大役を終えた後、
祝福を受けた生命が活き活きと芽吹いていくのと相反して
師匠は──蘭花様は、目に見えて衰弱していった。

雨水の季節が終わる頃にはもう
身を起こすことも難しくなっていて、
黄鶯さんが付きっきりでお世話をしていた。
師匠の傍から離れたがらない私を引き剥がすように、
氷魚さんが私を連れて日々の業務を代行していた。

自分の弱っている姿を他の灯守りたちに見せたくない、と
師匠は最期まで頑なに元気な振りをしていたから
余程注意深く見ていなければ、師匠が弱っていたのは
亡くなる直前までわからなかっただろうと思う。

親しかったご友人の皆様や
近しく親交も深かった春の統治域を持つ皆様にさえ
「それじゃ、僕は念願叶って山奥に楽隠居するから
 愛弟子をよろしく頼んだよ☆」

なんていつもの調子で別れてから床に臥せられた。
報せが遅くなってしまったのは、
それが師匠の遺言だったからでもあった。]

 


 「そんなに悲しそうな顔をしないでおくれ、東風はるかぜちゃん。
  僕はもう十二分に生きた。
  そろそろ休みたいな、って、思っていたんだ。

  ……以前話した話、憶えているかな。

  僕らが司るのは"立春"、すべての始まりの暦……
  長く厳しい冬を越えて暖かな春を迎える
  希望を象徴する季節でもある。

  人が心折れてしまうのは希望を失くしたときだ。
  だからね、君は俯かないで。顔を上げて、前を向いて。
  どんなに辛いことがあっても笑顔を忘れないで。

  これからは、君自身が
  此処に住まう人々の希望になれるように。
  僕はいつだって君を見守っているよ。」

 


[そう言い遺して去っていった師匠の手前、
どんなに悲しくても、辛くても、淋しくても
少しでも気を抜くと泣いてしまいそうでも、
人前で泣くことだけは絶対に出来なかった。

だから、

何も言わずに葵ちゃんがただ私を抱きしめてくれた時に
それまで押し込めていた感情がぐちゃぐちゃに溢れ出て、

両目を酷く腫らしてしまったあの日の思い出は
二人だけの秘密にしておいて。]*
 

  
――小満と


 大人は紐の扱い方で
 その成長の仕方を察されると聴きました

 私はこどもなので
 その意味はまだぜんぜんわかりませんが
 フェイはどんどんと大人になっているのですね
 ぜひ大人のことを教えてください、ぱぱ。

[ つぶらな紅で小満を見上げるのも束の間
 きゅぅ…と 丸いボディは悲し気に身を丸めた ]

 ……。
 私だって いつでもあなたを待っているのですよ

 お口の達者なすけこましを想い
 長々し夜をひとりかも寝んしています…

[ この嘆きの丸みを癒すには
 もう一切ればかしのキッシュが必要だろう ]


  …くふふ。
  では 冬至の雪がとける頃に。
  フェイの料理で雪どけを祝います

[ 返すのは 一見不確かな社交辞令 ]

[ その意が もう百年以上も前から続く
 "冬至域の雪の一切が消える日"の頃である事
 小満ならば伝わると思っているし 伝わらぬならばそれはそれ ] *


[ 代りに、私もうっかりクッキーを焦がしまった折りに、
 あなたの先代の蛍に慰められたり、失敗作を食べてもらったりしたものよ、なんて話もしたでしょう。

 自分よりも経験の長い蛍たちに手伝ってもらって、
 灯守りの仕事に慣れた頃、だったかしら?
 彼等にカフェを開いてはどうか、と提案された、という話も。

 だから、あなたもなんでも言ってね、と*]

ーー先代の記録ーー


「お、義兄、様……! 君から、お義兄様………!
 いい響きだね! 義弟よ!」


[目に涙を湛え、呼吸困難になりそうなほど大笑いしている。
その冗談はツボに入るぐらいウケたらしい

可愛くて良い子? 半分僕が育てたようなもんだし、当然じゃない。]


「無・理♡」



[滅茶苦茶いい笑顔でさらっと何でもないように答えた。
これを本気と捉えるか、いつもの悪ふざけと捉えるかはおまかせモード。
言わずともやってくれるだろうとは思ってるけど、念の為。
肩の力を抜く的な意味では小満の君しんゆうがやってくれるだろうけど、
真面目なところは君に任せた方が円滑に進みそうだから。
兎も角、僕は言いたいことは伝えたからね!
]
 



 …………? どうかした?


[芝居がかったようにも思えるそれが中途半端に止まったのなら、何か変なものでもあったのだろうかと辺りをキョロキョロ。
兄が固まったせいだとは気付いていない

それが素の行動だからこそ、更に拍車をかけたわけだ。
後日、飲みながら気付いた紫明に

「小さい頃なんか
 僕と同じ灯りの器にしたいって言ってたのにいいい!
 なのに何で……何で……!!」

腹癒せに中央にダーツバーを設置するよう計画書書いてやるうううう!!
等とガチ泣きして絡んだわけだ。
中央に遊技場ができたかは、さて。


頼れる相手は他にもいたでしょうけれど、真っ先に思い浮かんだのは貴方だったものだから。
初の灯守りの仕事の時は、真っ先に彼の元へと飛んでいった。
無事完了したのなら、お礼とお詫びを兼ねて統治域内の酒でも持っていったかしら。]
 

 
[兄が出ていってからしばらくしてだったか。
彼が訪ねて来たときに、溜まっていた鬱憤を全て吐き出した
彼はただ、静かに聞いてくれていた。
傍にいてくれた、それだけで充分だった。
気休めでも、心遣いはありがたかった。
言いたいことを全て吐き、泣き疲れてぐったりしたころに。]


 ……付き合わせてごめんなさい。
 でも、もう大丈夫。落ち着いたわ。


[一人になりたかった。
これ以上、彼の時間を奪いたくなかった。

かけられた言葉を聞きながら、見送ったの。]
 

 
[そんなお世話になった人だから、葵のことを任せられたなら頷く以外の選択肢はなかった
祝福の言葉を掛けようとしてーー声にならなかった。

兄に比べれば挨拶の時間があるだけ、まだマシだと思うけど。
それでも
置いていかれることには変わりなくて。
]


 わかった。葵のことは任せて頂戴。
 私も楽しかったわ。


[彼の言い分はわかるもの。
新しい風を入れるなら、古いものは去らなければ。
古いものが残ったままでは、入れ替えても変わらない。
だから引き止めたりしない。
隠れた理由の存在には気付かないまま。


でも、もう少し早く言ってくれても良かったと思うの。
そうすれば、ゆっくり時間をかけて心の準備ができたのに。
……ねえ。]