人狼物語 三日月国


110 【身内】腐ったリンゴを元に戻すには【R18】

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視点:


【人】 麻央




   今日はいつもより飲み過ぎちゃったかも。
   でも愛衣ちゃんなら家でお水用意してるかなって、
   あんまり心配せずに来ちゃった。

   ね、何用意してくれてるの?
   俺もね愛衣ちゃんにいいもの用意してきたよ。



(27) 2021/11/22(Mon) 22:32:17

【人】 麻央




[ いつまでも玄関にいるのもよくないので
  麻央は靴を脱ぎ彼女が用意しているものが
  気になって、部屋の中へと押し進んだ。

  麻央が持ってきたいいものは、
  多分彼女に喜んでもらえるけれど、
  それを麻央が渡すのは、彼女が先日の提案に
  首を縦に振った時だけ。
  だから、渡す前に返事を聞こうとするだろう。  ]



(28) 2021/11/22(Mon) 22:32:47

【人】 麻央




   愛衣ちゃんの手、凄く気持ちがいいね。

   好きだな…ずっと触っていたい。




(29) 2021/11/22(Mon) 22:35:30

【人】 麻央




[ 撫でられた彼女の手を握り、
  麻央は彼女にべったりとくっついていた。

  酔ってしまったからか、
  何かを隠すためだったか。

  ケーキの存在を知れば彼女がどこまで献身的かと
  口を押さえて驚きを隠せず、
  嬉しそうな顔をするのだった。        ]*



(30) 2021/11/22(Mon) 22:36:03

【人】 愛衣


[ 家族のことは
話せなかった。


  話せるわけなんてなかった。>>20


  召使いのように掃除炊事洗濯、
  家のことは全てしていた。

  
  誕生日を祝われたのは遠い遠い過去のこと。
  蠟燭が三本立てられたケーキを朧気に覚えてて
  でも、記憶の中のケーキの蝋燭の本数は
  ずっと、ずぅっと増えはしなかったの。



  愛なんて欠片も貰えなかった。
  愛なんて夢の中だけのものだった。



  それでも、“あの日”までは。
  家族ではない誰かから愛を貰える日が来るって
  何にもない私が唯一持ち得るものを
  愛する人に捧げる日が来るって、
信じてたのに。 ]

  
(31) 2021/11/23(Tue) 23:26:11


[ それすら、“あの日”踏み躙られたから。
  

          もう、守るべきものがなかった。 ]


  

【人】 愛衣


[ お互いに話さない。
  私が家族のことを話せないのに
  麻央くんは?なんて聞けなかった。

  聞いたところで、幸せな家庭の話をされたら?

  反応に困ってしまうのは明白だったから。
  聞けるわけ、ないでしょう?


  
それに。夢で現実の話するなんて無粋。

          何も、間違ってないでしょう? ]
  
(32) 2021/11/23(Tue) 23:28:24

【人】 愛衣

──────

[ 労わられているようにしか感じていない。
  それがただのサービスだとは思っていない。

  
だから、愛情には、愛情を。


  手料理なんて、と言われたら
  どうしようと最初だけは怯えていた。
  認められたことがなかったから。

  でも、美味しいと何度も言われれば
  献身的に、何度でも。
  求められるままに作っていた。
  材料費とお礼を込めたお金は
  受け取るか迷って、受け取った分、
  心を込めて料理で返していた。

      好きな人のために、何かをする時間は
      今まで感じたことないほど幸せだった。 ]

  
(33) 2021/11/23(Tue) 23:29:00

【人】 愛衣


[ 恋人だって、本気で信じてるのは私だけ。

  
  本当に恋人だったなら
  お金なんて要らないはずなのに。


          愛を与えられなかったから
           愛の定義が歪んでしまう。 ]

  
(34) 2021/11/23(Tue) 23:29:48


[ 高校生の頃。

        お金のために、春を売った。
        一度や二度でなく、何度も。


  大切に守りたかったものを奪われた。
  花は手折られて、花弁はちぎられて
  蜜は余すことなく啜られて。

           

          愛なんて、そこにはなかった。 ]


  



[ 大事に大事にするべきものを
  それだけは奪われたくなかったものを

  わたしはあのひ、うしなってしまった。 ]


  


[ 終わった後、ひとりになっても

  涙なんて出てこなかった。

  本当に絶望したとき、涙なんて出てこないんだ

  そう、実感した瞬間。 ]

  




[ こんな私を愛してくれる人なんて……。 ]



  



[ だから、彼がそういうのなら。
  
  稼いだお金を渡して
“あいして”
くれるなら。

  もう、失うもの何一つ持ち合わせていないから。 ]

  

【人】 愛衣


[ お金をもっと作ろうとする行為を、
  その選択肢を選んでしまうことを、
  あまりに愚かな選択だと、
  止めてくれる人なんていなかった。


  ううん、本当はいたかもしれない。
  でも、その声はもう、届かない。  ]

  
(35) 2021/11/23(Tue) 23:34:11

【人】 愛衣

──────


[ 玄関から部屋へと招き入れれば
  机の上に置いてあった水をちらりと見て。
  
  彼が話す、いいもの、の内容が気になった。 ]


   いいもの?それって……?


[ その正体を知る前に。
  先日の提案の答えをせがまれる。

             
私の答えは―――――。 ]


  
(36) 2021/11/23(Tue) 23:35:18

【人】 愛衣


[ 普通なら承諾なんてしてはいけないのに。
  承服しがたいことのはずなのに。

  
それでも応えたのは、王子様の、ためだから。 ]



   すき……?

   
わたしもね、麻央くんのこと好きだよ。



[ やわらかな身体を押し付けるように
  くっついて、愛をもっと確かめようと。

  背伸びして、ケーキを用意してるの、と
  囁けば、嬉しそうな反応が返ってきて。

  柔らかく微笑んで、今食べる?と
  聞いてみれば、どんな反応だっただろう。 ]*
  
(37) 2021/11/23(Tue) 23:36:24