[電話の向こうの気配に、志麻が体勢を変えたのだと察する。
見えないところを想像する力も培われた気がする。
その内本当にエスパーになれるかもしれない。]
好きだよ。
志麻の気持ちより小さく思えてたなら
俺の伝達不足だな。
いつも志麻との電話を切ったら
その声を思い出して抜くし、
朝起きてキス出来ないのが恋しくて
朝から抱き合った日のことを思い出して抜くし。
ずっと志麻のことを考えてる。
[志麻は意趣返しの心算だったのかもしれないが
己は彼への恋心に関しては素直なので
肯定どころか想定の倍以上の言葉を尽くして愛を謳う。
志麻、と呼ぶ度に熱が籠る。
彼の名を呼ぶ度に己はずっと「すき」を重ねている。]