人狼物語 三日月国


221 Pledge ~sugar days~

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[話し始めの電話口の声は少し萎れていたけれど、
 格好つけていたいぐらいには余力があることに
 小さく安堵の息を漏らした。

 いつかも言っていたもっと惚れて欲しいという
 威優の向上心は今も続いているようで。]


  弱いところ見たって嫌いにならないよ。
  寧ろそういうところ見せられる相手じゃないと、
  一緒になれないだろ?


[顔が見えない分、いつものようにつっかえずに
 そんな言葉もすらすらと言えた。
 一週間離れている分だけ、甘くなってしまう。]

 
  ……オレだって見たいよ。
  どんな顔だって
  オレの、
すきになったひと
だから……。


[すき、の部分だけはやっぱりどうしても。
 素面のままじゃ口籠ってしまうけれど。]


  ……そんなに見たいなら、
  かわいーいキス顔でも送ってあげるよ。


[自身の言葉に可笑しそうに肩を揺らして笑い、
 雑誌に威優にリップノイズ付きのキスを送った。]

[笑い声を含ませつつも、耳は彼の声を拾おうと
 意識がスピーカーに向かっていたままだったから。
 直截なリクエストに僅かに心臓が跳ねた。

 それだけでなく、自慰の自己申告まで告げられる。
 自分で尋ねておきながら、
 具体的に自身の痴態を生々しく説明されて
 思わず言葉に詰まってしまった。]


  ッ、……よく見てるじゃん……、


[話し声に微かに熱が籠もっている。
 電話じゃ温度なんて伝わらないはずなのに、
 零れた溜息は電話口から感染ってしまったように、熱い。]

[スマホの画面を弄って、ハンズフリーに切り替えた。 
 寝転がった顔の横にスマホを投げ出して、
 威優の声だけを聞く。]


  ……シたら、顔が見たくなるから、シてない。
   

[少し拗ねたような声で呟いて。]



  けど、
……今のでシたくなった……




[ぽそり、と音を繋いで、自身の指を口元へ運んで
 人差し指の爪先をかり、と喰む。]




  ね、威優が、教えて……?
  オレの……好きなとこ。



[甘く、ベッドでねだるような声で囁いて指示を乞う。**]

[日常的に刺激物を摂取している人は
耐性が出来てその内その刺激を感じなくなると言う。

薬でも常用していると効かなくなってくると聞く。

味覚や免疫と同じように、セックスで感じる快感も
その内鈍ってしまうのだろうか。

志麻が感じなくなる日が来るのが怖いから
隙あらば様々な方法で彼の性感を引き出したいと
思っているのだけれど。]


 ガレット風にするのはライスペーパーよりも
 ふつうの春巻きの皮の方が厚みもあるし曲げやすい
 気がする。
 試すのが楽しみだな。


[性生活だけではなく、
普段の生活を共にするパートナーとしても
「一緒にできる」ことを増やして飽きられないようにしたい。]



 「志麻になら弱ってる自分を曝け出せる」のと同時
 「志麻だけにはかっこいいところだけ見ててほしい」って
 思うんだよ。
 矛盾してるってわかってるんだけど。


[フォローの言葉が柔らかく届く。
電話の向こうの志麻の表情を想った。

何せ最初に無茶をして自ら怪我を負ってまで執着し
必死に追いかけた姿を晒しているのだ。
疲れてクマが出来た顔を見たところで幻滅するような
人ではないと確信している。

だからこれは単なる見栄だ。]

[志麻の言葉に瞬時に霧散してしまう程の、見栄。]


 
っ……

 待って、もう一回言って?!

 キス顔も勿論見たいけど、
 俺のこと「好き」って思いながら
 「すき」って単語口に出してる志麻が見たい。


[口籠る志麻に対して思わず早口になる。
電話越しに聞くリップノイズだけで震える程興奮する。]


 〜〜〜〜〜どうしてそんな可愛いかなぁ。

 一人でシたら顔が見たくなるって……
 俺のことすごい好きじゃないか……


[もしかして己の造形は彼の好みに合致しているのか。
それとも好きになった相手の顔だから恋しいのか。

どちらでも構わない。
志麻が求めてくれるなら。]



 志麻、カメラをオンに出来る?
 下の方にあるの押したらインカメラで志麻の顔が映るから。

 弄ってるところも映して。

 志麻は「自分の状態を言葉にされる」のが好きだからね。


[教えて、と言われたから、指示は送る。
その通りに動くところが、動く時の志麻の反応が見たい。

ビデオ通話を開始したら、疲れが色濃く残るものの、
興奮に瞳をギラつかせた己の顔がワイプで画面上に表示されるだろう。*]

[刺激に慣れてくると感覚が慣れてくるというのは、
 味覚の話でもよくある話。
 免疫ができてしまえば鈍くなるのは
 もちろん志麻にも現れる現象ではあるけれど。

 威優との触れ合いは何度味わっても
 新鮮な気分で居られるし、逆に慣れてきたからこそ
 出来るようになったこともある。
 
 「すき」と言葉にするようになったのも、
 威優の影響があってこその成長だ。

 身体の方は寧ろ快感に鈍くなるどころか、
 余計に敏感になった気がする。
 触れられたことのない場所を威優が見つける度に、
 志麻の方が驚かされている。]


  そうなんだ?
  家でガレットって作ったことないな。
  
  威優が戻ってきてから調べよっか。


[威優がよく触れる自身の指を掲げてみる。
 指の間の水掻きも性感帯だと覚えされられたのは、
 彼が出張に旅立つ前のこと。

 先に調べておくことも考えたけれど、
 「一緒に」というなら互いに歩幅を合わせて。]

[弱いところよりも格好いいところを見てて欲しい。
 その気持ちは理解らなくもないから、
 威優の反応には、くすりと微笑って頷いた。]


  うん、じゃあ格好いいところ見せて。

  
[格好良くても、そうじゃなくても。
 愛おしく思う気持ちは変わらないけれど。
 自身のために格好良くありたいと、
 思っていてくれる気持ちは尊重したい。

 既にそういうところが格好いいと思っていることは、
 戻ってきてから直接伝えることにして。]

[そうしたら、裏返ったような声が届いたから、
 思わず吹き出してしまった。]


  っはは、だぁめ。
  一度しか言わなーい。

  それに「すき」って言ってる口も、
  キス顔と同じ口してるよ。


[格好いいより先に可愛い素振りを見せられて、
 目尻が下がった。
 手元の雑誌の表紙を飾っている表情は
 隙のない大人の顔をしているのに。
 今は電話の向こうで、口早になっているのが可笑しくて。

 まだレンズを向けた訳でもないのに、
 雑誌に向かって、「んー」と唇を尖らせる。]

[声を聞きながら写真を見ていると、
 今にも写真が動き出しそうなのに、止まったまま。
 ころんと、寝返りを打つ。
 
 貰った浴衣は今でも活躍中だ。
 だけど、着ているのは自分のものではなく、
 少しサイズの大きい威優のもの。
 寝返りを打てば、浴衣がスリットのように捲れる。]


  ふふっ、どっちが。

  オレのこと考えながらシてる威優のほうが、
  オレのことよっぽど好きじゃん?


[妙なところで張り合ってしまう対抗心。
 先程の素直さがすぐにひっくり返ってしまう。]

[素直さで言うなら威優の方がよっぽど素直だろう。
 こうして、慾をぶつけてくるところも。]

 
  カメラ?
  どれだ、……これ、あ、こっち?


[スピーカーから聞こえたキーワードに瞬き、
 仰向けに寝転がりながら、スマホを手に取った。
 インカメラの機能があることをすっかり忘れていた。
 画面をタップすれば、液晶が切り替わる。

 一瞬操作方法を間違え、
 外角カメラになったレンズが天井を移し、
 言われたボタンを押してインカメラに切り替えたら、
 ベッドに寝転がっている自身と、
 傍らに広がっている雑誌と写真集が映り込むだろう。]


  ……オレ映ってる?
  こっちは、えっちな顔したクマさんが映ってる。

 
[こんな便利な機能があれば早々に使っていればよかった。
 冗談交じりに顔色の様子を指摘しながらも、
 その瞳が慾を称えているのが分かれば、こくんと喉が鳴って。]

 
 
  ン……、
  威優にえっちなこと言われるの、すき。


[一週間ぶりに見た威優の顔に表情が緩んで。

 片手でスマホの角度を調整しながら、
 空いた片手で浴衣の襟元をするりと広げ、
 日に焼けていない胸元と、凹みを晒して。**]

田臥 志麻は、メモを貼った。
(a0) 2023/08/25(Fri) 2:16:11

[志麻と番になってからこんなに長く離れるのは初めてで、
実際思った以上に精神疲労を感じているけれど、
離れてみないとわからなかったこともある。

例えば、スマホひとつで調べられる料理のことを
2週間も取り置いてくれる志麻の懐の大きさだとか、

電話口で己の言動に対して柔らかく笑ってくれる声色が
慈愛に満ちているところとか、

「すきになったひと」と声を小さくしたのも束の間、
あしらう時の「すき」は臆面もなく言える小悪魔ぶりとか、

物理的距離が離れていて、肌を感じられない分、
他の要素から好意の気配を読み取りたい己の必死さも。]

[電話の向こうの気配に、志麻が体勢を変えたのだと察する。
見えないところを想像する力も培われた気がする。
その内本当にエスパーになれるかもしれない。]


 好きだよ。
 志麻の気持ちより小さく思えてたなら
 俺の伝達不足だな。

 いつも志麻との電話を切ったら
 その声を思い出して抜くし、
 
 朝起きてキス出来ないのが恋しくて
 朝から抱き合った日のことを思い出して抜くし。

 ずっと志麻のことを考えてる。


[志麻は意趣返しの心算だったのかもしれないが
己は彼への恋心に関しては素直なので
肯定どころか想定の倍以上の言葉を尽くして愛を謳う。

志麻、と呼ぶ度に熱が籠る。

彼の名を呼ぶ度に己はずっと「すき」を重ねている。]

[カメラが映したのは自宅の天井。

長期の留守だから、この機会に実家や住民票がまだ残る
マンションで寝ても良いのに、広い家で己の気配を感じながら
眠りたいのだろうかと思えば嬉しさで胸がくすぐったい。

切り替わった映像では、リラックスした表情の志麻の背景に
己が渡した写真集などが映り込んでいる。]


 映ってる。
 さっきキスしたみたいな声してたの、
 写真の俺宛だった?


[狼ではなく「クマさん」と言われる程に
己の目の下は窪んでいるのか。
揶揄に変えてくれる明るさにホッとする。

己だけ昂って、返ってくるのが本気の心配だと
どうにも居た堪れないから。]



 うん、やっぱり顔が見えるのは良いな。
 声も好きだけど、顔も好きだからね。

 ……胸、まだ隠れてるか。
 指入れてみて。
 窪みの中で乳首がどうなってるか教えて?


[触るなら、彼が好きな胸から。
浴衣からチラリと覗く肌が眩しくて喉を鳴らした。*]

大守 威優は、メモを貼った。
(a1) 2023/08/25(Fri) 20:49:42

[普段近くに居ることが多いから、
 近くに居れば居るほど触れたくなって、
 いつも隙間を埋めるように抱き合っていた。

 もちろん、互いに疲れ果てたときは、
 ただくっつきあって眠るだけのときもあったけれど。

 ベッドの上でも愛を情熱的に語る威優は、
 電話の向こうだと少し覇気がなくて可愛らしい。

 それでも離れている距離など感じないくらいに
 好意を、愛情を注いでくれる。

 遠距離恋愛なんてしたこともないけれど、
 威優とならそれすらも乗り越えられそうだ。

 ……なんて。
 一週間で愚痴っていたとは思えないぐらいに
 電話一つで浮かれてしまう程、溺れている。]

[ほら、また一つ。
 好きという告白が耳に心地よく響く。

 拗ねるのではなく、更に想いを膨らませて
 伝えられる想いの数に面映ゆくなる。

 今電話している上で、そんなことを言われたら
 ついその姿を想像してしまうのは仕方がないのでは。
 あけすけな告白に頬を朱に染めて
 大げさな咳払いをしつつ、狼狽えている様子を隠そうと。]


  ……絶倫め。

  
      
そんな声で呼ばれたら、伝染る。



[音声は繋がっていても温度は繋がらない。
 だけど、確かに頬に、下腹に、火照りが浮かぶ。
 まるで見えない糸で、威優と繋がっているみたいに。]

[広い部屋を一人で使うのは寂しいけれど、
 威優の匂いがしない場所のほうが切なくなるから。
 少しでも威優の存在を感じていたくて、
 居ない間は彼のものを傍に置きたがった。

 写真の話になれば、そう。と微笑って頷いて。
 雑誌の横に並んで映り。]


  でも、写真じゃ反応してくれないから、
  寂しくて泣いちゃう。

  舌も入れられないし。


[くすくすと笑いながらもう一度、雑誌の威優にキスを送る。
 寂しいと言いながらもリアルな表情が見えている分、
 声は先程よりはしゃいでしまって。]

[だから、威優も同じ感想を漏らしたことが嬉しい。]


  ん、声だけでも安心したけど、
  顔が見えると、距離が近く感じる。


[見えているのに触れられなくて、
 思わず、指先で画面を撫でてしまう。

 画面の向こうの威優がベッドに居る時みたいに
 妖艶な笑みを浮かべて、舌なめずりしているみたいで
 ぞくりと、背筋が伸びた。]


  ……ン、まだ触れたばっかり、だから。
  中に埋まってる……、



[片手でアングルを調整しながら、
 胸元が映り込むように手を伸ばして。
 反対の手で、凹みの中を探るように爪で押し潰し。]

  

  
ぁ、……んッ、

  ちょっとだけ、なかで、ぷくってした……、


[は、と零れ落ちる吐息に色がつく。
 伏せた瞼が微かに震えるのも、威優に視られている。*]

[志麻以外とはもう恋にならないから
志麻と離れ離れになるのならそれは遠距離恋愛という
ことになるのだろうが、遠距離恋愛そのものに
己は耐えきれる気がしない。

ありとあらゆる手段を使ってでも
傍に居る方法を掴み取るだろう。

今回だって、3週間だからまだ耐えられたが
もう少し長ければ志麻に会社を辞めて貰って
付いてきてほしいと懇願していたかもしれない。]

[元々性欲は強く、一回では収まらないことが多かったが
絶倫だと思ったことはなく言われたこともない。]


 志麻限定だよ。
 伝染ってほしいって思ってるのが通じたかな。

 だって俺だけ欲しくて熱を持て余してるなんて
 寂しいじゃないか。


[自ら熱が上がらないのなら、無理矢理にでも
同じ景色を見せたい。
傲慢な自覚はある。
その傲慢な男の番になってしまったのだ。
諦めてほしい。]



 流石に大守の技術と財力をもってしても
 写真にそんな機能はつけられないな。

 口の中が寂しいなら、前に俺がしたように
 指を入れて掻き混ぜてみたらどうだ?
 上顎の窪んだところとか、舌の横のあたりとか、
 志麻の悦い場所を、

     ……本当は俺が気持ち悦くしてやりたい、けど。


[画面の向こうに向かって舌を伸ばす。
届かないのが悔しくて、思わず溜息を吐いた。

顔を見られて嬉しい反面、
すぐそこにいるかのように解像度の高い映像に触れても
「本人」の感触には程遠いことが寂しい。]

[だからせめて届く情報だけは余すところなく堪能したい。
胸を弄る実況に鼻息を荒くして、手を己の下肢に伸ばした。]


 続けて。
 両方一度にしたかったらスマホを置いて
 上から覗き込むみたいな格好で。

 ……っ、志麻を見ながら俺も、
 オナニーしてる。


[志麻の感じている顔を見ているだけでも
充分興奮する。
育てた剛直を彼の中にぶち込めないのが
物足りなくて仕方がない。]