人狼物語 三日月国


74 五月うさぎのカーテンコール

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う、え…


[腕の先に触れる気配にビクっと体が固まった。
伝わってくる体温。
光が飛びながら強さを増すみたいに、指先に灯った熱が腕を通って身体中を走っていく。]


あ、あの。



[覚えてる、と聞いて丸く開いた眼が、忘れてた、には下を向いていた。

でも日記に書かれるほどには印象深かった?いやそれは、そうだろう。普通は。]

[振り払えないからそのままの姿勢で身動きできない。]


ただの、迷子デス、よ。お腹すいて動けなくて……


[安堵、どころか緊張する。
赤い頬を隠すみたいに下を向いたまま。]


日本に久しぶりに帰ってきたんです。一人で。
それで、頼りにするはずの親戚の家が、わからなくなって……お金もギリギリしかないし。


[親の仕事でしばらく海外にいたこと、
この国の高校に入りたくて単身帰国したこと。
地方の地元まではヒッチハイクかバスで帰るつもりだったこと。
泊めてもらうアテはあったけど、特別親しいわけじゃなくて、忙しいだろうに連絡して保護者役を押し付けるのが申し訳なかったこと。]

だから別に、深刻なことなんてなくて?
どうってことなかったんです。

でも、親切にされて嬉しかった。
恩を感じたし、好きになりました。


[そっとそうっと腕を持ち上げて、重なりあった手をやわく握る*]

[ぴくりと跳ねるように固まった身体。
 普通なら、ごめんねと引いてやるべきなんだろう。
 だけど、こんなにも手足が長くなったって、記憶の中にいる少年は、震えていた子供で。
 今なお、その印象は変わらない。
 身体が大きくても、怯えた子猫みたいで、離せない。

 手の甲を、撫ぜる。]

お腹空いて動けないのは、充分深刻でしょ。
少なくとも俺にとってはね。

[笑ってみれば、空気は緩むだろうか。
 緊張感のあるこわばり、うつむいた視線。どちらも解したい。]

そう。
そういや、海外にいたみたいな話、聞いたな。
今もそこに世話になってるの?

[フラウア、と名乗る彼の基盤は、そこにあるのかもしれない。
 結局、呼び名は一度も決められないままだ。
 いつでも、君、と呼んでいる。]

[不意に、彼の表情が真剣なものに変わる。
微かな緊張に、握った指がぴくりと小さく震えた。

大袈裟すぎるだとか。
そんなことする物好きいないとか。
いつもの私だったら、言ってしまうけど。]


  ……はい。約束します。


[真っ直ぐ見つめてくる目が、
本気で案じてくれてるってわかるから。
素直に頷いて、目を細めた。]



  大切にされるっていうのも、
  嬉しいものなんですね。

  蓮司さんを不安にさせないよう、
  気をつけます。


[ちゃんと届いてます、とはにかむように笑いながら。
もう一度手をぎゅっと握って。]

[少し名残惜しげに手を離す。]

  食べ終ったら、そろそろ寝る仕度しますか。
  シャワー借りてもいいです? あとタオルも。

  そういえば、蓮司さんはお仕事は大丈夫なんですか。

[ご馳走様でした、と手を合わせて。
空になった皿やティーセットを流し台へ運ぼうか。*]

迷子で、心細くて、お金もなくて、慣れない国で、お腹が空いてる子には優しくしなさいって家訓でね。
ま、俺が作ったけど。

そんな子をほっとくとかさ。俺がやだったの。
それが嬉しかったんなら、俺も嬉しいね。

[好いてくれるのは悪い心地はしない。
 手を尽くしたぶん、親切にした子が懐いてくれるのは嬉しいじゃないか。]

よくがんばりました。

[握られた手と反対側をそっと持ち上げる。
 彼の頭に触れることは叶っただろうか*]

店員 ランは、メモを貼った。
(a10) 2021/05/20(Thu) 0:13:02

[へえ、とお茶の話に感嘆の声しか出ない。
完成されたお茶以外のものも売られているのかとか、色々気になることはあったけれど。
基依さんが褒めているのならば、きっとフーくんは凄腕のパティシエさんに近いのだと知れる。

SASANKAに入った新人くんはこれからも期待できそうだ。
甘いものには目がないから、きっとこれからもお世話になることはあるだろう。]

 期待の新人ですね? 基依センパイ。

[なんて、軽口を叩いて冷やかしておいた。]

[甘い悪戯は不意打ちで驚かせたい気持ちがあったから、反応を見れば上々だ。
けれど驚かせすぎたのか、チェリーの果汁が飛び散って、顎を伝う。

指先で唇に残った雫を払いながら、差し出されたティッシュを受け取って。]

 ……ごめんなさい、驚かせちゃいました?

[と、機嫌を伺ったけれど。
その声には笑いが滲んでいたから、返って煽ってしまったかもしれない。]

[お姫様扱いにくすくすと笑いながら、風を受ける。
気持ちの良さにうっとりと目を閉じた。

湯上がりで、お腹も満たされて、温かい風を受ければ、自然と漏れそうになる欠伸を両手で抑えて堪える。
頭皮を柔らかくマッサージまでされてしまっては、うとうとしてしまうのも仕方がないのでは?

サロンでよく聞く言葉にふ、と笑いが漏れる。]

 
 大丈夫です。気持ちいいで……、んんっ……


[お客さんよろしくそう応えていたら、艶かしく動く指先に、ぞくりと身が震えて、背筋がピンと伸びる。]




 〜〜〜〜〜もうっ、
基依さんっ!



[顔を赤くしながら、ばっと首裏を手で抑えて窘めた。
悪戯に悪戯で返されてしまって、唇を噛む。
これだからタチの悪い男は、ずるい。*]

[彼女は約束してくれて。
自分も力を抜いて、目元に笑みを浮かべる。
握ってくれた手を、握り返して。
笑みを交わした時間は、安堵と共に満ち足りていた。]

[手が、離れて。


湯船に湯が張ってあるから。
ゆっくり浸かって、疲れを癒すと良い。
立ち仕事、疲れるでしょう?

タオルでも何でも、自由に使って。

俺は夜は寝る事にしてる。
朝起きて、朝昼晩食べて、毎日散歩して。
食事に行くのも散歩だったり……。
意識はしてるよ?健康。


[何度か来てくれてるから、タオルの場所は分かるかな。]

[立ち上がって、食器を運ぶのを手伝って。
背中から嵐を抱きしめる。]


ゲストルームは好きに使ってくれて良いけど……
一緒に寝よう?



[小さく囁いて、耳元に口付ける。
肩越しに嵐を見詰めて微笑むと、手を離した。
疲れているなら無理強いする気は無いけれど。
せっかく彼女が居るのだから、一緒のベッドで横になりたかった。**]

[ムギ、って言いにくい。ミュージ、とかムギーとか。
それで麦って意味だと伝えたらこうなった。]


ん、と…
はい。居候、です。
迷惑だし、一人暮らししたいけど都会は家賃高くてスゴイ。

はい


[髪に触れた手に擦り付けるみたいに首を傾けた。
心地良さそうに目を細めて、でも]


……でも

でも、違うんです。
今は迷子じゃないし、大きくなったし、俺は──

お腹は空くけど…でも。


[すり、すりと頭を擦り付けて。]


撫でて欲しいけど、好きだからです。
冗談じゃ、ない。



 ……あ
 あの、困らないでください。

心細い子を甘やかしてくれるんでも良いです。大好きです。


[優しくて格好いいですね、真顔でいつも通り褒め称えて*]

[「先輩」と呼ばれるのは中学以来かもしれない。
指で雫を払う様子に一瞬目を奪われる。

こんな風に、逐一此方のスイッチを「押しかけては引っ込める」ような真似をされたら焦れるというものだ。
とはいえ仕返しに返る反応に余裕を保てるかと言えば完全に心中のようなものだった。

意思を持って肌を指が滑る。
まるでいつも抱いている時のように。
晒した首に吸い付きた―――――――]




 ……残念。

[叱られて、パッと手を離す。
色づいて粟立った肌が本当に美味そうで、これは中々長い夜になりそうだと思ったから、今晩は自分は床で眠ることにした。
襲われたくなかったらこの条件は絶対に呑んで貰わないといけない。**]

もー少しで、それなりの金額は渡してあげられると思うけど。
君、シフトしっかり入ってくれてるしね。

[慣れも早く、腕もいい。
 少し甘えたな気質は感じるが、もう少し(俺も含めて)慣れたら、自慢の我が子なんですよと笑える日が来るのも遠くない。
 そうなるころには、普通に暮らす程度なら困らない金額をわたしてあげられるだろうと思っている。]

そうだね。……うん。うん。

[迷子じゃない。大きくなった。彼の言う言葉をひとつずつ肯定する。
 撫でてほしいなら、そうしよう。
 心地よさげにすり寄る頭は、手に馴染むアールを描いている。]

……好き?

[紡がれた理由を、繰り返す。]

…………うん。いや、困ってない、けど。
困ってはないけど。

――……

[沈黙。困っていないと言う割には長い間。]

俺のこと、好きなの。

[真っ直ぐ、聞き返してみようか。
 彼なら答えてくれる気がした。
 なんて、どちらが甘えているんだろう*]

[沈黙。
これは、まずったかも知れない。
うにゅと眉尻が下がる。
いつもの褒め言葉は空気の表面を上滑って、どこかへ転がっていってしまったよう。]


――……


[同じだけの長い間。]

[聞き返す言葉に耳を傾けて、声音のもつ意味を考えてみる。
けれどここで引くことができるなら、履歴書握りしめて転がりこんだりしてない]


好きですよ。ジンさん。

お腹がいっぱいになっちゃうくらい好きです。