人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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[ 気付くことは多かった。
 夢の中の“誰か”が兵士であろうということは、
 二度目の日記で確信していた。
 抑々この見張り台に置いてあるという時点で、
 その可能性は高かったけれど、
 二度目の日記には『日々の仕事や訓練』とあったのだ。
 
 夢の中、そのひとは“左手”で白い何かに触れた。
 左利きなのだろうか、あるいは、右手に何かを持っていた?
 それとも、もっと何か他の理由。

 持っていた“何か”を口元に当て、
 誰かに報告をしたみたいだと言いながら、
 その暫く後に、遠くの誰かと『通信』をしていたり、と
 自ら書いている。
 通信をしていると知りながら、日記には“何か”と記していた。

 自分が本当に優しい人かは分からない、と語る。
 自分のことは自分では分からないものだ――
 という意味にも見える。
 けれど、“人”。
 どこか、自身を遠くに見ているような、
 まるで、もう一人の誰かを見ているかのような言い回し。]

[ そして、自分自身の話をしようとしても
 “話せることがなにもない”と。
 人に話せるような出来事がなかったと解釈するには、
 何処か、違和のある言い回し。
 
 ――…
 相手が誰かを探ろうと考えているわけではなくて、
 ただ、一語一句逃さず読もうと思えば、
 自然と目に入ってしまうことだ。
 そう、そして]


  “残した記録を誰かが見てくれるのなら”……


[ やはりこのひとは、自分の残した記録を、
 あとでゆっくりと見直すような心持で
 日記を書いているのではない。
 そのように、直感する。
 胸に手を当てる。
 騒めきが、どうしようもないほどに膨れ上がって、
 その正体も、やり過ごし方も分からない。
 血が出るほどに強く、唇を噛みしめた。]

あなたへ

 夢の話を聞かせてくれて、ありがとうございます。
 白い大地の話、何かの結晶の話。
 聞いたこともない、景色の話。
 人が住めなくなった土地を調査して歩いている――
 聞かせてくれたお話からは、そのような光景に思えました。

 その白いものはなんだろうと、考えてみて。
 以前お話ししたあの本では、
 『ほし』のある場所から落ちてくる
 『あめ』というものがあるのを思い出しました。
 食べる方の、ではなくて。
 水の雫なのだと言います。

 その夢の中では、『以前の記録よりも極寒』と
 報告されていたようですので、
 もしかしたら、落ちてくる水が、
 寒い土地では氷に近い形になるのではと。
 あまり根拠はない想像ですが。

 氷を削ると、白い小さな欠片になる。 
 そうだ、氷菓子を思い出してみるといいかもしれません。
 細かく削った氷に、シロップをかけて食べるお菓子。
 以前見たときには白くてふわふわしていました。
 手に乗せれば、きっと溶けるでしょう。
 あれと似ては、いないでしょうか?

 (結局お菓子の話になってしまったようです、
  ごめんなさい)]

 氷の話よりも、もっとお話ししたいことがあったのに、
 直ぐに書き出す勇気が持てなくて、
 とりとめがなくなってしまいました。
 
 あなたの聞かせてくれた景色を、
 わたしなりに想像しています。
 もう誰も生きてはいない、酷く寒くてどこまでも白い、
 そんな景色の中を、歩いている自分を想像しました。

 きっとわたしは、一緒に歩くとしたら、
 ひどく足手纏いになって、迷惑をかけてしまいます。
 それでも、どうしても、
 そんな景色の中をひとりで行かせるのは、嫌です。

 残された日記を、ただ読み返しながら、
 ひとりで、ここにいるのも。
 
 だから、わたしが居ればきっと先に進む勇気が出ると、
 そう言ってくれて、わたしは嬉しかった。
 不思議な夢を見て、不安もあると思うのに、
 ごめんなさい、そんな風に、思ってしまいました。

 わたしの話も聞きたいと言ってくれて、ありがとう。
 けれど、わたしも、
 お話しできることは多くないかもしれません。
 どれも、楽しくなるような話ではないと思うから。

 でも一つだけ、お言葉に甘えて、伝えさせてください。
 わたしは以前事故に遭い、情緒面と感覚に異常があるようで、
 よく人を不快にさせてしまいます。
 元々の性格も、決して褒められたものではないのですが。
 (もし何か気に障ることをしてしまっていたら、
  ごめんなさい)
 それでも、本当に不思議なのですが、
 こうして文字を使ってお話ししていると、
 まるで昔のように、
 色々な感情を自覚できるような気がしています。
 
 あなたは、自分のことを
 優しい人かどうか分からないというけれど、
 わたしには、あなたの言葉は、やっぱり優しく聞こえます。
 話せることがなく、釣り合う話も出来そうにないと、
 そう言うけれど、
 もう、いくつも、貰っているものがあります。



  [ ──薔薇色は、薄く開けた窓を眺めている。
     遠くを見つめるような、 冷えた紅。]

 


 [ それだから暫く、彼女の顔を見ていなくて
   考えているよな、辿るよな、
   そんな碧には気が付きもしなかった。
   
      紅茶のカップを、ソーサーに置き、
      ソーサーごと執務机に避ける。
      代わりに、鏡を持ってきた。
      光を反射するように、
      顔を写すにしては外向きに。 ]
 



 [ 蝶々は"どうして"、
  命をすててまで 彼の妻を救おうとしたのでしょうか。

  即興の結末に対する、問い。 ]


 




         なんのために居たのだったか、



 

 
 
   同じ学年なんですね!
   こんな状況ですけど、お互い受験頑張りましょうね
   名無しさん…は寂しいのでA子と呼んでください
   私は女子です
 
   突然なんですが教えて欲しいです
 
   今付き合っている人か好きな人はいますか?
 
 
   ……あ、恋バナ嫌なら言ってくださいね
   別の話にしますから
   ちなみに、私は今 好きな人がいます
 
 

 
 
──────────────────────────


  新学年早々自学に励んでいますね。

  自己紹介ではとても緊張していたようですね。
  どういたしまして。

  頼りに思って貰えるのは光栄です。

  期待を裏切らぬよう努力するので
  こちらこそよろしくお願いするます。

 
──────────────────────────

 


  こんにちは A子さん
  僕の事は Jと呼んで下さい。

  受験勉強は順調ですか?
  僕は一応、志望校が決まりました。
  難しいかもしれませんが頑張ります。
  A子さんと同じ高校になることはないのですが
  お互い 良い報告ができると いいですね


   僕には付き合っている人はいません。
   好きな人は

   いるのか、よくわかりませんでした。
   

   でも最近 ちょっとしたことで
   僕はその子の事が 気になってしまいます

   目で追っかけたり、声がきこえたり
   顔が見られないのをめっちゃ残念に思ったり


   他に好きな人がいてるんでしょうね
   僕の事は 気にもしてない らしいです 

[ノートには新しく、七ページ目が追加されていた。
今回は、視覚で見えるものが少なかったらしく、
前にあった、色硝子や、真っ白い大地など、
この世界にない物についての記述は無いようだった。]

○月●日
  まだ、確証はないのだが。
  僕にはもうあまり時間がないのかもしれない。
  できるかぎり、そうならないよう尽力するが
  最悪が起きてしまってからでは遅い。
  だから書けるうちになるべく、
  ここに、書き残しておきたいと思う。
  
  これは先ほど、ここに来る前の仮眠で見た夢だ。
  気づけば僕は、暗い暗い、吸い込まれそうな闇を
  見下ろすようにして立っていた。
  僕は横や後ろを見ようとしなかったから
  視界を埋め尽くす闇以外の場所は、
  どうなっているのか、わからなかった。
  
  後ろから声が聞こえた。
  僕に対する感情など何もないような、
  基地内のペンギンたちをただの端末と見てる人が
  彼らに対して命じるような、冷たい声だった。
  
  『事前に立てた予測と何も変わりは無かった。
  お前の調査結果の通り、外には望みは無い。
  あのような環境で生き延びられるのは
  精々、お前らのような存在だけだろう。
  ―――計画を実行に移す。行け。』

  僕は、後ろを振り返ることなく頷く。
  僕の横からその闇の中へと向かって、
  何か巨大なものが落ちてゆく気配がした。

  僕は大地を軽く蹴って、後に続く。
  感じるのは、ただ下へと落ちてゆく浮遊感。
  その時の僕自身の感情はわからないけれど
  地面を蹴った時のためらいの無さから
  僕には、命令が正しいかどうか考えるだけの
  意思というものが、無いように思えた。
  
  ―――でも。意思が無いとの予想は、
  暗闇に落ちたところで裏切られた。
  
  命令を聞くだけの機械のようだと
  夢を見ている僕が感じた、夢の中の僕が。
  人が住めなくなった土地……そう。
  前回の夢で見た、白い地面から突き出た腕。
  その手が握っていたものを、拾っていたのだろう。
  『数人の人が笑って映っている写真』が
  落ちる最中に荷物の中から零れて
  吹き飛んで行ってしまったのに気づいて。
  慌てた様子で手を伸ばしたけれど。
  頼りの綱の、上から刺す光などすぐ見えなくなり、
  ただの暗闇を義手が掴んだところで、
  今回の夢は終わりを迎えたのだった。

  今までの全てで、夢を見ている僕には、
  夢の主人公である僕の感情はわからなかった。
  でも、この時初めて、感じるものがあった。
  初めて感じた理由はもしかしたら、
  本当に初めて、夢の僕は自分の感情を
  自分で思うほど強く自覚したからかもしれない。

  憧れ?寂しい?悲しい?苦しい?後悔?
  今まで感情というものが無かった分まで
  様々な感情が爆発するように渦巻いている中で、
  旅で見つけた大事な宝物を失ったらしい僕が
  その時一番、強く感じていたことは―――
  
  自分へ命ずる声に対する。大きな『疑問』だった。

[日記の後に、間を空けて。
いつものように返事が書かれている。
返事を書いている間、今しがた書いた『日記』を
自分の目に入れたくない理由でもあったのか
今までに比べて、改行の数がやたらと多かった。]

僕の日記を読んでくれている誰かへ。

 あなたのお返事を見て、
 僕は、自分の見る夢について色々考えました。
 "人が住めなくなった土地を調査して歩いている"
 ……確かに、そう考えると納得ができます。
 しかし、そんな場所、どこにあると言うのでしょうか。
 ―――そう考えると、やっぱり。
 最初にあなたが話してくれた、
 "『天』の向こうには別の世界がある"というお話が
 とても、しっくりと来てしまうのです。
 
 そう考えると次に疑問なのが
 何故僕がこんな夢を見るか、ということになります。
 一つだけ、夢の内容に心当たりがあるのですが
 まだ、僕はそれを人に言う勇気がありません。
 
 本当は、日記の冒頭に書いた通りで、
 いつどうなってしまうか、僕にもわからない。
 だから話すべきだとは思っているのに、
 どうしても、文字を打つ指が止まってしまいます。
 
 でも……迷惑をかけるかもと思いつつも、
 誰も居ない景色の中を一人で行かせるのは嫌だと、
 そんな風に言ってくれた、あなたになら。
 ここまで、『夢』なんていう朧げな僕の話を
 根気よく聞き、寄り添うように向き合ってくれて、
 内容について一緒に考えてくれた、あなたになら。
 もう少ししたら、僕の抱えている残りを、
 全てお話しする勇気が出るかもしれません。

 確かに、夢では寒暖を感じることがありませんが
 白い粒が消えていく様子は、
 氷菓子の一粒が溶けてゆく様子に似ていました。
 綿のような氷が空から降ってくるなんて
 それこそ、夢のような世界で。
 夢の中の僕が旅をしていた場所は、
 氷菓子が食べ放題でいいなあと思います。
 お皿を置いて待っているだけで、
 あの甘い氷菓子が食べれるだなんて。
 まだ人が住めた頃は、皆そうしてたのかもと考えると
 想像すると、少しだけ元気になるようです。
 
 事故は…僕が想像することもできないぐらい
 深い傷を、あなたに残したのでしょう。
 でも僕は今まで、あなたとのやりとりで、
 不快になったことは一度もありません。
 (今まで、夢の中の僕には感情が無いようでしたので
 僕の書いた夢の話を何か不快に感じたら、謝ります。)
 
 そしてもし、あなたの感情を取り戻す
 助けになれているなら、僕はとても嬉しく思います。
 "貰っているものがある"というのは僕の方で、
 何かお返しできればいいのに、と。
 最近は、ここに来るときじゃないときも
 そればかり考えてしまうぐらいだったので。



    赤の散る未来を見ていた。
    所詮、石ではあるから大怪我ではなくても、
    華奢な手の甲を切るには充分だったのだろう。

    ほんのすこし、先の未来。
    薔薇色の瞳は起きている時も、
    赤が関わるなら白昼夢を見せる。

 



    世界一の薔薇が選んだのは、
    “騒ぎを起こす”未来であった。

 



 正しい物語かなんてわからない、
 定まらない未来の中で、

    薔薇が 蝶を選ぶ理由だなんて、────

 




          死なない?



 

[ この日記の夢は、記している者の記憶だ。
 自分は以前から、そのように感じていたと思う。
 
 大穴の向こう、もう一つの世界の景色だ。
 失われた技術、
 自分たちが“最初から”手にしていたもの。
 その意味するところは、まだよく分からないけれど、
 彼が旅しているのがそのような場所であることは、
 記述を繋ぎ合わせれば、
 気づかずにいることは、もうできなかった。]


 あなたへ

 ほんとうは、いつものように、
 夢の話を詳しく考えて、
 気付いたことを記していけたらと思うのだけれど、
 どうしても、うまく書けそうにありません。

 もう少ししたら、あなたの抱えている残りのことを、
 話せるときがくるかもしれないと、
 そのように思ってくれて、
 ほんとうに、ありがとうございます。
 あなたが自分の夢に向きあえるように、
 何かの手助けになれていたなら、それ以上嬉しいことはない。

 ――それは本当だけれど、きっと、本当じゃない。
 わたしが望んでいることは、それだけじゃない。


 あなたがいなくなることが、怖い。
 怖くてたまらない。

 “あまり時間がないのかもしれない”と、あなたは言う。
 最初にこの日記を読んだ時から、
 薄々と、感じていたことがあります。
 感じていながら、認めたくなくて、
 深く考えることから逃げていた。
 あなたは、あとでゆっくりと読み返す記録にするために、
 この日記をつけているのではなくて、
 まるで、のこしておくために、書いているようだと。

 このノートのやり取りで、
 昔のように感情が分かるようだと思っていた理由が、
 今なら、わたしには分かる。
 
 “心配”でたまらないと、
 そう思っているひとがいます。
 いつも周りの事ばかり心配して、
 自分だってずっと辛い目に遭っているくせに、
 誰かのために戦って、笑っていられるような。

 いつからかは、分からないけれど。
 そのひとと話をしていると、その目を見ていると、
 わたしのなかの残骸が、音を立てる。

  
 あなたの日記を読んで、
 手を伸ばしたくなる。
 どこか遠くを歩いているような、夢の話。
 いつか、この現実に早足の夢が追いついて、
 手が届かないほど遠くに行ってしまいそうで、怖くて。

 いつからだろう。
 わたしの中で、どこまでも続く冷たい白い景色や、
 朽ち果てた建物の中を歩くあなたの姿は、
 暗い暗い穴の外へと身を躍らせて、
 宝物の写真へと手を伸ばそうとする、その姿は、
 君だった。

 




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