【人】 二年生 田邊 夕鶴[女子生徒の顔はどこか見覚えのある気がして、 どこだろう?と記憶を探った。 同じ学年でも、同じ部活でもないし…… それなら……と思い当たるのは、 中学の時所属していたバレー部の事。 もしかして、中学時代に大会で顔を合わせていたか。 そうでなければ、高校では入部しなかった私だけれど、 練習風景に行き合えばなんとなく目を向けてしまう バレー部の部員の中に見た顔か。 ふわふわした記憶ではあるけれど、 そんな気がするな、と一人納得して。 なんとなく抱いた親近感に、すれ違いざま笑顔を向ける。 眼帯が印象に残って、怪我でもしたのかな?と 気にかかったものの、あちらは先生とお話中。 何もなければ、私はそのまま通り過ぎようと。] (54) 2021/07/21(Wed) 1:07:35 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[思考の方は、何の手伝いをするかに戻っていて。 役立ちそうなのは、男子並みの身長くらい。 それなら高い所の仕事がいいかな、 提灯飾りを付けて回る仕事でも引き受けようか。 そんな事を考えながら、脚立の置いてある方を見た。 脚立があれば身長は関係ないかもしれないけれど。 ]**それはまあ。まあまあ、まあ。 (55) 2021/07/21(Wed) 1:08:31 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a19) 2021/07/21(Wed) 1:11:20 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 提灯の飾り付け ― [社務所のところを通った少し後。 考えていた通りに、提灯飾りを担当しようと 脚立を担いで提灯の山を抱えて…… と思ったけれど、どう考えても一度には無理。 往復で運ぶか、と考えていたところに、 長尾先生が声を掛けてくれて。>>62] あ、先生。いいんですか? ええと、助かります。 [先ほど、軽く挨拶を交わしたばかりだったから、 もしや追いかけて来てくれたのだろうか? と思うとありがたく、手伝いをお願いした。 少々気まずいのは、先生の赴任早々、 数学の成績を落としてしまっていた事で。 春の頃、学業が疎かになっていた自覚はあったので (何の事はない、新入部員獲得に躍起になって、部活動に励んでいたというだけの話) 次のテストでは頑張って、挽回できたはずなのだけれど。] (107) 2021/07/21(Wed) 21:07:03 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[最初の印象がそのまま残っていなければいいなあ…… と、先生の様子を横目で窺いながら、 話は、肝心のお手伝いの方へ。] それじゃ、脚立か提灯飾り、 どちらか持っていただいてもいいでしょうか。 [手分けをするなら、脚立に上って飾り付ける方と、 提灯を運んで手渡す方と。そんな感じかな、と。 あくまで、生徒が主体の地域貢献活動……という事なら、 私が脚立の係をやろうかとも思ったのだけれど。 ひとまずは、先生の方にお伺いを。 おじさん?なんてそんなまさか。 ]*そんな考えはちっとも浮かばないけれど、 そもそも先生、 一回り上のお兄さん、くらいのお年ではないでしょうか。 と、私は思っている。 (108) 2021/07/21(Wed) 21:09:06 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a32) 2021/07/21(Wed) 21:12:16 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 水墨画(もどき)について ― [落川先生が、墨のにおいを 記憶に留めていてくれたとしたら>>114 それは、こんな事があったからかも。 去年の夏頃の話。 基本的に書道部は、特別なイベントがない限り 週に一回、金曜の活動日以外は顔出し自由なゆるい部活。 暇な部員が集まって、雑談しながら お菓子を食べていても許されるような。 墨を磨って準備をして、さあ書くぞと思ったら 「水墨画〜」などと言って、落書きを始めたりする事も。 私はあまり、絵が得意ではないのだけれど。 その場にいれば、流れで一枚描いてみたりして。 自分の名前にちなんで、鶴の絵を。 鶴を、描いてみようとしたのだけれど。 出来上がったのは、 異様に足の長いハトのような、謎の生物。 鶴って何だっけ。 絵の上手い部員に笑われて、こそこそとその絵を隠した。] (119) 2021/07/21(Wed) 22:15:12 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな事があった後日、美術の授業のあと。 私は落川先生を呼び止めて、] 先生。鶴って、どうやったら それらしく描けるんでしょうか。 [なんて、授業とは関係のない質問をした。 どうと言われても、と首を傾げられるようであれば、 恥を忍んで謎の生物画を差し出し、 具体的なアドバイスを求めるつもりで。 私が書道部に入って最初の目標にしたのは、 自分の名前を綺麗に書けるようになる、という事。 だから別に、水墨画を極めたいなどと言うつもりはないが、 鶴の絵くらいは、それなりに描けるようになりたくて。 その後、謎の鳥が鶴に生まれ変われたかどうかはともかく。 そんな記憶が、墨のにおいと共に、 先生の頭のどこかに残っていたかもしれない。]* (120) 2021/07/21(Wed) 22:16:15 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 提灯の飾り付け ― [長尾先生が脚立に手をかけたら、>>124 それなら私は、と提灯飾りに手を伸ばした。 重さの違いについてはあまり考えていなかったが。 よくよく考えたら、制服、下はスカートだったので。 万一お見苦しいものをお見せしても申し訳ないし…… と、頭を掠めた思考を、 わざわざ口に出したりはしなかったけれど。 お言葉に甘えて、先生が脚立を登ったら、 私は提灯を手渡してゆく。 時折、少し離れて] そこはもう少し右に…… そうそう、その辺りです。 [なんて、近くからではわかりにくいだろうバランスを見て。 下にいるなりの働きをしようと努めたつもり。] (145) 2021/07/21(Wed) 23:16:49 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[初めてのお祭りの手伝いに、 生徒同士ではなく、先生と二人で作業。 私にとってはなかなか、緊張する状況だったけれど。 新任の長尾先生にとっても、 今回の手伝いは初めての事だろうから。 それを思えば、初めて同士で仲間意識も湧き、 手元の提灯が尽きる頃には、私の緊張も大分解けてきて。 前回のテストの頑張りを しっかり見ていて貰えた事>>125も、嬉しくて。 作業中の真面目な顔から一転、年相応の笑みを見せた。] ありがとうございます。 数学、元々そこまで得意じゃなかったんですけど、 先生の教え方、わかりやすかったです。 [ちなみに、そこまで得意じゃないと言っても、 普段は真面目に勉強している方。 しっかり勉強する事で何とか成績をキープしているわけで、 そこが疎かになると、 ガタガタッと落ちてしまうタイプなのだった。] (147) 2021/07/21(Wed) 23:18:18 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そうして、先生と少し打ち解けた気分になった頃には、 この辺り一帯の飾り付けも完了し。 ずらり並んだ提灯が壮観で、 お祭りらしくなってきましたね、と感想を漏らす。 しかし、提灯置き場には まだ別の山があった気がするけれど、 あれは予備だろうか、別の場所の分だったか。 そこまで把握していなかったので、] あとはどうしましょう? [と尋ねてみれば、先生は何と答えてくれただろう。 もし他の場所の分だとして、低い位置のものならば、 次は別々の場所を手分けしてやってもいいし、 私一人でも大丈夫かもしれない。 勿論、残りも一緒にと言ってくれるなら、 それはありがたく。]* (148) 2021/07/21(Wed) 23:19:51 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a41) 2021/07/21(Wed) 23:27:23 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[長尾先生も数学が得意じゃなかったと聞けば、 私は少し驚いて。先生というものは大概、 自分の得意分野を教えているものだと思っていたから。 でも、その嬉しそうな声は、 決して嫌々やっているわけではないのだろうと。 そう思えて、私はまた笑顔を返した。 その後、作業の合間に] 数学得意じゃないのに、 先生はどうして教師を目指したんですか? [と、聞いてみる時間はあっただろうか。 連携作業が捗りすぎて、難しかったかも? それなら今度、いつかのタイミングで聞いてみようかな。 と思いつつ、 もしその理由を聞けたなら。>>154] それはとても素敵な事ですね。 そういう先生がいて下さると、 私みたいな生徒には頼もしいです。 [なんて返しただろうけど、その機会はあったかなかったか。] (167) 2021/07/22(Thu) 0:54:54 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[搬入待ちの荷物の方へ行く、という先生には>>155 わかりました。と素直に頷いた。 荷物の受け取りのような仕事なら、 先生が行くのも当然の事と受け止めて。 私の居心地の方を気にしていてくれたとは気付かずに。] 先生のおかげで早く終わって、助かりました。 ありがとうございました。 [振られた手に会釈で返して見送れば、 私も残りの提灯の方を確かめようと、 脚立を担ぎながら、先ほど来た道を戻るのだった。 高い所の仕事がもう無ければ、 ]*脚立は元の場所に戻しておきますのでご安心を。 高い場所の仕事があっても、ちょっとくらいなら ジャンプすれば届きそうだから大丈夫大丈夫。 (169) 2021/07/22(Thu) 0:58:09 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想・墨の鶴 ― [数秒の間。>>165 芸術的、と評してくれた落川先生の、 優しさ……そうこれは優しさなんだ……を噛みしめて、 私は肩を落とした。 覚悟していたものの、やっぱり恥ずかしかった。 気を取り直して。先生の説明によると、 どうやら、手本もなしに想像で描いたのが悪かったようで。 それはそうだ なるほど、と頷きながら話を聞いていたのだけれど。] 私の描きたい鶴……ですか。 うーん、そうですね…… [名前にちなんで、という軽いノリで選んだモチーフ。 絵としてどんなものにしたいかは、考えた事がなかった。 再び数秒の間。今度は私が考えを巡らせる。 自分の技術だとか、難しい事は置いておいて。 ただ、鶴のどんな姿が描けたら楽しいだろう、と考えた時、 真っ先に出てきたのは。] (175) 2021/07/22(Thu) 1:43:14 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴飛んでいる鶴、かな。 私、高く跳ぶのが好きだったから。 [ぽろりとこぼれた独り言の方は、 何でもないです、と脇に置き。] ………… 難しくないですか? [……うん。自分で言っておいて何だけれど。 ただの立ち姿よりずっと、難易度高そうな気がするな、と。 私の口から出てきたのは、 始まる前から降参する勢いの弱気な声だった。 広げた翼とか。一体どうやって描くのだろう。 私の頭の中からは、縦線の入った台形の物体くらいしか出てこないのですが ]** (176) 2021/07/22(Thu) 1:47:44 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a54) 2021/07/22(Thu) 1:55:33 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想:幼少の頃 ― [今はもう、失われかけた感覚。 子供の頃、世界は狭くて。 『ご近所さん』の枠を越えてしまえば それはもう、遠い国のような。 あの頃の私達はもしかしたら、 季節を渡る異邦人だったのかもしれない。] (202) 2021/07/22(Thu) 10:07:38 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[じっとしていられない年頃には、毎日のように外遊び。 当然、すぐ近くの商店街にも出入りしていて。 例えば。 遊びに行く度に、祖母が出してくれる和菓子。 たまたま切らしてしまっていた時に、 ええ!とがっかりしていたら、 「それじゃあお使いに行ってきて」とがま口財布を渡されて。 私の初めてのお使いは、老舗和菓子屋さんの水羊羹だった。 兄の、「夏だ!スイカ割りをしよう!」の一声で、 三人分のお小遣いをかき集めて 青果店まで兄弟みんなで走って行ったら、 一玉買うには足りなくて、店の前で呆然とした事もあった。 兄弟みんなの最初の自転車は、祖父が買ってくれた。 私にだけ「もっと可愛いのにしたら?」と言われたけれど。 「嫌だ、これがいい!」と選んだのは、 黒いラインの走る、格好良い子供用自転車。 補助輪付きのそれに乗り、家の周りでぶいぶい言わせていた。 嘘。今より人見知りだったので、一人の時に誰かと会ったら逃げました。 ] (204) 2021/07/22(Thu) 10:10:54 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[近所の子に混じって遊ぶような事もあったっけ。 顔見知りになった子には、 休みの終わりに「またね」と手を振り、 次の休みに会ったら「久し振り」と挨拶をして。 宿題じゃない方の『夏休みの友』みたいな存在に なっていたかもしれない。 でも、中学に上がったら。 私は女子の制服を着て、短かった髪を伸ばし始め。 勉強に部活に忙しい毎日を送るようになって、 祖父母の家からは足が遠のいた。 身長だけはずっと、背の順の列で最後尾争いができるくらいに すくすくと、竹のように育ったけれど。 それもそろそろ打ち止めのようで。 花一高校への入学をきっかけに、 また祖父母を訪ねる機会も増えて、 再び商店街の辺りもうろつくようになったけれど。 あの頃の私と今の私が結びついた人は、 どれほどいたのだろうか。]* (205) 2021/07/22(Thu) 10:11:52 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a59) 2021/07/22(Thu) 10:13:57 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴……なーんだ、最初に言ってよ! すごい勢いで、びっくりしたじゃない。 [男の子に指名手配(?)された理由がわかれば、 ほっと胸を撫で下ろしながら、文句を言って。 おどおどした態度がすぐに引っ込んだのは、 私が男兄弟に挟まれて育ったからとか、 元気いっぱいな男の子の雰囲気が話しやすそうに感じたとか、 そんな理由もあったけれど。 一番はやっぱり、 お気に入りの真新しい自転車を褒められたから。 そう。 私の自転車は、褒められて然るべき逸品。 誰彼構わず自慢したかったというのが、本当のところ。 聞けばあのお店の息子さんだと言う彼に、 さすが、自転車屋さんの子はわかってるなあ。 なんて感想を抱いて。] (213) 2021/07/22(Thu) 11:29:46 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[ところで、彼は自分の自転車に乗って来ていただろうか。 もしそうなら、自転車屋さんの子供は、 どんな自転車に乗ってるのかなと、 私の目が向くのは自然な流れだったと思う。 もしそうなら。] …………… …………… [塗装が剥げていたか、型落ちしていたか……>>206 は、関係なく。 私の視線が釘付けになるのは、そこにあるべき補助輪が、 きれいさっぱり取り払われているその部分。 同じ年くらいだと思ったのに…… 裏切られた…… なんて感想を、抱いてしまったかもしれない。 私の自転車に、彼が乗ってみるという話になっていたなら、 代わりに彼の自転車を借りて、 補助輪なしを試させて貰えたりもしただろうか? 背の高い私にも、背伸びしたいお年頃はあったのだ。]* (215) 2021/07/22(Thu) 11:33:08 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a61) 2021/07/22(Thu) 11:35:39 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 続・提灯の飾り付け ― [脚立を運ぶ最中に、掛けられた声に振り向けば。>>216] あ、篠田さん。 篠田さんも手伝いに来てたんだね。 [そうか、そういえば名前があったような。 社務所でちらりと見た名簿の中身を思い出しながら、 改めて、お疲れ様、と挨拶をした。] 手伝ってくれるの? ありがとう。 高い所のは大体終わらせたと思うんだけど、 まだ提灯残っていたはずだから、 そっちもやっちゃおうかと思って。 手が空いてるなら、一緒にやってくれたら助かるな。 [脚立運びは、戻しに行くだけだから大丈夫だよ。 と、そう伝えるけれど。他の仕事でも構わないのなら、 それじゃあ、一緒に提灯取りに行こうか。 と言って、提灯置き場に案内しよう。] (228) 2021/07/22(Thu) 13:47:02 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんな感じで、私としてはすっかり顔見知りの反応だ。 仮入部に来てくれた事は勿論、 部員一同大歓迎した事もしっかり覚えている。 入部して貰えなかったのは残念だけれど、 見学に来てくれただけでもありがたいくらいなので、 特にしこりなどが残るわけもなく。 大体、とても行儀の良い仮部員だったように記憶している。 試しに書いて貰った書にも、真面目に取り組んでくれて。 丸みのある文字を覗き込みながら、] 可愛い字だね。花びらみたい。 篠田さんの雰囲気にぴったり。 [と感想を述べたのだけれど、篠田さんの反応はどうだったか。 もし、格好良い字を目指していた?ような事を聞いたなら、 可愛い字だって個性だし、私は好きだよ。 というような事を伝えていたはず。] (229) 2021/07/22(Thu) 13:48:24 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[それにしても、しっかりした後輩である。 今だって、上級生に自ら手伝いを申し出て。 やはりお店の手伝いをしているからなのだろうか? と、篠田屋さんの事を思い浮かべる。 仮入部に来た新入生の 実家まで知っているのには、理由があって。 お店の屋号でわかるって?そうなんだけど、どうか最後まで聞いて欲しい。 あれは確か、篠田屋さんの店先に 浴衣が並んですぐの事だったはず。] 「ねえねえ、あそこの服屋さん、 和服も扱ってるんだって!」 [と言って、書道部の先輩が部室に駆け込んで来たのは。] (230) 2021/07/22(Thu) 13:50:21 |
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