77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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***
それから何年の時が経たか。
ソフィアがどれだけ『ラサルハグ』に会おうと
していたかは分からないが。
『花嫁』になると決まった日。
『 大蛇 』は村へと現れるだろう。
大蛇の姿ではなく人の姿で
傍からは旅人にも見えるだろう風貌で。
かつて『ラサルハグ』に会いに来た『ソフィア』を
今度はこちらが迎えにゆくのだった。*
[死んでるんだったら素直に死んでてほしいんだけれど……]
(いやいや、色々順番おかしいよ)
[順番の問題ではないことは確かである。*]
***
─── あれから幾らの時が経っただろう。
少なくとも、私が成人を迎える程に
時は経っていた。
短かかった手足はすらりと伸びて。
丸かった顔は程よくほっそりとし。
綺麗にお化粧をすれば、
この村伝統の花嫁衣裳を着て
友人と抱きしめ合い、別れを惜しむ。
今日、私は神様へと嫁ぐこととなる。
でも、まさか神様が直接この村を訪れるだなんて
村の人間は、誰も予想出来ていなかったに違いない。*
[かんぅが風呂に入っている間に、あんな大物を獲ってきたのだから、きっと腹も空いているだろうと思い、家人にいいつけて、食事の用意をさせようか*]
[それから、幾日。
かんぅは立派な
野生人
に成長した。
どう考えても進化ミス。
腰みの一つをつけ、蔦を使い。あーあーと叫ぶ日々。また時代と歴史、文化が違う。今日も手刀で仕留めた鹿を肩に乗せ。
滝の前へ]
婿殿、今帰ったぞ。
[いい笑顔です。
ええ、武人というか愛の狩人。
細い婿殿に体力をつけさせようと山を飛ぶ姿は、まさに猿人。ふもとの村では魔物が活性化しているとか噂になっているらしい。どっちのことだって、どっちでしょう。
本人は押しかけ女房中。
ここ数日、色々した。【色々】
性的な方面ではなく心を掴む方向で。
突拍子がないのはもはや通常運転で日常
*]
[かんぅがこの明泉洞に住むようになって何日もすぎて。
どうなることかと思ったが、ちゃんとトイレのしつけもできているし、無駄吠えもしないので困らない。
放置しておけば一人で勝手に遊びにいき、そして自分の食い扶持分くらいの食糧を取って帰ってくるので、楽ではあるが]
おかえり。帰ってきたかの。
今日は何を獲ったのだ?
[ほてほてと滝の入り口までかんぅを出迎えて、招き入れてやる。
かんぅがいない時は中の水を満たしているが、かんぅは水の中では生きられないから、かんぅが戻ってきたら水を呪術で外にくみ出して、の繰り返し。
服は用意していたはずなのに、体に合わなかったのだろうか。
腰みのをつけて奇声を発しながらの山をかけずりまわっている姿は、大きな猿のようである。
まさかかんぅの姿を見て、村人が怯えていることも知らず、滝壺のヌシは元気だなぁと微笑ましく思うだけなのだが]
今日は鹿かの?
よくもまぁ、器用にとらえるものよの。
[食べるたんぱく源は基本的に魚なヤオディにとって、四つ足の獣は珍しく。
肉食系男子なかんぅはよく食べるので、これくらいでないと物足りないのではないだろうか。
ちゃんと食べさせておかないと、そのうち自分までも食べたいと言い出すのではとひやひやものだ。
これではどちらが贄だかわからないが]
これより鹿の処理をいたしてくるが……。
そちは絶対に入ってきてはならぬ。いいな?
[まるでどこぞの異種婚姻譚のようなことを言っているが、何をしているか素直に聞けば、普通に答えただろう。
単に凍るレベルの冷たい水の中で、腐らないように空気がない場所で処理をするので(いわゆる冷凍処理)かんぅが下手に顔を出せば死ぬので禁止しているだけだ。
入ったが最後、冷凍マグロならぬ冷凍かんぅの出来上がりだ]
そなたは毎日裸に近い格好で走り回っているが、着物を着るのは嫌いなのかの?
[随分と日に焼けている、とかんぅの肌を見てため息をつく。
対照的に彼の肌は真っ白だ。
少しずつ、少しずつかんぅがいる生活に慣れ、彼が言うように体力をつけねばとこっそり筋トレをしているのは内緒だ*]
[あれ、これ飼い犬か何かじゃないか。
そんな可愛いものだと認識しているのか。とまず根本的な問題から始めないといけない。が、今は狩りの終わりを婿殿に報告しよう。すっかり気分は新婚生活。
ほてほてと現れ、水を汲みだす姿はいじらしくも映る。本人は無自覚のようだが、さすがのかんぅとて、共に過ごす時間が増えれば、婿殿の事が分かってきた。
この婿殿は無自覚に可愛い。
鹿を肩からおろし]
うむ、鹿を狩ってきた。
鹿は中々に逃げ足が速くてな
追いかけるのにも苦労した。
[追いかけたのか。
もはやこれぐらいでは言わないぞ。(ツッコミ)しないぞ。一見微笑ましい狩人夫婦のやり取りのように思えるかもしれない。現物は魔物と魔物だけど。もしくは野生人と文化人。
時代でも二人は隔てられるのか。
いやかんぅが勝手にこしみの一丁になっただけだが]
婿殿もどうだ?
[もうすっかり婿殿だ。
一狩いこうぜ。その勢いである。もちろん自分の腹を満たすという理由もあるが、これは婿殿にも食べてもらいたい為の狩りである。あまりの細さにいつ折れるやもと思うのだ。それはいけない、体力は付けなければ、そう。
人は簡単に死ぬ。
将軍であったかんぅは知っている。
婿殿は魔物であるが、見た目は細く華奢なのだ。]
…あい分かった。
婿殿が言うのなら守ろうぞ。
[守るのか。守れるのか。
疑惑。だが、真面目な理由であればかんぅは頷かないはずがない。むしろこうして此方を思ってくれるのが分かるのがむずがゆくも嬉しく少しずつ距離を縮めていこうと考えていたのだが、冷凍かんぅを回避した身はきょとんとして
服の話題に目を瞬かせ]
ん?花嫁らしい衣装がなかった故だが。
[急募、妻の衣装。
どんな理由だこれは。ため息を吐く婿殿が密かに体力をつけるために頑張っていると露しらず、明後日の返答をしつつ、そうだとこしみのに手をつっこめばがさごそ。
白い百合の花を取り出して]
婿殿に似ておると思うてな。
…つい、取ってきてしまった。
[いかがであろう。
そう問いかける目は最初の日より変わらぬ慈しみに溢れ。唇に触れぬ代わりにその花びらでちょんと触れてみた。
こしみの・・
]
愛しておるよ、婿殿。
[そうして告げるのは、日課。
トイレのしつけや無駄吠えをしないのと同じように。一途に彼の知らぬ言葉を綴り、微笑むのだ。
いい雰囲気(全裸)
*]
[ 小さき者を見守り見つめる一つの紅色
静かな凪ぎに密やかに宿った温かなものに
遥か昔に死んだ──とされている誰かの面影があったように。 ]
[ 仏の名の元繰り返される輪廻転生。
繋がれてゆく人の血。
それらとは違う何かが齎した影の中の面影は
今や誰も気づくことが出来ないだけで、きっと最初から奥底に
この山の中、あちこちに犇めいているモノたちにも。 ]
[ 此処は神仏に見放された土地なのだから。 ]**'
[名前は教えたはずなのに、かんぅは自分を婿殿とずっと呼んでいる。あだ名のようなものだろうと諦めた。
かんぅはしょっちゅう肉を献上してくれるが、あまり得意ではないので、かんぅを始め、他の者の口の方に多く入っているきらいはあるが]
ん、余は言うことを聞く子は好きぞ。
[ちゃんとあらかじめ言っておいても、嬉々として地雷を踏みぬきそうなかんぅへの認識は赤ちゃんと一緒であるので。
信頼具合も似たようなものであるが。静かだなと思っていれば、壁に落書きしているかもしれないと思って放っておけない]
ああ、なるほど……花嫁らしい衣装をお好みか。
[視覚の暴力だと思ったので、あえて落ち着きのある色の男物をそろえていたのだが、あれは花嫁としてここに参っていたから着ていたわけではないようだ]
でもの、かんぅ殿……。
花嫁らしい衣装とは、婚礼衣装なのかの?
あれは婚礼の儀の特別な時に着るから喜ばしく、いつも着ているとその嬉しさもなくなるのではないかの?
普段は動きやすく、肌なじみのよい服の方がよいと思うのだが。
[女物を用意する前に説得をとりあえず試みるが。
問答無用に用意した服を着ろと押し付けるという知恵がないのが、この婿さんの弱点である。
かんぅが我儘を言うようなら、村人たちにお願いするしかないかの、とため息をついていたら、目の前に白いものが突きつけられた]
え……?
[目の前には白い百合。
この辺りには色のある山百合が多く、白百合は珍しかった。
そっと手にして、ふわりとほほ笑む]
余に似ているか。
百合は美女の形容に使われる。
そちには余はそのように見えているのだな。
[なんとはなしに、くすぐったくて。
彼が触れた唇と、ちょうど真向いの位置にある花びらに自分も唇を触れさせて、小さな口づけを送る]
ありがとう。
[その言葉は、百合をもらったことに対してか、それとも愛の言葉を貰ったことに対してか。
少しずつ打ち解けている最中ではあるが、羞恥のせいで素直にもなれずにもいるし、同じ言葉を返すほど気持ちも育っておらず、ただ今日も「帰ってきたら、まずお風呂」と湯殿に自称嫁を叩きこむのだ*]
[あれ、犬の次は赤ちゃん認識されていないか。
こんな大きな赤ちゃんが居てたまるか。と心の声。でも似たようなものではあるよな。放っておいたら落書きはしそう。落書きというか、壁画を作ってそうであるが。
身につつむのは花嫁衣裳。
とは言わないものの、花嫁として嫁いだのだからそれに似た服装を好んだが、ふむ。と髭を撫でて婿殿の云う事も最もだ。
と考える、時間ができた。]
あい、分かった。
折角婿殿がかんぅにと用意してくれたのだ。
今からでも着ようぞ。
[そう頷いた。
おお、あのかんぅが文明人のような事を言いだした。恰好は野生人であるが。これが進化であろうか。かんぅは耳を傾けることを覚えた。婿殿のため息はみたくない。と今更にいう。
それ今更にいうの。と誰かが言うが何気のせいだ。
こうして婿殿は少しずつ
手綱を握るのである。
やっぱり婿殿が女房ではないかな]
[白い百合を手にとり
ほわりと微笑む姿は胸をきゅんとさせた。こしみのから取り出したものなのに。それでも受け取る姿は聖母か、聖女か。それでいいのか。本当にいいのか。と声がするが無視。
美女の形容という言葉にふっと笑い]
そうさな、かんぅからすれば
婿殿は美しすぎて
…眩しいものゆえに。
[あながち美女というのも間違えではないのでは。
そんな風に思う事を告げて入れば、彼の唇が百合の花に触れた。其れは一種の風景画である。ああなぜこの時代にこの一瞬を閉じ込めるものがないのか。紙と筆を持て、と思わず叫んでしまいそうになった。が、突然の奇行は避けられた。
無事回避ぃぃぃ。回避したが]
………。
[婿殿のお礼に心がどったんばったん
どっかーんであったのだ。火山が大噴火。まずお風呂と叩き込まれるまでかんぅは無言であった。可愛い花婿殿の笑顔、それにお礼の一言。それがぐるぐると頭の中を回って。
小さな(みに)婿殿を脳内に誕生させたところで]
うぉぉぉぉぉぉ!!!!!
[叫んだ、湯殿の中で愛を叫ぶ。]
紙と筆、紙と筆を頼む婿殿!!
[そして、汚れを速攻で落として
体を拭いて、用意された服を着て勢いのままにかんぅは走ってきた。お家では走らない。という声が聞こえてきそうな全力疾走である。たなびく美髯、ぱつんぱつんの服。喋らず行動しなければきっと立派な武人に見えただろう。
だが、歩き喋る姿は……*]
[かんぅが花嫁衣裳以外のものを着ることを妥協してくれてほっとした。
花嫁衣裳か全裸か、よくてこしみのだとなれば選択肢が少なすぎるし、洗濯の暇もなくて困っていたのだ
かんぅはたまに文明人のように褒めることがあり、それでも少し驚かされる。
普段やってることが原始人というか野蛮人なので、そのギャップ萌えもあるのかもしれないが。いや、萌えているわけではないのだが、きっと、けっして]
[かんぅが持って帰ってきた百合を活けるように命じていれば、今度はものすごい勢いで洞内を走り回る物体がいた。
湯殿で吠えている姿はいつものことだったが、このように駆け回るのは珍しいかもしれない。
何事ぞ、と思うまでもなく現れるかんぅに眉一つ動かさずに相手するのは、さすがにもうかんぅの扱いに慣れたから]
紙と筆?
[唐突に叫ばれ、なんだろうと思う。紙だけなら厠の紙が切れていたのかと思うが、筆もセットであるなら違うだろう。
用意した服を嫌がることなくちゃんと着ているようだけれど、少しきつそう。
ふむ、もう少し大きめの服を用意させねばと思うところはやっぱりこちらが嫁かもしれない。
紙と筆だけ用意しても、台がなければ書きにくいだろうと卓も運ばせる]
かんぅどの、手紙でも書くのか?
[風呂でゆっくりしているとネタが浮かぶものだが、と連載を抱えている漫画家のようなことを考えていたが]
余もたまには何かをかくかの……
[かんぅ殿よりいただいた百合の絵でも描くか、とかんぅの前で筆をとり、さらさらと百合の絵を描き始めた*]
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