94 【身内】青き果実の毒房【R18G】
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──パチリ。
音が鳴ると共に灯る明かり。
現実外の時間が何であってもこの場の法則は変わらない。
舞台は常に“設定された時間”を映す。
「おや、そっちが釣りあげられましたか?」
口元に手を当てるが故に、その表情は読めない。
悦んでいるのか、期待通りか、想定外か。
何一つ、今は読ませる気が無い。
「第三案も▓▓としては個人的には気に入っていたのですが、
あなたがそう判断したのなら従うのは先に述べた通り。
何より別にここで声を掛けても答えてくれるでしょう?あなたは」
口元の手を降ろして信じてるとばかりに告げる。
手は振らない。
“同じ舞台に上がって欲しい”と望んでいるのは既に伝えているのだから、それをする必要もない。
「では改めまして歓迎しましょうか」
「当方、▓▓としましては、
どのような経緯で加わられたのか気になりますが。
それは▓▓より当事者に簡潔に、或いは刺激的に、
お好きなように語って頂いた方が盛り上がるでしょう。
ああ、舞台と言う設定がお嫌いならば、
お好きにいつも通りでも構いません。
▓▓はそこまで強要する気はありません。役者仲間でしょう?」
「それとも、当方の事は
“嫌いですか?”
」
「或いは、」
「お返事は“好かないよ”のままです?ハハ」
「ああでも、」
「芸術的行為がお嫌いでここにいらしたなら」
「尚更、肌に合わないかもしれませんね。
どうぞ当方は気にせず普段通りご自由にお話し下さい」
「
」
端末の名簿を見て、視線だけを動かしアプローチする候補を決めようとした。だれにしようかなてんのかみさまのいうとおり、……
<<普川 尚久>>who。
/*
朝倉、黒塚の場合は振り直し。
<<迷彩 リョウ>>who/*
自分もあかんのよ。これはまた捻くれなくても抜いていたと思うのでダイスだけ振り直すのわよ。
Keter
Chokhmah
Binah
まるで無様な犬のように回り媚びる姿を、
“かんしょう”し続ける程の価値はあるのですか?
Chesed
Gevurah
Tiphereth
この後不機嫌なまま自分から睡眠薬を飲んで寝て睡姦されてたしイかされてた。詳細はありません! 現場からは以上です。
| 食堂の目立たない場所で食後のコーヒーを飲んでいる。 周りの会話を静かに聞いているようだ。 (41) 2021/09/18(Sat) 12:52:48 |
いくらか話せば、起き上がって迷彩の両手を取っていた。手のひらに何か文字を書いたよう。その後、迷彩が離れて行けばソファーに転がり直した。この日の彼は虚無虚無プリンだった。
ノートをメモ帳サイズに破り、まとめている。表紙に『ミステリー小説のネタ』と大きめの字で書いたところで、思い出したように筆記具と紙束を持って移動し、布団に潜った。そのまま結構な時間出てこなかった。
/*
両手…? 手なのわよ。両手だと迷彩のプリンがどっかに行ってしまうわ。両手で取ったのはこっちよ。
正:迷彩の手を取っていた。
指定の時間、鳴る靴音。
紙切れに記された場所へ訪れ、立ち止まり。
煌々と照らされた部屋、滔々と語る姿を暫し眺める。
ああ、ここがお前たちの言う“壇上”か。
そう理解するに事足りた。
少年の声に耳を傾け、眉間に皺を寄せる。
片手で顔を覆い、長い長い溜息を吐き出した。
廊下で迷彩に声を掛け、メモを手渡した。大喜びする迷彩に対して、普川は特に目立った感動もない。
その後、手近な倉庫の中へ行き、古いスチールの机の上で並んで座り、一緒にメモを眺めて話をしていた。
明かりのもとへ足を踏み入れる。
躊躇いなく歩み寄る。一人照らされる彼のもとへ。
こつ、こつ、こつ。足を進める度、小気味よく靴音が鳴った。
“壇上”へ誘われた男は口を開く。
「くだらない見世物だ」 ──真。
「体を重ねれば俺にも何かが得られると期待したんだろうな。
今のところ、実りはないが」 ──真。
「……ただ、俺を唆すあいつに興味が湧いた。
他人の幸せを望むことができるらしい、お前にも」 ──偽。
「ただしい人間になりたいんだ。
お前たちのことを好きになれるような」 ── ▓。
「他人を愛することのできる」 ── ▓。
「ただしい人間に」 ── ▓。
側へ立ち、瞳を見下ろす。
腕を伸ばす。頬にひたりと手を添える。
かさついた指の腹が薄い唇をなぞる。男の体温は低い。
最後にひと撫で。
手を離す。
そのまま自身の口元へ運ぶ。
唇を一度、親指で拭った。
「なあ、お前。靖史」
「お前が、俺を変えてくれるのか」
──偽。
| >>67 普川 席を立とうとした食堂で、気になっていた彼を見つけて歩み寄る。 「隣いい?」 そう聞きながらも容赦なく隣へ腰かけた。 拒否権などはない。 (75) 2021/09/19(Sun) 1:50:48 |
「おや、既に誰かと身体を?想像よりは穏やかですが、想定よりは多くの睦言が存在していたようだ」
「当方、▓▓もまだ一人。しかも狼と言う役の上のものですから、これでは失望させているでしょうか?」
「ですがもう少々お待ち下さい、観客の皆様方。
仕込みは既に済ませてあります。後は幾つ芽吹いてくれるか、退屈はさせないと思いますよ」
舞台の上で仰々しく誰もいないレンズ越しの先にそう告げて、寛美な一礼を済ませてから、
改めて側に来た新たな役者を見上げて微笑む。
「まるで、産まれたてだった頃の──
▓▓と同じような事を言うのですね、貴方も」
真偽はこの男の目に映る事はない。
貴方の言葉のどれが事実か、今回もわからない。けれど前の去り際と違い、今浮かぶ表情は共感と僅かな『じあい』。
証明のように頬に重ねられた手の上に己の手も重ね、その冷たさを味わい、もっと触れてほしいとばかりに力を込めた。
「それを望むなら、一つ確認と参りましょう」
「変わりたいと願うには、
まず『今の己の在り方』を理解しなければならない」
手を離して、貴方が最後に唇を拭った動作を見て目を細め、唇は弧を描く。
彼の言う事の真偽はわからない。
ただ、▓▓は▓▓である以上、これは問える。
気付いているから。
「例え人を愛せても、
ただしい人間とは言えませんよ」
「何故って?
他人を愛せる当方、▓▓が。
「ああ、それを問う気持ちはわかりますよ。
私もよく行います。貴方もよくご存知でしょう」
「でも貴方きっと、素質が圧倒的に欠けてます」
「沢山『ただしい』を教えて貰いましたよね?
それをなぞりはしている。でもそれだけ。
『理解』は何一つしていない。出来ていない」
くるり、ターンを描く。
何処か犬の回転のように。後ろ手を組みながら無邪気に笑い、あなたの目の前でまた止まる。
「貴方、」
「仲間ですよ。ただしくない、▓▓達の」
「狭い大人達にとって都合の良い『ただしい人』を望む。
まるで進んで操り人形になりに行くようだ」
「それでもなお貴方は──
ただしい人間を望むのですか?」
「まだ変わりたいと願いますか?」
『その先に得られるものなんて大した物ですらない、こんな歪んだ現実で?
わざわざ糸を付けられたいのかな?──本当に、変な人』
| >>85 普川 「たまに見かけたことあったけど、話すのは初めてだよね 前からずっと話してみたいと思ってたんだ」 嫌そうな顔をされてもまるで気にすることなく穏やかな笑顔を向けて勝手に話し始めた。 「普川くんだったっけ。 あの辺の中よさそうな子たちとは食べないのかな?」 昨日あなたと話していたメンバーの方に軽く視線をやる。 (87) 2021/09/19(Sun) 10:36:32 |
どこか別の生き物のように、澱みなく動く少年の唇。
流麗に紡がれる言葉を浴び続ける。
素質が欠けている、そう告げられた瞬間。眉間に皺が寄った。
無邪気に笑う彼、向かい合い沈黙する男。
今この瞬間も数多の視線に晒されている。
観察している。値踏みしている。
塀の外、清くただしい人間どもが。
「なりたいよ」
冷たいレンズの前、答えはその一言だけだった。
「ただしくあれば、このくだらない舞台から降りられるんだろう?」
| >>89 普川 「へぇ、そうなんだ」 拒絶を意味を持ったセリフを述べられてもニコニコが崩れることはない。 「前から君の事可愛いなって思ってたんだけど、よかったら僕のペットにならない?」 机に頬杖をついて、どっか遊びに行かない?ぐらいの軽いノリで聞く内容ではない。 (90) 2021/09/19(Sun) 14:20:26 |
鍵をかけた某所に貴戸と普川がいる映像が流れている……。
| >>91 普川 「残念……」 至極残念そうにしながらも笑顔は崩れない。 「そりゃ、ペット飼うなら終生面倒見なきゃ」 当然でしょ?といった様子で首を傾げた。 「君、すっごく好みなんだけどなぁ〜 此処、攫うとき同意のもとじゃないとダメらしいから……」 此処というか、世界全般的に同意なしに連れ去ったり監禁するのは違法だ。 (110) 2021/09/19(Sun) 18:24:04 |
| >>113 普川 「フフフ、そうだねぇ」 沢山しゃべってくれる貴方の言葉をうんうんと楽しげに聞いている。 内容完全なる拒絶なのだが。 「最初から人懐っこい従順な犬よりは、僕の事を警戒してるような野良犬を躾けていく方が好みだから、全然問題ないんだけど」 唯々問題は無理やり監禁すると怒られることなのである。 誘拐も、監禁もしてはダメな事だとここで幾度も教えられた。 だから、嫌がっている貴方に無理やり手を出すことはしない。 「ほんと、ここじゃなければなぁ〜……」 とっても残念そうだ。 (118) 2021/09/19(Sun) 20:49:32 |
の少し後、普川から軽いキスをした。それから、二人ともシャツだけの格好に。迷彩が机の上に並べたゴムやローションを確認している。遠足の前日の、荷物の確認くらいに和やかな雰囲気だ。
部屋に一人でいる時に、南波が部屋に訪れた。少しやり取りすれば、すぐに共同スペースから離れた空き部屋に移動する。適当な、ベッドのある部屋だ。
ベッドに座ってしばらくの間は、腰に抱きついてくる南波の頭を雑に撫でていた。
背後に回った南波に手錠を掛けられた。驚いている内に目隠しまでされた。めちゃくちゃキレてる。でもすぐに不安と焦燥の色が濃くなっていた。
「そうですか」
端的な返答。視線の先。
画面の向こう、何人の『ただしい人』が、自分達の
「才能が無くとも努力を忘れない。
解らなくとも聞いて目指し続ける」
こんな陳腐なパフォーマンスに慰められているのか。
「実にいい。ナイスな判断。
『ただしい』皆さんもきっと喜ばれますね!」
貴方の答えがそれならば。
真偽を問わず、この『小さな世界』ではそう在るのなら。
「では、お手伝いしましょう。
当方、▓▓は『ただしい人』ではありませんが、
それを望む『お人形』の助けとなりましょう」
糸の付け方はご存知ですか、人形さん。
操られるコツは簡単ですよ。どうせ何をしても楽しむ事。
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