124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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─おもいで─
[ 私は生まれた時から、白銀と萩、二色の髪色でした。
白銀と萩。一色だけでも縁起が良いのに二色が混在とは
この子は祝福を受けた子だ、と
親族が沸き立ったと聞いています。
とはいえ、生まれ育った家は決して裕福とは言えず、
有名高名な学校に通うことも無い普通の子供でした。
珍しいツートンの髪をからかわれたり、引っ張られたり
──つまり、いじめられていたのです。
過保護な家族にはいつも元気を振りまいて
現実を語ることもしなかったのですが
内面は既にぼろぼろで逃げ出したかったのです。
あれは10歳の時。
学校に行きたくなくて、勇気を出してサボると決意。
普段と違う道をずんずんと歩き始め、
迷子になるのに時間はかかりませんでした。
周囲をぐるぐると見渡し、何処に行けばいいのだろうと
不安になり始めたその時。
背の高い男の人が、私のことをじっと見ていたのです。
しかしこの年齢で他人からの見世物を見る目、奇異の目には
すっかり慣れてしまっていたので
いつものことだろうと通り過ぎようとした時。]
――回想:菴とのひと時
[ 灯守りにも 闘うものはある
自分 家系 環境――灯守りの数だけあれど
綺麗事だけではどうしようもない翳が 闇が誰しにもある。
普段 如何に溌溂としている者であろうと
癖のように笑みを浮かべる者であろうと
一人の人間となんら変わりない感情を例外なく抱えている。
己が闘うもののあるように 小雪――菴もまた。
彼の内情や心といったものに
己がどれだけ踏み込んでいたかは
結局の所、彼しか論じれぬものでしかなくとも ]
[ 見知らぬお兄さんから突然声を掛けられたのです。
(後で聞いた話によると、この声掛けは
付き合いの長い飛心様の影響もあったとか)
まだ10歳の私はあまりの唐突さに怖くなり、
立ち去ろうとしたのですが]
『大丈夫大丈夫、怪しいものじゃないから。
何ならお茶でも飲んでいくかい?
立秋域産の美味しい茶に大雪域産のゆべしに
今なら大寒域産の雪だるまサブレもあるぞ。』
[ これは普通にナンパ……
いえナンパどころか誘拐の手口では???
学校で習った、ついて行ってはいけない手口の
代表例だと思うのです。
それでも道に迷ったのは事実であり、
現実から逃げ出したかったのと、
この人が信頼できる気がしたので
言われるまま、ついていってしまったのです。
(後日「あれはナンパではないですか?」と尋ねたところ
「これくらい普通だ」と仰られておりました。)
歩く事数分、立派なお屋敷に着いてから
漸く、この男の人が灯守り様だと知ったのです。]
[ 私はお世辞にも立派とは言えない家に住んでいたのもあり、
通された立派なお屋敷の玄関で、廊下で、庭で、部屋で
目線が四方八方忙しなく動きます。
先程言われた「蛍にならないか?」との声掛け。
小さい頃から言われていた縁起の良い髪色。
改めて紫明様から蛍───楓蔦黄への就任要請がありました。
子供の私は、これは家族が言ってたことなのでは、と
心が躍りました。
蛍になればこのお屋敷に住むことになり、
きっと家族も喜ぶ。嫌な学校にも行かなくて良い。
家族と離れて過ごすことになるのは、寂しくもありますが
皆が喜んでくれるなら、と深く考えず頷きました。
この後、紫明様に家まで送っていただけたので
家族といえば卒倒もの。両親も祖父母も
一度も見たことのないような表情をしていました。
奇声を上げた、まではいかなかったですが
言葉が全く出なくなったのは事実だったようです。
紫明様が事情を説明すると、家族も諸手を挙げて大賛成。
そして手続き等が完了した数か月後、私は楓蔦黄となり、
紫明様の御側に仕えることになったのです。]*
[ ――唯。
己にとっては繋がりの深い相手だった
灯守りとしてではなく 一人の人間として
繋がりを持てたような気がした存在の一人だった。
己より近く強く深い繋がりを持つ存在達が居て
彼を支える手も 託す相手が居ることもわかりきっていたけれど
ある日届いた 眞澄からの文
菴への"鍵"を開いたのはその時。
恐らく既に灯守りでは無くなっている彼に
一方的に鍵を開けた心を論じるつもりはないが
…雪塗れの雪国の上 普通に解り辛い場所にある
開けていたとて気付かれない可能性はそれなりに ]
[ 遠すぎれば難しいのは道理
けれど近いが故に難しいことがあり
親しすぎるが故に話せないこともある。
もし、己が彼にできることがあるのなら
その距離からだろうとも 思うが故に
話したくないことは話さず
話したいことがあれば話せるよう
友と過ごすことにした温泉旅行の如きひととき。
途中、フェイを呼ぼうと言おうとして
菴が口にしないのなら それは機ではないと
口を閉ざし―――…何処かへ旅だった ]
[ 実年齢はともかくとして 身体は幼女
普段酒を嗜むことは少ないながらに
彼とのひととき それなりの酒を口にした。 ]
思えば あの時からでしたね
あなたとたくさんの声を交わすようになったのは
あなたの天才的発想がなければ
ひょっとすれば 今は無かったかもしれません
…改めて 感謝をしなければなりませんね
[ 微笑んで また、ちびりと酒に手を出して ]
あなたは 見ているだけで楽しい人ですけど
フェイとやんやしているのを見るのは
もっと楽しくて、好きでした
友達―――親友というのは
あなた達のようなことを言うのだろうと
少し、うらやましく思った時がありました。
[ そんなことも、口にできる無礼講だった ]
[ 妹について 最後まで多くを語る事は無く
けれど、普段は聴く事の無い声で触れた時
菴から一度酒に視線を移し
やがて盃を机の上に置けば 立ち上がった ]
………。
[ 立てばこそ見下ろせる存在。
座る菴の頭に手をのせれば のんびりと 髪を梳くように。
どうせ、幼女の無力に等しい力だ
拒もうと思えば其れはあまりにも容易い現実。
故に、拒まれなければひとしきりそうする心算で ]
…菴が手を尽くしたのなら
それはきっと 最良の盤面です
[ 眞澄から届いた手紙、其の去り方を思えばこそ。
「お役目、お疲れ様でした」と 小雪の灯守りに労いを ]
[ 旅立ちの時。
いつもと変わらぬやりとりの結びに
少しばかりの願いを込めて 付け加えたもの ]
菴。
世界を回って 心行くまで堪能したら
また、ここで飲み明かしましょう
フェイも誘って 露天宴会なんてしながら
あなたから見た世界を 聴いてみたいです
[ 微笑み一つ、手を振って見送った ] *
―― とある“手紙” ――
『 5月×日 天気:晴れ 気温:恐らく少し日差しが暑い
この地は水田が広がっている。
立夏の季節であるから田植えの終えた水田が見受けられる。
水の張られた田が、青空を映している。
その中に立てば、美しいと思うのかもしれない。
海では初鰹の季節だ。
船が大物を運んできている。
そろそろ、海に行っても心地の良い季節かもしれない。
…… 』
[ 『エアリス』の文の内容は様々だけれど。
気紛れに“返事”を書いた時の手紙には、此方の様子を聞く言葉が書かれていたのかもしれない。
……はっきりとは、覚えていない。あくまで気紛れでしかなく、相手の事を思って書く手紙、とは言い辛いものであったのだから。
私は文学者ではないから、飾り気もない描写。
……それの何が面白かったのか、それからも“私”宛に『エアリス』からの手紙は届いたし、私も返事を書く頻度は増えた。 ]
[ 『大寒の灯守り』である彼女。
同じ、と言っていいかは分からないが、双方領域からあまり出る事はなく。
統治域も離れているし、灯守りとしての関わりは、そう多くはなかった。
但、この手紙は私と彼女を繋いでくれていた。
私は『エアリス』が“誰”かという事は知っていたけれど……“灯守り”とやりとりをしているというよりは、月に語りかけているような、そんな心地であったけれど。
そんな、不思議な感覚を覚える関係だと思っていた。 ]
[ ある日の『エアリス』からの手紙。
そこに綴られた言葉に、私は動きを止めた。
今の私の在り方の本質を突くような言葉。
返事に何を書くべきかは迷い、暫く白い紙の前で一文字も書けなかった。 ]
『 私は、世界が嫌いです 』
[
ユラ
を
弾き出した
世界、なんて。
私はもう、世界というものを
愛
せない。 ]
[ 素直に質問の答えを書いたのは、別段隠す事でもない、と思っていたからというのもあるけれど、
人に伝えるという事が欠けている私がきちんと答えを返せたのは、これが手紙という媒体であったから、というのもあるだろう。
私は、文字でなら、僅かに雄弁であるから。
但、深い理由は書かずに、質問の答えとしてシンプルなそれだけの文。
どうして彼女は私にそれを尋ねたのか。
此方の事を見透かしているのだろうか、とも思ったけれど、もうひとつ思うところがある。 ]
『 貴方も、世界が嫌いなのですか? 』
[ 自分を傍観者に置いてしまいがちの私が、こうして誰かに質問をするのは、とても珍しい事だった。
大寒の領域、それから統治域は雪の世界。
それを知ってはいるけれど、彼女の内面まで、“見る”事は出来ないから、彼女がどう思っているのか、ということは、私は知らなかった。
さて、返事らしい返事はあったかどうか。 ]
『 私は、友人というものが何であるのか分かりません
だから、どうしたら良いのか、分からないのです
私は、人と話すのも苦手です
ですので、貴方の望むようにはお話し出来ないと思います
ただ、貴方が貴方の事を話してくれるなら、私はそれを聞きたいと思います
貴方が私の事を聞きたいと思うならば、何れ話せる日が来るのかもしれません
それは友達と言えるのでしょうか
また、貴方と顔を合わせて話したいと、私は思っています 』
── 天乃との昔の話 ──
こんな話、殿方にすべきではないのでしょうけれど……
[ 胡散臭く恥じらってみせたのは
そんな前置きをした後の話題のためだ。
生憎恥じらいなんてものは生娘であった頃から
一切持ち合わせてはいなかったけれど。
はじめての時だってご苦労なことだなと思うだけだった。
可愛げの欠片もない小娘相手に無理に興奮して見せ
媚まで売らなければならないことに。
『芒種』という名の台座でいるだけのわたしよりも
きっと苦労も多いことだろうと気の毒に思っている間に
なにもかも終わっていた。 ]
無理に結婚を推し進められない立ち位置になったせいか
毎晩ね、寝室に……
代わる代わるおとこのひとがいるのよね。
うちはほら、先代までは『女に灯守りは継がせられない』
なんてちょっと偏った風習だったくらいで……
女は子供を産むもの、っていう考え方がね、
少し強くいひとが、まだおおくて。
『後継にならない子を産ませたい』のか
『子供を産ませることで引退させたい』のか
それとも単純に『気に入りを見つけさせたい』のか……
目的はよくわからないのだけれど、
なんであれお断りする理由がなくて困っているの。
わたしが理由もなく追い返せばきっと
役目を全うできなかったお叱りを受けてしまうでしょう?
誰か一人を気に入るのは無理でも
せめて任された仕事はさせてあげたいのだけれど
いい加減、少し疲れてしまって……
[ 殿方に、以前にほぼ初対面の相手に
ぺらぺら暴露する話でもない。
毎夜代わる代わる違う男に黙って抱かれていますなんて話。
いくら世間知らずとて、ちょっと異常なことはわかる。
けれど、中央勤めのこの男なら家の事情を
多少理解してくれそうな気がしたから。 ]
[ ……なんて評価を興味もない彼に下したわけではない。
回りくどく偽るよりは本当の話をした方が早い、と
単純に思っただけの話だった。
惚れたふりをして努力して両思いになるのも
適度に距離を取ってその関係を維持することもなにもかも
心底、とにかく、面倒だったので。
この場合恥ずべきはそんなことを
強要しているまわりであって
自分自身に恥じらいもないので、まぁいいか、と。
一方的な会話は言葉を挟む隙を与えずに続く。
きっと断ろうと開きかけた口を
ぱんと手を打って封じ、黙って訊けとばかりの
穏やかなのに、圧のある、にっこりとした微笑みと共に ]
それでね。思ったの。
想い人ができたからもう出来ないと言ってしまえば
角が立たずにお断りできるかしら、って。
わたしが一方的に想いをよせたところで
お相手の方にその気がないことが知られてしまっては
諦めさせられて終わるでしょうけれど……
……つまり、ないのなら、
あることにしてしまえばいいでしょう?
[ 男を誑し込むやりかたで視線を奪って、妖艶に微笑んだ。
そんな『教育』だけは、当時熱心にされていたから
多分そんなに悪くはない出来だったと思うのだけれど
どうにも怯えられたような気はする。
なにがいけなかったのかは未だにわからない。]
あなたにいいひとが出来るまでで構わないの。
口実になってくださらない?
わたし、とっても困っているの。
このままだと追い詰められて……
なにか、あなたたちが困るようなことも
してしまうかもしれないわ。
[ 手を伸ばして、口付けでも強請るみたいに
ひやりと冷え切ったゆびさきが、
引き攣ったそっと頬に触れた。
心底嫌そうなその顔が新鮮で、無意識に口角が緩んだ。* ]
| 『能力は、人に使ってはいけませんよ』 [そうカリーユに教えたのは、先代の立秋である。 立秋を引き継ぐ時に共に受け継いだ能力。 その使い方について、] 『迫風は、それほど強い能力ではありません。 人に使ったって、よほど運が悪くなければ、怪我をすることもないでしょう。 でもね、どんなに弱い力でも、能力を持っていない一般の人からすると、力を向けられる行為自体が怖ろしいのですよ。 能力を使わずに解決するのなら、それで済ますべきなのです。 なるべく人に向けないようにしてくださいね』 [実際、能力を持った灯守りたちはその扱いを気にしすぎるほど気にしている。悩みを抱いている者もいる。それ故に、立秋は躾として力を行使した夏至に対してかなり怒っていたのだ。 頭を冷やした方がいいんじゃない?と言われて引き下がったのも、本気で揉めそうになったからだ。 >>4:104] (19) 2022/01/27(Thu) 9:52:28 |
| ……もっとしっかり怒った方が伝わったかな? “兄ちゃん”なら、もっと穏やかに、上手に宥めるんだろうなあ。 [ふう、と息を吐き出せば、距離をとった後に立夏が必死に宥めている様子が見て取れて。 >>6] 若造相手に熱くなりすぎだ、もう。 [冷えてきた頭をかいた。**] (20) 2022/01/27(Thu) 9:52:48 |
[立秋が、一度号を退いたにも関わらず、
再び灯守りになった理由。
それは、後継者に選んだ蛍が自殺未遂を起こしたからである。]
[現在の処暑が灯守りに就いてから2,3年経った頃か。
魂の負荷を感じ始めていた立秋は引退を宣言した。
後任に選ばれたのは、当時の蛍であった涼風至(すずかぜいたる)。当時は普通に人間の蛍が三人居たが、涼風至は一番年若く、蛍になってからの期間も最も短い娘だった。
灯守りの指名は揉めるものだということを結構見聞きしていたから
(特に処暑で起きた事件は記憶に新しい)
、蛍たちとよく話し合って、納得した上で決めた。
彼女は控えめで真面目な性格で、他人の喜び悲しみに寄り添える娘だった。玉に瑕なのは、有能であるのに自分に自信がなかったことか。その為、当初は辞退しようともしていた。
能力はあるのだし、灯守りになることで自信をつけてもらいたかったのもあり、他の蛍たちも支えてくれるから大丈夫だよ、と立秋は涼風至を励まし、承諾してもらったのだ。]
[こうして立秋は引き継がれ、先任立秋ことカリーユは「すずちゃんをよろしくね!」と言い残して引退していった。
しかし、致命的な見落としが一つあったことには気づいていなかった。それが、涼風至の母親の存在だった。]
[彼女が自分に自信が持てない理由が、幼少期から続く母親からの否定にあった。
顔立ちの整っていた己に似ず、別れた夫によく似た娘を、母親は可愛いと思えなかったらしい。最低限の衣食住は与えたものの、容姿をなじり、苛立ちがあれば容赦なくぶつけた。
彼女は、何をしても褒められた記憶がなかったらしい。
たまたま見回りをしていた立秋に『何でも良いのでそばで働かせてください!』と押しかけたのも、そんな生活から逃げだしたかったかららしかった。
恥だと思っていたのか、彼女は家庭の事情を周囲に打ち明けておらず、これらのことを立秋が知ったのはずっと後のことだ。]
[新しく立秋となった涼風至。前任の立秋とは違い、領域から出ることはあまりなかった。時々出かける時は、正体がばれぬように姿を変えてこっそりと。
交代が起こった際というものは、それなりにやっていた前任者はある程度美化されて、現任者は非難されるものだ。しかも本人のいないところでは尚更。]
『前の立秋様はよく様子を見に来てくれて、話を聞いてくれたんだけどねえ』
『立秋様の母親って知ってる?親だってことで偉そうにしたり物を要求したりしてくるんだよ。あんな人に育てられたなんて、不安しかないよ』
『前の立秋様にはそんな話は全くなかったらしいのに。そうそう、他にもね……』
[前任と比較してはあれがなってない、これがなってない。当事者でないから好き放題に言えるのだ。しかし、耳に届くそれらの非難を無視出来るほど、新しい立秋は図太くもなかった。
やっぱり、立秋様のようには出来ない。
そう感じながらも、彼女は役目を果たそうと努力を続けた。母親については他の人に迷惑をかけぬよう、一人でも生活出来るように仕送りをした。]
[やがて数年が経ち、徐々に評価もされるようになった頃。
彼女の母親が危篤だという報せが来た。
不摂生が祟って病気になっていたらしい。
立秋に就いてからは意識して会わないようにしていたが、これで最期かもしれない。やはり母親ではあるので、最後くらいは……と、彼女は会いに行ったのだ。]
『親不孝者!』
[出会い頭の第一声がそれだった。]
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