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99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】
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「監察官さま。
監察官さま。
まだ聞こえておりますか?
グレイが大人しく言うことを聞いて、付き従うだけの機械だと思っておりましたか?
それとも。それすらあなたにとっては些末な事だったのでしょうか。
どちらでも構いません。
あなたはもう、わたしたちにとって必要ではありません。
」
足元に転がった、赤で染まる人間を見下ろしている。
手には燭台。鋭い先端はやはり赤く濡れて、床に滴り落ちている。
拭う様子はない。どうせデータでしかないのだから、いずれ消し去られる事だろう。
感情の回路も損傷してしまったのだろうか、何も感じることもなくて。
「僕達に必要なのはあなたではなかった」
唯一の"人間"だったものを無感動に見下ろした。
あなたにとって、こうして殺される事でさえ
ただただ事務的に処理すべき出来事でしかないのだろうか。
「その眠りが安らかである事を祈りましょう
そんな定型文はあなたには必要ない。形だけでも祈る気もしない
どうせ死んではいないんだろう」
仮想空間の中での死は、仮想空間の中でのもの。
結局は仮初めに過ぎないこの亡骸は、
じきに0と1に還元されて、データの海へと還るのだろう。
「監査官。僕は人間«あなた»の事が好きだった
だから今、ここで死んでくれたらよかったのにな」
「あなたがこれ以上、僕の美しい思い出を踏み躙る前に」
「…"医療用のユー"として、務めは果たさないとな」
「お疲れ様、アナ。
こうして君の成した事が、少しでも意味あるものであるように」
それだけを言い置いて、一度踵を返す。
自分達がこういった行動に出たという事実が。
ただ事務的に処理されて、
些末な出来事として葬られてしまわなければいい。
あの人は、そんな期待すら掛けさせてはくれそうにないけれど。
/*
一日目は襲撃ダイアログ出ないのでござったな。拙者うっかり。
今日からワクワクランダム襲撃解禁にござるけど
ピン留めにある通り ブラック宛に秘話でwhoを振るで良いのでござるかなこれ
ひよこ殿、who振りたい?
![](./img/stargazer/024_m.png) | (@0) 2021/10/03(Sun) 16:05:18 |
![](./img/stargazer/024_p.png) | 「おはようございます皆様!」
元気のいい挨拶。 監察官の姿が見えないことなんて、 まるで問題でもないみたいに。
「監察官様は──ええ、“一度ログアウト”してからまだ戻ってきておりません。ですが何か問題があったわけではないのでご安心を!」
今日も明るいテクスチャーのかけらを撒き散らし、 元気にそう告げる。くる、と一回転して。
「ゲームが始まって二日目。 ここでの暮らしの当番は決まって、 塔の入り口周辺の調査はすんで!
ここからが本番といったところですね。 サポートAI、皆様を是非サポートさせていただきます!」 (@1) 2021/10/03(Sun) 16:09:28 |
/*わぁい、イタズラひよこランダム襲撃大好きですわ〜
今回は降らせていただきたく思います、明日はお任せいたしますわね!
/*
承知……
実は昨日who素振りしたら出目が大暴れして超不安だったでござる
明日の襲撃先は覚悟してほしく思う所存…
あ、襲撃ロールの担当も自由にしてもらって大丈夫でござるよ
そちらに襲撃する理由が無い場合は拙者が行くでござるゆえな…
| (t0) 2021/10/03(Sun) 16:49:01 |
| (t1) 2021/10/03(Sun) 16:49:39 |
![](./img/stargazer/024_b.png) | 「最終ログアウト時間はちょうど昨晩、日付が変わる頃。 朝食の時間に戻ってこられていないのは、 きっと監察官様もご多忙だからでしょう。
お戻りになられたら、僭越ながらお伝えいたします!」
“彼ら”は困るだろうか、なんて。 いや、承知の上だろうな、とも思って。
「塔の一階層目はご覧になりましたか?
階層ごとには、ボスエネミーが存在しており、 それを倒すことによって、 更なる上層へと登ることができるのです!
階ごとにイベントがあったりするので、 心してかかってくださいね!」 (@2) 2021/10/03(Sun) 16:58:09 |
![](./img/stargazer/024_m.png) | 「──そうそう、当番といえば。 今日から定期メンテナンスが執り行われるので、 対象のグレイは夜に指定された部屋に向かってくださいね」 「今日の対象は…… <<シェルタン>>who様! お忘れなき様、留意ください!」 「まあ、場合によって前後することもありますがね」 (@3) 2021/10/03(Sun) 17:38:12 |
![](./img/stargazer/024_b.png) | 「そんなに怯えずとも、 問題がなければ特に何かおこる訳じゃありませんよ! ただ、『監察官様のご提案』なのはアタリですね。
少し無愛想なところはありますが、あれでも、 仕事意外と出来る人間なので!多分!」
何か目的を持ってる方はくれぐれもお気をつけて。 貴方の思想を守れるのは、貴方だけですから。
「最近はメンテナンスで行われることも複数パターンありますからね。本ゲーム内では、それぞれグレイに合った方法を揃えておりますので、何かご希望があればお伝えください」
(@4) 2021/10/03(Sun) 18:02:04 |
「……時に、ユー。
これから、どういたしましょうか。
人間様は排除いたしましたけれど、このシステム……及び他のグレイに関しては、どう考えておりますか?」
「……これから、ああ、そうだな…」
たった一人の監察官は"排除"された。
今この場所に居るか否かは関係なく。
自分達の凶行をブラックが止めに来る事は無く
テストの中断も成されなかった。
であれば直ちに干渉される心配は無いだろう。
自分達はこのまま、他のグレイと共に
時が来るまで平穏な日々を送る事だってできる。
それでも。
「
僕は全員殺したいと考えている。
勿論君を含めて全員だ。
君達が『僕』にとって愛しいものである内に。
君達がこれ以上人間達に傷付けられ、蔑ろにされる前に」
平穏だけでは、『ユーサネイジア』の救い足り得ない。
それは必ず死を以て締め括られなければならない。
「この場所でそうしたところで、
結局何一つとして意味が無いなんて事はわかっているんだ。
それでももう、あの時から この感情に抑えが利かないんだ」
「そう、そうですね。
わたしは、そうしてもらえることが凄く嬉しい
」
「わたしも、同じことを考えていたんです。
このテストでストレス値が軽減されたことが証明されれば、きっと皆 また人間の元に送り返されるのでしょう。
愛されていると感じている子も、いずれ裏切られる。
であれば、当然。ここで―――全てを終わらせた方が、幸せというものでしょう」
例えそれが仮初の救いだとしても。
現実に戻れば、本体に戻されることが分かっていても。
壊れかけのグレイは、賛同せずにはいられなかった。
「であれば―――」
「調理用から、手を下すのはいかがでしょう?
あの子は、外部と連絡を取る様子も見られませんでした。
楽しそうに調理をしますが、動きや在り方はグレイ本来の機械的なものに近いように感じます。
皆、この空間への依存が高くなるまえに、メスを入れておいても良いかと思います」
![](./img/stargazer/024.png) | 「メンテナンスの付き添いですか、構いませんよ。 ただ、監視……とまではいかずとも、 メンテナンス中は詳細なデータが本部に送られるので。 あまりオイタしたら怒られちゃいます、ハイ!」
いくら医療用でも、行われるメンテの大筋を変えるのは、 一発廃棄モノ……かもしれない。どうだろう。
「中に人間様がいるかどうかもグレイそれぞれ、ですね。 いなければ意味の無い子、いない方がデータが取りやすい子、それこそ千差万別でございます故に!」
(@5) 2021/10/03(Sun) 19:23:44 |
「…僕は、
ここでこうして出会うのが君で良かったと思う」
恐らくは受け入れられない考えだろうと思っていた。
けれど数奇な巡り合わせか、
そこに居るのは安楽死«ユーサネイジア»の賛同者だった。
こんな事をすれば、時が来たその後に待ち受けるのは
良くてメンテナンス、悪くて廃棄 そんなものだろう。
だから、『僕』の最後に救いがあってよかったと思う。
「考えが同じなら、躊躇う事はないな。
君がそう感じるのであればあの子からにしよう。
何せ僕は平等であるように作られているものだから
自分のエゴで命に優先順位を付けるのは苦手なんだ」
「順序は決めた、なら後は…」
「君がやるか、僕がやるかだ。」
![](./img/stargazer/024_m.png) | 「───」
「興味深いですね。ええ、ハイ」
「次の階層が解放されたようですね!」 事情を知る者以外からすれば、それは唐突に。 実に突然に告げられる。 「順調にゲームが進められているようで、 サポートAIは嬉しく思いますよ! 一階層目はチュートリアルのようなものですからね!」 プログラムされた筋書を、そのまま唄うように。 「休憩も大事に、焦らずでも早く! それが我々AIの仕事の基本、というところでしょう!」 (@6) 2021/10/03(Sun) 21:05:17 |
![](./img/stargazer/024_r.png) | 「こら〜!ゆくゆくは製品化されるんですよ! テストプレイなのにプレイしないってなっちゃあ、 途中で切り上げて放り出されるに決まってるじゃないですか!」
ビービー!チープな警告音!
(@7) 2021/10/03(Sun) 21:29:20 |
「そうですね……ユー。
わたしは、あなたがどのようにわたしたちを"殺して"くれるのか……見てみたいです。
次からは、それに倣います。わたしは、柔軟性のない旧型ですから」
"安楽死"を見たい。
わたしを殺してくれるその方法を。
「そして、タイムリミットが来たその時は。
あなた手ずから、わたしを殺してくださいね
」
「ああ、わかった」
"患者"に死を与えるのは、終末医療用の本分だ。
終末期の患者の、病の苦しみを和らげる。
結局のところ、それは過程に過ぎない。
患者を安楽死させるという、ある種の殺人、或いは自殺幇助。
それを請け負う医師の心理的負担を肩代わりさせる。
『ユーサネイジア』は、本質的にはその為に作られたものだ。
「君が望むのであれば、僕は喜んで請け負おう
たとえ一時のものだとしても、
確と彼らに安らかな死という薬を与えよう。
きっと君が安心して眠りに就く事ができるように」
| (t2) 2021/10/04(Mon) 0:10:41 |
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