29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】
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[ ──日記に、手紙に、押し花に、ドレス。
屋敷には肖像画がたくさんあるし、
残すものばかりだ。
綺麗なものに縋っていたいのだと思う。
枯れる前を、死ぬ前を、忘れずに居たいのだと思う。].
…リドルは人の顔をけして忘れない。
一度見ただけの顔も、決して。
それだというのに、誰も僕の顔を覚えていないなんて、
そんなのは理不尽じゃないか。
[ 不用意に言ってはいけないなんて、
かいぶつでないひとは誰も教えてくれない。 ]
[ 名前をかたちづくったところで、
くちびるから、その音は出ていない。
簡単に、呼び止められたら、
なんだって苦労はしていない。なにもかも。 ]
[ ──今は、とうにかいぶつであれ。
自分手を汚すこともなく、
笑顔でギロチンの縄を斬る男であると。
男を指差す者どもは言う。
きっと蝶を手折るのだって、
何も悩みもせずやってのける。
その自信さえあった。]
[ うつくしい蝶であれば、絵にでも残してやったのに ]
[ 喰い殺される前のあなたが、まだ残っている。
何時かと同じ素足は、
美しい、を纏ったものであるのは、
もう 違いないのだろう。
結局 自分だって、生きた頃に縋っている。 ]
[ ゆめのなかの一幕は、けして血濡れたものでは無かった。
珍しい、ゆめでもあった。
多少なりとも無ければ、白昼夢にも見ない。
唯──赤薔薇と青薔薇が、
手を取り合って踊る絵を、
起きるまでずうっと見せられていた。
短調で逆にキツいなどと、最早文句の言い分だ。
唯、これが毎夜ともなると…]
[ ──日記に残された一文は、
大分意味の伝わらないものだ。]
[ 碧が、子供を見詰めている。
過去しか視えない その、瞳で。 ]
[ いつか、リドルはまるで“何でもない”ことのように
硬い膝を枕にして語った。
ゆめで誰かを喰らうたび、己を削り取っている。
真白の掌を天井に掲げ、
指の間から真上の彼女を見る。
汚れのない、男にしては華奢な手だ。
──だから僕は必要以上に見たくないのさ。
人と関わらない理由を此処にこじ付けて、
指の間に隠れつ うっそりと わらっている。]
[ 以前書いた日記の後に、新しい日付と共に、
短い文章が書き加えられている。
日付を見れば、それが総攻撃の後であることは伝わるだろう。]
〇月△日
わたしが日記を書いて読んでもらうのは、
そういえば初めてで、
なんだか照れてしまうような気もするけれど――
心から、“嬉しい”と思うことがあったから、
書き留めておきたかった。
心から、誰よりも、愛おしいと思うひとが、
無事に帰ってきてくれたこと。
命も、心も、なにひとつ失うことはなく、
傍にいてくれること。
信じられないほどの幸せで、
言葉にすることは、難しい。
嬉しい、幸せ、それ以外に言葉が見つからなくて、
君が目を覚ますことが待ち遠しくて仕方がなくて、
また笑いかけてほしいとか、声を聴きたいとか、
触れてほしいとか、触れたいとか、
わたし一体何をした…とか、布団を被って
叫びだしたくなったりだとか、
喜ぶ顔が見たいとか――沢山の感情が沸きあがって来る。
不思議だったことがある。
以前のわたしは、自分の心が分からずに、
これはなんだろうと指を伸ばしても、
割れた硝子の破片を鷲掴みにするようなもので、
元通りの窓にすることなんて出来ないと思ってた。
でも、この日記を読んでいるときは、
言葉をつづっているときは、
感情が戻ってくるようだったと、
前に伝えたことがあったね。
―― 先の見えない闇の中で、
一緒に光のある場所を探せればと思って。
そうしているうちに、いつのまにか、
綴られた言葉が、わたしの心に追いついて、溢れている。
もう一度、わたしに心を思い出させてくれてありがとう。
傍にいるなら、言葉でも伝えられるけれど。
これまでに君が書いた言葉が残されているこの記録は、
やり取りを全部覚えていてくれるこの記録は、
わたしにとって、とても、特別なものになってた。
だから、これからも、
こんな風に、伝えられたらと思うんだ。*
何時もデートって言う癖に、結局外に出たから無いし
その間に体力無くなったら意味も無いのに。
勝手に飼っておいて私が他の男と何処かへ行っても、
きっと連れ戻しもしないのだと思う。
その癖私が出て行ったら 勝手に夢に出てくるのだろう。
あのおひめさまの方がよっぽどわかりやすかった。
かわいそう。
適当な奴ひとりいるだけで大騒ぎになるなんて。
[ 客室の棚に収まった、
紙切れ数枚の、なにか。 ]
[ 達者になったとはいえ、
Mの癖だけ目立つよな、 ]
[ あれから 薔薇の話は、何一つ聞いていない。
夢に出てないことは 確かだけれど。 ]
[ ここ数日の "残す" ための手記には、
同じ文言が 続いている。 ]**
○月◇日
今日は僕にとって最高の日だ。
記憶を全て思い出し、また目を覚ました後も
僕は僕で居て、頭痛ももう起こらない。
そして今、隣にはルークが無事な姿で居て
彼女が今まで無くしていたという"心"を
思い出すことができたと、言ってくれたのだから。
お互い、無くしたものを思い出した後は
これからは、互いの中に色んなものを
増やしていきたいと思う。
でも、そうする前にね。
一つだけ、ルークに言ってなかったことがあるんだ。
僕が機獣と一緒に降って来た最初の襲撃で、
僕は、基地の人を誰一人攻撃しなかった。
僕が攻撃したのは、機獣への一撃のみ。
君の父親の仇ではなかった、と安心はしたけど
もっと早く、僕に自我があればという後悔がある。
僕が機獣を葬るまで、かなり時間があった。
それまでただじっと立ち尽くすだけの
突然天から降って来た正体不明の僕の姿は
基地の人達にとっても、脅威だっただろう。
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