7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】
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[3年後]
[あの時スタンドから見ていた景色は
今ではグラウンドから見上げるものに変わった
今日の試合は交流戦。あの時と同じスタジアムにて。
初めて野球観戦をした日を思い出す
教えてもらった引っ張り打ちを武器に私はここまでやってきていた]
[あなたが帰ると知った日
私は、あなたの夢を叶える決意をしたんだ
それがきっと、あの日の1番のお返しになる
]
[そしてあの地で偶然にも打った右方向への初本塁打が決勝打になって
チームはその日勝ち星を掴んだ
帰ってきたホームランボールを手に
ヒーローインタビューで聞かれた事
「このホームランボールは誰に渡したいですか?」
定番なら親、あたりだろうか
両親に渡したい気持ちが湧き上がるよりも先
何故だか私はこの問いに即答していた]
私の、恩師の人に渡したいです
[ナイター球場のライトと、カメラのシャッターの光が眩しい]
[自分のサインを入れたプロ初のホームランボール
キミは私の言う
あの時を知らないかもしれない
だけどどうしても渡したかった
グラウンドの中を駆け抜ける
深い緑色の髪の後ろ姿を見つけて、笑顔で声をかける]
待たせてごめんね
……これ、”あの時”のお返し。**
― それから数週間後 ―
[愛する人に生涯を誓う指輪を贈り、
望み通りの反応
を得た旅行から数週間。
予定通り、ヴィクが家に越してきた。
毎日「行ってきます」と「おかえりなさい」を言い合い、
同じベッドで眠りに就ける、夢のような日々。
ヴィクの嬉しそうな、幸せそうな姿を眺める度に、こちらまで幸せな気持ちになる。
自分一人の家でなくなったのを機に、二人用の大きなベッドを購入した。
旅先で共に過ごしたキングサイズのベッドには及ばずとも、それなりに質の良いダブルベッドだ。
今朝も彼は、未だ夢の世界の住人となっている。
相変わらず多忙な日々を送っているから、疲れが溜まっていたのだろう。
隣に寝転んだまま愛らしい寝顔を眺め、
額に掛かった前髪を払った。
額へと軽く口付けを落として、
起きる様子がなければ、耳元へと囁き掛ける。]
――ヴィク、朝ですよ。
起きてください。
起きないと――ーー…………
食べちゃいますよ?
[スタールビーのダイアモンドがあしらわれた指輪を嵌め込んだ左手を、そっと彼の左手へと重ねて。
指を絡めて、ぎゅっと握り込む。
――さぁ、起きてください。
『ヴィクとリー』の為の、新しい家を探しに行こう。]**
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