お断りします！
　わたしは、自己犠牲なんてするつもりないですからね……！！

[だけは、とは言いましたけど。言葉の綾です！>>261
　わたしとマシロさんが一緒にいることは、
　わたしの中で大前提。
　結果そうなったのならまだしも、
　自分から敵と心中する気は微塵もありません！！]

　


[途端、周囲のアスファルトが泡立ち、
赤く溶けて溶岩の池を作りだす。]


　再実行《Redo》、再実行《Redo》、再実行《Redo》、
　再実行《Redo》、再実行《Redo》、再実行《Redo》、
　再実行《Redo》、再実行《Redo》、再実行《Redo》！

[そうして、権能を注ぎ込まれた溶岩の塊は、
隆起して１体の巨人となり、襲い来る
３体の巨石戦士を迎え撃つ――――！！！*]

[問いには、答えません。
　ただ月に膨大なエネルギーが集まったのを見て
　――わたしは、笑いました]


　ッ、あははは！
　わざわざそこにエネルギーを集めてくれるなんて！
　..｡o○☆○o。..:*ﾟスピカ*:..｡o○☆○o。《ｽﾋﾟｶ·ｼｬｲﾆﾝｸﾞｽﾀｧ·ﾊﾞｰﾆﾝｸﾞﾊｰﾄ》さんは優しいですね！
　

　Moon Crying
　月が夜空の中
　Moon Shouting
　冷たい雨を降らせている

　陰と陽
　どちらでもあり
　どちらでもない
　そんなわたしを月《あなた》は許してくれますか？
　孤独な夜は星を咲かせては消していく

　Moon Singing
　暗闇の中　誰もいないのに
　Moon Seeing
　暗闇の中　何も見えないのに

　根底は闇
　要素に光
　どちらか片方だけでよかったのに
　欲張りな運命は両方を求めて
　月《あなた》はみなしごを生んだ

　それでも　ねえ　望むのなら
　手を握りたいよ
　孤独な月じゃなくって
　輝きあえる星になりたい
　あなたとならきっと　できるから

[、と。
　エネルギーを受け墜ちたのは、ただの星々ではありません。
　――それは、月。
　黒い燐光を纏った月が、
　ものすごい速さで墜ちていきます！]


　これが真の”月の襲撃《ﾙﾅｱﾀｯｸ》”です――！


[超質量が..｡o○☆○o。..:*ﾟスピカ*:..｡o○☆○o。《ｽﾋﾟｶ·ｼｬｲﾆﾝｸﾞｽﾀｧ·ﾊﾞｰﾆﾝｸﾞﾊｰﾄ》さんを追いかけて墜ちていくのです。
　もちろん「本物」ではないですが、膨大な質量と黒輝きを持っています。
　そしてこちらにも、超重量のエネルギーと神殿が墜ちてきます。
　――チキンレース、という奴でしょうか！*]

［頭上から星が降り眼下に広がる地上は荒れ、まるで恐竜がいなくなった時のようだ。］

何なんだアイツら。
くだらない問答で世界の取り合いっこかァ？

［二グラスの気配を感じて来て見れば虚像の数々。］

［ニグラスとは似ても似つかぬ別個体。
神の真似事か。］

ニグラスは世界を支えるのに
あの別個体は世界を壊す、のか…。

［まぁいい、全てのものに。
祝福を。］

　……直撃。


　　

　敵手、目視確認……推定ダメージ、中破以上。
　それでも前に出ますか。先代躯体《ﾑｰﾝｽﾄｰﾝ》
　
［蒼き光の寄り一層輝くのを、目をすがめて見守る］

［そして──靭い、実行の節と共に──熱気が満ち、やがて赤熱する巨兵へと変わっていくのを見て］

　熔巨人による最終戦、というわけですか。
　月長石《ﾑｰﾝｽﾄｰﾝ》、貴女に敬意を。
　……出し惜しみはこちらも、無しといたしましょう。

［あるいは三騎で多勢を維持すれば、より勝算は高いかもしれない。
それでいてなお、この札を切るのは──先代への敬意である］

　認証《ｺﾈｸﾄ》。
　紅晶の三騎よ──管理権限者《ｱﾄﾞﾐﾆｽﾄﾚｰﾀ》により、最終コードを投入します。
　コード、──承認。

［天空に掲げた左手の甲に、個体認証印が輝く――！］

　


.

……あら。
天使様まで見守りに来るなんてね。

暇だったら、私の所に遊びに来れば良かったのに。

[戦場を見守る彼女は愉し気に笑う。

掌の上、まさに言い得て妙だった。]

[月からの狙撃を黒輝水晶を96、召喚して弾き飛ばそうとしますが。
　パキィィィン、と。そらすことができたのは僅かなエネルギー。
　狙撃の光は、右腕の肉をそのまま持っていきます……！
　困ったな、手が片方しか繋げなくなっちゃった]


[マシロさんの様子はどうだったでしょうか。
　近づく神殿と月。それらを回避する手段が彼女に充分ないようなら。
　――ああ、それはもう運命なのでしょう。
　前言を撤回しなきゃ。*>>279]

［紅の騎士地に大剣を突き刺して、宙に舞う。
雷獣がその足元に走り込んだかと思えば、背骨に沿う形で真っ二つに分かれ──騎士の両脚として接続される。
続けて、大きく宙返りした孔雀が逆落としに背中へと飛び込んで、騎士の翼へと成り替わる。

最後に、大剣が赤光に包まれて──より分厚く、巨大な長鉾へと姿を変える］




［熔岩の赤に対峙する、三位一体の紅晶将騎をば、徒《ボク》は前《ｾﾞﾝｼﾝｾﾖ》と指し示した*］

［星と星の衝突に備え。］

― 守護天使の光輪 ≪ｱﾝｹﾞﾙｽ･ｸｽﾄｽ･ｱｳﾚﾛｰﾗ≫―

［天から重ねて光を贈る。
地上に光の膜が貼られる。
これ以上この世界が傷つかないように。］

[応酬《ﾊﾟﾝﾁ》､応酬《ｷｯｸ》､応酬《ｺﾌﾞﾗﾂｲｽﾄ》。
溶岩でできた灼熱の拳が、騎士を、獣を、孔雀を襲う。

使徒は、それを固唾を飲んで見守っていた。
そして恐らく、それは向こうも同じであろう。

後にこの光景を見たイシは語る。

―――あれは紛れもなく、
イシとイシの真剣《ｶﾞﾁﾝｺ》勝負であったと。]

[最初、勝負はほぼ互角に見えた。
>>291>>294 だが、突如として３体が合体し、
現れた紅晶将騎に、月の巫女は愕然とした。]



　っ　なん、だと……

　

[溶岩魔神が。あの溶岩魔神が押されている。
そして振り上げられた、紅晶将騎の長鉾。

圧倒的な質量が月の使徒へと迫り、
咄嗟に彼女は溶岩魔神に防御させる。

――――だが、防ぎきれない。]

[凄まじい衝撃と爆音。]


　――――――――……


[………煙が晴れた時には、
先代躯体は、頭部を残して四散していた。

少し遅れて、カラン、カツン――――と。
地面に、銀のカプセル状の何かが落下する。]

[光は消えていく。

消えて、消えて]

　………


　……………損傷率、98％……



　　　　嗚呼、情けない……　完敗だ。

[もはや、この損傷を修復するのは不可能。

どうやら、自分は「ここまで」らしい。
もう旧型の躯体に、動く力は残されていない。

己はヒトの持つ有限の命に価値を見出したが、
……嗚呼、死とはこんなにも恐ろしいのか。]

[電源が、切れて。]

　……………、ぁ


　………せめ、て　　あれを、彼女に……

[もう、伸ばす腕は砕けてしまったけれど。
霞み濁ったその目で、懸命に預かり物を探す。

最期の力を回し、《管理者》の捜し人を。
「不死鳥の少女」を探し出そうと。]

　……ス　キャン、　カイ始。


　解　析中…

　・析中……

　解セキ　中………


　　　　　　　　　……。

[―――――――――――――――――静寂]