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【人】 英 羽凪これ、やめとけよ。 明らかに怪し……じゃない、危ないだろ。 [悪の組織?正義の味方?? 正義筆頭だろうどこぞのアンパンを見てみろ。 あいつ、愛と勇気だけしか友達いなくて、時間もお構いなしに呼ばれて飛んでくんだぞ。 めちゃくちゃブラックだろ。 というのは勿論だけど。] (533) 2020/08/05(Wed) 0:55:48 |
【人】 英 羽凪……色々と反対する理由はあるけど。 何より、俺が心配なんだよ。 お前が丈夫で悪運強いのは知ってるけど。 [ほんと、何をしでかすかわかったもんじゃない。 まあそれが楽しくもあるんだけど。 もう一度手を伸ばして、今度は宥めるように瑛の頭を撫でた。 そんな、超ホワイトな就職先に巡り合うちょっと前の話。*] (534) 2020/08/05(Wed) 0:56:23 |
【人】 大学生 早乙女 真珠─日常に戻りまして─ [ホテルから帰ったあたしは、普通に普通の女子大生に戻った。 三上麗央の恋人、という秘密の肩書きを除いて。 当の彼氏、三上麗央はと言えば、解散だの会見だの、 ────テレビの向こうから見ているだけでも、 忙しそうなのが明白だ。 スマホが鳴らない日があるのも当然、 その位の覚悟はできていたのだけれど 麗央くんが、 あたし を身につけていてくれるのが分かる度に落ち着いたら、いっぱいぎゅってしよう、って それまでは我慢の時期、麗央くんを応援する為の、って そう思って、いつか──一緒に住む時のために、 ちゃんと勉強でもしとこうかなって] 『ねえ!真珠ってピアス開けたの?! 耳のソレ、三上麗央のとイロチじゃん? I NEED U好きだったっけ?麗央担になったの?』 ──休みの間に麗央くんにハマっちゃったんだ! めっちゃ 大好き!愛してる!! [ウソの中に混ぜた本音は、 いちファンのそれとして消えてゆく。 でも、それでいい。 「今は」ね。]** (538) 2020/08/05(Wed) 1:23:46 |
【人】 悪の科学者 清平 一華― プールサイド ― [察する汲み取る、という理性的な行為がおそらく他人の仕草なのだ。 そういう単語抜きに、自然と相手に伝わる間柄……そういうのが善いのだろう。 甘え合うのも弱まり合うのも、きっと想うあまり勝手にそうなっただけのもので。 仕事着を脱いで、(ラーメン食べて)、自分を顕にする――あのときから、自分たちはそうなろうとし続けて、やっと辿り着いた。 最初から、求めあっていたのかもしれない。] そう言われようと思ったのは初めてよ……、ヴェレ [応えて彼の名前を呼ぶ…が、それはファーストネームではなくて。 ファミリーネームの先頭だけ呼んだのは、きっと何かの意図と、"ジャン"以上に親愛を込められる根拠があるのだろう。 あとで訊かれれば答えるし、今はそれよりも大事なことがある――とは、預けた頭の上に傾けて見上げる瞳が語ること。] (539) 2020/08/05(Wed) 2:33:25 |
【人】 悪の科学者 清平 一華[その後、プールから上がれば――更衣室で詩桜とまた顔を合わせたろうか。 結果報告はするつもりは無かったのだが……上々の成果だったのは言わずとも気付かれたろう。 そしてまた彼と再会する。 連絡先交換の名目で――会いたいという理由で。] いちおう説明すると……veleはイタリア語とかスペイン語とかで帆とかキャンバスとかいう意味がある これからの人生を進むにしろ彩るにしろ……なくてはならないとても大事なものだから、私はそう呼びたい [彼の名前を呼びたいではなくて、彼がいかに自分にとって意味あるものかを告げたい――という感性は独特なものかもしれない。] (540) 2020/08/05(Wed) 2:37:07 |
【人】 成瀬 瑛ん? [ 一行メッセージの送信という大仕事。 なんとか終えて息を吐くと同時に。 くいっと服を引かれる感覚に合わせて振り返る。>>529 正面に見える羽凪くんの顔。 なんと言うか、いろいろと心臓に悪い。 ] ………………… 見た? [ 彼の目が画面に向けられていることに気づけば>>529 たっぷりと時間をかけて、それだけを口にした後。 ] 今見た内容を公言してみるといい。 あたしは、ありとあらゆる手段を使って、 君のスマホからも情報を抜くからね……! [ 将来正義を志す人間とは思えない、前職の技術の悪用。 呪詛の如く続ければ、 逆に関心を引いてしまったかもしれないね。 ] (541) 2020/08/05(Wed) 11:08:43 |
【人】 成瀬 瑛[ それでも、増えた連絡先がもたらしたのは。 危惧していたような、 疲労や恐れといった感情とは、別のもの。 今後、通知音を鳴らすスマホ画面を覗くあたしの顔は、 きっと何かを待ちわびるように、そわそわしている。 ] (542) 2020/08/05(Wed) 11:09:01 |
【人】 成瀬 瑛[ 週一バイトの仕事が増えるのは困るけれど。 古書店のお客さんが増えたことには、 やりがいを感じていた。 ただ、それが“お客さん“から外れてしまったら、 ] あっ、ごめんね! あたし彼氏いるから…… って、ちょっと待って! あたしって羽凪くんの彼女でいいのかな? そりゃ、あたしは羽凪くん好きだし、 一緒に暮らしてるけど…… お付き合いは………??? [ レンタル彼女は、彼女がスタート地点だったから。 そこに至るルートがわからない。 ぐるぐると混乱しているうちに、騒ぎを聞きつけた 他のお客さんも合流し始めて───? ] (547) 2020/08/05(Wed) 11:30:19 |
【人】 成瀬 瑛[ 勤務時間中に談笑なんて、従業員としては失態だ。 以前のあたしならば、 とんでもないと目を丸くしただろう。 ] さーて、今日もお仕事頑張ろう! [ 爽やかな朝の日差しを浴びながら、 あたしは、元気よく店先のシャッターを持ち上げる。 ……それでも優しい人達と巡り合えたおかげで、 今のあたしは、ご飯を食べて、寝て、 楽しく仕事をしている。 大切な、君の隣で。 あの夏の出会いに、感謝しながら。 ]** (549) 2020/08/05(Wed) 11:31:28 |
【人】 雅楽 雅 ― 後日:喫茶店 ― …写真って凄い。 [献本された自分の写真集の頁を捲りながら、 感嘆の息を漏らす。 カフェオレのグラスには水滴。 氷が溶けて、カランと音を立てた。] このさ、 『夏。この場所で、貴方に出会った。』 っていうの。 私、貴方のこと覚えてないし。 いい思い出も……特にないんだけどな。 [キャッチコピーっていうのだっけ? それに触れながら、私は思う。 心の中で消せなかった蝋燭の火。 あの場所で過去と別れた。 “今”と“これから”だけを見るために。] (550) 2020/08/05(Wed) 14:29:09 |
【人】 雅楽 雅──────… [頁を捲る手が止まる。 これはいつ取られたのだろうか。 森の中、初めて写真を撮られた時と同じように 空を見上げる私。 けれど、引き寄せられたその表情は、] ……酷い顔。 [悲しそうで寂しそうで。 泣いているみたいで。 心の奥、今までは誰も気づかなかった。 今までは誰も見ようともしなくて。 誰も、気付かない。 気付く筈がない瞬間が切り取られていた。] (551) 2020/08/05(Wed) 14:29:12 |
【人】 雅楽 雅ん?うん、定期健診は午後から。 [三か月置きの画像検査。 再発の有無を診るそれは、 けれど再発が見つかったからといって どうにかなるわけではなく。 一度芽吹いてしまえば、 手の施しようがないと言われている。] コミュのパンフさ、病院でも置いて 貰おうかなと思っていくつか持って来たんだ。 [紙袋の中の冊子を示す。 それは、私と同じように、頼る人のいない、 身寄りのない人同士が助け合うために作った コミュティで、ブランドの後押しもあり 会員数も伸びていた。] (552) 2020/08/05(Wed) 14:29:14 |
【人】 雅楽 雅こういうサポート事業、意外になくて、 当時私は凄く辛かったから。 高齢者向けのものはあるのだけれどさ。 [命を刻む秒針の音は普段は聞き逃していても、 本当に不意に、何でもないときに思い出すもので。 当然、定期健診の時などは否が応でも 現実を実感させられるのだけど。] …大丈夫。 ひとりで行けるから。 [いつ終わるとも知れない未来なら、何も持たずに。 そう考えていたことを、目の前のこのひとは 気付いていたのかもしれない。] その代わり、前に行ってた歌の話はなし。 [そう言って、席を立って店を出る。 慌てて付いてくる気配に思わず笑って、 空を見上げれば、 雲一つない蒼が広がっていた。] (553) 2020/08/05(Wed) 14:29:17 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美── 1人の景色 ── [目覚めた朝に、あなたが居て。 擦れ合う肌に、生まれたてのような喜びをみてた。 あなたに目覚めの口付けをして。 ゆっくりとバスタブで体の強張りを解したら。 あなたがホテルで過ごす最後の一日を、共に過ごした。 ハナくんはもう旅立って居たかしら。 思い出が、笑顔で彩られるものなのか、聞いてみたかったな。 ビリヤードの一件は知らないから。 そんなことを言ったら、あなたはヤキモチでも妬くかしらね。 旅立ちは寂しいけれど。 私はあなたに住所を強請って。 教えて貰った住所を手帳に書き留めた。 蛍を見よう。 今度は口付けを交わそう。 そうしてもう一晩、共に眠ったら……。 「またね。」って。 約束をして、お別れの時間。 なんでこんなに寂しいんだろうね。] (555) 2020/08/05(Wed) 18:47:57 |
【人】 花嫁の友人 市村 真由美[私の夏休みは、あなたより1日長くて。 あなたの出て行った部屋に、もう1晩、1人で泊った。 ジェシーに乗って、見て回った景色はやっぱり綺麗だったけど。 お土産屋さんで、絵葉書を見て回る。 美しい写真の印刷された絵葉書は。 このホテルの美しい景観を、余すところなく捉えていて。 夕暮れの葡萄畑。蛍の夕べ。 私は悩んで、2枚の絵葉書を買った。 蛍の絵葉書には、『星が降りてきたみたいだな。』>>1:684 一言そう書いて、自分の住所と名前を書いた。 もう一枚。夕暮れの葡萄畑の絵葉書に。] (556) 2020/08/05(Wed) 18:48:43 |
【人】 アイドル 三上 麗央━その後━ [結局、I NEED Uは解散することとなり、惜しまれつつも解散ライブを。 その際莉央が「オレ、普通の男の娘になります!」と宣言して嫁いで行った。微妙なニュアンスの違いに気づいたファンはいるのだろうか。 メンバーのもうひとり、尚央はプロゴルファーに転向した。プロテストだかに合格していたらしい。だから引退したかったようだ。 そして、三上麗央は役者に転向した。 役を演じる時以外は耳朶に みかん色 が輝いていた。**] (557) 2020/08/05(Wed) 19:07:34 |
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