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【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 人と異なり別段食事を必要としない男の城は 男と彼以外の気配を失くさせていた。 実際は必要に応じた眷属を呼び寄せる事もあるが そんな事は些細なものだろうと決め括っていた。 広々としている割に伽藍堂の城内で 二人分の靴音は静かに響く>>406 ] 一人を怖がる歳でもなさそうに思うけど 君は随分と怖がりなんだね。 でも安心するといい。 今は、ふたり、だろう? [ うっすらと熟れた頬の理由は何だろう。 思い当たる節は幾つかあるものの 震える細い指先を見つければ 宥めるように親指で撫でてやった ] (431) 2019/04/10(Wed) 9:44:06 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 男にとって性別など大差ない。 だが例え線の細い少年であっても少女の服装は厳しそうだ。 そんな事を考えながらも少年の様子を確認する。 子供達の間に親密な繋がりはなかったのだろうか。 大きなショックを受けているようには思えなかった>>412 だが、この手は離されない。 随分と気に入っているのだろうか。 男は面白そうに口端を上げて、彼の願いを叶えた>>417 ] そうだね。 君の為に仕立てるのもいいけど その間に倒れられてしまっては困る。 一先ず、これを羽織って。 [ 肌寒さに震える子>>418に渡すのは 同じく肩に羽織っていただけの黒の外套。 薔薇の蜜を染み込ませたような薫りを残すそれと 今彼が丹念に塗り込まれた花の香りが混ざり合う。 傷一つない玉の肌を隠すような衣服を衣服を抱いたまま 何処か落ち着きのない様子>>421に口角を上げた ] (432) 2019/04/10(Wed) 9:44:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスそうだね。 とても良い花の香りだと思うけれど 君でなければ意味がないから。 湯殿なら一階の右手奥側にある。 左手側は君達が食事を摂る場所がある。 お腹が空いているようであれば用意しよう。 階段奥にある扉は庭園と繋がっているし 今なら薔薇が咲いているだろう。 気になるなら確かめてみるといい。 [ ここで日々を過ごす上で必要なことを伝えておく。 ふと視線を合わせたまま双眼は眇めれば 辿々しい話し方に片眉を上げた。 耐性のある子供なのかと思っていたが、 彼もまた夜に溺れてしまうのだろうか ] (433) 2019/04/10(Wed) 9:44:59 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 子供が成す幼い戯れ>>422 甲への口づけは敬愛の姿勢を示すものだが それにしては違和を抱いていく。 手袋越しにも伝わる唇の柔らか、灯す熱。 男の冷えた指を僅かに侵食する存在に ぴくりと僅かに瞼が震えた ] ――セレン。 君はいけない子だね。 そんなに熱い唇を押し付けて、どうしたいの? [ 吐息だけで笑みの形を象り、 くすくすと揺れる空気を作り出した。 繋ぐ手を振り払うことは容易だった。 しかしそれを是としないまま唇に押し付ける。 滑らかな生地で仕立てられた手袋の下に 骨張った硬い男の手の感触を伝えさせ ] (434) 2019/04/10(Wed) 9:45:31 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスこれも君の望み? [ 問いかければ愉快だと滲む双眸を覗かせた。 褒美だとばかりに親指だけはいたずらに動き、 彼の赤く熟れた林檎色の頬を撫でる ]** (435) 2019/04/10(Wed) 9:45:55 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 手を繋がれた理由>>470までを察する事は出来ず。 男の目から若しくは眷属の眸玉から映る世界を 言葉にして少しずつ埋めるだけ。 随分と様々な子供を見てきた。 だが、どれもすぐに捨てたりはしなかった。 少なくともその子供が持つ色を見るまでは決して。 問いかけに対して彼の返答を待つ。 素手を覆う袋越しに子供を愛でていた>>471 彼の答え>>472は小気味良いものではある。 その回答に対する理由は続く言葉だろうか>>475 しかしその中にまさか夜伽まで膨れまれているとは。 悪趣味な爺い共に思わず喉を鳴らして嗤いそうになるが そこは押し留めて説き伏せるように言葉を綴った ] (504) 2019/04/10(Wed) 22:40:51 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスセレン。 君の申し出はとても嬉しいのだけど ……水の傍は苦手なんだ。 聞いた事はなかったかな。 [ 彼は彼なりに色々と考えてくれたのだろう>>476 彼らが何故そう躍起になって子供を差し出すのか。 化物の陰に怯え手を出せない区域になっているとは知らず、 また、此方のご機嫌取りの為に子供を捧げ、 血を吸い過ぎなかった子供は返してやっているが、 それもまた二度と村に戻っていないなど 知らされなかった真実も耳にしていない。 胸元に添えられた指に手を添えることはない。 だが、代わりに服を掴む指に微笑んだ ] (505) 2019/04/10(Wed) 22:41:07 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス役に立ちたいから学んだ。 それは何の為に? 俺の為ではなくて君自身の為だと思うけれど。 [ 空腹ではなく退屈を埋める。 つまり恐らく血を差し出す以外に彼は 彼自身の退屈の埋め方を模索しているのだろう。 だがやはり、何の為に? 涙を流していた姿も覚えている。 また、少し怯えたような表情をしていたことも ] ……少し意地悪をしたかな。 湯浴みは君一人で行くといい。 俺は揺らめく水の中では動けなくなるから。 そういった俺を見たいのなら構わないけど。 [ バスローブは衣装棚の中にある。 前にいた少女は十七だといっていたし 大きめのサイズを用意していた。 男女関係なく使えるだろう。 タオルとバスローブを用意すれば彼に差し出し ] (506) 2019/04/10(Wed) 22:41:25 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺の指は冷たいから。 君とは違い血の通わない死人のものだ。 湯殿は必要とする子がいたから用意したまで。 君達と同じように温まることが出来れば 君の頬を凍えさせる事もないだろうね。 [ 湯浴みに誘った意図>>523を全て察せる訳ではない。 まるで謝ることはないと暗に告げながらも 彼の言葉>>524には不思議そうに首を傾げた ] (550) 2019/04/11(Thu) 0:20:02 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺の為? ……ふふ。おかしな子。 [ 自分が生きる為の間違いではないか ] 確かに君が生きる為には、 俺の為だと言わねばならないのだろうね。 [ こんな僅かなひと時で彼の心を喰らったとは思わない。 ならば彼が口にする言葉は自分が生き永らえる為、 男の起源を取ろうとしているようにも解釈出来る。 寧ろその方が自然にも思えてしまった ] (551) 2019/04/11(Thu) 0:20:24 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 捩じくれた捉えであっても その中唯一彼の本心とも思える一端>>525に 灰と蒼の眸を覗き込むよう瞬く ] 独りはもう嫌、か。 うん。君みたいな子、他にもいたよ。 …………、君が裏切りたくない事と関係してるのかな。 [ 過去彼が言葉にしたものと>>229、今>>526 何かが繋がったように思えて口角を上げ、 離された指を追いかけるのは数秒の事。 おざなりに着せられた上着が不恰好で 幼い子供が親の外套に身を包むようだった ] (552) 2019/04/11(Thu) 0:20:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺を知る為? いいよ。 君が気になる事なら答えてあげる。 [ 慣れてはいなそうな表情>>527 それでも彼自身が望んだ意志ならば拒む理由もない ] 君にとっても得体の知れない化物は恐ろしいだろう。 そうでなくとも相手を知らねば惑うこともある。 尚更生活を共にするなら毎日怯えて 一人思考を張り巡らせるよりずっといい。 [ 名案だとばかりに自由になった両手で評価する。 だが、と一つ意味深に加えて親指を自身の顎に乗せた ] (553) 2019/04/11(Thu) 0:20:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスだけど、セレン。 行き過ぎた好奇心は猫を殺す。 鳥だって餌をやり過ぎれば飼い殺すようにね。 花に水だけやり過ぎても枯れてしまうのと同じ。 セレン。 二階に上がって左に曲がれば扉がある。 そこは俺の部屋だから好きに訪れたらいい。 だがね、さらにその一番奥にある扉だけは―― (554) 2019/04/11(Thu) 0:21:48 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 沈黙の中に何が隠されているのだろうか>>556 たった一つの相槌>>557では 投げかけた二つの問い>>551>>552の どちらに付随するものなのやら ] セレン。 俺は確かに化物だと呼ばれているけれど 流石に人の心まで読む事は出来ないよ。 [ 打ち明けたくないのならば言葉を重ねることはしないが ] 君は生きる為に俺に尽くそうとしているんだろう。 独りになること、裏切り。 それが君にとってどれ程堪え難いものなのか 俺には一つも分からないけれど、ね。 (608) 2019/04/11(Thu) 19:54:45 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス裏切られて独りになる事を拒んだとして それが今の俺に何の関係があるのか、 俺には何一つ分からないから……。 君が「はい」と答えるならそれ以外に問いようがない。 [ 元から化物は人の感覚が遠く、 また暇潰しに人を弄ぶような男だ。 化物らしく。より、化物らしく振舞う。 化物が化物であり続けられるように。 人の機微にやけに聡い矛盾を晒している事に 化物と呼ばれた男自身も知らないまま ] (609) 2019/04/11(Thu) 19:55:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ たったの一瀬で懐かれる経験がないわけではないが、 何も始まる前から諦められているならば それはそれ以外施しようが此方にもない。 物言いたげな眼差し>>556を向ける癖に 無口な少年には外れだったかと感想を抱く。 早めに村に返してやるべきかもしれない。 忠告>>555に対して何か男の力を注いだ訳でもなし、 契約など何の事やらと手を出した事すら よく分かっていない男であったけれど、 男の言葉は少年の何かを惹きつけたらしい>>562 ] (610) 2019/04/11(Thu) 19:55:29 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス…………君は、存外自分勝手だね? [ 男の事を掘り下げるより先に、 扉を開けた時に起こる自分への損害に関心を持つ>>563 男の為と重ねる割に男に対する問いは少なかった。 興味など無いのだろうと思ってはいたが、 別の要因が絡んでいるように思えたのだ ] (611) 2019/04/11(Thu) 19:55:50 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 片方ずつ異なる色を持つ眸>>564 男は少年の欲求に初めて#笑む ] 君は生きる為なら何でも出来ると言ったね。 [ あのひとときの言葉>>236を上げながら 赤く熟れた薔薇の双眸が滲んだ ] 今までにその扉を開けた子は、いなかったよ。 [ それは答えになっているようでならない形 ] 鍵は俺の部屋にある柱時計の中にある。 短針を抜いてしまえばそれが鍵となる。 [ 開けるなと告げる癖に場所すらもあっさりと明かした。 男は楽しそうにそのまま続ける ] (612) 2019/04/11(Thu) 19:56:18 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺は、夜にしか目覚められない。 朝と夜は室内左にある寝室で眠っている。 [ 男は長駆を折畳まぬまま口角を上げて ] 俺は子供を喰らった事はない。 俺が欲しいのは人の精気だけ。 ……君にでも分かるように答えるならば、 血を吸わねばならないから吸う。 吸わねば飢えと渇きで狂ってしまう。 死ではなく、ただ血を求めるだけの自我のない化物にね。 [ 湯浴みに誘った子供にも分かるように その性質を答えては教え込んでいった ] (613) 2019/04/11(Thu) 19:57:17 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス俺が捨てた子供の数は29人。 いずれも生かしたまま放った。 [ 子供が自分の番だと番号を聞かされているならば、 彼は31人目に該当するだろう。 その言葉が言外に告げる事は答えない。 たった一人だけはどうなったのかなど、 今は問われない限り答えぬとばかり微笑 ] セレン。 俺は陽の光に弱い。 直接浴びればたちまち灰と化すだろう。 銀製の弾丸では血を得たとしても痕が残る。 流水を渡る事も出来ないし、 それから杭で心臓を打たれてみろ。 きっと簡単に死んでしまうだろうね。 ……実際はどうかは知らないが、 君たち人間はそう答えていたよ。 [ 試された事はないけれど。 付け足す言葉はそれ以上なく。 彼が湯殿に向かうというならば追わぬ姿勢のまま ] (614) 2019/04/11(Thu) 19:57:47 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクスさて、湯の中で考えてみるといい。 また知りたい事があればおいで。 彼に願えばすぐ向かおう。 [ 代わりに呼び寄せたのは一匹の狼。 男によく似た色の毛並みを有していた ] 君の言うことならば何でも聞き入れるよう、 言い聞かせてある。 [ 行ってらっしゃい。 そうして見送る男は相変わらず笑みを開かれたまま。 狼は一定の距離を保ったまま 少年についていこうとするだろう ]* (615) 2019/04/11(Thu) 19:58:25 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―傍白― [ 白百合の君が微笑う。 あなたの手、とっても冷たいのね! 贄として送られてきた筈の彼女は、 私が最も毛嫌いする太陽のようだった。 あなたの眸って、まるで のよう。 ねぇ、今度からあなたのこと、 って呼んでもいい? 私に拒否権は無いのだろう。 ええ、そうよ、よく分かってるのね 鈴を転がすような声が響く。 ピアノの旋律みたいに紡がれる音。 耳を塞ごうと聞こえてくる声。 人々が恐れてやまない存在に対して 彼女は一度も怯えることなく微笑んだ ] (618) 2019/04/11(Thu) 20:18:57 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 心などない。 心などない。 化物にあるのはお飾りの心臓だけ。 覆われることのない指に熱が灯る。 触れられているのだと初めて知った。 不快だと手を払えばよかったのだ ] (619) 2019/04/11(Thu) 20:19:32 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 忘却。 人は哀れで愚かで素晴らしい。 忘れることの出来る生き物だ。 何時迄も忘れられない化物は、 愚かなのだろうか。 素晴らしいのだろうか。 本に尋ねようと答えなど来ない。 無限にも続く沈黙、沈黙、沈黙。 忘れたい事を、何時迄も忘れない化物を、 どうか、どうか、■■してくれ、と。 黒く、黒く、塗り潰していく ] (620) 2019/04/11(Thu) 20:20:08 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ 誰かの言葉が、呪いが、化物を生かす。 嘘を、呪いを、吐き出すだけの存在が、 生きている。生き延びている。どうしようもなく。 その理由を問い続けようと答えなどなく、 ただ、生かされている、生きている。 あなたを、たまに、思い出す。 死が救いだと謂うならば、この生は。 一体、なんだというのだろう ] (621) 2019/04/11(Thu) 20:21:25 |
古城の吸血鬼 ニクスは、メモを貼った。 (a68) 2019/04/11(Thu) 20:27:39 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ まだまだ小さな子供>>628 男にとっては瞬きの生しか持たない存在。 だが、しゃんと伸びた背筋は好ましかった。 彼が男に尽くす理由>>629>>630 男は目をほんの僅か瞬かせたまま笑う ] そうだね。 君を生かす事は出来るだろう。 [ そこに含まなかったものは打ち明けず 緊張した面持ちの彼に目を細める>>631 ] 君の価値は、君だけが決めるものじゃない。 君がこれから行う物によっては、……ね? でもその心意気は買おう。 君の手で探ってみるといい。 俺に直接問わずとも答えが見つかるかもね。 [ 彼の想い>>632を拒絶することはない。 寧ろ歓迎するとでも言いたげに言い切った。 彼が制御する苦労>>633も知らぬまま ] (675) 2019/04/11(Thu) 22:35:49 |
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