人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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[リガートゥルという巨漢は
 地響きのような足音と共に目の前に来た。
 見上げると首が痛くなるほどの身長差がある。

 男を知らない、の紹介に喜んだのか
 マスクの向こうに荒い鼻息が聴こえた。

 顔の前に、男性器が出される。
 女の手首ほどの太さがあり、
 何であるか理解するまで三秒要した。]


  そ、それが……。っう……
んぐっ!!



[洗っていないのかチーズのような酷い悪臭がする。
 顰めた顔は男の手に捕まり、無理矢理口を開けさせられる。
 接吻の経験もないあわいに凶悪なモノが捩じ込まれた。]
 

 
[男の巨大な手は高い位置で纏めた髪を
 それぞれ取っ手にでもするように鷲掴んで
 自らの方向に強く引き寄せる。

 先の丸い部分だけでも
 自分の拳くらいあるのではないか。
 そんなモノが身動きの取れぬ娘の口腔に納まる。
 だがそこで止まらず、グイグイと腰を押し付けられ
 肉の棒の先端は口の中を進んでくる。

 他人の体温がまだ体内に入ってくるのは
 酷く気持ちが悪いことだと知った。
 口の中でどんどんと硬さも増している。]


  
ん、ぐぅ……っんん……っ



[苦しさを声に変換しようにも
 出口なくぴったりと男の熱が塞いでいるのが
 また気持ちが悪かった。]
 

 
[軈て、進みが止まる。
 ええもう、それ以上は無理でしょうと。
 もう入らない、そう思った先が、……まだあった。

 
ぐぽぉっ
……と喉奥に
 エラの張った先端が入り込み、気道を完全に塞がれた。]


  
んぶっ…、ぅぐ、…んんっ、んぐぅ……っ



[男はツインテールを容赦なく動かし自らの腰も振る。
 喉の窄まった所で亀頭を扱き、喉奥をガツガツと突く。
 揺さぶるのに合わせて手枷の先の鎖が音を鳴らす。

 ペニスの形がわかるほど頬は膨れ苦しげに目を閉じ
 すきな男にはとても聴かれたくない醜い呻きが漏れ続けた。]
 

 
[舌を擦る男根が気持ち悪い。
 鼻先に当たる茂みが気持ち悪い。
 臭い。変な味がする。痛い。苦しい。

 ────だけど、貴方が望むなら。

 これがジュダス様の望みだと思えば。
 貴方の役に立てるのなら。
 私、これもWうれしいWの。]
 

 

  「おっと、危ない危ない……」


[マスクの奥からそんな声が聞こえたか。
 ずるりと抜け出ていく硬いままのものは
 透明な唾液でぐしょぐしょに濡れていた。]


  げほっ、けほっ……はぁ、は……っ


[女の方は涙で頬、唾液で口許を濡らしている。
 規格外のサイズの抽挿によって口の左端は切れ、
 赤い血液が滴り、真白なドレスを汚した。
 まるで、破瓜のように。]
 

 
[酸欠で頭が呆っとする。
 頭からは手を離され、
 真白な髪が何本と抜け落ちた。]


  あ……。


[気づくと、片脚が高く持ち上げられていた。
 白い下着は床に残骸が見えた。
 淡い色のあわいは少しも濡れておらず
 ぴたりと閉じていたが、
 そんなのお構いなしに
 巨大な先端が押し当てられ擦り付けられる。
 ────きもちわるいよ。]
 

 
[こんなの身体に入ると思えないけど
 入ってしまうんだ。
 膜どころか身体ごと裂けてしまいそう。
 他の男の人に純潔を捧げるところ、
 貴方に見られてしまうんだ。
 他でもない貴方に。]


  ……じゅだす、様……ジュダス様ぁ……


[縋るように名を呼んだ。*]
 

[ 男は眉ひとつ動かさずにその様子を眺めていた。
女の口内が大男のデカマラで汚されている様子を。
そして、やがて女がその純血を奪われようとするとき。]


 待て。


[ 男の名を縋るように口にしたのを聞いて静止の言葉をかけた。]


 どうしました?
 私の望んだ通りなのでしょう?


[ 大男はジュダスの言葉通りに身動きせずに待っている。]

[ 男は懐から何かを取り出した。]


 貴方はこれから女になるのです。
 そして私の商品となるために。
 
 何人もの男が貴方の上を通り過ぎる。
 そうして快楽を植え付けられて。

 私の数ある商品とひとつとなるのです。


[ 手に玩ぶのは翼に抱かれた青い宝石。]

[ その宝石を見つめている。
女を見ずに、ただその美しい宝石を。]


 そうして、
 私は貴方のことを忘れるのです。
 何もなかった様に。


[ 青の宝石はただ静かに輝きを放っていた。]*

 

  ……。


[どうしましたと訊ねる声に
 答えられず俯いた。
 目を閉じてて欲しいなのか
 もう一度私の立場を教えてほしいなのか
 自分でもわからなかった。]
 

 
[彼が私のこれからについて語る。
 それを大人しく聞いた。]


  ……。


[全て彼に従うつもりの私だけれど
 彼の言葉には一つだけ間違いがあった。
 生涯何人が自分の上を通り過ぎようとも
 この身に快楽を植え付けられたのは
 貴方だけということだ。]
 

 

  ……やだ。


[子どものように言って、首を振る。]


  ……やだ、ぁ……やだやだぁ……っ


[イヤイヤと首を振る。
 大粒の涙がぽろぽろとこぼれおちていく。
 だってそれ、全然大事な商品じゃない。]
 

 

  そんなWどうでも良い商品Wじゃ
      頑張れないよぉ……っ


[馬鹿みたいに泣きながら彼を見た。
 彼は、自分の方なんて見てなかった。
 彼の視線の先にあったのは、青い────]
 

 
[カッと目を見開いて咆哮する。]


  それぇ……っ 
私のだぁぁ!!!!



[掴まれていないほうの膝で
 リガートゥルの股間を蹴り上げた。
 男が呻き距離が開けばもう一度足を蹴り上げ
 鎖の先についた鉄球が頭蓋を砕く音を響かせた。*]
 

[ それが両目の揃った魔女の力なのか。
重い鉄球を物ともせず、それどころか易々と振り上げて部下の頭を砕いた。]


 馬鹿が。
 油断するからですよ。


[ だが、その動きには多少の驚きはあった。
指を鳴らすまでもなく、その動きにギアスは女の魂に痛みを刻み込む。いかに耐えようとも、呪いによる痛みは逃れようがないのだ。だというのに女はそれを振り切っている。]


 ……魔女め。


[ 口元の薄笑みが、大きく嗤う。]

[ 男は椅子に座ったまま豹変した女を見た。]


 これは私のものです。
 契約を守れなかった貴方のものではありません。


[ その表情から笑みが消える。
暗い眼鏡は、男がどのように女を見ているのかを隠してはいるが、その顔は今まで女に見せたことのない冷たいものであることは確かだった。]

 

 私からこれを奪いますか?

 ジャンヌ。

 それなら、私は貴方を捨てなければなりませんね。


[ それは明確な敵意。
客でも、商品でも、所有物でもなく。
女に向けた男の気配は、敵意だった。]*

 
[めきゃりと骨の折れる音は
 大男の頭の他にも鳴っていた。
 蹴り上げた女の細い足首が、あらぬ方向に曲がっている。]


  はーあ、人の体って、面倒だわ。


[だが気怠げに言う間にも治っていた。
 両の足で冷たい石の床を踏み締めて立つ。
 外傷も魂に受ける痛みも
 窓の外で小鳥が囀ってるみたいだわ。]
 

 
[椅子に座ったままの男を見る。
 この男は自分を捨てるというのが
 脅しになると思っているのだ。


  ふふ、そんなの効くと思っているの?


[嘲笑する。
 ……実際ちょっと堪えて頬が引き攣ったけど、
 自分はいい子でいたかったんだ。
 どうでもいい子になる位なら、悪い子を選ぶわ。]


  ……奪う? いいえ、返して貰うのよ
  それが貴方のものになった時間なんて
  一瞬たりともないんだからぁ……っ!


[手枷の嵌まる手を力任せに引けば
 鉄の鎖が千切れて女の身体を自由にする。
 男を威嚇するように睨みつける。
 それは私のだ。]
 

 
[────そこに水を差すものがある。]


  「きれいな顔が台無しだよ、ジャンヌ。
   君の人としての取り柄はそれ位なんだからね」


[二十代半ばほどの身なりの良い金髪の青年が
 ジャンヌの傍らに立っていた。
 呆気に取られるジャンヌのドレスから
 白いハンカチを取り出し涙と唾液と血を拭う。]


  「君が働いて買ったのかい。凄いじゃないか。
   はぁ……勿論婚約者の僕にくれるんだよね」


[呼吸など必要としないその男は
 ハンカチを鼻に当て深く吸い込むと自らの服にしまう。]
 

 
[それから、ジュダスの方を向く。]


  「どうも、商人の方」


[品良く微笑いかけ挨拶した。*]
 

[ 脅しと取られたらしい。
実際には行わずに効果を狙うのが脅しであり、実際に行うのは宣言である。などと高説を垂れるつもりは無い。男の言葉が宣言≠ナある以上、どう受け取ろうと知ったことでは無い。]


 今まさにこの手にあるというのに。
 私のものでは無いと。
 世間知らずもそこまで来ると救えませんね。


[ 豹変した女を前に男は変わらない。
薄笑みの消えた冷たい顔のまま、ただただ女の威嚇を受け流していた。]

 
 ほう?


[ 女の雰囲気がまた変わった。
いや,変わったと言うよりも─── ]


 何と呼べばいいかな?
 魔術師の方。


[ なるほどと得心しながら、男の顔に薄笑みが戻る。]*

 


  「ロジェ・ド・メーストル
   好きに呼んでくれ給え
   話をしよう。お茶でも飲みながら」


[男は名乗る。
 そしてパチンと指をひとつ鳴らした。
 床に倒れる大男の姿がなくなり、その代わりに、
 ティーテーブル1脚にチェア3脚が現れる。
 地下牢の中に異質な空間が出来上がった。]
 

 
[チェアに腰を下ろすと声を上げ
 マリエルにお茶の支度をするよう命じる。
 辺りにいるようなら彼女は指示に従い運んでくる。
 上から重ね掛けされようと
 一度土地に踏み入れ支配を受けたものが
 魔術師の手から完全に逃れることは叶わない。]


  「彼女の淹れる紅茶は美味しいんだってね
   貴公も試したのかな、ジュダスくん」


[どうぞ席にと勧めるが無理強いはしない。
 「私の……」とブツブツ呟く婚約者には自身の隣の席を勧め
 悩む様子もありつつ大人しく座るのを見届けた。*]
 

 
 それで?
 メーストルが何か用ですか。


[ 薄笑みを浮かべたままの男は少し呆れたように言葉を口にした。勝手に踏み入って好き勝手を始める魔術師に不快感がないこともなかったが、それよりも何しに来たのか知るべきだった。]


 おっと先に言っておきますが、
 私の眼も少々特殊でして。
 
 幻惑の類は無駄ですよ。


[ ディスイリュージョン
幻惑の類を無効にする魔眼。生来の視力の低さはこの魔眼の副作用でもある。そのため、ジャンヌの持つその眼に比べれば出来損ないと言えないこともないが。]

[ 男は首を横に振る。]


 いいえ、茶を嗜む趣味はないので。
 私の分は結構です。
 

[ 男は茶を辞し、勧められた席に着くこともない。
元より座っていた無機質な椅子に腰を下ろしたまま。]


 何か言いたいことがあって出てきたのでしょう?


[ ブツブツと何事かを呟く女には一瞥もくれない。
意志を持たない人形に用はないのだ。]*

 
[ジャンヌは青い宝石が気になって仕方がないが
 魔術師の言葉に渋々従うしかなかった。
 彼女の知る世で最も恐ろしい男が目の前に二人もいて
 それぞれの出方が読めないものだから。

 だがいつでも宝石を狙っていた。
 持つ男に隙がないのを理解しているからこそ
 飛び出したい本能を抑え漁夫の利も狙わねばならない。

 そうやって鉄球二つを引き摺ってきた娘の隣で
 魔術師は人の良さそうな顔で笑っている。]


  「アポ無しで失礼したね。
   へえ、貴公も面白い眼をお持ちなのだね」


[領地を踏むことが術の発動条件であり
 話をしにきたので個別にかける気もなかったが
 興味深そうに色の濃い眼鏡の奥を見つめた。]
 

 




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