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【人】 少女 コトネ■コトネの秘密開示 「私の願いはね、“ キネイの力になりたい ”よ。叶えたい願いなんて無かったけど、ゲームには参加したかったの。 ………ごめんなさいね?」 少女はちょっとばつが悪そうに、微笑んだ。 (14) rein-joir 2019/12/29(Sun) 19:20:52 |
【人】 少女 コトネ私の人生で、あんまり困る事なんてなかった。 それは“ちょっとお小遣い増えないかなー”とか。 テスト前だったら“テスト用紙が燃えないかなー”とか。 そういう、他愛も無い願いだったら沢山転がってるけど。 可愛い友人が居て、優しい家族が居て、不満無い生活があって。 普通の女子高生の日常に、“大きな願い”なんてあるはずも無い。 だから、最初は誘いを断ろうと思ったくらい。 人と争ってまで叶えたい願いなんてありません。 私以上に欲している人に、その権利はあげてください、って。 でも────ぽきゃは言ったわ。 “キネイ様は参加すると仰られてますよぉ?”って。 ぽきゃの誘いは、宝くじのすごい版なのかなって思っているの。 当たる確率はすごく高くって、当てたら世界を変えられる。 ぽきゃはキネイが何を望むかは教えてくれなかったけれど、私にとって“キネイのゲームへの参加”という情報は非常に大きな意味があった。 私は彼の願いが認められないなら何としても止めなければいけないと思うし、逆に良いと思うなら応援してあげたかったの。 その為には、私もゲームに参加する必要があった。 キネイからしたら余計なお世話でしょうけどね? (15) rein-joir 2019/12/29(Sun) 19:21:39 |
【人】 少女 コトネ「?」 スズネさんという、ジェイドがお世話になった人。 語っている彼の瞳は懐かしげで、どこか遠くを見るようだった。 ヒキコモリの作り話というには…随分真に迫っているのね。 それが本当かどうかは、私には分からないけれど。 少なくともジェイドにとって、とても大切で大事な話をしてくれたんだって事は痛い程分かったの。 その恩人さんに似ている私の幸福も祈ってくれてるらしい、って事も。 だから………同じ“大切”を返すのは、道理だわ。 「………笑わない?」 ほんの少し冗談っぽく、囁いてみる。 知ってるわ。ジェイドは笑ったりなんかしない。 「あのね、私。キネイの力になってあげたいの」 だから、素直に応援できる願いだと良いなぁって思ってるんだわ。* (24) rein-joir 2019/12/29(Sun) 20:27:37 |
【人】 少女 コトネ>>10キネイへのお返事 「えっ?騙されて困ってる?」 キネイからの問いは予想外過ぎて、何度も瞬いてしまうの。 それって…詐欺に遭って困ってるんじゃないかとか、そういうお話? 私、そんなに頼りなく見えるかしら。 これでもちゃんとお姉さんなのよ? 「ううん…キネイが力になってくれるなら何とかなるとも、言えるわ」 頬に手を当てて、こてりと首を傾げる。 だって、私の願いは。 「あのね、キネイ。私…キネイの力になりたいの」 そっと顔を寄せて、こっそり耳打ちした。 だって、すごく大きな悩みがあって、ぽきゃの誘いに乗ったんでしょう? この髪色で男の子にいじわるされてた私を助けてくれた事もあったわね。 そんなキネイが悩んでいるなら、力になってあげたい。 私、キネイが幸せになれるなら良いなって、本気で思ってるのよ。* (26) rein-joir 2019/12/29(Sun) 20:48:02 |
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