人狼物語 三日月国


74 五月うさぎのカーテンコール

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 声は抑えないでって、俺は前にも言っただろ?
 爪、せっかく綺麗なんだから噛むなって。


[ふと上を見ると、彼女は乱れる自分を恥じるように唇を指で戒めていた。
ちょいちょいと腕をつついて指摘する。
どこまで頑張れるかは彼女次第ではあるけれど。

内腿から移動した唇は、水源を求めて蠢く。
ひちゃりと音を立てて、とろとろと蜜を零す秘所に舌が纏わりついた。*]

[羞恥を煽るような言葉に、息を吐いて。
甘く爪を噛んで堪えながら、ふるりと睫毛を震わせる。]

 
 みられるのは、はずかしい、けど……
 
……ない、と、淋しい……



[身体に残される痕は彼に愛された証でもあるから。
いつの間にか何もない肌を見返しては、物足りなさを覚えてしまうようになってしまった。
人前で温泉には入れなくなるかもしれないけれど、それよりも今は愛されたい気持ちのほうが勝る。] 

 あ、 やぁ、ン……


[足を開かれて、内腿に華が咲く。
湿り気を帯びた箇所に彼の頭が近づくのを感じて、抵抗するように身じろいだ。
自分でも見られない部分を、彼が覗く行為はあまりにも恥ずかしい。酷く甘い声で指を噛むことを制されたなら、うう、と唸る声を洩らして。
躊躇いが残りつつも唇から指を離していく。

それでもまだ羞恥心には勝てなくて、薄く唇を噛んで声を殺そうとすれば。
あられもない場所に彼の吐息を感じて目を見開いた。]


 
 アッ、やだっ、そこ……っ、
 だめぇ……



[淫猥な音が響いて、くしゃりと顔が歪む。
引き剥がそうとする手は彼の髪を撫ぜるだけで、抵抗は酷く弱い。
思わず内腿で彼の頭を挟み込んでしまって、は、と胸を喘がせた。*]

[上手く抵抗出来ない程に感じているのだろう。
髪を混ぜる手に力はない。
痕をつける動きだった唇は、探り当てた水源に夢中になり暫くは動けそうにない。
次第に激しくなる水音は彼女の蜜かそれともその蜜を欲しがる雄の唾液か。]


 きもち悦い?
 ……膨らんで、美味そ、


[熟れた紅玉を唇で挟み刺激する。
ひとつひとつの動きに紫亜がどんな表情をするのか見逃したくなくて、何度も上を見上げた。

バスタオルを敷いていて正解だった。
彼女の体質か卯田との相性の所為か、とろとろと溢れる量はきっと多い方な気がする。
このまま限界を迎えて弾けても噴いたものを飲む心算はあるけれど、そもそもその段階に行くかどうかは彼女がどこまで預けてくれるかの問題がある訳で。
どこまで許されるのか試したくて、指でフリルを割り開いて粘膜を吸い上げた。*]

そーか、うまいかー。
末恐ろしーね。俺20代前半ではウイスキーうまいと思わなかったよ。

なんか臭いがきついし、アルコールもきついし。

[だからこそいいウイスキーを選んで置いているとはいえ、ファーストコンタクトにピーティなのは人を選びそうだったが。
 これがイケる口なら、舌の好みは似ていそうだ。]

チョコで飲む人、確かにいるね。
バーとかでもよく見る。

ん。

[口腔に感じる塩気に、ウイスキーをひと舐め。
 唇を舌で拭って、ご満悦。
 指先が下唇をくすぐっていたなら、きっとそれごと。]

俺が先に潰れなかったらねぇ。

[口元はもう締まりがないし、滑舌もとろけてきてる。
 シュロプシャーブルーを削り、氷の溶けた表面を吸い取るみたいにぴちゃりとタリスカーを味わう。
 このままぐずぐずと崩れていって、ふたり眠ってしまうのも悪くない。
 パイが焦げる前に、電源だけは切らないと拙いけど。]

麦。

[小鳥がついばむような、子供がじゃれ合うような触れ合いの隙間で、名前を呼んだ。
 視線がこちらに向いたなら、うっとりと目を細めて。]

麦、かわいーねぇ。

[よしよし、と猫にでもするみたいに、わしゃわしゃ髪を撫で回す。
 いーこ、いーこ*]

やだ、つぶれないでー。
潰れたらジンさんのこと寝かしつけますからね。


[指先に触れていった舌に眩暈めいた酔いが回る。
着てきたパーカーはその辺に緩く畳んで置いてたけど、Tシャツ一枚で肌寒さは感じない。

指先がほかほかしていて、お腹があったかくて。
くっついてぐずぐずと、幸福へ溶けていくような酩酊感。]

[麦]


── はぁい


[名前を呼ばれるのが好き。
ずっと扱いに困って定まらないみたいに、宙に浮いていた呼称。

いつもは眼鏡越しにしか見えない目が、とろんと蕩けて微笑んでいる。]


はい。かわいいですかー?
かわいくて好き?


[子供にするみたいに髪をかき乱す手に目を細めた。
されるままに頭を預けて、くっしゃくしゃがぐっしゃぐしゃに。]

[そろそろチェイサー不足。
状態異常「酔っ払い」パーティーは水汲みに立ち上がることができるのか!]



   
ジンさん。



[ウィスキーのグラスを優しく奪い取ってテーブルに置く。
手首の内側をちゅ、と啄んで、手のひらへこめかみをすりすりと擦り付けた。撫でて、の仕草。

脚を持ち上げて、ソファに凭れた体を膝で跨ぐ。背もたれに手をついて、向かい合わせに見下ろした。

そっと体をかがめるようにして、]


……ジンさん、





卵サラダのパイ、焼けました、よ。

食べて?


[とろとろに幸せな笑顔で囁いた*]

[内から溢れ出てくる蜜は止めどなく、ぴちゃぴちゃと響く水音が尚更羞恥を煽られていく。
舌先で弄ぶように摘みを含まれたら、びくんと身体が小さく跳ねて仰け反った。]

 
 は、 ……ん、ぅんッ……
 きもち、ぃ……


[確認する声は甘く、羞恥に浮かされながらも言葉にすることを促されたら抗えず。
こくこくと何度も首を縦に振って頷いて、我慢できずにシーツを掻き乱して身悶えながら。
ふわふわと身体が浮いてる感覚に溺れそうで涙が浮かんで、舌先で割れ目を割り開かれたなら、一際甲高い声が零れた。]


 〜〜〜〜アッ、……だめっ……


[ぶわりと一気に蜜が溢れる感触が自分でも分かる。
短い髪に深く指先を埋めて、熱に浮かされた眸で見上げる視線に訴えた。*]

[自分で「きもちいい」と言わせるのは、その感覚と言葉を彼女自身に紐づけさせるため。
教え込んだ身体は従順にその言葉通りに快感を拾い、どんどん反応を良くしている。]


 ん、いーよ。


[頭皮にかかる痛みが、紫亜の限界を知らせる。
水鉄砲のような勢いで噴いた液体を受け止め、そのまま痙攣が収まるまで唇で蓋をしていた。]



 ……は、 上手、


[せり上がる感覚に抗わずに上手に達したこと。
褒める言葉は彼女に届いていたか。

乱れた髪を撫でつけ、そっと身体を離す。
口元をティッシュで拭くと、備え付けてあった水のペットボトルで口を漱いで飲み込んだ。

このままだとキスの好きな彼女に葛藤を与えてしまうだろうから。
嗽の方が良いかもしれないが、何せその水を吐くには洗面所は少し遠く、今はまだ離れがたい。

紫亜の息が整うまでは、もう少しだけここで撫でていたい。*]

えー、いいよぉ。
寝かしつけて。

[一挙手一投足、笑みの種になる。
 ふわふわふくふく笑って、思考は融けていく。]

麦がしてくれんなら、別に。

[そう、そう言って笑っていた]

[返事があって、それが幸福を助長する。
 クッションでは得られない感情で満たされていく。]

[返事があって、それが幸福を助長する。
 クッションでは得られない感情で満たされていく。]

ん。
すきだよ。

[酒精に蕩けた思考が、導かれるように、問の罠に乗るように、好意を紡ぐ。
 好きかと問われたから、そうだと答えた。嫌いではなかったから。そんな程度の甘い意識。

 グラスが手から離れるのは名残惜しかったが、すぐに構う先を得れば今度はやさしく、梳くように髪を撫でた。
 慈しむ手付きも、それがまるで自然な行為かのよう。]

[だから。]

――――……、

[きし、とソファーが軋んで、視界が麦で埋め尽くされて、影が落ちて、顔の真横に腕が伸びてきたとき、こくりと緊張に喉が鳴った。
 すき、という二文字を紡いだことに後悔はなくとも、その意味を軽視したかもしれないと内心思った。
 僅かの時間。酔いが醒めそうな間。
 どく、と心臓が跳ねた瞬間――]

ん。たべる。
食べさせて。

[空気はまた緩んで溶けて、知らず詰めていた息を吐く。
 焼き立てのパイは、酩酊を叱るみたいにスパイシーだ*]

 
 ん ンンッ…… !


[限界を促す声に誘われたら、襲い来る波に泳がされるまま。
追い立てられて、堰が切ったように蜜が溢れ出す。
びくびくと小刻みに揺れる身体は自由が効かなくて、彼の唇を濡らしてしまった。]



 
は、ぁッ ……



[詰めた息が溢れ出て。
くたりと力を無くして、肩で息を整えながらシーツに身体を埋める。
頭を撫でる手に甘えながら、うっとりと眼を細めて。
いまだゆらゆらと揺蕩っているような感覚が長く続いて、その心地良さにしばらく身を任せていた。

水を飲む彼を少し遠くに居るような心地で眺めながら、つんと浴衣の袖を引く。
まるで悪戯を仕掛けるように。離れられるのを惜しむように。*]

はい。
  口あけて?


[TAKOYAKIサイズの小さなエッグパイ。
熱いから指でずっとは持っていられない。なるべく火傷しないくらいまでさましてから、口元へ差し出した。]



[食べてるとこ正面から見たいから。
膝立ちのソファで体はぐら、ぐら。

片腕で浮遊感を支えて、少しだけ顔を持ち上げさせてもらって。額と、眉間と、鼻筋と。触れるキスをした。]

おいし ですか?


[にこー
 見下ろして、緩んで蕩ける笑顔。

だけど、ここを降りて水を汲みに行かなくちゃ。
そう考えると悲しくなった*]

[女の匂いが濃くなって溢れた液体はとろとろと零れる蜜とは違う味がする。
どちらも特に美味ではないが、その瞬間の紫亜の反応が最高にいやらしくて美味しいので問題はない。

とろんと蕩けていた瞳の焦点が合うのを待ってから咥内をリセットしたけれど、その間の別離も寂しかったのか、浴衣が引かれた。
クス、と笑って自分の浴衣の帯を解いた。]

 勿論、今ので終わる訳ねーよ?

[はだけさせた浴衣の下、下着は既に形を変えている。
掴んできた彼女の手を下肢に導いて、熱を伝えた。]

[一度口を漱いだから、キスは解禁だろうか。
そっと近づけた。

どうしても抵抗があるのなら、唇は諦めて耳裏に新しい痕をつける旅に出かけよう。

合間に下ろした下着から、戒めを失った自身がぶるりと飛び出る。
血管の浮き出たそこが既に期待に涎を垂らしているのは、触らずともわかる。

予行演習の如く空中で腰を動かした。*]

ん。

[指先でつままれたパイを受け取ろうと、欲しがりの口を開ける。
 食べ頃まで冷めたパイは、さくりと軽快な音を立てて卵の甘みとスパイスの香りを運んでくる。
 熱を孕みやすいフィリングはまだ少し熱い。やけどしない程度にゆっくり食べるから、その間に目の前の麦とも何度も目があった。
 その度、ほつ、ほつ、とやさしい雨が降った。
 額に落ち、眉間に落ち、鼻に。]

ためして、みる?

[おいしいかと聞かれたから、自分で確認すればいいと。
 揺れる身体に手を伸ばし、首裏に絡めて引き寄せる。
 鼻にまでしか落ちてこなかったキスを、こちらから唇へ。
 くち、と水音がするほど、ひと食み、ふた食み、重ね合わせ。]

……――ふ。

[とろりと笑って、それから離れよう。]

そろそろ水、汲みにいかないとねぇ。
……っと、

[引き寄せたくせ、抜けるのもこちらから。
 カラフェを持って立ち上がろうとして、一歩たたらを踏んだけど。
 ぺた、ぺた、床を確かめるように、ゆっくりシンクの方へ*]

 




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