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【見】 役者 トラヴィス>>@28 >>@29 >>@30 「………シトゥラ?」 確かに貴方はこの腕の中に居る。 けれども、髪の奥の表情は、ぽつりと吐かれる言葉は、拒絶と取れた。 「─────」 怖い。これは自分が、彼を傷つけたせいだ。 自業自得と理解している筈なのに、『暇を貰う』の一言がこんなにも恐ろしい。 ──もしも、二度と信じてくれなかったら? 誰でもない貴方たちの言葉だから素直に受け入れられた。 誰でもない貴方たちの言葉だからこそ、臆病になる。 整った顔を、ぐしゃりと歪めて。 二人から手を離さなければ、とは思うけれど 意思とは逆に、抱き締める力は強くなっていく───次第に貴方達へ、痛みを与え始めるだろう。 喉から出る言葉は、くだらないわがまま。 貴方たちが私へ与えたものは、一欠片も返さない。 貴方たちを1秒でも、手放さない。 「 、」 (@33) 2021/10/26(Tue) 0:41:43 |
【見】 役者 トラヴィス>>@35 男は─── 特に返せる言葉が無かった。 全てにおいて、図星であった。 誰かを『代わり』にする事は無くても、 誰かを腕の中に収める時には 下心を持って、その時間だけは恋をする。 貴方達にも、貴方達以外にも、何度だって甘い言葉を囁き、優しく抱いた。例外もあるが。 故、本当に、返せる言葉が……どこにも無い。 だから、そうだねごめんねと答えて、離すべきなのだが 「シトゥラが、」 反論の代わりに、子供のようなわがままが有る。 「言葉にしろと言ったのに。」 やっぱり前を向くにはまだ早くて、 長年吐かなかった言葉を吐いたのに、と寂しげに、縋るような視線を向ける。 「どちらが欠けても嫌だ。 肯定以外は認めたくない。」 何かの役としてではなく、自分の言葉を使い始めた男は、独裁的な性格の片鱗を覗かせた。 貴方達にはこれへ否定を返す権利がある。 → (@36) 2021/10/26(Tue) 12:41:40 |
【見】 役者 トラヴィス>>64 >>65 >>66 ミズガネ 「けれど………それが君の性格なのだろう。 大いに結構だ! 舞台は生き物、思い通りにならない事の方が多いさ。」 一度は座長の肩書を背負った身だ。 アクシデントもトラブルも、 想定外の何をも演出に組み込んでみせる。 私が君の為に怒ると思ったかい?なんて態度を覆し、 くつくつ笑って、ほのかに温かい紅茶を飲み下した。 「長い夢の退屈凌ぎに、気長に待ってあげるよ。 君に似合いの琴だと褒められる日をね。 その頃にでも考えるとしよう、共演の話はね。」 喜色は滲ませる程度に。 流す視線は余裕をたっぷり含んで。 「君の顔を見るたびに悪態を吐いてあげる。 耐えられなくなったら去ると良い。」 それはとっても素直じゃない、 これからもよろしく頼むとの言葉だった。 (@42) 2021/10/26(Tue) 22:04:19 |
【見】 座長 トラヴィス>>@39 >>@40 瞳を閉じて、また開く。 「───分かったさ。 君達は何もしなくて良い。 審美眼を持つ私が二人を、存分に持て成そうじゃないか。 楽しみにしていてくれて構わない。」 ふ、と、不敵に笑う。 私は偽りなく、この館の 『座長・トラヴィス』 だ。「すぐにでも愛の言葉を引き出してみせるよ。 それが叶ってからも、永遠に、何度もさ。 だから心の準備だけはしておいてくれ、 如何なる時であろうともね?」 心の根の部分は、夢に真っ直ぐで、素直な男なのだ。 少し雲が陰てしまっているだけ。 「……ずっと、二人を見ているから。」 すぐにとは言えないけれど 今宵の空のように、いつか、 晴れやかな星空になると良い。 自分を、貴方達を信じて…… するりと抱き締めていた腕を離した。 (@46) 2021/10/26(Tue) 23:18:03 |
【見】 座長 トラヴィス>>ユピテル カーテンコールの夜。 きっと貴方が一人で居る頃。 「───やあ、ユピテル。」 男はW宴の終わりWを明確に理解していた。 そうして貴方が、確かに約束を守ってくれた事も深く。 けれども、山のように賛辞を述べ騒ぎ立てて、 貴方の時間を奪うのも無粋というものでしょう。 だから、男が告げるべき言葉はひとつだけ。 「WまたW会えたね。」 貴方がくれた、一歩を踏み出す勇気。 それが齎したものを、 作り物ではない穏やかな笑みに携えて、 貴方の前で膝をつき、あの日叩き落とした手を取る。 ……そうして、手の甲へ唇を付けた。 敬愛、尊敬。そんな思いを込めて。 「宴は楽しめたかい? 愛しい君よ。」 (@50) 2021/10/27(Wed) 10:21:11 |
【見】 座長 トラヴィス>>81 ユピテル 「そうだね、君の言った通りだ。 ……ごめんね、有難う。」 貴方を見上げて、今度は困ったように微笑んだ。 貴方が分け与えてくれた『人を信じる気持ち』は、確かに男を変えたのだから。 「はは、そういう事が起こる場所なんだよ、ここは。 誰かの為の、箱庭。不思議な夢の世界。 私だって、詳しい事は知らないさ。時々こうして宴を始めることくらい。」 じとりと責めるような視線を受け流し、結局は貴方と同じようにおかしそうに笑い始めた。 手を離し、立ち上がれば───自らの頬へ貴方が触れる。 引き寄せられれば、その通りに。 「……楽しかったよ、君にも出会えたしね。 うん、もう苦しいだけじゃないよ。」 貴方の手へ頬を擦り寄せ、 瞳を伏せればこの数日間へ思いを馳せる。 「……ね、君、早くここから去ると良い。 きっとまた夜が訪れるのは 遠い先の話になってしまうから……」 貴方はこの先の未来をどう過ごすつもりなのだろうか。そういえば、自室へ招く約束もした気がする。 そっと瞼を開いて、貴方の瞳を見据えて言葉を待つ。 (@51) 2021/10/27(Wed) 16:02:28 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 貴方から紡がれる言葉を聞いて、ひとつひとつに頷く。 「君は素敵な人だね。」 頬を包む温度が心地よくて、暫くは成すがまま。 けれども今後の話を聞けば、 おや、と声を漏らして瞬きをひとつ。 素敵な貴方の心を あの詩人が射止めたのだと、察する事は容易だった。 貴方の瞳が、声が、何よりも愛おしげに動くものだから。 男は、他人同士のそれには敏感であった。 「そう、………君が決めたのなら、 そのように過ごすと良い。 けれども──ここは夢の楽園であり、危険な箱庭だ。 いつか君を害そうとする者だって、訪れるかもしれない。」 勿論、あくまで可能性の話。 「その時に、必ず信じられる誰かへ助けを求めて。 些細な事でも、一人で背負わないで。 私も勿論、君を気にかけるけどね。 残ると決めたなら…… 私の言葉を、ユピテルの心の片隅へ置いてくれないか?」 → (@57) 2021/10/27(Wed) 21:57:56 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 「そんな事は、既に覚悟しているとは思うけどね。 一度、言葉にさせて欲しかったんだ。」 こんな場所に居てはいけないよ、と 貴方へ向ける感情は心配一色。 言葉を伝える事に意味があると知ったから、 こうして貴方へ余計な言葉をかける。 自分が守る、と主張しないのは 貴方を誰よりも大切に考える誰かの領域を害さない為。 館に残る間、 ひと匙だけ、貴方の心に居場所を貰おうと言うのは、少しの悪戯心。 それから、芽生えた事に気付かぬまま消えた、小さな嫉妬心。 「それにしても……悔しいな。 私のどこが、彼よりも劣っていたんだい?」 くすくす、貴方の腰へ手を伸ばし 自然に抱き寄せて、貴方の唇へ人差し指を触れさせる。 自分にも貴方にも、特別な人が居る事は明白。 ──故に、戯れだ。貴方の反応を伺おうとする、野次馬心。 (@58) 2021/10/27(Wed) 21:59:56 |
【見】 座長 トラヴィス>>104 ユピテル 「はは、耳が痛いな。」 丁度何かに浸っては 逃避していた男だ。返す言葉もない。 「お節介だとは思うけどね、 言葉にして、伝えたかったんだ。 君に何かあれば、私も悲しい──とね。」 語られる言葉に、貴方の変化を知っていく。 この数日間は貴方にとっても 深く意味のある日々であったのだ、と。 ときどき貴方から物騒な話が出るが それらもいずれ、ゆっくりと聞く時間がある。 「自分に優しく……か。善処するよ、 時間は掛かるだろうけれど、 必ず振り向かせたい相手が居るんだ。」 その頃には、 胸を張れる『素敵な人」を自負出来ると良い。 そんなことを考えて、続く貴方の言葉へ楽しげに耳を傾ける。 → (@59) 2021/10/28(Thu) 3:02:55 |
【見】 座長 トラヴィス>>105 ユピテル ……嗚呼、貴方はやっぱり眩しい人だ。 愛する人の話をする貴方の瞳は、どんな宝石よりも輝いているし、 紡がれる言葉のひとつひとつには、ひたむきな愛情が込められている。 他人の為に身を削れる貴方の隣で 支え合い、傷を理解し合い、包み込み、守ることができるのは ただ一人しか居ないんだと、深く理解しながら。 そこには喜びや憧憬、親愛……そんな美しい感情しか芽生え無かった。 「眩しいな。 けれども、いつか辿り着きたい目標だ。」 貴方の顎へ手を出して、 此方へ向けるとそっと顔を近付けて 唇の端───頬へと唇を落とす。 遠くからならば、逢瀬を重ねる男女のようにも見えるかもしれない。 『それ以上深い事をしない』との信頼を、ほんの少しだけ裏切りつつ。 ……ここはきっと館内、どこかの廊下。 貴方が一人で何処かへ向かっていたか、その帰路のこと。 ちら、と廊下の更に向こう側を一瞥し、 貴方を腕の中から解放した。 (@60) 2021/10/28(Thu) 3:05:19 |
トラヴィスは、「また明日」、くるりと背を向けた。 (t4) 2021/10/28(Thu) 3:05:36 |
【見】 座長 トラヴィス人も、人ならざるものも集う賑やかな夜。 館の主人だけが瞳を閉じ、眠りに付く時間。 男は自身の客室へ、使用人を大勢呼び付けていた。 「───そうだね、 プルーは好き嫌いしている所を見ないから良いとして、 シトゥラの食の好みが難しいな。」 あれやこれやと情報収集しつつ、 夜景が一際綺麗に見える自室へ、オーナメントを用意させ、飾らせている。 大きな天蓋の付いたベッド。 自らが館へ辿り着いた際、最初から存在したものだ。 まるで何処かの皇様が使っていたようなそれを気に入り──それ以外は随分と模様替えをしたが──長期間占領している部屋へ、色とりどりの装飾が散りばめられていく。 「嗚呼、窓際は何も置かないでくれ。 夜空が見えるようにね。」 座長直々の舞台プロデュース。 懐かしい気持ちで、使用人達へ指揮を取る。 「……悪いけど、軽めのカクテルも用意して貰えるかな? 今日は溺れたくはないんだ。」 ───特別な二人の反応を思い浮かべながら 今宵の細やかなパーティの準備は進んでいった。 (@61) 2021/10/28(Thu) 12:48:08 |
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