人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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「遅れまし
たぁ
、うん?
 ……ああ、裏切
り者さん
のほしいものを
あげたい話
な」

遅れてやって来れば、丁度話題にのぼったところ。

罰された
いけどいい子でもい
たいみた
いだ、……って
 印
象は
受けましたけど、具体的に
どういうの
かって
 皆目見当つ
かないくらいでし ね〜


んん……
、咳払い。

「構いませんよ、退屈な話にはなりません。
 錯覚でも、理解を深めることはしたいからさ。
 君が僕に見せ
たいも
のを置いてくだ
さいな

/*
たらこスパです。カスポル襲撃について了解よ〜〜
表のログや併設病院追い切れていないのだけど、
裏切り者さんどかどか来ないから自分の方がいっちゃっていいかんじ?
それとも身の上話の後に決めるつもりだったりするかしら?

サルガスは、窓から落ちました。
(a33) 2021/05/29(Sat) 11:16:21

【人】 小さな心 サルガス

>>3:29 ブラキウム
「やっぱり、そんな感じに見えちゃうのかな……ぼくね、やりたいこと、むずかしくて。
 ぼく、だれかの役にたてるのが、うれしいんだ。ここは、何にもしちゃだめって、言われないから。
 それ以外ってなると……ううん、なんだろう」

 ひとよりは少しすくない食事、それを少しだけ時間をかけて食べる。
 ゆっくりと食べているようには見えない。スピカのように健啖家らしいのに、一口は小さい。
 自分の姿に、変わらぬものを求められていることなどつゆ知らず。
 小さい頬にゆで卵のクロケッタをいっぱいに詰めて、じっと見つめて。
 そればかりはお行儀よく、ちゃんと飲み込んでからからっぽの口で問いかける。

「ブラキウムは、好きなことややりたいことって、なあに?」
(30) 2021/05/29(Sat) 11:42:09

【人】 小さな心 サルガス

>>3:31 ブラキウム
「……ブラキウムは。やさしいね」

 彼の言葉に宿るもの。ここで、育っていくにあたって、そしてここを卒業してから。
 うまくこのギムナジウムを渡りきって、その先につなぐものを、ずっと考えているのだろう。
 "サルガス"がいなくなってほしくないから、いなくなると思いたくないから。
 その先に、未来があるように見つめてくるのだ。

「そっか。……じゃあ、ぼく、がんばるね。
 同じクラスの、ふたりだもん。ぼくも、ずっといっしょにいたいな。
 思い出たくさんつくれると、いいね。ふふ」

 無垢にも思えるような返答に、自然と頬がほころんだ。同じ気持ちであることが嬉しい。
 少しばかり年は違って、追いつくまでに時間はかかってしまうけれど。
 みんなで、そして三人で。いっしょに過ごせたらと。少しだけ、声に出して笑った。
 
そのためにも、解決のために頑張らないと。
(32) 2021/05/29(Sat) 12:35:23
サルガスは、誰かに運ばれています。
(a36) 2021/05/29(Sat) 13:22:14

【人】 小さな心 サルガス

>>33 ブラキウム
「ブラキウムは、――ブラキウムは、いつも、上に立つ人らしく、してるよね。
 じぶんはつよくて、こわくて、だれにもばかにされちゃいけないと思ってるよね。
 でも、こころのいちばんしたからぜんぶほんとうにそうだったら。きっと、ぼくに声をかけない」

 それは真ではないかもしれない。少年の善性が、そう思い込んでいるだけかもしれないだろう。
 人の心の何もかもを水鏡のように見透かすことなど出来はしないのだ。
 ましてや、まだ未熟な子供にそんな芸当など。そう思いたいだけなのかもしれない。
 それでも、少年は貴方の中に厳しさも強さも、何もかもが育まれていることを信じている。

「ブラキウム、ぼくのともだちの、ブラキウム。
 ぼくも、きみが心配なの。きみも、きっと知らないところで、危険なことをしてるでしょう。
 でも、だいじょうぶだから。
 ぼくが、きみをだれにも連れて行かせない。ぼくがきみを、守るから」

 ああでも、だからこそ。約束は結ばれない。
(35) 2021/05/29(Sat) 13:41:36

【人】 小さな心 サルガス

>>34 メレフ 昼頃、昼休みは過ぎ去って
「はい!」

 まるで授業中に指されでもしたかのような、大人しいながら元気いっぱいの声。
 けれども扉が開くまでには、少しだけ時間がかかってしまった。
 尋ね人が誰かもわからないのに、重いものでも運ぶように両手で頑張って扉を開けて。
 見上げた顔が貴方であるのを見て。ほっとしたかと思えば、すぐに眉を下げた。

「メレフ! たいちょう、だいじょうぶ? しんどそうだったでしょう。
 どうしようかな、まだ、朝のたべもののこってるんだけど……」

 気遣わしげに部屋の中をちらりと振り返る。
 隙間から見える風景には、ちょろりと残ったクッキーやヌガー、お茶のポットが置きっぱなし。
 朝、人を匿おうとして積み上げた食料をまだ消費しきれていないのだろう。
 少しだけ、青い草と土の匂いがする。
(36) 2021/05/29(Sat) 13:49:32
訥々と、光のない瞳で語り始める。

「最初に俺がこのシステムに加担したのは、
 他でもない……『命乞い』のためだ。

 偶然、このギムナジウムにある、
 "大人"たちのこのシステムを知ってしまった俺は、
 なぜか処分を免れた。
 何もされることなく、どこに連れていかれるでもなく、
 そして何かを命令されることすらなかった。
 ただ放置され、放免され、口止めすら行われず、
 野放しにされた。……それは、俺にとって、
 本当に耐えがたいくらいの恐怖と絶望だった」

当時のことを思い出すと、手指の先が震える。
――今でも、震える。
そのとき、大人がしたことを思い出すと。

「だから、俺はこのシステムを知った者として、
 システムに加担する者にずっと力を添えてきた。
 誰でもない、自分の意思で、だ。
 そうすることを決めたのは、間違いなく俺で、
 その理由は、仲間を売ってでも助かりたいという、
 『命乞い』という理由の延長線だ。
 そうすることで見逃され、生きながらえる一日を、
 惨めな犬のように啜りながら、ありがとうありがとうと、
 浅ましく生を繋いでいるのが俺なんだよ」

だから、自分は誰にとっても裏切者だ。
狼になり切れず、子羊にも距離を置く。
そんな中途半端な存在が、ルヴァという存在だ。

「だからかな。
 その時から、罰も背負っている。
 俺の胸の中で、ずっと泣く子供がいるんだ」

壊れたような、ひび割れたような笑顔を見せる。
泣き笑いのような表情にも見える。

「悪人になって、連れ去ることを正当化して、
 ただそれだけなら、裏切者の矜持も沸いただろうな。
 でも、同時に、あの時システムから逃げ出すときに、
 そのシステムの中に俺は"子供"を置いてきたんだ。
 『子供の自分』を、な。

 表の、ルヴァの存在は、
 俺が被っている仮面なんかじゃない。
 あれはその時の子供の頃の、何も知らないおれさまで。
 そいつは友達が大好きで、仲間がいなくなると悲しくて、
 人に嫌われるのが怖くて、ずっと皆と居れればいいなって
 そう、心の底から思っているんだ。
 バカだろう。その友達を奪う手は、自分の手なのに」

小さく、息を吐き、嗤った。

「医者は、ギムナジウムに俺が連れてこられた疾病を
 その俺の病気に、"解離性障害"という名を与えた。
 俺は、俺と乖離しながらおれさまと同一で。
 人を攫う悲しみも、それで生きながらえる喜びも。
 残酷なことに、"本物の感情"だそうだ。

 人は多分、残酷にもその病気を持つ者を、
 "狂人"とでも呼ぶんだろうな」

二人の顔を、交互に見る。

「だから。
 俺の願いは、おれさまの願いは。
 ずっと、この歪な狂人のまま、
 果てを知るまでここで苦しみ続けたい。
 偽物の生活を偽物で行うことが辛く、
 そして楽しくて仕方ない。
 お友達を地獄に連れ去ることが辛く、
 そして嬉しくて仕方ない。

 この歪なルヴァを、一日でも長く、永く。
 地獄のような毎日を続けさせてもらえることが。
 俺の、おれさまの、願いであり、野望なんだ。
 
 ……壊れてるだろ。
 シェルタンを、そしてこれからカストルを送り込むことが、
 俺でなくてよかったと安堵して、
 おれさまの友達を奪われることが辛くてしょうがない。
 大人に立ち向かえるほど強くなく、
 泣き崩れて手を汚すこともできないほど弱くもない。

 壊れた人間なんだよ、俺は。
 与えられる願いなんて、幸せなんて。
 やっぱり、一日考えても思いつかなかったよ、セキレイ」

【人】 小さな心 サルガス

>>3:37 ブラキウム
「ブラキウム……」

 脅迫に近い言葉なのだろう。命令に近い言葉なのだろう。
 それでも、それそのものには恐怖は感じられなかった。
 もっと怖いのは、自分が手を振り払ったことで、彼がなにかになってしまうこと。

「……わかった。ブラキウムに、頼めそうなことがあったら、ぼく、おはなししにいくね。
 まだ、急にいろんなことになっちゃったから……まとまってないんだ。
 わからないことばかりだから。わかったことがあったら、あとで相談しにいっても、いい?」

 確約できてしまわないことは言及を避けておきながらも、ようやく、頷いた。
 きゅうと、指先が貴方の指を包むように一瞬だけ動いて、そうっと離れた。
 食器は、ほとんどカラになっている。
(39) 2021/05/29(Sat) 14:50:37
/*
だいじょぶです赤ずきんさん
お気遣いありがとうございます。
基本的にダイスに従った方が、
残酷性あっていいかなと思いますので
大丈夫ですです。

【人】 小さな心 サルガス

>>3:40 ブラキウム
「ありがとう。ブラキウムも、むりしないでね。
 あしたは、ルヴァと、ブラキウムと、ぼくで、ごはん食べようね。
 ルヴァ、最近カストルと仲がいいから。つれておいでっていったら、くるかな……」

 他愛ない話をしながら、ゆっくりとした時間を終えて。
 机を離れるとき、あなたの食器をあなたが自分で片付けていることにあれ、と声をあげた。
 けれどそれ以上に言及はなく、先にも行かず、見守って。
 並んで歩いて返却場所まで行って、ささやき、笑い合っていたことだろう。
(43) 2021/05/29(Sat) 16:19:08
/*
OK〜 このままたらこスパが襲撃してきま〜〜〜す♡

「なんだ。やっ
ぱり
考えていたので
体間違ってい
なさそ
う」

さして驚いたふうもなく、そう言った。

「裏切り者
さんは
、置いてき
ちゃった子
どもの自分に
 や
さしくな
いだけだろ?
子どもの
君も、自分にやさしくない。
 でもそうする
ことが望
みなんでしょ〜?」

「望みが叶う
ことはうれしい
ねぇ。苦しい
道を選ぶ
ことが、
 どうして幸福
じゃないって
言える?
 
そりゃあ
、余所様から見たら不幸
だって

 
言われるものかもしれないけ さぁ


んん……
、咳払い。

「天国こそ至上って思う人と、地獄こそ自分の天国って
 思う人がいて、後者の方が少ないだけですよ〜」

「君の言ってることは、結構スッと入って来た
なぁ

 雨に打たれるっていう事実は
欲し
いけど、
 濡れると切り傷が痛むだから
いやだな
ぁ、
 でも
雨に打た
れたいの方が優先されるから雨に打
たれ
よう!
 っていうのの、
容が変わった
けじゃない?」

ね? 首を傾けて裏切り者を見やる。

「自
罰的なこと
の何がいけないんだ?
 君はそれ
を行使し
た結果、自他ともに
どんな影
響を
 及ぼすかを知っている。
マイナスが発
生することを
 わかっていてやっているし、それ
を求めているんで ょ?


んん……
これからもその幸福は続きますね。
 僕もうんとお手伝いしてあげますよぉ」

「とりあえずは大人たちから
 君が連れて
いの指定が来ないといいな?
 きっとそれも、
くるし
いしうれしいことになる
から

 それはそれでい
いん
だろうけどね〜」

今日の子
、どうや
って
連れて行こ
うか
なぁ……
、ちょっと困った声の、
特に返答を求めていない呟きが零れた。

 魔術師は聞こえているだろうか

 やっぱり、赤ずきんは親切≠セと思う

 ボク達は、不満のある世界を享受した上でどちらにとっても
 ごまかしていけるほどのいい子でいられなかったんだ

「具体的なものにならないのならぁ、シカタナイね。
 裏切者がそれで幸せならそれでいい。
 これからもギムナジウムにいるあなたたちが
 幸せに過ごせるのならそれがいいさ」

 ……幸せ
 きっとボクも、これ以上知って考えようとしてはいけない
 知らなかったあのときまでが何よりも幸せだったなんて

サルガスは、痛みに呻いています。
(a41) 2021/05/29(Sat) 16:49:22

サルガスは、嘔吐しました。
(a42) 2021/05/29(Sat) 16:55:36

サルガスは、自室に返却されました。
(a43) 2021/05/29(Sat) 17:07:46

「そうか……」

この狂いも、壊れも、ここでは受け入れられる。
皆それくらいひび割れて、朽ちているのだとしたら、
自分にとっての本当の楽園は、
この部屋なのかもしれない。

「出来ることがあれば、
 いくらでも言ってくれ。
 俺にも……もちろん、おれさまにも」

自嘲ぎみに笑った。

 裏切者の幸せを違うと叱ることができるとするのなら
 それは真の意味での治療≠ノなるのかもしれない

 その手段と思想と、方法をこの手は持っていない
 それができるのは大人≠セけだ。
 壊れきったいい子のシトゥラは、祈ることしかできない

 ――――もし
 もし本当に、大人に連れて行かれることが幸せだったとしたら
 ボク達は知らないだけなのではないのか?

 シュレディンガーの猫のような気分だ。
 連れて行かれないことはボク達の褒美になり、
 連れて行かれたものはそれぞれ褒美をもらっている。

 ……うまくまわりすぎている、のかな。
 カストルの行ったとおり夢を見すぎているのか

 まだ、わからない。わかりたくない。
 知ってしまったら押しつぶされてしまいそうになるから

「出来ること〜? んー。
 明
、君の分の朝食の何
かを

 
カスト
ルにプレゼントしてあげな


回収した封筒の中身を眺めながら、ただの思い付きを言う。

「ま〜〜君とカスト

 ふたりとも
が朝食の時に食堂にいた
らね。
 いな
かった
ら、それはそ
れで
持って行ってやりな」

「これ
出来る
ことで
しょ?」

平坦な声から、意図は読み切れない。

【人】 小さな心 サルガス

>>3:52 昼過ぎ メレフ
「前、たべものの匂いも、やだったから……でも、だいじょうぶなら、よかった。
 ルヴァは、とりあえず立ち直ったみたいだったよ。まだそれからは会えてないけれど」

 少し動くのが億劫そうなのは眠気のせいだろうか。緩慢な動作で、扉を開く。
 いま寝坊して置き出したみたいに、ベッドシーツがもこもことトンネルを作っている。
 隣を過ぎる時に少し香るのは、普段の匂いに加えて少しの土の匂い、消毒液の匂い。

「なにか、あったっけ。見つけたものとか、あった?
 のみもの飲むの、たいへんじゃなかったら、昨日とおんなじの淹れるけど……」

 見上げる視線は貴方のことばかりを気遣って、鶏と雛のようにそばをちょろちょろとしている。
 いつものケープは土と青草で少し汚れて、ベッドのそばにかけられていた。
(60) 2021/05/30(Sun) 0:57:40
サルガスは、中庭に顔を出した。
(a75) 2021/05/30(Sun) 1:02:56

【人】 小さな心 サルガス

>>3:a75 中庭
「……」

 いなくなった人々を探して、のろい足を動かして。
 青い鳥のように、中庭に集まる人たちを探してぱあっと顔を輝かせた。
 小さな少年は、たしかにそこにいるみんなを認識している。
 ああ、と声をかけて駆け寄ろうとしたけれど、どうにもみな、大事な話をしているようだから。
 ぎゅっと耳をふさぎながら、それでも見えるところに姿を現した。

「き、きいてよくなったらおしえてね」
(61) 2021/05/30(Sun) 1:06:29

【人】 小さな心 サルガス

>>3:62 中庭 ブラキウム
「……ああ、うん。本当に……」

 自分が見ている風景と、貴方は見ている風景は。同じなのだ。
 それはただ単純に己が間違っていないことの証明でもあるし、
 貴方が前を見ていることを証明することでもあるし、
 なにより、ここは、食堂のような場所ではなく。多くが受け入れられる場所だと。
 ホッとした途端に喉がぐっと狭まって、鼻がつんと痛くなって。

「みんな。スピカも、シェルタンも、ルヘナも、イクリールも。
 ああ、いるって、言っていいんだ。言って、いいんだ……」
(63) 2021/05/30(Sun) 1:17:14

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
「るへな、」

 しゃくりあげてしまいそうな声が、ようやく喉から音を押し出した。
 少しのろい足取りがそちらに歩んでいって。なんて、声をかければいいだろう?
 遅くまで一緒にいて、離れてからはそう時間など経ってはいないのだ。
 なのに、とても長い時間離れていたような、そんな気さえする。

「、……き、のうは。ありがとう、ね……」

 いっぱいの感情で占められた頭の中から、いちばん確かな言葉を選び取る。
(64) 2021/05/30(Sun) 1:20:38

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 シェルタン
「うん。……うん。また、いっしょに、たくさんいろんなこと。
 いろんな、音楽のこと……話したいなって、おもて、」

 ひとり、ふたり。話しかけられた頃には、もう涙声になって、鼻が湿っていた。
 あまり小綺麗ではない音を起てて鼻をすすって、こくこくと頷いている。
(65) 2021/05/30(Sun) 1:22:37
サルガスは、ブラキウムに対して力強く頷き、ぎゅっと手を握り返した。
(a77) 2021/05/30(Sun) 1:26:26

【人】 小さな心 サルガス

>>3:67 昼過ぎ メレフ
「ぼく、探し回ってばかりだものね。ブラキウムにも、ひとりでうごくなって言われちゃった。
 ブラキウムもルヴァのことしんぱいしてたから、きっと、うまくやってけるんじゃないかな……」

 互いに人のことばかり、自分のことを発信しないのはお互い様だろうか。
 思うところを理解しているから余計には追及せず。
 それから昨日のように椅子を用意して、保存食で散らかっている机の上をちょっと避けて。
 飲み物を用意しようとしたところで、軽い体はころんとシーツの上に簡単に転がされた。
(68) 2021/05/30(Sun) 1:31:29

【人】 小さな心 サルガス

>>3:67 >>3:68 昼過ぎ
「い゛、」


 苦悶の声だった。マットレスが跳ね返した体は引き伸ばされたようにぴんと背を張り、
 首は引き抜けそうなほどに後ろに添って後ろ髪をシーツにこすりつけた。
 ひゅうひゅうと細い呼吸をして、隠すように口に手を当てて。
 どうみたって不自然な様子であるのに、なかったことにするようによろよろと身を起こそうとする。

「きょ、うは……どう、した、の?」
(69) 2021/05/30(Sun) 1:34:20
一人、体を搔き抱く。

ブラキウムとした、約束があった。
ここを無事に出たら、また二人で会おうって約束が。
そんな未来が来ないことを知っていて、
そんな未来を他ならぬこの手が奪うことを知っていて。
そうやってブラキウムが足掻けば足掻くほど、
大人たちは彼を"見つけやすくなるだろう"という
打算でした約束があった。

ふたりならきっと。
その約束は絶対に、呪いになると思っている。

でも、彼を大切に思う気持ちも本物で、
だからこそ、その大好きな気高さも、大好きな尊厳も、
大好きな笑顔も、大好きな声も。
何もかも、この手で壊すかもしれなくて。

――この手で、ブラキウムに終わりを与えるかもしれないと
知っていてもなお、胸が、恋慕親愛の焦熱で焼ける。

「う……ううううう……」

木に寄りかかるようにして、体を抱いたまま、
ずるずるとへたり込んだ。

ごめんなさい、ごめんなさい。
キミが刃を向けようとしている"相手"で、ごめんなさい。

刃を向けられたらきっと、
自分の浅ましい明日を繋ぐために、
君を喜んで殺せる自分で、ごめんなさい。

――なのに、キミのことが大好きで。
……本当にごめんなさい。

表情は、泣いていたのに、嗤っていた。

【人】 小さな心 サルガス

>> 中庭 ルヘナ
「そんなこと、ないよ。まだ、できるよ、ううん、ぼく、まだ、なにもできてやしないけど……。
 でも、でも。ねえ、ルヘナ。まだ、ぼくはきみに、きみたちに。
 なにかできると、おもってもいいだろうか」

 涙声だと言うには、もう震えてかたちもなしていない。聞こえはひどく悪い声だ。
 それは貴方にとっては手遅れのことであり、手抜かりの末のことであるかもしれない。
 それでも、まだ。少年は諦めていなかった。
 そしてあなた達を見つけたいま、目的は人探しから、変わりつつある。
(71) 2021/05/30(Sun) 1:40:28
 




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