情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>8 リカルド 「あ?……うわ、すげえ。 あんだけあたいが言ったのに出歩いてるド級のバカがいる」 ぐりんと振り向くその顔に、呆れと呆れと呆れを貼り付け、 そんな言葉。常なら雷だっただろうが、 まあ、なにせ今は普段そうやらない"暗殺"帰り。 暗というには派手な鐘の音ではあったものの、 つまりは魔女のやり方があの子とは違うというだけの話。 とにかく、両手は塞がり、背中に荷物。 ついでに疲労と頬の欠けもくっつけて、 釘打ち機を取り出すような気力は今はなかった。 「交友ね……ま、そうかもね。 ビビってる腰抜け共の態度に比べれば、 あたいのは十二分に交友だと思うよ」 ほんの僅かの間、閉じた瞼に浮かぶのは いつも変わらないあの顔と、それが少しだけ動いた時の顔。 「……。……で?まだしないわけ?」 あたいの方のことはさておき、と目を開いてそう切り出す。 何を、とでも返せばもう一太刀。 「ケツ拭いてもらった相手の顔に向かって 思いっきりクソを塗りたくるような現状への言い訳。 そろそろ来るかと思ってんだけど」 魔女は、多少疲労した所で、辛辣さが抜けるわけもなかった。 (9) 2022/08/25(Thu) 18:37:39 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【路地の店】>>9 ストレガ 予想と違わず辛辣な言葉を受け、さすがの仏頂面も少しばかり眉を下げ。 それでも、辛辣な言葉の裏に面倒見の良い一面がある事を知っているから、降参の意味を込めて軽く両手を上げた。 「お前の言葉には何一つ言い返せないな」 頭を撃たれて絶対安静にならないわけがない。 ド級のバカと言われればそのとおりだが、どうにもそういう訳にはいかない。 外回りを押し付けられてる時点で、色々警戒すべきこともあるのだが、それはさておき。 正面から貴方の顔を見れば、流石にその大荷物と欠けた頬と耳の状態には気づくだろう。 「……だからその傷を作ってきたのか? その大荷物も気になるが……闇医者で見た時はそんな傷、なかっただろう」 表に見える範囲でしか、彼女たちの交友を知るわけもなく。 自分とて、あの2人を殺した人物は洗い出したいと思っているから、その様子を見れば何をしてきたかくらいは想像がついた。 断られるだろうなとは思いながらも、両手に荷物があることを良いことに流してある横髪に触れ、傷を診た。 「俺が密売に使ってる港の5番倉庫の地下によかったら来い。 綺麗に手当をしてやろう。女の顔にこの傷をそのまま残すのは忍びない」 続く言葉には「言い訳……」と頬をかけば、 「テンゴさんがそこで、俺以上の重体で寝ている。 俺が今、ベッドで寝ている時間は1秒たりともない。心配させてすまんな」 と言い、そこには最新の医療施設を作っていると告げ、そこでマウロを手術したことも告げた。 貴方になら、あそこに今寝ているテンゴにも会わせてもいいと、思っているからこそのことだった。 (10) 2022/08/25(Thu) 19:39:01 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>10 リカルド 「言い返してたらあんた今頃女になってるよ。 ついさっきも女を一人造ってきた所だから、すぐやれるね」 ふん、と鼻を鳴らす。命の保証のない性転換の話、 分かるものはこの場に魔女しかいないだろうけど。 「ま、そんなとこ。住処を吹き飛ばしたんでね、 ああ、あとあたいここに引っ越すから。この店貰うよ」 上への確認もなしに、勝手な事を言いながら。 髪に触れた瞬間、ぐんと首を逸らして避けて、 「次勝手に触れたら指なくなっても文句言うんじゃないよ」 なんて恐ろしい事を口走る。 「まだヤクが抜けきってないのがよくわかるね。お断りさ。 これくらいある方が、かえってハクがつくよ。それに――」 数日前、烏に言った言葉を呼び起こし。 「『忘れねばこそ、思い出さず候』、ってね。 これはあたいのものだ、あんたなんかにあげない」 魔女は魔女らしく、凶暴に笑う。 きっと、大きな疵痕になる。 だが、魔女はそれを捨てる気はないらしい。 (1/2) (11) 2022/08/25(Thu) 19:59:55 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>11 そして言い訳に関しては、 「お、よかった。頼りになる幹部殿が2人とも…… じゃああたいとしても困るからね。 腑抜けの下につくつもりもないし」 「ま、気が向いたら見舞いにくらいいくよ。 ……あんたはさっさと用事を済ませて マウロ共々ベッドに戻るんだね、 じゃなきゃあの時のあんたのツラと状態について ソルジャーの間でもちきりの噂にしてやるから」 と、やはり恐ろしい事を口にした。何が恐ろしいか。 それは、この魔女なら本当にやりかねない、という事。 あなたは身体を大事にしなくてはならない。自分の為にも。 そして、ファミリーの為にもだ。 (2/2) (12) 2022/08/25(Thu) 20:03:51 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【路地の店】>>11>>12 ストレガ 「……それは、そいつは大層泣きわめいたことだろうな」 それは大体の男は震えあげる話だった。 言葉通りに受け取って、それを想像してみれば痛いどころの話ではなく、いっそ死にたいくらいの絶望だろうなと理解した。 「時計塔まで吹き飛ばしてきたのか。その荷物は引っ越し道具か? ……まぁ、いい。今の話で件の経緯はだいたい予想はついた。 この家は好きに使うと良い。 ……下手人は、トスキファミリーの者かどうかだけ教えてくれ」 これが今ここにいる本来の仕事のため、確認を取り。 内容を聞き出せれば、助かったと礼を言う。 避けられ断られとするだろうから、然程気にはしてない様子だが、あなたの言葉には「わかったわかった」と返している事だろう。 「ヤクについてはしばらく後遺症が残るかもしれん。 とはいえそれでお前に迷惑をかけるつもりはないから安心しろ。 ……まぁ、お前がそれを残したいというのであれば無理強いはしないさ」 この傷は、お互いにきっと、一生残る。 大きさや酷さの話ではない。 強い願いを成す傷とは、案外消えずに残るものなのだ。 その傷を持つものが、忘れない限りは、ずっと。 ▼ (13) 2022/08/25(Thu) 20:43:43 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【路地の店】>>13 ストレガ 「あぁ、手当はともかく見舞いには行くと良い。 あの人も話し相手が出来れば喜ぶだろうからな」 ただの昼行灯ではないと、ちゃんとわかっている人間がここにもひとりいる。 それはとても良いことだ。 あの人がどう思おうと、まだまだ彼には現役で居てもらわなくてはならない。 「あの時の件については是非内密にしていてもらいたいものだが……、 状況が許してくれるようになれば、その時はゆっくり休ませてもらうことにしよう」 随分心配をしてもらえたものだなと、小さく笑った。 ……俺が、ツィオが、マウロが。そして貴方も。 それぞれ力をつけて立てる日が来るまで、あの人達にはずっと見ていてほしいと、そう思うのだった。 (14) 2022/08/25(Thu) 20:44:44 |
【人】 孤独では死なない兎 ツィオ>>5 >>6 負け犬 猫被り 【ノッテアジト廊下】 はぁ、と嘆息して、 マウロの横でそのザマを見る。 なんともまあ……締まらない。 それくらいが、自分たちには似合いなのかもしれないが。 「噛まれたらコトだから、 手出さない方がいいんじゃないかな。 もしかしたら野良犬かもしれないしな」 拾ってくれる優しい飼い主がいたら、 今度こそ首輪の一つでもつけてもらいたいものだ。 マウロの後ろから、近寄っていく。 (15) 2022/08/25(Thu) 21:17:12 |
【人】 風は吹く マウロ>>16 悪ガキ達 【ノッテアジト廊下】 「どの面で"無理するな"なんて言ってんだかな」 「人に説教する前に、自分を鏡で見てみろよ。箱入りの室内犬でももう少し自分の世話が出来るんじゃないのか?」 人に見せられないような顔で出歩くなんて本当にらしくない。 本来ならもう少し手心を加えてやるところだが。 なにしろ、君には言いたいことが沢山沢山あるのだ。 「とりあえず座れる場所に行こうぜ、会議の疲れもあるしな」 「"リック"の部屋でいいだろ、五体満足なんだから荷物くらい持ってやれよ ツィオ」 いつからか呼ばなくなった愛称を口にして。 先に部屋の方へ向かって歩き出すのだろう。 (17) 2022/08/25(Thu) 23:12:36 |
【人】 孤独では死なない兎 ツィオ>>17 >>16 腐れすぎ縁 【ノッテアジト廊下】 「見てみなよリック、 俺たちの愛息子はこんなに立派に育ってるのに、 ベビーシッターのお前がそのザマじゃ笑いが出るな」 やれやれ、世話の焼けるやつらだと肩を竦めて。 生憎、女性以外の荷物を持つように、 俺の肩は出来てないんだけどなと言いながら荷物を持つ。 肩に荷物を抱えたまま。二人の前を行き、振り返る。 「まあ、病み上がり二人抱えて、 こんな場所でダンスを踊るつもりはないから安心しなよ。 たださ、キミら俺に何か言うべきことあるんじゃない? なあ、マウロ、リック」 そろそろ俺も――"おかえり"が言いたいんだが。 それは言葉にせずに、たった四文字だけ相手に求めて。 右手をマウロのために、左手をリカルドのために。 すれ違いざまにそれが出来るように、顔の横で相手に向けて開いた。 (18) 2022/08/25(Thu) 23:43:14 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【ノッテアジト廊下】>>17>>18 どうしようもない奴ら 「随分良いように言ってくれるじゃないか。 散々面倒をかけてくれるのはいつもお前たちだというのにな」 荷物を奪われ、少しだけ慌てたように「それは大事なものだから、丁重に扱え」と指示をして、前を歩くツィオの後に続く。 慎重に歩かねばならないのはマウロと同じだから、ゆっくりとした足取りだ。 ふらふらした様子を見せないのは、気を張っているからだろう。 それでも、ツィオがこちらを向いて手を掲げれば、 貴方達にしか見せない顔が、ここに確かにあって。 本当に泣きそうな、それでいて安堵したかのような。そんなくしゃり、とした笑みを浮かべて手を伸ばす。 「――ただいま、兄弟」 こつん。 本当に軽く、拳を手のひらに当て、 その開かれた左手にそっと手のひらを重ねた。 (19) 2022/08/26(Fri) 0:17:24 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>13 >>14 リカルド 「そりゃね。玉と棒に1本ずつ、合計3本釘打ったからね」 女性にはその痛み、想像し辛いという。 恐らく9割方の男性は、或いはあのツィオや、 下手をすればコルヴォでさえ、 この話を聞けば顔を引きつらせるかもしれない。 「荷物はそんなとこ。ああ、トスキの屑だったよ。 立場は知らないけど、末端のカスにあの子が やられるとは思わないからそこそこの立場じゃない?」 「ま、ダクトテープと布切れよりはガーゼの方がいい。 その内行っとくよ。今は優先事項があるんでね。 精々内密にして貰えるように振舞いな」 「んじゃ、あたいは店ん中に用があるから。 この辺一帯も改造しなきゃな。ソルジャーも配置して……」 結局。魔女は、魔女のまま。 なんだかんだと先を見て、自分のことを優先して。 好きなように、生きていく。 チリン、と鳴るドアベルが、或いは猫の鈴のようだった。 (20) 2022/08/26(Fri) 0:58:42 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>21 ストレガ 猫が好きだった。 死を悟り、誰もいない場所に消えるその生き物が好きだった。 死を見るのが嫌いだった。 どうしようもなく悲しくて、泣きそうになってしまうから。 だから、猫が好きだった。 猫のようになりたい、と誰かに言った。 死んだ時、どこへでも消えて、無くなって。 誰も悲しませないように、そんな生き物になりたかった。 女は、店の中にて。 2匹の猫を抱いたままの体勢で、そこに居た。 猫になれなかったのか、ならなかったのか。 烏はまだ来てないのか、置いてあるだけか。 何もかもわかることはないけれど、ただ。 女がそこに居る事だけが、確かだった。 店は散々な状況だった。 撃ち抜かれて止まる時計、割れたランプ。 壁も窓も、扉だって傷だらけ。 激しい戦闘が行われたのだろうことが分かる。 女は、無防備に眠るような顔で。 横たわっている。 (22) 2022/08/26(Fri) 17:38:52 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>22 レヴィア 「よう、Piccolina.」 女は、それらをすべて見て。 見た上で、軽く手をあげてそう言った。 軽い挨拶を、いつものように。 それから眠る姿の隣に行って、散らばる木くずや、 ガラス片なんかを軽く足で払って。 重い荷物を下ろすと、女の隣にあぐらをかいて座り込んだ。 「はあ。おかえりが言えなくて残念だよ」 「……なあ、寝ながらでいいから聞いてくれよ」 「ちゃあんと、あんたの仇は討っといた」 「それもとびっきりの方法でね」 「それに、吹っ飛ばした分だけよく聞こえたろ?」 「弔いの鐘って奴。いい音だったと思うんだ」 「まあ、あんたのグラスハープには負けるけどさ」 返事もない、他愛のない話。 傷だらけの店をぼんやりと眺めながら、 笑い交じりにぽつぽつと落としていく。 魔女は、猫が好きだった。 可愛い顔して、人を寄せ付けず、かと思えば寄ってきて。 自由そうで、不自由で、その癖時々凶暴な、ワガママな奴。 まるでどっかの誰かみたいだ。 そんなやつが、魔女は好きだった。 (1/2) (23) 2022/08/26(Fri) 18:50:55 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>23 女は、眠り姫へと手を伸ばす。その髪を軽く撫でてやる。 「……。ああ、そうだ。時計塔、吹っ飛ばしちゃったからさ。 あたいここに住む事にしたから。いいだろ? これなら毎日、借りに来ることが出来るじゃんか」 勝手な事を口にして、髪を撫でていた手を離し、 抱かれた猫の片方、くたくたになった黒猫の頬を突く。 くにゃりと曲がった顔は、首を傾げるようだった。 「でもさあ、あんたは……あんたはさ、 いつまでもここにいる訳にもいかないだろ? それにハエなんかたかってるの見たら、 あたいがまた住処を吹っ飛ばしちまいそうだし。 ……だからさあ、提案なんだけど」 そう言って、抱かれた猫の内、幾らかしゃんとした 白い猫を腕の中から抜け出させてやる。 「あたいがこの子、借りていくよ。 で、あんたにはその子、貸したままにしとく。 それでさあ……いつかまた会う時が来たら、 お互いの猫を返すってのは、どうよ?」 名案だろ?なんて微笑んで、返事もないのに様子を窺った。 (24) 2022/08/26(Fri) 19:01:00 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア (25) 2022/08/26(Fri) 19:16:26 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>24 ストレガ そんな声が聞こえてくるわけもない。 死体は何の音も立てない。 もう口から冷たい言葉を吐くことも。 細い指先がグラスを撫でる事もない。 何もかもが終わってしまった、ただの肉の塊。 もう少しすれば死の匂いが強くなり、やがて腐り。 きっと見るに耐えない姿になっていく。 黒猫を、胸に近い側に。 白猫を、その一つ外側に。 そうやって抱きかかえていたから、死後に固まる腕の中、 黒猫の方は随分ぎゅぅ、と抱きしめられていた。 まるで離さないとでもいうような、いいやきっと、 それはただの現象でしかなく、そこに意味などないのだけれど。 それでも何となくそう思えるような、抱きしめ方で。 白猫は、すんなりと取れる。 黒いリボンが一つ増えている。 女の頭のリボンが一つ減っているのも、貴方にはきっとすぐわかる。 足の付け根には拙い刺繍。 L..v...と、少しぐちゃっとした文字のようなもの。 殺すだけの女の手では、針子の才能はなかったようで。 手袋の取れた指、何度か針の刺さったような傷がその証拠。 背中にも、目立たない縫い目がある。 中に何かを入れて、また閉じたのか。 やはり拙いそれは、糸を切ればすぐに開いてしまうような 縫合だったけれど。 (26) 2022/08/26(Fri) 19:24:18 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>25 >>26 レヴィア 窺えど、返事もなければ、身じろぎもしない。 当たり前だ、それは死体で、終わった話。 ため息ひとつも零れるだろう。 それでも、強く抱かれたようにみえる黒猫と、 "大事にされていた"白猫を見れば、口元には笑みが浮かぶ。 「……ありがと。次会ったら裁縫くらい教えてやるよ」 ぽつりと呟いて、またその髪を撫でた。 それからふと、白猫の背中に拙い縫い目を見つければ。 「……。ちゃんと後で縫い直してやるから、 ちょっとだけ……ごめんね」 片手をカバンに、工具箱から小さなニッパーを取り出して。 努力の証を開くのも、なんだかなあと零しながら 糸を切って中を確かめてみた。 (27) 2022/08/26(Fri) 19:59:35 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 教えてやる、と言われて返す言葉は、きっと決まってる。 いつもと同じ温度で、同じ抑揚で、きっと頭の中に響く。 猫の胸の辺り、心臓の代わりに入っていたのは、 小さな紙きれ。 少し丸い文字が並んでいる。口語体の文章。 『貴女がこれを読んでいるなら、きっと私は死んだのね。 そして貴女は生きている。そういう事だと思うわ。』 『件の抗争は決着がついてるかしら。 ついてたらいいわ。そうしたら、死から少し遠くなる。 怪我はしてないかしら。治さなきゃだめよ。 貴女、ただでさえ目立つって自分で言ってたもの。』 『貴女が今どんな感情でいるか、なんて知らないけれど。』 『私、濡れるのは嫌いなの。』 『貴女の雨で濡らさないで頂戴ね。』 『手紙なんて、書いたことがないから、 何を書けばいいのか分からないわ。 何事もなく終わって、ずっと後にこれが見つかったら、 どんな顔をすればいいのかしら。』 『そうね。』 『伝えたい事があるの。それを書いて終わるわ。』 (28) 2022/08/26(Fri) 20:41:18 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 『私、誰でも殺せる女なの。』 『敵も、味方も。殺せと言われたら殺せるわ。』 『つい最近も、ノッテの人を殺したもの。』 『誰を殺せと命令されても、その通りにしてきたわ。』 『でも最近、命令をされるのが怖かったの。』 『あなたのせいよ。』 『貴女が懲りずに話に来て、律儀に飲みものを用意して』 『贈り物なんて考えて、いってらっしゃいなんて告げて』 『怖がりもせずに、当たり前のように接してくるから。』 『怖かったわ。』 『怖かったのよ。』 『───命令で貴女の名を呼ばれる事が、怖かった。』 『だって、私、そうなったら。』 『きっと』 『きっと、命令に添えなかったもの。』 『私、貴女だけは殺せそうにないわ。』 『あなたのせいよ。』 『馬鹿。』 ▼ (29) 2022/08/26(Fri) 20:49:50 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 『……それだけよ。』 『ねぇ、これを読んでるのが、殺せない貴女なら。』 『どうか、祝福してくださらない?』 『貴女を殺さずにすんだ、殺すしか能のない女の事を。』 『祝ってほしいの。』 『文字を書くというのは疲れるわね。』 『ここまでにしておくわ。』 『じゃあね、唯一人の貴女。』 『Arrivederci.』 『PS:』 『リボンは貴女がつけなさい。』 『嫌そうな顔をしないの。』 『その方が』 『目立って見つけやすいかもしれないじゃない。』 そんな拙い文章の手紙が数枚、 ぬいぐるみの心臓部に入っていた事だろう。 (30) 2022/08/26(Fri) 20:55:52 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>28 >>29 >>30 レヴィア きっと、いつもの通りに返されれば、 いつものように返すのだ。『かっわいっくねえー』なんて。 そして、いつもの言葉を脳内で呼び起こしながらも、 隠されていた心を読めば読むだけ、言いたい言葉が一杯だ。 『遺書を用意するなんて、用意がいいのね、だっけ?』とか。 『なんで生きてないんだよ本当に、あー無駄になった』とか。 『馬鹿なのはどっちなんだよ、まったく』とか。 『あたいにリボンとか、趣味が悪いよあんたは』とか。 だけど、そのいずれも出やしない。 代わりに、雨が降り出した。それは、どしゃぶりの雨で。 濡れるのが嫌いなあなたを濡らさないように、 無理矢理に手で掬うから、その手に赤い雨が滲むのだ。 強い風は唸り声と紛う事もあるというから、 今吹き付ける甲高い嵐もきっと何かと紛う事もあるだろう。 ああ、それにしてもまったく、魔女というものは 誰にとっても、本人にしたって、御しがたいもので。 きっとそれは、猫のように、気まぐれで、自由で。 お願いしたって、碌に聞いてくれやしないのだ。 傷だって、ずっと持っていこうと思っているし。 雨だって、当てないようにしたって少し零れているし。 どうしようもないほどに、ままならない。 あなたの言葉を借りるなら、きっとこの魔女は馬鹿だった。 (31) 2022/08/26(Fri) 21:26:54 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>28 >>29 >>30 レヴィア やがて、その雨風が弱まって。 時計の音が雨音をかき消すくらいになった頃に。 やっと、落ち着いたストレガは口を開く。 「……悪い、ちょっ、とだけ、濡らしたね」 がらがら声が、無理矢理に元気を作っている。 白猫に手紙を返して、優しく抱いて。 「まあ、……許してよ。次会う時、怒ってくれていいからさ」 「それで、祝福だっけ?あたいそういうの、 全然知らないんだよなあ……するように思える? 思えないだろ?そもそもさあ……はあ〜〜〜〜……」 ぐちぐち、続けそうになった口を適当に切り上げて、 代わりに溜息を吐いて。肩を竦めた後、 目元を親指でぴっ、と拭う。 「あんたは、ノッテ・ファミリー。 だけど、それ以上にあたいの……ハ、唯一の。友達だよ。 言っとくけど!家族になるより友達になる方が 何百倍も難しいんだからね。ことあたいにとっては!」 なんだか、ちょっと怒ったような口調でそう言って。 黒いリボンを、おもむろに白猫からひとつ、解いて見せた。 「……友達の頼みじゃ、一等断れない。 まったく、ちゃんと見つけないと承知しないからね」 (32) 2022/08/26(Fri) 21:43:39 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>27 >>28 >>29 唯一人の貴女 そうして、ぼさついて広がった髪を後ろでひとまとめ。 根元をきゅっと、黒いリボンで結わえて。 「 Ti voglio bene, Levia. 」呟くと、物言わぬあなたの、額に唇を落とした。 少しだけ長く、別れを惜しむように。 やがて離れて、最後にもう一度だけ髪を、そして頬を撫でて。 「……やれやれ、最後に一仕事だけしなきゃ」 鞄を探ると、取り出したのは針と糸。 黒い猫には白い糸を。抱かせたままに、縫い付ける。 友達が縫った所と同じ場所に、『Strega』と。 白い猫には、黒い糸を。背中を敢えて、 はじめと同じように少し緩めに縫い合わせ。 友達の名前は、そのままに。これが、一番いい形だから。 「出来た。……なあ、次に会うのは随分先になるからさ。 そん時はレヴィアの顔、驚きと喜びで ふにゃふにゃにさせてやるからな? ……おやすみ、唯一人の貴女」 そう告げて、……一旦。この場を去るだろう。 一枚、烏達に向けて。「ぬいぐるみと一緒に、頼む」と添えて。 (33) 2022/08/26(Fri) 22:00:43 |
【人】 貴女の友達 レヴィア>>33 ストレガ 結局、一つだって約束を守ってくれない貴女。 それでも女が怒ることは、きっとない。 たとえ頬を突かれたって、怒ったりしなかったのだから。 だから、女は。 もうあなたに見える事も、触れる事も出来ない、 曖昧な存在のまま、 雨が降るのをただ見ていた。 まさか見られてる、なんて貴女は思わないだろう。 貴女もそんな顔するのね、なんて言葉も、届かないだろう。 「友達、そう。」 「………馬鹿ね、人を見る目もないなんて。」 「リボン、やっぱり似合わないわね。」 「見つけやすくて助かるわ。」 伝わらずとも、そんな事を呟いて。 ぬいぐるみに刻まれる名前も、閉じられていく傷も見届けて。 全部、全部、全部。 その最後まで、見届けて。 額にキスされたのを見れば、そっと、顔を寄せて。 ぐっと背伸びして、同じようにして。 きっと貴女の額には、届かなくて、それより下になったけど。 「Anche io.」 そんな言葉を、呟いて。 (34) 2022/08/26(Fri) 22:24:37 |
【人】 必ずまた会いに行く レヴィア>>33 ストレガ 最後に黒のぬいぐるみを傍に置かれて、 立ち去っていく貴女を、その背中を眺める。 「……必ず、見つけに行くわ。」 「だって私、暗殺屋だもの。」 「必ず、必ずよ。」 だからそれまで、待っていてちょうだい。 次に会った時、それが貴女とは違う姿形で、 私も違う姿形だったとしても。 絶対に見つけて、また、同じように。 貴女に同じ言葉を言わせるわ。 だって、私は暗殺屋。 暗殺屋は、狙った標的を絶対に逃がさない。 レヴィアが狙う、最後で、最初の標的は──── (35) 2022/08/26(Fri) 22:32:59 |
レヴィアは、指鉄砲を、貴女の胸に突き付けて。 (a2) 2022/08/26(Fri) 22:34:23 |
レヴィアは、くすり、年相応に、楽しげに笑って。 (a3) 2022/08/26(Fri) 22:34:52 |
鳥葬 コルヴォ(匿名)は、メモを貼った。 2022/08/27(Sat) 2:36:40 |
鳥葬 コルヴォ(匿名)は、メモを貼った。 2022/08/27(Sat) 2:36:57 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新