【人】 将軍 かんぅ[かんぅがその話を聞いたのは 狩りの帰りに立ち寄った村であった。数人の部下とともに訪れた其処は嘆きに溢れていた。若い娘が一人生贄にされるのだという。その魔物が生贄…花嫁を求めたのは初めてらしい。だが、何時か輿入れが来る事は語り継がれてきた話。 矢に当たったのは老夫婦の娘だという。 水を貰い、腰を下ろした椅子より 悲嘆にくれるその娘を目にかんぅは] (23) 2021/06/15(Tue) 19:43:39 |
【人】 将軍 かんぅ…このかんぅが参ろう。 [国随一の将軍の言葉に村の者たちは目を見開いた。 部下たちが、突然何を。と驚く。傲慢さが聊かあるものの、清廉潔白。無敗の将は民に優しい。娘の境遇に心を痛めたのだろう。どよめく民衆、部下たちに再度かんぅが告げる] (24) 2021/06/15(Tue) 19:43:59 |
【人】 将軍 かんぅ[とはいえすぐに嫁ぐ訳ではなかった。 まずは用意が必要である。部下たちには自らが魔物の花嫁になることを主に告げる筆を取った。部下たちが反対をしたこと、自分を止めきれなかったことは罪ではないと、懐の刀を持たせ、これを今生の別れとせよ。と告げれば 村娘の為に自らの命を投げ出す将軍に 部下たちは男泣きをした。 どうかご武運を。と部下たちは口々にいう。 中には供をと望むものも居たが、其れをかんぅは断った] よい、かんぅにはこの青龍偃月刀がある。 [それにちょうひぃ。もいる。 将軍の部下たちは説得をあきらめたのは一度決めた事を将軍が曲げぬことを知っていたからである。先の戦で国には平穏が訪れ、民たちは平和を享受している。その中で魔物に怯える村があるのを将軍は許せないのだろう。 そう考えて、心に決着をつけ 去っていったのである] (26) 2021/06/15(Tue) 19:50:49 |
【人】 将軍 かんぅ[部下を見送り 纏ったのは、花嫁衣裳。 娘が着るためにと用意された其れは、腰回りどころか、色んな処がきついのを村の女たちが必死に繕い、伸ばして伸ばして大きくしてくれた。このようなものしか用意できない事を申し訳なさげな村のものたちに、よい。と告げたかんぅはまさに将の器であった。 村人たちから出立の宴を催され 細やかだが祝い水を飲み かんぅ、40歳。青龍偃月刀を片手にいざ嫁ぐ。] (27) 2021/06/15(Tue) 19:51:28 |
【人】 将軍 かんぅ[ご指名の場所。 山の奥、滝の前へは一人でやってきた。ついていきたがる村人たちに何があるやもしれぬと告げて青龍偃月刀を手に。心に弟ちょうひぃを抱えてである。民を思う将軍の気持ちに村人たちはみな涙した。貴方の名は末代まで語ります。という言葉に、そのような気遣いは無用だ。と返し。 花嫁衣裳で山を登った男は今、滝の前にいる。 大きな滝を仁王立ちで見つめ 肩に青龍偃月刀をかけて] 頼もう―――。 [何処にも怯える花嫁らしさはなく 堂々と『婿殿はどこである』と言ったのである*] (28) 2021/06/15(Tue) 19:54:41 |
将軍 かんぅは、メモを貼った。 (a5) 2021/06/15(Tue) 19:58:37 |
【人】 『生贄の女』 ソフィア化粧を施し、身を華やかな布で着飾って。 こんな姿になったことなんて一度もないものだからか 支度を手伝ってくれた友人は うるうるとした瞳で私を見た。 「 ……泣かないで、大丈夫よ。 私は大丈夫。 だから、ね。 」 慰めの言葉をどう感じたのか。 ぎゅう、と私を抱きしめてくれる手に、 私の目だって潤んできてしまう。 それでも、涙は落とさない。 流れ落ちれば折角塗った化粧が崩れてしまうし なにより、今は悲しむ時では無いから。 (29) 2021/06/15(Tue) 20:00:57 |
【人】 ソフィア ─── この村の近くには、生と死を司る神様がいる。 物心がついてまず教えられるのはその事だ。 敬えば恵みを与え、侮れば罰を下す。 日々糧を得られるのは神様のおかげ。 大人たちは教えを信じ、 日々神様に感謝して生きている。 (30) 2021/06/15(Tue) 20:02:26 |
【人】 『ただの子供』 ソフィアそんな世界を疑問に思った私は きっと変わり者だったのだろう。 本当に神様なんているのか。 どうして毎年一人、 神様に連れていかれなければならないのか。 罰なんて本当にあるのか。 ……だから私は、神様に会いに行こうと思ったんだ。 ── ▷ 森の中 ── (31) 2021/06/15(Tue) 20:03:56 |
【人】 『ただの子供』 ソフィア神様が居ると言われている場所へと向かうため 幼い私は森の大変さも知らず 闇雲に探すという困難さも知らず。 気軽な気持ちでその迷宮の中へと入っていった。 最初は意気揚々としていたこと。 木の根によりでこぼことしている地面や 動物の鳴き声を気にせず進んで。 しかし、次第に疲れは蓄積し。 どれだけ歩いても見えない目的地に ついに適当な木の下に座り込む。 (32) 2021/06/15(Tue) 20:05:00 |
【人】 『ただの子供』 ソフィア「 ここ、どこだろう。 どこにいるんだろう、神様。 」 森の中、ひとりぽっちで呟いた。 誰にも聞かれることはきっとないまま 縮こまって暗くなる世界から目を逸らした。** (33) 2021/06/15(Tue) 20:05:21 |
『ただの子供』 ソフィアは、メモを貼った。 (a6) 2021/06/15(Tue) 20:11:09 |
【人】 白竜 ヤオディ そうだな。歳の頃は16くらいの。 若い娘がよいぞ。 よろしゅう頼む。 [たまたま自分の棲まう滝の側にいた村人に声をかけたのは気まぐれだった。 村人にお願いしたのは、しごく簡単なこと……と本人は思っていた。 若い娘を一人話し相手としてよこしてほしいというのは、そんなに難しいことでもないと思われたからだ。 ただ単に、女人の友人なるものが自分にはいなく、神仙の身、異界の者での知り合いは男……雄のみで。 自分ももういい歳なのだから、少しは女人なるものを身近におき、知っておこうという好奇心と、ちょっぴりの下心がそこにはあるだけだけだった] (34) 2021/06/15(Tue) 22:23:38 |
【人】 白竜 ヤオディ[問題だったのは、自分が恵の雨を降らし、実りを与えるという存在として、その地域に神のように崇められている存在であったことだった。 その望みをきいた人間によって彼の意図を曲解されてしまったのだ。 単なる友達が欲しいとお願いしたつもりだったのに、それが伝言ゲームのように伝えていくうちに、竜神様は花嫁をご所望という話になり、それが花嫁という名の生贄となり……。 その伝言を聞いた日から、村は葬式のような重々しい空気が流れていたが、そんなことは白竜様は知らない。 そして、一人の漢が名乗りを上げたことも知らず。 ヤオディの元に花嫁が参りますという通達が届いたのは、断ることもできない当日の朝であった] (35) 2021/06/15(Tue) 22:24:52 |
【人】 白竜 ヤオディ え? 嫁? そんな、余はそのようなことは申しつけてはおらぬ。 ただ、おなごの友達がいればよいな、と思っただけだったのになぁ〜。 [もじもじ、と裾の縫い目を指先でいじいじしている水を司る白竜様(推定800歳)。 しかし、期待いっぱいでその女子とやらがやってくるのをそわそわそわそわと待っていた。 人の気配がしないかどうか、全身を耳にして、むやみやたらと行ったり来たりしている。 いざ、誰かが歩いてくる気配がしたら、大きく息を吸って、吐いてと緊張をほぐし。 すぐに行ったらがっついていると思われるかも、と少し余裕を見せなければと鏡をのぞきこみ、身だしなみをチェックした。 この竜、もちろん童貞である] (36) 2021/06/15(Tue) 22:25:55 |
【人】 白竜 ヤオディ[そこに、頼もう、と野太い声がした。 きた!と見た目は落ち着き払って、にやつきそうになるのを必死に堪えて静かに歩いて出迎える。 先ほどの声は男のもの。先触れの下僕を連れてくるということは、身分の高い女人なのだろうか。 それならばきっとたおやかで麗しい人に違いない、と期待で胸ははちきれんばかりになるが声だけは厳かに返した] 誰ぞ。 余こそが、この明泉洞の主にして白糸滝に棲まう白竜ヤオディである。 村よりおいでになったという女人は……女人は…………。 (37) 2021/06/15(Tue) 22:26:55 |
【人】 白竜 ヤオディ 女人は何処に? [目の前には女装している中年男しかいない。しかも背にはでかい刀を背負って。 変質者!?いやこれは罠に違いない! そう身の危険を感じたとしてもおかしくはあるまい。 大体、今では神だのなんだのと言われて大人しくしているヤオディだが、昔は結構やんちゃもしていて、その度に人間の勇者だの騎士だのというのからコテンパンにのされたり叱られたりもしていたのだ。 それだけでなく、単なる腕自慢どもの討伐の対象にされてもいたり。 だから、目の前の男が自分を成敗しにきた者だと思うのは、龍族にとっての常識であったのだ*] (38) 2021/06/15(Tue) 22:28:23 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 『 大蛇 』は神などではない。 たとえ村の者達が神と敬服しようとも 『 大蛇 』はただの『 大蛇 』に過ぎない。 本来村の人間を襲わないことも 彼らを外敵から守ることも 『 大蛇 』にとっては守る価値の無い契。 だが『 大蛇 』は村の人間の言葉を聞き入れる。 己の主が『 大蛇 』に遺した言葉がそうさせるのだ。 (39) 2021/06/15(Tue) 22:40:57 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ しかし『 大蛇 』は神などではない。 だからこそ村の申し出を聞き入れることに 代償を強いることに固執する。 無償の善は人の心を腐らせる。 自身の平穏は誰かの犠牲の上に成り立つのだと それを彼らに忘れさせないために。 「我の力を借ろうならば オマエ達の中から一人、 その命運を我に差し出せ。」 蛇の姿で数百年前の村人に伝えたという逸話が 今なお村の者達に語り継がれているかは不明だが。 村人達が首を縦に振ったのをきっかけに 『 大蛇 』は村を守る存在へと成っていく。 (40) 2021/06/15(Tue) 22:43:41 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ*** 人間の子というのは奇怪な生き物だ。 危ないからよせと言うのに凝りもなく森の中へと やってきては『 大蛇 』の声に説教を受ける。 中にはそこが危険だと知っていたにも関わらず 足を踏み入れた子供もいる。 (こいつらは死なねば分からぬのか......?) 数百年と森に入る者を叱りつけている内に 『 大蛇 』はしきりに顔を顰めていた。 (41) 2021/06/15(Tue) 22:44:55 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグそしてある時もまた子供が迷い込む。>>31 そんなに外に興味があるのならば いっそ行って死ぬのもよかろう。 それとも人攫いに連れて行かれて売られるも良い その時は.....それがその子供の運命だ。 そう思い始めていた頃、 子どもの声が『 大蛇 』にも届く。 同時に鳥の声が止まり、空気の流れが変わる。 目を閉じて神経を張り巡らせれば 『ただの子供』がどこにいるかなど すぐに知ることが出来るのだが。 しかし......この子どもは他の子どもとは 明らかに目的が異なっている。 『ただの子供』の呟き>>33は それを物語っているようにも感じられた。 (42) 2021/06/15(Tue) 22:48:47 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ (―――面白い。) この子供の真の目的など『 大蛇 』にはわからぬ。 しかし村の人間に犠牲を強いる『神』とやらに 逢おうなどというのだから。 『 大蛇 』は『ただの子供』の内なる心を知る為に 自ら人間の元へ歩みよろうとする。 (43) 2021/06/15(Tue) 22:53:53 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 「―――子どもよ。」 『 大蛇 』の声があたり一面に木霊する。 暗がりの中に影を作る蛇が人の姿へと変わる その瞬間が『ただの子供』に見えていたかどうか。 「そこで何をしている。 貴様のような子どもが 立ち入っていい場所ではないぞ。」 『 大蛇 』は未だ姿を隠したまま 子を叱るように声を響かせ始めただろう。* (44) 2021/06/15(Tue) 22:56:39 |
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