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【人】 小泉義哉香菜、 [つないだ手を両手で包み、気づけば恭しく跪いていた。 朝露を含んだ若葉が陽光を乱反射させながら香菜の頬で踊り 朝日を取り込んでますます活々と赤みのさした髪の毛は 少しもつれて汗ばんで額ぎわに貼りついていた。 自然、見下ろすような姿勢になった大きな美しい瞳が やわらかい木漏れ日ともに自分に注がれるのに見惚れていた。 その瞳に映し出される感情を読み取ろうとするうちに 男の目には哀願というよりも ある激しい感情の涙が薄く宿った。 男の心の中の一番奥深いところがけがされないまま ふと目から覗きだしたかのような光だった。] (23) 2021/06/13(Sun) 10:45:55 |
【人】 小泉義哉[名前を呼びながら、何から言えばいいのかわからずに言葉が詰まる。 雄弁な舌を持たぬ男は、たどたどしく ただごまかしのきかない強い想いを胸の奥から拾い上げた。] その……俺、本当に詰まんない男で。 傷つけたいとか、そんな気持ちは全くなくても 今までだって、香菜を一人で苦しませてきたし、 順番もすっ飛ばして昨日みたいなことして、 さっきも、香菜の体がしんどいのとか頭から抜け落ちてて。 少し考えればわかるような人の気持ちを察するのが苦手で そういう能力があれば、 もっと香菜を傷つけずにすんだのにって思う…… [肌を重ねたとき、一つになったというあの陶酔は 一晩明けて日常に戻ってみれば ただ一夜の夢だったのだと突き付けられた。 同じものを食べ同じように美味いと言い 同じものを見て同じようにじっと見惚れ 同じものを聞き同じように耳を傾けていても 内に生ずるものは違う。 香菜と自分は、似通っている部分があっても 髪の毛一本に至るまで全く違う人間だった。] (24) 2021/06/13(Sun) 10:47:52 |
【人】 小泉義哉正直言って、それがすごく怖いんだ。 好きだから傷つけたくないって思うし、 俺と一緒にいることで傷つけてしまうなら、 無理して一緒にいない方がいいんじゃないかとも思う…… [これまでうまくいかなかった交際だって 決して敵意があって一緒にいたわけじゃない。 ただ、覚悟が無かったのだ。 だから少しでも陰が差すと、すぐに嫌になった。] (26) 2021/06/13(Sun) 10:50:04 |
【人】 小泉義哉だけど、香菜を傷つけても、俺が傷ついても それでも一緒にいたい。 香菜の好きなこと、嫌なこと、 俺自身も気づいてなかったうれしいこと、されたくないこと、 そういう一つ一つの経験と失敗を積み重ねて、 時々ままならなくて衝突しながらでも、 少しずつお互いの心地良さを探って 同じ時を共有したいって…… 我儘だけど、そう思うんだ。 [すべてを捧げたいのに、自分は何も持っていない。 道端に咲く一輪の花を手折ると 茎でくるりと輪っかを作り、彼女の左手の薬指に触れさせた。] (27) 2021/06/13(Sun) 10:51:09 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁──けじめは大切 [ 彼女の両親へ泊まりがけで挨拶に行った。 何もないわけがなく、 まず彼女の両親は心底驚いていたし、 父親に関して言えば順序が逆だと激昂。 そこでしゅんと大人しくなるなら また話も穏便に済んだかもしれないけれど 彼女は火に油を注ぐ形を選んだ。 そばで見ていた彼は、 同じく夫と娘のやりとりを見ていた 彼女の母親とともに、彼女の父の方を押さえた。 物理的に彼女の父親を押さえる以外の選択肢はなく 一旦彼女が眠ってしまうまで待つことに。 ] (29) 2021/06/13(Sun) 13:09:08 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁順番が逆だと言われても仕方がありません。 実際そうなってしまっていますから、 そのことに関して、弁明の余地はありません。 だから、これから先は…… 彼女のことを第一に考えて 幸せだっていつまでも言ってもらえるような 人間でありたいと思っています。 [ 言葉だけで認めてもらえるなんて 彼は1ミリも考えていなかったので、 確定申告の時に出す収支内訳書の コピーと彼の通帳を手渡した。 クライアントの話は出来なくても 彼が今どれだけ収入があり 貯蓄があるのかを見せることで 彼女を背負うだけの覚悟と 子供を養うだけの経済力を 彼女の両親に見せられると思ったのだ。 ] (30) 2021/06/13(Sun) 13:10:06 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁彼女は、ぼくの代わりに 沢山泣いてくれます。 感受性が豊かだけれど、 泣けないぼくの分まで沢山、 いろんな感情を見せてくれます。 だから、ぼくは…… 彼女が大切で大切で仕方がありません。 お嬢さんのことを、 不躾ではありますが、ぼくに… お預けいただけませんか。 [ そう言って、彼はゆっくりと頭を下げる。 彼の両親どちらかが声をかけるまで その頭は上がることなく。 ]* (31) 2021/06/13(Sun) 13:10:48 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子 ―― なんで怒られてるの? ―― [ 手順が前後していることがそんなに 問題があるのでしょうか? だって、彼と結婚するつもりで 付き合っていたのだから そんなこと、些細なことではないでしょうか。 そもそも私も望んだことですし。 私が言ったことは父を怒らせるばかりで 私も歯止めがきかなくなって 結局、彼と母が父を止めるまで 言い合いは止まりませんでした。 疲れて私が眠ってしまった後に 三人で会話は行われていたようですが。 ] (32) 2021/06/13(Sun) 18:48:35 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子[ 彼女の両親は彼の話を黙って聞いていた。 先ほど激昂していた父親も今は少し落ち着いた様子。 まだ若いけれど子供も養えるだけの経済力があって 覚悟があることを、両親は感じ取った。 最後まで話を聞いて、ゆっくりと顔を見合わせて 苦笑したかと思えば、母親の方が口を開いた。 ] 『顔をあげてください。 私達は、結婚を反対するつもりはなかったの。 ただ、そうね。 手順の前後は気になってしまうもの。 ……あの子は昔からそうだった。 人の痛みに敏感で、 感受性が豊か過ぎて―― 生きにくそうな子 だと、思っていたわ。親が言う言葉ではないけれど、ね。 それをあなたもわかっているようだし 覚悟も伝わってきた。』 [ でも、と言葉は続く。 真剣な表情で、真っ直ぐに彼を見据えて。 ] (33) 2021/06/13(Sun) 18:49:54 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子『あなたには…あなたたちには 経験がない。人の親になったことがない。 だから、約束してください。 私達でも、あなたのご両親でもいい。 困ったことがあったなら、 必ず、頼りなさい。 二人だけで解決しようとしないこと。 それともう一つ。 娘を傷つけるようなことは絶対に しないでね。あの子はあなたが 好きでたまらないみたいだから… それを裏切らないで。あなたの言葉を聞く限り 余計なお世話だろうけれど。 娘を、よろしくお願いしますね。』 [ そこまで言って母親は笑顔を見せた。 父親はまだ笑顔にはなれずにいたけれど それはきっと寂しさが理由。 結婚式の日取りが決まったら教えてくださいね と最後に言って話し合いは終わったのだった。 ] (34) 2021/06/13(Sun) 18:50:42 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子おうじくん…? あれ……お父さんが 昨日と雰囲気違うような… [ 何かあったの?と首をかしげて 彼に聞いてみたことでしょう。 三人で会話をしていることが聞ければ なんで私抜きで??? と頬を膨らませてしまったでしょうが… 特に話がこじれたわけでもないのなら ほっとするのです。 ]* (35) 2021/06/13(Sun) 18:51:46 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜[布団の中で誰かと温もりを分け合う時間は 一体いつぶりだっただろう。 頬を撫でられ、あたしは柔く微笑むと その鼻先にひとつキスを落とした。 外からの音に半身を起こして シャワーを浴びに立とうとすると 内股をどろりと白いものが流れ落ちた。 散々注がれた子種を見て 昨日のことをつぶさに思い出して つい顔をあからめる。 水に汚れを流しても 昨日の記憶は消えない。 あたしの気持ちも。 しっかり、この心身に宿っている。] (36) 2021/06/13(Sun) 19:07:50 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜[また二人して部屋着に身を包む間 義哉くんが冗談を言ったなら>>19] ……今更たんぽぽサラダで満足できる? [って、冗談めかして笑い返すの。 例えジャングルだろうとこの部屋だろうと あなたがいるなら怖くない。 陽光と小鳥の声の方へ、手を繋いであゆみ出すと、 どこか懐かしい空気が頬を撫でた。 ごてごてとした和風の褥じゃなく、 古い杜森の景色。 あたしたちを送り出すと 扉は不意に姿を消す。 「もうあとは自分で進め」って言うみたいに。 それに小さく頷いて、一歩 一緒に歩き出そうと踏み出した身体は 大きく傾いで……また義哉くんの身体へと 受け止められた。] (37) 2021/06/13(Sun) 19:08:22 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜……ううん、大丈夫。平気。 [痛身があるのは事実だとして、 それを凌駕する悦びがまだ腹の底に溜まっている。 スウェットの下の薄い腹を撫でながら あたしはにっこり笑って見せて でも、ちょっとくっついて歩きたくって 義哉くんの腕に甘えて進みましょうか。] (38) 2021/06/13(Sun) 19:08:41 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜[義哉くんの声に>>21 ようやくあたしは周りを見渡す。 苔むした狛犬の表情も、 擦り切れたところのある幕も、 どれも見知ったもの。 昔は怖い顔に見えた狛犬が こっちを見てニッと笑っていた気がした。] …………はい、 [義哉くんの呼ぶ声に、 あたしは神聖な気持ちでその顔を見上げた。 朝日を背にして、雄々しい肩を出した姿は なんだか本当に『神様』みたい、なんて。 それなのにあたしは化粧もしてない 下着も、服も、ペロンペロンで 本当に釣り合わないな、って今更思った。 それでも『神様』は真っ直ぐにあたしを見つめて 真剣な口調で気持ちを噤む。 あたしは黙って最後まで聞き届けて─────] (39) 2021/06/13(Sun) 19:09:02 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜あたし、あんたといて傷ついた事なんか 一度だってないんだから。 あんたはいつもそうやって、 人が傷つきやしないか、石橋叩きすぎて 結局人間関係ごと叩き壊して、 それに自分でまた傷付いて…… だけどね、あたしは傷付いてやしないし あんたに全部あげたこと、何も後悔してないの。 [義哉くんの指が、路傍の花を編む。 黄色く花咲くたんぽぽ。 あたしもそれに倣うように 足元に咲く白詰草の一本を手折り くるりと編んで指輪を作る。] (41) 2021/06/13(Sun) 19:10:30 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜難しいことは、まだわかんないけどさ。 あたしはそんなにヤワじゃない。 あんたが背負い込みすぎないように ……あたしにも一緒に 背負わせてくれないかな あんたの人生。 [あたしの指を黄色が飾る。 その上にひとつキスを落とすと おかえし、とばかりにその手を取って 白詰草の指輪を嵌めた。] (42) 2021/06/13(Sun) 19:14:07 |
【人】 弁当『もりや』 安住 香菜ええ、よろこんで。 [そう笑う頬を、幾筋も露が滴り落ちる。 まだ早朝の空気の中、 古びた神社の前であたし達は今生を共にすると誓う。 順序も、道行もデタラメだったけれど 願った未来を迎えた花嫁は 朝日の下で花より鮮やかに笑っていたろう。]* (43) 2021/06/13(Sun) 19:18:07 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁──3人だけの時間 [ 彼女の母親が声をかけて、 彼の頭はゆっくりと上がっていき、 その人の話を真剣に聞く。 首を小さく縦に振って頷きを見せながら 彼女がどれだけ愛されていたのか ひしひしと伝わってきた。 そうでなければ、 娘が生きにくそうな子、というわけがない。 ] (45) 2021/06/14(Mon) 16:44:24 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁彼女も、ぼくも、……あーいや… ぼくはあまり人に頼るということを 覚えていないので、 うまく頼れないかもしれませんが、 ぼくらが切羽詰まってしまう前に 頼ることを覚えます。 [ 嘘をついて得することはない。 だから、自分でも意識をしようと 彼は苦笑を見せながら、心に決めた。 結婚の日取りは、彼の両親を交えて 食事会をした後に決めたいと 彼は伝えたことだろう。 ] (46) 2021/06/14(Mon) 16:45:03 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁さぁ、なんだろうね。 [ 最初ははぐらかして、 ちょっと楽しくなったら答えを教えた。 彼女の両親にも笑顔でおはようございます、と 挨拶ができるくらいに距離感は縮まった。 だから、彼女と帰る頃には 少し名残惜しさもあったり。 子供の首が据わる頃に、絶対に帰ろう、と 彼女とも約束したはず。 ] (47) 2021/06/14(Mon) 16:45:43 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁────そして大切なこと よろしくお願いします。 [ それは数年前に彼らが出会った日。 春のことで、彼女の誕生日も近く、 暑すぎず、ぽかぽかと感じられるこの日。 役所に2人で出向いて、1枚の書類を提出した。 それは、2人の苗字が一緒になり、 2人がひとつの家庭として認められること。 「おめでとうございます」 そう声をかけられると、 隣にいてくれる彼女の方を照れ臭そうに 見やってハニカミをみせたことだろう。 無事に入社して新入社員として働く彼女も 産休育休への準備をすすめているのだった。 ] (48) 2021/06/14(Mon) 16:46:25 |
【人】 おにいさん 榊原 皇仁[ うちに帰って、落ち着いてから 彼女と並んでソファに座った時だったか。 彼女の手を優しく両手で包み込み、 体調は大丈夫か尋ねた。 そして、彼女の瞳を見つけてこう告げる。 ] 愛してる、ってすごくむず痒いね。 でも、今日はきちんと言うよ。 (49) 2021/06/14(Mon) 16:48:55 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子―― 三人での会話 ―― [ 娘が連れてきた人は 手順の前後はあったかもしれないけれど でも、嘘をつかず誠実であろうとする姿を 確かに見せていて。 父親の態度も僅かに軟化する。 食事会の提案には二人して頷きつつ。 幸せになって欲しい、と願うのだった。 ] (51) 2021/06/14(Mon) 18:32:15 |
【人】 フィアンセ 葛葉 桜子……少しは打ち解けたみたいでよかった。 お父さん、あんな感じだから びっくりしちゃったな…。 [ はぐらかされて、むぅっとしていたら 楽しそうに教えてくれたのでした。 笑顔で挨拶しているのを見て ほっと安心しましたし、 また帰ってこようと言われれば ぱあっと顔を明るくして頷くのです。 ] (52) 2021/06/14(Mon) 18:32:36 |
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