人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 花の名 リフル

[曲を聴いていられる時間も──短く感じられた。

彼女のつくりだす音>>2:1が揺さぶるのは、
鼓膜だけではない。
この胸に、皮膚に、脳髄に入り込んで、
ふわふわと肌を粟立て、
じわじわと目尻を湿らせ、
どくどくと心臓を打ち鳴らす。
私の意思を越えて私の身体を変えてしまうのに、
心地良く夢を見ている気分──

見つめていた筈なのに、
いつの間にか視界は閉じてしまっていた様だ]


  ……あぁ、 メグ


[曲が終わっても、曲に浸っていた。
人間の言葉を発した彼女の、その声すら曲の一部の様にうっとりと聴いた後、用意されていた椅子から立ち上がって、ふわりと彼女に手を伸ばした。

返事のかわりに、抱き締めようとしたんだったと思うけれど、
それは届いたんだったか、どうだったか。*]
(11) 2020/10/05(Mon) 21:13:26

【人】 在原 治人

 
[在原が標本を作り始めたのは中学の頃だ。

 昆虫フェスで
 二束三文で売られていた
 B級品と呼ばれる子らとの出会いがきっかけだった。

 扱いが雑なせいで
 鱗粉が剥げていたり
 翅に体液染みができていたり。



  (命を摘み取られたあげく
        これは酷すぎないか…!?)



 補修の仕方を必死に調べて
 少しでも美しく、元の状態に戻せるように
 尽力したのが最初だった。]
 
(12) 2020/10/05(Mon) 21:13:32

【人】 在原 治人

 
[あの頃に比べれば
 己の技術も格段に上がり、
 このくらい敬意を払って扱ってやれよ…!と
 手本として見せられるくらいの出来にはなった。

 だが、
 蝶の作品を売り出す時に
 インセクトブリーダーとしての通り名「AlberT」を
 名乗らずに居るのは


 ────命を全うさせてやれなかった


 という、後ろめたい気持ちが
 拭い切れないからだ。]
 
(13) 2020/10/05(Mon) 21:15:17

【人】 在原 治人

 

[この命への拘りは、男の生い立ちに起因していた。]

 
(14) 2020/10/05(Mon) 21:16:05

【人】 在原 治人

 
[ぱらり……、ぱらり……

 大きな病院。
 個性のない真っ白な病室でひとり
 小さな手が熱心にページを捲る。

 祖父が与えてくれた
 古めかしい昆虫図鑑だった。

 虫と一括りにするには
 あまりにも様々な色と形を持った彼らに
 すぐ夢中になった。


   ほかのみんなとは
   どこか
   なにか
   ちがっている
   ”こんな”ボクでも
   いてイイんじゃないか?



 はっきりと自覚していた訳ではないけれど
 その多様性に
 密かに励まされてもいた。]
 
(15) 2020/10/05(Mon) 21:17:02

【人】 在原 治人

 


   いつか、ほんものが見たいなー



[その思いで
 命を繋ぎ止めるための
 たくさんの不自由と
 たくさんの痛みに耐えて。]*
 
(16) 2020/10/05(Mon) 21:17:49
 
[命と美しさ。

 どちらも尊いものだけれど
 優先順位をつけろと言われるなら
 命に決まっている、と
 自分は思う。


 けれど、貴方は違うようだ。

 どうしてなのか
 何故なのか
 理由があったりするのだろうか?]


   …………


[あの時も疑問は過ぎった。

 けれど、
 我儘な怒りに任せて
 尋ねる機会を逸してしまっていて

 俺は貴方のことを
 何も知ろうとしていなかったのだと
 思い知る。]
 

 
[この青く美しい瞳が
       再び開いたら────…


 本当に、ずっと
 俺の手の届くところに
 居てくれるのかどうか?も含め

 貴方のことを
 色々と教えてもらおう。]
 

【人】 花の名 リフル

[またある日は、私が怪我をした様だ。
彼女が声を掛けてきて>>2:34、視線を落とした先で、私が腕を押さえていた。言われてから気付く程度を越えて血が出ていたのに、おかしいわね、って笑った]


  メグ……優しい子。


[それは無垢なおまじないだった。
"私"は「子供じゃないんだから」って笑うところだったかもしれないけれど、私は彼女に崇拝のまなざしを向けた]


  いたいと かなしい
  おちゃも おいしくない ……


[オウムよりも抑揚のない声で繰り返して、
ゆっくり、彼女が手を振った空を見上げる。
眩しい青色に無垢な白が泳いで、それがまた少しずつ小さくなって、次に見た青の色は、先程よりも優しく視界を満たした]


  そうね………

 
(17) 2020/10/05(Mon) 22:17:11

【人】 花の名 リフル



  私のいたいの きっととんでいくわ。


  だから、



[血に濡れた腕を押さえて、
おまじないをしてくれる彼女に向き合う。
顔は穏やかに微笑んでいるのに、
腕からは血が止まらなくて、指先を伝って草を染めてゆく]


  だか、ら………


[口が動かなくなって、
言いたい事を押し込んでしまう。

彼女に不審に思われるのが先だっただろうか。
なんでもないわって、本当になんでもない様に笑って、私はちょっとばたばたと、お屋敷ではない方へ駆けていった。*]
(18) 2020/10/05(Mon) 22:17:16
──鈍色の球体5───

[子供は元より冷めていた。
笑いもせず、泣きもせず、子供らしい子供ではなかった。

可愛がられないのも慣れていて、
親戚達の対応も当然の事だと思った。
彼らは自分達の家を守ろうとした。

誰にでも拙い敬語を使いながらも、
同い年の子供のからかいには強く静かな視線を向ける。
気にならなかったのが真相、
子供達はつまらないと他の面白いものを探す。


守ると早くに決めた心が子供を強くした。
空洞を含む強さであっても、他の強さは知らず、歩み続けた。]*

―― 事件の翌日 ――
[まだ暗いうちに目を覚ませば、
今までと同じように自分の部屋の天井が見えた]

[事件が起きたのは昨日のこと。
その日はリフルの眠るベッドの隣で夜を明かした。

今日はご飯だって執務だって、
全部、けが人の部屋に持ち込もうとするものだから
メイド長直々に引き剥がされた。

仕事もご飯も終わらせて、枕を持ち込んでいたところを
今度は侍女に見つかり、
医者に任せてくださいって閉め出された]


 ……みんな、いじわるね

[夢の中で誰かにされたように、両手で私を抱きしめた。
私がいたって役に立たないのだから、
彼に負担かけないように。
……そんなの解っています]

[事件の日は「私のせいでリフルが死んだらどうしよう」
そればかり口にしていたせいか、
お父様が勲章を贈ることを決めてくれた。
『彼はよくやってくれた』と言ってくれたけれど、
目を覚まさない彼を誇る気持ちにはなれなくて、
ベッドのそばから離れられなかっただけです。]

[今日は見張りをつけられながら1人で寝たもの。
窓から脱出するのは思いとどまったもの]


[今日は仕事の合間に仕事を増やした。
カードックの義手技師にリフルの義手の状況を送って、
指示を願って駿馬を飛ばしたのだ。
きっと、こちらに向かっている王子とお連れさまに
文を持ち帰っていただくのがいいのだろうけど、
王子様を待つ気はもうなかった。]

[こんこん]

 『遅くに失礼します、お嬢様。
  リフルが目を覚ましましたよ』

 ほんとう!

[彼が気がついたら何時でも知らせてと
お願いしたとおりにドアが鳴った。
ネグリジェにガウンを羽織ってドアを開け、
ノックしてくれた侍女の横を抜けようとしたら捕まった]

 『今は医者が看ております。
  お嬢様はせめて着替えてからにしてくださいませ』
 

[こんこん]

 リフル、シャーリエです。
 入りますね。

[早く着替えられる街着でまたこの部屋に戻ってきた。
起きたその場に居ることはできなかったけれど、
リフルのおかげで無事です、ありがとうって伝えるのが一番。

お医者様に痛み止めを打たれるときのしかめた顔には、
私の方が唇を噛んだ。
右腕の話を聞いたときには、ああって手を組んだ。
顔だけ笑ったリフルの隣に椅子を置き、
お医者様の注意を一緒に聞いている。

侍女がお医者様を見送りに出て行く。
お嬢様、今日はお部屋で寝てくださいって念を押されたけど
何にもいえずに2人を見送った]


 ……リフル……
 ごめんね、酷いことさせて、
 痛い思いさせて、ごめん

 助けてくれて ありがとう
 私はどこも平気。

 ……リフルが目を覚まさないんじゃないかって……
 怖かった、こわかったの

[怪我はしてないって頭を振ったのに、
怖いことはと聞かれて、右目をこすった。
捜査が進んでいる間、警備は厳重で、
私は外出禁止を命じられてるから大丈夫。
簡単に現状を説明する。
三人組を雇った奴は捕まって、
黒幕を吐かされている最中だから、
すぐにも解決すると思う。]

 だから、私は大丈夫。
 リフルが心配だった……

[今度は左目を拭った。
リフルは泣いてるのを隠すことも出来ないんだ、
私が泣いてどうするの]

[勲章を渡す話もしなくちゃ
リフルが堅苦しいのいやがるのは知ってるから、
誓いの議はやらないことになるだろうと伝える]


 よく頑張ってくれました、騎士さま。
 あなたに不自由がないよう尽くすのが
 あなたの働きへの感謝のしるしです。

 ……義手の先生も呼んだからね。
 休んで元気になってね

[血生臭い悪夢はまだ彼を捕らえているのだろうか。

花瓶ごと持ってきていた中庭のバラを、
サイドテーブルに飾る。
私の部屋にあったのをそのまま持ってきた]


 また、明日来ます

[窓の外を見る横顔を見る。
生きていてくれて良かった、話してくれて良かった。
今はそれだけでいいって思って、後ろ手にドアを閉めた]

[私を見るでもなく、お医者様を見るでもなく、
どこかに向けられた顔を見ているとなにも言えなくなる。

それから抱きついて泣きたいのを我慢する数日が過ぎた*]

 
[そんなことを考えながら
 乱れていた金髪に指を通していけば
 手入れが行き届いているのだろう
 するりと簡単に整って、艷やな流れを取り戻す。

 ひとつ美しくなれば
 そうではない箇所
 膝下で蟠ったスラックスが気に掛かり

 眠りを妨げぬよう気を付けつつ
 反対の足首からも鎖を外して
 レースの下着と、拘束具以外を取り除いていく。]


   ん…?


[先程よりも、脚が重く感じるのは
 眠っているからだけじゃない。
 脱がしやすいように
 手伝ってくれていたからなのだろう。
 

―― 数日後・怪我人の部屋 ――
[彼と買いに行ったピアノ譜をなぞって
頭の中で鍵盤を鳴らす。
リフルに聞いて欲しい気持ちと、
私も曲を作りたい言う気持ちが混ざって、
何度も同じフレーズを弾いている。]

[今日も当たり前のようにお見舞いに居座っている。
お医者様でもない私が役に立つことはなくても、
人を呼んで助けを求めることくらいはできる。
あのときみたいに、リフルの側に居たがった。
そのくらいには気持ちを持ち直したとも言える]

 騎士さま、お加減はいかが?

[そういって花瓶の水を換えるのだ。
バラの向きを気にする振りをして、彼の顔を伺うのだ]

[話しかけるには塞ぎ込んでいるようなら、
話さずに出て行こうとしたけれど、
今日はどうしても言っておきたい事があった。]


 リフル、あのね。
 ……私、王子様のお話、お断りすることにした。

 かわりに頑張って国を支えようって思ったの。

 


 へんな話してごめん、
 ……また仕事終わってからくるから

[きびすを返した顔は
傍目からも赤くなっているのがわかるだろう。
そのまま出て行こうとして、
ドアの押し引きを間違えて顔をぶつけてた**]

 
[言葉どおり
 全部見せてくれようとしていたのだと
 期待してしまう自分も居る。

 けれども、油断させるためという線を
 どうしても消せないのは


   (………きっと、これのせいだ、)


 チャリ、…

 外したチェーンを持ち上げる。


 こんなモノでは
 貴方の体は繋げても
 心まで縛ることは出来ない。]
 

 
[椅子の上にまっすぐ伸ばした
 白さと長さが際立つ脚を
 ぬくもりが移るくらいのゆっくりとした速度で
 惜しむように撫で上げて

 それから、レースの上を
 へその窪みを
 紅の模様を崩してしまわないように
 避けながら胸を遡り

 俺にはある喉の突起を
 探るように首を滑らせてから

 最後にまた、頬をふたつの掌で包み込んだ。]
 

 
[眠り姫に口づけて起こす絵本など
 見たことも読んだことも
 まるで無いまま、虫に狂って育った男は]




   ずっと…、居て、 俺と




[不器用に望んでから
 下着とお揃いのレースの手袋を切なく見つめつつ
 残った2本の鎖も外して

 ただ、静かに
 その目が開いて
 また自分を見つめてくれるまで、待った。]
 

在原 治人は、メモを貼った。
(a1) 2020/10/06(Tue) 2:15:06

在原 治人は、メモをはがした。
(a2) 2020/10/06(Tue) 5:05:10

【置】 二年生 早乙女 菜月



 こうして、じっとしているうちに、
 あざらしはいつであったか、
 月が、自分の体を照らして、
「さびしいか?」といってくれたことを
 思い出しました。

 そのとき、自分は、空を仰いで、
「さびしくて、しかたがない!」
 といって、月に訴えたのでした。

──「月とあざらし」    


 
(L0) 2020/10/06(Tue) 6:29:00
公開: 2020/10/06(Tue) 6:30:00

【人】 二年生 小林 友



  天使でありますから、たとえ破られても、
  焼かれても、また轢かれても、
  血の出るわけではなし、
  また痛たいということもなかったのです。
  ただ、この地上にいる間は、
  おもしろいことと、
  悲しいこととがあるばかりで、
  しまいには、魂は、みんな青い空へと
  飛んでいってしまうのでありました。

     ─────『飴チョコの天使』
            小川 未明
(19) 2020/10/06(Tue) 9:44:54

【人】 二年生 小林 友

[その日の逢瀬で、菜月と一体何が話せたろう。
 けれど、夕方の束の間の時間なんて
 俺達にはちっとも足りなくて、
 俺は家に本を持ち帰って、
 話し足りない続きを書こうとした。

 何でも菜月は打ち明けてくれて、
 柔らかくて繊細な心をひた隠しに
 仲間や家族に笑ってみせた、その裏まで。]
(20) 2020/10/06(Tue) 9:45:53

【人】 二年生 小林 友

[出来るだけ近くで彼女の気持ちを聞きたくて
 影に寄り添い、声に出す。

 ─────ああ、悔しい。悔しいなあ。
 もっと触れたい、近くにいたいのに。

 便箋を書いては消して、書いては消して。
 今までのやり取りは頭の中。]
(21) 2020/10/06(Tue) 9:47:24

【人】 二年生 小林 友

[そんな扱われ方をした便箋が……
 もう、裏なんかセロテープが無いとこの方が
 珍しいくらいになっているそれが、
 こうなる事なんて、分かっていたはずなのに。]


  ─────……あっ!


[何となく書き添えた、赤いハート。
 恥ずかしくなって消そうとしたら、
 びり、と音を立てて便箋が裂けてしまった。

 慌てて学習机の上に手を伸ばして
 セロテープを取ろうとしたら、
 手も触れていない便箋が、びり、びり、
 もう耐え切れないのだ、と言わんばかりに
 ひとりでに千々に切れていく。]
(22) 2020/10/06(Tue) 9:49:07
 




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