【人】 軍医 ルーク[ 自分が持ち上げられなかった箱を、 うさぎは軽々と持ち上げてみせる。 医務室で義手を巡って部下たちと話していた内容を思い出す。 恐らく、持って来た装備も、 自分が持てるような重さのものではないのだろう。 躊躇いはあったが、見たところいまは不調もなさそうだし、 不承不承頷き、手を離した。 代わりに、来るときには持ってもらっていたランタンを 受けとることにする。 道すがら、投げかけられた言葉に顔を上げた。] ……“心配”? [ 困惑しているような、理解できずにいるような、 その声はきっと、以前医務室で盛大に“怒りながら”、 “怒る”が分からずに問い返したときと同じもの。>>0:242 ] (397) 2020/05/21(Thu) 2:12:11 |
【人】 軍医 ルーク[ けれど、今はそのときとは違い、じっくりと思案を重ね、 ひとつ、ゆっくり瞬きをした。] ――ああ、それだったんだ。 そうか。 [ 外から言われて、初めて気づいたように。 途切れた糸を、不格好に一先ずは、結んでしまうように。 味の分からない飴を、甘い、と教えてもらうように―― そんな風に、呟いた。 きっと、それだけではない、心配だけではない。 けれど、“心配”していることに、間違いないのだろう。 義手を使うなと言っても、頷かない。 副作用は『いつものこと』と言う。 いつもの副作用なら、ずっと痛い―― 痛みに強い体質で、それでも強く感じるほどの痛み。] (398) 2020/05/21(Thu) 2:13:16 |
【人】 軍医 ルーク[ 先ほどの出来事を思い出す。 『通信機は攻撃されにくい場所、 背中の後ろから飛んだはず』>>348 それは、いかに間近で戦っていたとしても 知りようがない情報。 元よりどこかで知っていたとしか思えない知識だ。 あの時の様子は明らかに、普段の彼のものではなかった。 そもそもここに来るときの会話では、 通信機の話すら、初めて聞いた様子だったのに。 だとしたら――忘れていた、記憶? 機獣の知識なんて、どこで得たのか。 彼らの来襲が繰り返されるいま、自分と同じように、 機会は何処かにあるのかもしれない。 けれど、記憶が失われたのは最初の襲撃のとき。 戦闘中に、機獣から通信機が飛ぶのを見ていた? それもどこか、違和感があった。 ――ああ、まただ。 先ほど過りかけた“何か”が、 再びちりちりと思考を焙る。>>141 思考に沈みながら、ひどく難しい顔で、 ぐしゃりと自身の首元を、服ごと掴んだ。 呼吸の苦しさを、痛みで紛らわせるように。] (399) 2020/05/21(Thu) 2:15:10 |
【人】 軍医 ルーク[ “噂のようなひとじゃない” その言葉に、痛みが増した。 そうだ、噂自体は愚にもつかないカムフラージュ。 けれど、事実はそれよりも遥かに許し難い。 いまはない両脚が強く痛む。 どくどくと、血を流すように。 立ち止まらないように片方ずつ前へと踏み出す。] 噂、か。 あれはもう、話してる連中が どれだけ面白いことを言えるか ゲームみたいになってるんじゃないかな? けど、本当か嘘かは、さあどうだろう? 採点して医務室に張り出してやろうか。 [ いつものように、人の悪いことを言ってやろうと思っても、 どうしてか、それ以上は続かなかった。 “ルークの頼みなら”と、その言葉の意味が、 どうしたって、伝わってきてしまったから。] ――… うん。 頼みというなら、今はひとつだ。 帰ったら休むことと、 頭痛があったときは時間外でも医務室に来て。 (400) 2020/05/21(Thu) 2:16:50 |
【人】 軍医 ルーク[ 回収された箱は、研究棟へと持ち込むことにした。 勝手に探しに行く、とは言ったものの、 特に問題がある行動をしたわけでもない。 そこのところは、探索に付き合わせてしまった以上、 説明しておこう。] 勝手に探しに行くことにしたのは、 殆ど根拠もない憶測だったから。 上が取り合ってくれるか分からなかったし、 手続きがまどろっこしかったんだ。 でも、実物を見つけたなら、あとは引き渡せばいい。 小言の一つも食らうかもしれないけれど、 わたし、そういうの聞き流すの得意なんだ。 それに多分、今日担当してる連中は気にしない。 [ 後ろ暗いことをしているわけではないのだから、 持って行っても問題はない。 見つけるまでの手続きを簡略化しただけさ、と嘯く。] (401) 2020/05/21(Thu) 2:18:09 |
【人】 軍医 ルーク[ 果たして、未回収の部品が運び込まれた研究班の夜組は、 金属の箱を囲んで色めき立った。 自分が前にいた研究所で、 通信機ではないかと推定されていた部品に似ている。 今回の襲撃でこの部品が回収されなかったことが 気になって探しに行った。 特に隠すこともない成り行きをそのままに話せば、 経緯に疑念を抱くものもいなかったようだ。 ――話さなかったことがあるとすれば、 同行を頼んだ第一攻撃部隊の部隊長が、 あまりにも的確に、その部品を見つけた出したということ。 技術班の連中は案の定、細かいことにはこだわらなかった。 抑々、研究の事ばかり考えている連中で、 特にこの班は各方面の才能ある人材を集めてきた 研究畑の遊撃班という色合いが濃く、 その手の連中がまともであったためしがない。 まともに世渡りできるなら研究者なんてやってねえよ、と 記憶の中の父が笑った。 普段交流があるわけではないが、 非正規の手順で回収した箱を持ち込むならこの班だな―― という目算くらいはあった。] (402) 2020/05/21(Thu) 2:19:31 |
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