コツ、コツ。磨いた靴底が人気のない道を行く。
「強いて言えば残りの懸念材料はリヴィオだが……。
あいつに、手のひら返されて検挙されるなら本望だろ」
「あー……ロメオ様々だねえ。勝手にネロを選ばせてよかった。
身内を疑って調べるのは荷が重い、二度とやりたかねえな。
それでも、もう。俺の仕事は終わったな」
昔ペットショップだった廃家の前、誰も訪れることがなくなった建物に此度は二つの影がある。
「さて、大物が残ってる。
ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。
ったく、さっきの電話口だけでも相当ヤバかったぞ……
」