人狼物語 三日月国


74 五月うさぎのカーテンコール

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[求められるまま、顔を傾けて唇を受けながら。
応えるように啄んで、薄い下唇を食んで、少し離れる。]


 ん、もっと、さわって
 
もといさんで、いっぱいに、して……?



[触れ合わせた唇の端、吐息を絡めて囁いて。
取り払われた下着から覗いた、彼自身に指で触れる。

ぬるりとした滑りが指先から掌へと移っていくのを確かめながら、少しだけ刺激するように手を上下に揺らして、しなだれかかるようにして彼の膝へと乗り上げる。
とろりと落ちた瞼は眸を覆い隠し、迎え入れるように薄く唇を開いてからキスが深くなるのを待った。*]

試── ん


[体勢が崩れる。
両膝と両手がソファについた。

スパイシーなターメリックと、バターの香り。

くち、と音がして背中が震える。
固茹でをマヨネーズでまとめたフィリングの味。]


 ……は、


[唇と、舌とウィスキー。

ひと食み、ふた喰み、混じり合って。]



あ…


[抜け出していく体温。
抵抗せずに片足のつま先を床に下ろして、反転して。くるりとソファに座り直した。

食べてしまった、食べられてしまった?エッグパイは美味しい。

立ち上がろうとしたジンさんの、ふらついた腰を伸ばした腕で後ろから支えて
無事に歩き始めたら、その腕を上げて肘のところに鼻から下を埋めた。

あつい。]



[鶴のヒヨコみたいに追いかけようとして、
できないことに気がついた。]


……。


[アルコールに侵されてるからか、目立つほどではない、という…ほどでもない。

脚に肘をついて、背中を丸めて頭を抱えた。*]


 
っ、



[自分から触らせといて、いざ指が触れると火傷したみたいな刺激に腰が引けそうになる。
起き上がった彼女の手が、既に育ちきった自身の形を確かめるように動く。
彼女の痴態で煽られているのに、あまりされると情けない結果になりかねない。

誤魔化すように、薄く開けられて誘うその咥内にくちづけた。
ぬるりと侵入させた舌が上口蓋の奥、パラタイン喉腺を削る。]

[折角起き上がってくれたけれど、先程はしなかった体位ではいりたくて、ゆっくりと身体を押し倒した。
後頭部を片手で支えて衝撃を和らげるように。
もう片方の手は、つんと上向いた蕾を捉え。

リーチの違いで彼女の手は自身から離れてしまうだろうが、達するなら彼女の裡が良いとキスの合間に伝えれば納得して貰えるだろうか。
布団に着地したら支えていた手を外し、代わりに脚を持ち上げた。]


 あー……はい、 る、


[室内の分、挿入の水音が響く。
ゆっくりゆっくり焦らすように挿入する間は、声が聴きたいからキスを外して。
耳元でふうふうと荒い呼吸を繰り返した。*]

[口づけの残り香を反芻しながら、水を汲む。
 流れる水音がとぽとぽと心地良い。]



[ああ、酔った、酔った。アテもうまいし、かわいく慕ってくれる相手もいる。
 思わず鼻歌交じりになんてなる、のだけど。]

[ソファに戻れば、麦がひとり。]

……どうした? 気分悪い?
水飲めるか。

[背を丸めて頭を抱える様子を見れば、はっとする。
 ちょうど水を汲んだところでよかったと、グラスに水を注ぐ。
 酔いがさあと醒めるような心地。しゃがみ込み、眉を寄せて麦の顔を覗き込もうと*]



  ……ッン、 んぅ……

[指先に触れた昂りがぴくりと跳ねた気がしたのも束の間。

重なった唇は深くなり、ざらりとした舌が上顎を撫でる。
くすぐったさしか感じなかった箇所が今は彼によって開発されて、ぞわぞわして頭が痺れるような快楽を覚えた。

身体はすぐに布団へと逆戻りして、後頭部を支えた手が離れたらシーツの上に解けた髪が広がっていく。]



  ふ、ぁっ 

[彼の手がまた蕾に触れて、思わず声が上擦った。
唾液を交換するようなキスの合間に、中で果てたいと切羽詰まったような声で囁かれてしまっては断れるはずもなく。
身を横たえ、彼の手に擦り寄せるように脚を開いていく。]


  あ、ぁ、   んーッ……、
 

[じわりじわりと侵食するように、身体の奥に熱く硬いものが入り込んできて、髪を乱して小さく身悶える。
彷徨った手は頼りなさげに撓んだシーツを掴んで、必死に湧き上がる熱を堪えるようにやり過ごす。

熱くて、気持ち良くて、昂ぶる感情に涙が浮かぶ。*]



  ──……蓮司さん、その。


[更に、寝落ちる直前のことを思い出してしまって。
途端に落ち着かない気分になりながら。

俯き加減のまま薄ら目を開ける。
もぞもぞと手を伸ばし、彼の服の裾を引っ張って。]


  
朝に約束したのを

  
着てみたんです、けど。


[なんのことか伝わるだろうか。

シアさんと買い物に行った時おすすめしてもらった、
ロイヤルブルーのランジェリー。
着慣れない色に、派手じゃないかなとか
レース部分が多くてほとんど透けてるんじゃとか、
不安は山ほどあるけど、彼がすごく見たがってくれたから。*]

[ああ、酔った…酔ってしまった。
美味しいお酒とおかず、酔って近寄って、キスをしてくれて。
ずるく引き出すようにだけど、好きの言葉をくれて。]


ぅあ、


[戻ってきてしまう。
そんなすぐに引っ込むわけない。
焦るほど体が熱くなって、火照る顔を必死に俯けた。]

ん、なんでもないデス、
座って…?


[隣を指さそうとして。
いやそれよりも、差し出された水のグラスを受け取ろうとして。
は、と息をついて、片手を脚の間に置いた。

不自然な膨らみ。隠そうとする動きが却って露骨だと、気づくのはしてしまった後。
ぴぴぴ、と頬の赤みが増していく音がする。]


ご──


[いや、ここで謝ってはだめだ。どうしよう。]

これは…


  
ジンさんのキスが官能的で
      興奮してしまいました。



[早口の小声で自白して、執行猶予を求む。]


嫌にならないなら、もっとちゅってしたいから
あの……トイレ行ってきます……

まだ飲めます。から。


[精一杯。自分のせいでお開きは嫌だの意思表示*]

[頷いてくれた彼女に安堵して。
共に布団に包まったけれど。
身動ぎして眠れなさそうな姿。
呼びかけに、目を開けて、彼女を見詰めて。
聞こえた言葉に、目を瞬いた。]


…………。

ふっ。ふふ。あはははは。


[珍しく声をあげて笑って。
怒られても。『ごめん。でも嬉しくて。』と笑って。
きっと緊張と安堵が笑いにも影響していたけれど……]

[笑いの発作がおさまると、嵐を見詰める。]


自分で脱いで、見せて欲しいな。


[恥ずかしそうな嵐には、少し意地悪なお願いだったろうか。
でも欲望の赴くままに、そんなおねだりを一つ。
言葉に乗せた。*]

[酔いというのは、自覚なく進行して、急激に落ち込むことがあるから。
 顔色を窺って、もし気分が悪いなら休ませようと、そうした考えで下から覗き込んだ、が。
 なんでもない、という口調が思っていたより何でもなさそうで、瞬いた。
 立ち上がって、グラスを渡すだけ渡す。その瞬間の、片手の行き先。酔い以外の原因で、赤らむ頬のいろ。]

――?

[浮かんだ疑問符は、小声の告白によって解消される。]

あっはは! そーか。
いや、ごめん、それは謝るのは俺の方だなぁ。

若い若い。嫌になんてならないから、冷ましといで。

[立てる?と手を伸ばす。
 支えが必要なら、先程の礼とばかり支えよう。
 好意を抱いているという相手に、許されているからと絡み酒したのはこちらだ。
 ほぼ全責任が俺にあると言ってもいい。

 トイレまで見送ったら、ぽすんとソファに全体重預けた*]


 紫亜、手、


[彼女の身体を折り畳んで、すべてを収めた後、滲む涙を舐めとりながら、シーツを掴む手に触れる。]


 縋るなら、俺にしてよ。
 爪立てていーから。


[彼女による痕が欲しいのは此方も。
乱れて貼りつく髪を丁寧に剥いで、頬を包み込む。]


 ……好きだよ。


[荒い息のまま微笑む。
もう幾らも止まっていられないから、彼女に届く内に言いたくて。]


 好きだ、もう紫亜がいないと駄目になる、


[今の自分は、彼女が告白してくれた時の彼女の望んだ位置まで辿り着いているだろうか。
追いつくどころか追い抜いている気もするが。
ぐぐっと最奥まで穿ちながら、もう一度「好きだ」と告げた。*]

やー……そうか、そうだなぁ。

["そういう"対象として見られていることを、改めて実感した気がする。
 チーズをナイフの先で深めに削る。
 大きめの欠片で口に入れて、塩気に任せてグラスを一気に呷った。]

っ、あー、効く。

[ぐらり、頭の芯が揺らされるような衝撃。
 突き抜けるアルコールは、苦い。]

[麦が戻ってくるようなら、一度クールダウン代わり、チェイサーで乾杯しよう。
 冷たい水を飲み干して、アヒージョの残ったオイルにバケットを浸して。
 さて、何を話そうかと言うタイミング。]

ねえ、麦はゲイなの?

[単刀直入直球で聞いてしまってから、言葉足らずかと慌てて言葉を継ぐ。]

ああいや、それが嫌とかそういうんじゃないんだけど。
単純な興味? 関心? いやこれも変な言い方だな。

女の子も好きになるのか、そうでもないのか、まったくもって生まれてこの方俺のこと以外は考えてなかったとか、なんかそーゆー……言うなれば恋バナがしたいってやつよ。

[酔っぱらいの定番トークではないか。
 自分より過去を知りたい、そんな興味。]

……俺が一目惚れしたのも男だったから、なんか一目惚れって特別な効果でもあるのかと思って。

[さらりと、こちらの暴露も挟んでおいたりして*]



  
な……っんで笑うの!



[突然、声を上げて笑い出した蓮司さんにむくれる。
ちょっと本当に笑うところじゃないでしょ!?
恥ずかしいけど、めちゃくちゃ勇気出したのに!!

その理由が「嬉しくて」だとしても、なんだか釈然しなくて
笑いがおさまるまで、じーっと睨んで待っていたら。]

[蓮司さんの意地悪い声。


  …………ほんっとーに、見たいんですか。


[真っ赤になったまま怪訝顔で、も一度確認してしまう。

でもここまできて見せなかったら後悔しそうなので
渋々腕の中から起き上がれば、
腰に手を宛て、ちら、と蓮司さんを見やり。

ルームウェアの下を脚から抜き取っていく。
できるだけ上が捲れないように動いてしまうのは、
見られてる視線が恥ずかしいせいだ。]


  ……ぅー…上も、ですよね。

[これで勘弁してくれないだろうかと、
裾を掴んでも一度きいて。
おずおずと裾を持ち上げ、頭から脱いでしまえば
手で隠したいのを堪え、太腿をくっつけてぺたんと座り。]

  えと……どう、ですか?

[所在なさ気に視線が泳いだ。*]

[名前を呼ぶ声は甘く優しい。
浮かべた涙を唇で掬われたなら眩しそうに片目を眇めた。
シーツを掴んだ手を導かれて、おずおずと両手を背に絡めながら、ん、と短い頷きを重ねる。

頬に添えられた手に自然と上がる眸は、間近に見下ろす真摯な眸を捉えて離れない。]

 




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