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65 【ペアRP】記憶の鍵はどこ?【R18】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[
最初はそう、大したことじゃなかった。
小学校低学年の時。
可愛いと思った服を着て登校した時の事。
たまたま買った場所が同じなのか
同級生と同じワンピースを着ていったことがあった。
]
「みつるちゃんには、にあってないから」
[
似合ってないから着てこないで、と言われた。
被ってるのが嫌、なんて
客観的に見るならそんな理由だったのだろう。
気にしなくていい言葉だったはず、だけど。
私はそのあとワンピースを着る勇気が出なかった。
似合ってないなら着ないほうがいい、なんて。
私は、“ワンピース”が…
可愛い服が似合わないんだなって思った。
最初は、その程度だった。
その程度だったけど、私の認識は少しだけ、変わった。
可愛く、ないんだなって。
]
[
自嘲気味に笑って、そんなこといつまでも覚えてるなんて
変でしょう?なんて言って見せて。
まだあるけれど…というより
楽しかったわけじゃない学生時代の話はここじゃない。
楽しくなかった原因は、この程度の出来事だと
伝わればよかった。
いじめとかだと思われてから話せば
たいしたことないって、言われそうだったから。
もっとも、すぐ話そうとしてるわけじゃないけど。
]
……つなぎ方にも、よりますけど
[
恋人つなぎくらいは知っている。
それだったら、まだ無理だな、
気持ちが追い付いてないからって思ったから。
普通に手を握るだけならいいって伝わっただろうか。
恋人だったんならそれくらいはしてるだろうって思えば、
手をつなぐこと自体には抵抗ない。
それに……
見知らぬ場所で不安を感じないわけ、ないから。
]*
……まぁでも、そうなんよなぁ。
なんでもかんでも、
そんな簡単に解決できるもんでもないなぁ。
[
彼女が口をつぐめば、とりあえず、と
彼女に近づいて手を差し出した。
勿論、普通の繋ぎ方。
恋人ではない関係に戻っているので
そこは線引きとして。
部屋から廊下に出ると見えるのは
長い長い廊下。
でも、1ヶ所光が差す場所が見えたような
気がしたので、彼女に行ってみないかと、
誘ってみたと思う。
]*
なんで……
[ぽつりぽつりと知らない風景が流れ出す。俺に見せつけるように。
それは決まってハチヤのいない時ばかりで、見ているだけで気分の悪くなるそれらのどれにも一人の少年が映っている。その顔は、今よりずっと幼いけれど、ハチヤとそっくりだ。あれが本当にハチヤなのか、あれはハチヤの過去なのか。聞いてみたいけれど]
う、え……
[見るたびに気持ち悪くなる。ハチヤが戻ってくる前になんとかしないと。くたりとベッドに横になって吐き気を堪える。ああ、けれど]
あれ、旦那ってやつ…?
[最後に見えた風景。ハチヤにそっくりな少年に話しかける見知らぬ男。いつも不安そうな顔をしていた少年が、こらえきれないように笑みを零す、暗い風景の中唯一の]
──あー…
[目を開ける。あれがハチヤだとして。あいつが一番になるのは、当然じゃないか?だって一番つらい時期にきっと救いになったのだろう。分かる。けれど
もそもそと布団に潜り込み、自分の胸に手を当てる。その時に俺がいれば、何かをしてやれたのだろうか。もやりと感じる嫌な気持ち。これは多分あれだ。うん。ということは]
俺、ハチヤ好きなんだなぁ……
……忽那さんは、大人ですね。
いや、同い年だけど……
[
なんとなく、彼の言葉に気苦労と言うか
そんなものを感じてしまった。
……“私”も原因かもしれないけど。
手を差し出されておずおずと握る。
普通のつなぎ方でちょっと安心した。
部屋から出てみれば長い廊下で、
本当に見知らぬ場所に来たんだと思い知らされる。
行ってみようという誘いには乗って
歩きながら少しだけ、聞いてみようか。
]
忽那さんは…他人の悪口とか
気にならない人ですか?
[
まあ、この人そもそも悪口言われるというよりは
ちやほやされてそうな気が……とか言うのは
偏見が過ぎるから黙っておこう。
]*
[なんだろう、これは。
俺に見せたいのか?ハチヤは自分のものだと。うるさい知ってる。きっと今でもあいつの一番はこの男のもの。
思い出にどうやったら勝てるのかなんて知らない、知らないからもう見せなくてもいいんだ]
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