【人】 軍医 ルーク ―― 前線基地・外壁上 ――[ 出撃した兵士達は散会し、各々の配置につく。 中の一隊が、前方に突出している。 あれは、穴から降りてくる怪物の降下位置近くに陣取る 第一部隊だろう。 武装に身を固めながら、 その動きは気を抜けば見失いそうなほどに疾い。 怪物を間近に相手取る超近接部隊には、 身体能力に優れているものが多く配属されているのか、 あるいは、余程よく統率が取れているのか。 彼らを見下ろす顔に表情はない――はずだ。 地上の動きに集中していたものだから、 固唾を飲んで事情を見守る手の中の鳥が、 不安げにちらりと此方を見上げたことには、 一向に気付かなかった。] (82) 2020/05/15(Fri) 22:25:32 |
【人】 軍医 ルーク[ 天の大穴から、“それ”が降りてくる。 否、“降りてくる”というよりは―― 落下だ、落ちてくる。 あの距離から落下しては、生き物ならばひとたまりもない。 けれど、それは、そう ――言葉通りの意味で、生き物ではないのだ。 けたたましい吼え声が戦場を劈き、 『それ』が地面に着地するのと、 砲門が火を噴くのは同時だった。 腹の底に響く砲撃音が、耳を聾する。 矢継ぎ早に放たれた第一陣の砲撃は、 怪物に、あるいはその周囲に着弾し、 爆音が轟き、土煙が巻き上がる。 前線の人影たちは、射線上にはいない。 砲撃部隊も味方を撃つ様な無様はすまい――という、 そう簡単な話ではない、 近接部隊の彼らはあれほど突出し、 見上げるほどに巨大な怪物と相対しながら、 同時に、味方の動きを把握しているのだろう。] (83) 2020/05/15(Fri) 22:26:15 |
【人】 軍医 ルーク[ もうもうと巻き上がる土煙、 閃光がひらめき、戦場は地獄と化す。 今もその残骸が残る建造物の名残が、 怪物の前足の一撃で、がらがらと崩れ落ちた。 ――そう、此処は、あの大穴から怪物があらわれるまでは、 ひとが住まう土地だった。 ここにいても、大きな白い耳はあまりにもよく音を拾う。 破壊音、爆音、銃弾の音、ひとの声。 晴れてゆく土煙の向こうで、“それ”の影が現れる。 再びの咆哮。 四つ足の怪物は進みを止め、その首はぎりりと向きを変え、 生き物ではありえない角度で外壁を見上げ、 基地へと狙いを定めるように、一歩ずつ近づいてくる。>>72] (84) 2020/05/15(Fri) 22:27:11 |
【人】 軍医 ルーク四足歩行型―― 速度に応じて足並みを変化させている、 歩容の再現まで完全… などという生易しいものじゃ、ないな、あれは。 [ 生き物にしか見えない動き、 けして生き物ではありえない、圧倒的な破壊の化身。 その足取りを止めようと、兵士たちが攻撃を加える。 けれど、その進みを止めるには至らない。 四つ足の怪物が、迫って来る。 その胸元がぱかりと開き、奥にある『なにか』が、 戦場の何処かへと狙いを定めようとした、そのとき――] (85) 2020/05/15(Fri) 22:27:51 |
【人】 軍医 ルーク[ 戦場の中心に、白い光が膨れ上がる。 まるで『太陽』のように、 目が眩み、焼かれそうなほどの光量だ。 色素の薄い瞳は、それほど光には強くない。 けれど、目を眩しそうに細めながらも瞑ることなく、 強く、強く、輝きを増してゆく光を見続ける。 やがてそれは一筋に収束し―― 怪物の中央部を射抜き、消えていった。 ずしん、と、 巨体の倒れる音と舞い上がる土煙が、ここからも良く見えた。 それからもう一つ―― 先ほど白い光が見えた場所に、赤い影ひとつ。 そして、倒れたその影のところに、 ばらばらと駆け寄ってゆく近接部隊の兵士たち。] (86) 2020/05/15(Fri) 22:28:52 |
【人】 軍医 ルーク戻るよ。 [ きゅう、と鳥が窮屈そうな声を上げる。 それで初めて、自分が身体に力を入れていたことに気付く。 鳥は今の光が眩しかったようで、 くしくしと羽で目の辺りを擦るような仕草を見せていた。 こいつはこいつで、生き物よりも生き物らしい。 あれはなに? と問うように此方を見上げるものだから] (87) 2020/05/15(Fri) 22:29:35 |
【人】 軍医 ルークあれかい? そうだなあ、極めつけの莫迦が、 極めつけに莫迦なことをしたということだよ。 ああ、仕方がないんだ、 莫迦は莫迦なことをするがゆえに莫迦なんだから。 [ そんな風に言いながら、基地の中へと踵を返す。 これから医務室に訪問者があるに違いない。 その足取りはゆっくりしたものだったが ――これ以上早く歩けないのだから仕方ない―― 寄り道せずに、医務室へと戻るだろう。]* (88) 2020/05/15(Fri) 22:30:02 |
【人】 軍医 ルーク―― 医務室 ――[ 長耳兎の部隊長がいつ頃目覚めたかは、 そいつの体力次第といったところだけれど、 少なくとも、隊長を担ぎ込んできた部下たちの阿鼻叫喚は、 耳に入らなかったようだった。 あの耳はさぞよく聞こえるだろうから、 もし意識があったなら、 なんでよりによって葬儀屋がいるんだ!? 誰でもいいから他の医者呼んで来い、 うわやめろ俺たちは大した怪我なんてギャー!!! ――みたいな大騒ぎが、 ことのほかよく聞こえていたはずだ。 (もしかしたら多少夢見は悪かったかもしれない) 戦闘があって負傷者が零ということはなく、 暫くの間は駆け付けた他の医者たちも交えて、 怪我人の手当てに追われた。 急な処置を要する負傷をしたものは、ほぼいない。 部隊の練度の賜物か、 あるいは――被害が出る『前に』、敵を仕留めたからか。 ある意味で一番重症だったのは、この長耳だったのだけれど、 先ずは寝台に突っ込んで点滴の管を刺し、 他の患者の応急手当てに当たる。] (89) 2020/05/15(Fri) 22:31:30 |
【人】 軍医 ルーク君、そいつに何かあったら呼んでくれ。 [ 戸棚の横を通り過ぎがてら、 影に隠れていたもふ玉に声をかければ、 鳥はらじゃー! とばかりに頷いて、 兎のベッドの下に潜り込んで隠れる。 けれど、下にいては様子が分からないと気づいたのか、 よいしょ、と寝台によじ登り、 布団の中に潜り込んで、もそもそと隠れた。 ――まあ、それはそれでいいだろう。] (90) 2020/05/15(Fri) 22:32:11 |
【人】 軍医 ルーク[ だから、そいつが目覚めたときに最初に見るのは、 首を右に傾けるか、左に傾けるかの運次第。 運が良ければ、人が去って医務室が静けさを取り戻した後、 にょきっと布団から顔だけ出して添い寝を決め込む ぺんぎんであったろうし、 運が悪ければ、元々ない表情を凍らせて、 笑っていない目で口元だけを釣り上げている、 『話が分からない』方の医者であっただろう。] おはよう。 早速だけれど、問診の時間だ。 さてその前に、聞いておこうかな。 確か君は以前、わたしが薬を処方した際、 『苺飴なら喜んで食べるのに』と言っていたかな。 それを踏まえて質問だ。 [ 記憶力は良い、患者の希望は『よく覚えている』] (91) 2020/05/15(Fri) 22:33:13 |
【人】 軍医 ルーク それほどあの薬が嫌なら、開発中の新薬か、 中央から取り寄せた栄養剤を試そうか。 どれも頗るよく効くよ。 さて、腸が捻じれかえるほどに苦い奴と、 胃が踊り出しそうに苦い奴と、 それともいつものやつ、どれがいい? [ にい、と口端が笑みの形を象る。 三つも選択肢を用意するなんて、 自分はなんて心優しい医者なのだろう。 ――そう、患者の希望を覚えてはいるし、 話もしっかりと理解するが、 かといって希望に沿うとは限らないのである。] (92) 2020/05/15(Fri) 22:37:12 |
【人】 軍医 ルーク[ 怒るか、実験対象か。 どう思われているかは、分からないけれど。 答えを待ちながら、その様子をじっと見る。 目の動き、手足の動き、問いに応えるならば声の調子。 疲労以外に何かの症状は出ていないか? ――戦場でどう行動するかは、兵士の領分だ。 だから、ああするべきだった、こうするべきだったと、 口を挟むようなものではない。 しかし、ここは医務室で、自分は医者だ。 だから医者としての所見を述べておくことにしよう。] 阿呆。 * (93) 2020/05/15(Fri) 22:41:43 |
【人】 楊 宇静我不回家! (家には帰らないってば) 我不想说同样的话… (同じ話はしたくないんだよ) [立て付けの少々悪い硝子戸は、無理矢理引けばガタガタと大袈裟に存在感をアピールする。 しかし更なる大声でそれを掻き消したなら、男は店をぐるりと見渡した。] ……请暂时不要给我打电话…… (暫く電話してこないで) (94) 2020/05/15(Fri) 22:43:20 |
兄 エーリクは、メモを貼った。 (a11) 2020/05/15(Fri) 22:43:22 |
【人】 楊 宇静[舌打ちは、今しがた行われていた通話の中身のせいか、それとも。昼飯時の真っ只中、賑やかな店内に自らの座るべき席を見出だせなかったからか。 忌々しげにスマートフォンの画面を押下したなら、仕方がない。と、向かい側に人が既に座っているテーブルに腰を下ろした。] やぁ、ゴメンネ でもひとりのテーブルでは寂しいよ ご飯食べるとき、美味いと感じるのは 他のひとと一緒で食べることだね [先客>>58はちょうど食べ始めた頃合いだったろうか。 日本人のパーソナルスペースは広い。というのは知識として知ってはいたものの、この国に来てみて実際にそうだった。と、思うこと枚挙に暇がない。 私はそうは思わないけれど、彼はそうではないかも知れない。だって、顔立ちがちゃんと、この国のひとだもの。と、湯麺を啜る姿を不躾に観察しながら思う。] (95) 2020/05/15(Fri) 22:45:11 |
【人】 楊 宇静叔叔、请给我平常的一个 (おじちゃん、いつもの頂戴) [だから、返事が素っ気なくても気にしない。勿論、何か話が膨らめば楽しいのだけれど。 兎に角今は、空いた腹をどうにかするのが先決と、エビチリとご飯の昼Cセットを頼んで、それから。] 髪の毛、可愛いね? [自分の首の後ろ――ちょうど先客が髪を結っている辺りと同じ位置――を人差し指で示しながら、もう一度話し掛けてみたけれど、さて。] (96) 2020/05/15(Fri) 22:46:07 |
軍医 ルークは、メモを貼った。 (a12) 2020/05/15(Fri) 22:51:00 |
神置 穂村は、メモを貼った。 (a13) 2020/05/15(Fri) 23:18:03 |
神置 穂村は、メモを貼った。 (a14) 2020/05/15(Fri) 23:22:27 |
部隊長 シュゼットは、メモを貼った。 (a15) 2020/05/15(Fri) 23:40:55 |
軍医 ルークは、メモを貼った。 (a16) 2020/05/15(Fri) 23:45:27 |
【人】 ミア虚ろな顔と、色の無い瞳だった。 いのるきもちも無いくせに、指先は十字を切っていた。 身体の後ろから眩しい光が射してくるから、 私の、ほそくて、おおきな影がのびるよう。 (98) 2020/05/16(Sat) 0:01:21 |
【人】 ミアきみ、如何してこんな時に来てしまうのだろう。 きみがやって来てしまうように、 きみを " 迎える " ひとがいるって、 ただそれだけの話なのに。 いっそ同情すらしたかもしれない。 返事もしない そのひとへ。 (100) 2020/05/16(Sat) 0:02:35 |
ミアは、メモを貼った。 (a17) 2020/05/16(Sat) 0:04:15 |
【人】 世界の中心 アーサー[ 何時だったろう、百万本の薔薇、なんて嘯いたのは。 …とおいむかしのことのようにも思える。 レッドカーペットなぞ踏んだことも無いのだろう、 華奢な足先が紅を踏み散らし、 嗚呼、 そう。 優雅 や 高貴 なんていう、 これまでの世界を破るかのような、 寧ろ、勇壮にさえ 見えたのだ。 天鵞絨の破片を、血飛沫のよに身に纏う。 知らない景色だった。 全く。 ] (103) 2020/05/16(Sat) 0:07:52 |
【人】 世界の中心 アーサー( 僕はと言えば、 血色の葡萄酒こそ嗜みこそすれ、 早いうちに部屋に引っ込んで、 窓の外を眺めてばかりだった。 ) (104) 2020/05/16(Sat) 0:09:30 |
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