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【人】 五色 冥桜[前の二人は寂しがらせまいとしたのか。 はたまた別れを惜しみ、人の理に嫉妬しそうなったのか。 または元から嫁とはそう言うものなのか。 その辺りはさっぱり解せぬ] そうか――。 [頷きと共に柔らな声でそれだけを唱えて頭を撫でる] 良かろう、時間の限り教えよう。 [次いでに胸元もさらりと撫でる] そうであったか。 予は男であるから硬いのだ。 緋扇が柔らかかったのは女であるからだろう。 女の胸は、胸だけではなく身体は柔らなものだ。 触っていても柔らなほうが心地好いのではないか? [胸の触り合いっこに笑みを溢しながら。 続く問いには、嗚呼――と漏らし] (65) 2021/06/20(Sun) 12:05:13 |
【人】 五色 冥桜 予はお主の嫁であるからな。 夫婦互いに好き合うことは家内安全の一歩よ。 それにお主も嫌いではあるまい? [抱き上げたまま離さぬのは人肌も恋しかったであろうと思い至るからである。 ただ別段他人であればそこまではしない。 現に腕が疲れてきているところである] お主は予で暖を取るが良い。 身体も、そして心もな。 滲み入る時は温まりたいものよ。 [語る口は饒舌に。 家の配置を聞くと一々と共に確かめまた確認しウマのようにぱからぱからと床を踏み鳴らす] (66) 2021/06/20(Sun) 12:05:23 |
【人】 五色 冥桜 なんだ、あるではないか。 ちなみに予に料理は期待するではない。 [何せ目が不自由であると包丁は危ういものだ。 と言いながらしてこなかった人生だった] それにな――あるではないか。 今挙げたそれらは蘇芳か緋扇との思い出だろう。 遠く離れ離れになったとしても。 思い出や記憶は早々に色褪せはせぬものよ。 [さて――] 今日は水を汲んで米でも炊くか。 食べ物には旬があってな。 そろそろ旬になってくるやつの中に美味なるものがある。 鰻というのだが食べたことはあるか? [薄らを目を開きぼんやりと見えるリンを見つめて首を傾げて見せた**] (67) 2021/06/20(Sun) 12:05:37 |
【人】 土地神 リンふむ、好き合うことが 家内安全の第一、とな 胸に関しては解らぬが 硬いのもまた、面白いとは思う ほら脈が動くのがようわかる [ とくりと動く感触は それ自体が別の生き物のよう 遠慮なしに、ぺたり 繰り返し手で触れては確かめて ] お前のことは嫌いではない だがな、怪談は控えておけ 度が過ぎたら嫌いになるぞ それにほら、夜は寝るもの 厠へ起こされるのは嫌だろう? [ 厠は外にあり、その途中には井戸がある 風呂場はといえば井戸のそばに一つと 炊事場の近くに小さなものが一つ 炊事場の方の風呂は 冬場や悪天候の際に使うものと言い加え ] (68) 2021/06/20(Sun) 13:20:51 |
【人】 土地神 リンふむ、お前の料理に 期待はできぬ……か 我の腕にも期待できぬが 幸い。乾物、漬物も多く届く [ と、いうよりは生の物は滅多に届かない 保存を考えている分、塩気のあるものが多い 塩辛くないものが欲しければ 裏手の川から釣って来るしくみであり ] そうだな、──思い出 沢蟹に緋扇が噛まれたことも、な 指ならわかるが、あの時は鼻で…… [ 思い出し、くつりと笑う 今後の予定には、それで良いと一つ頷き ] 鰻ならあるぞ 干したものでよければだが あれは炙って米に乗せると旨い [ 夕餉はそれで良いかと 傾げられた首に同じように首傾げ* ] (69) 2021/06/20(Sun) 13:21:41 |
【人】 五色 冥桜 なんだ夜は怪談をしてやろうと思うていたのに。 嫌いになられては敵わぬからよしておこう。 [小さな手で触られ脈を確かめられるままに任せる。 硬い方の面白さは男には理解しにくいものだがリンが面白いというのだからそうなのだろう] 夜は寝るものだがお主がお漏らしするよりは良かろう。 怪談話をしてなくとも気になれば起こすが良いぞ。 [厠の位置を確認するとそちらも冬場や悪天候の時は難儀しそうなものである] ほう、露天風呂か? 地の底より湯が沸く地の名物であったな。 残念ながら予は見たことはないが。 [ゆらりゆらりと歩み二人で確かめる。 のらりくらりと抱いている時間を増やしていく] (70) 2021/06/20(Sun) 16:36:59 |
【人】 五色 冥桜 それは楽しみだ。 漬物と言えば大根であろう。 梅も良い。あれは風邪の時にも使える。 [裏手に川があると聞くと釣り竿の在処も尋ねておこう] 二人で並んで竿を垂らすのも良いものだ。 ふ、む……。 如何様にして鼻を噛まれたのかは分からぬが。 緋扇はお主にとって友人であった感じがするな。 [楽しそうに笑う声に瞼を閉じて炊事場へと入ると竈と釜を確認していく] 干したもので十分だ。 あれは滋養に良いものであるからな。 味噌を炒り乗せて喰らうのも実に美味だ。 さて――。 [首を傾げる仕草に笑みを見せる] (71) 2021/06/20(Sun) 16:37:14 |
【人】 五色 冥桜 手が塞がっていては米が洗えぬな。 引っ付き虫のままでいたいなら背へ回れ。 落ちぬようにな。 [ほれと温かな胸元から背中へと導こう。 片手で出来るほどに器用ではないのだ*] (72) 2021/06/20(Sun) 16:37:22 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグもう相見えない事が理想だった。 元来怪物と人間が相入れる事などない。 先日のソフィアとの件など 結局は『 大蛇 』の気まぐれに過ぎず、 その先の接触は禁忌とも思しい。 それ故、彼女がここに在らぬことに>>34 『 大蛇 』は安堵を覚える。 (73) 2021/06/20(Sun) 19:57:09 |
【人】 『 大蛇 』 ラサルハグたった一度の気まぐれが引き起こした縁。 その一度を最後に、二度目はもう叶わない。 それでいいはずだった。 『 大蛇 』の理想だったはずだというのに。 彼女が訪れぬ事を 焦がれるようになったのは 一体いつからだったのだろう。** (74) 2021/06/20(Sun) 19:58:59 |
【人】 鬼の子 千─ それから/鬼との日々 ─ こんなのはあんたの手で掴んだほうが沢山取れるだろうさ、きっと [暴れる小魚を眺め、隣の鬼を鬼子は半目で見遣る。心から褒めていそうなのが救えないと内心ぼやいた。 退屈がる人間を宥めて宥めて、やっと結果が出て感動もひとしおというところなのだろうか。 初めて自分で食事を拵えた時もこんな風に喜ばれた気がすると、記憶に新しい過去を思い起こす。 台所で細々とした作業をするのが、大柄過ぎる鬼には大変だったからかも知れないけれど。それが鬼子が積極的に料理を覚えようとした理由でもあったわけだから。 ただやはり肉しか喰わないらしく、相手に幾ら勧めてもいつも傍らで干し肉を食べるばかりなのだが。 村で鬼の子と呼ばれていたのはそんな意味では無かったのだが、息子だと思われているのかもしれない。 五月雨の季節に輿入れし今や初夏を迎える程経った時間、記憶に残る出来事は料理以外もどれもそのように感じられるものだった。] (75) 2021/06/20(Sun) 20:24:36 |
【人】 鬼の子 千[木々の合間から差し込む日光が、鬼と鬼子、そして彼らが面する川に届く。 水面を眺める花嫁の光を透かす髪は今も色素を持たぬまま、隈も変わらずに縁取っている。 ただ肌の色は目に見えて変わり、力仕事は任されずともこうして歩くことではない目的で鬼に連れられる程には身体も見れるものになっていた。 深まる緑と強くなる日差しの中、紅色が見つめる白色も少しずつ変わっていく。 高価で山歩きには重たい白一色の着物も今はしまわれて、持ち込んだそれよりは安価で薄く色が付いたものを纏っている。 何処かできっと起きている悲劇は遠い出来事、名ばかりの夫婦の閉じた世界の時間は穏やかに流れていった。] (76) 2021/06/20(Sun) 20:25:12 |
【人】 鬼の子 千まあ、こういうのも悪くはないけどな そっちは中々掛からねぇな? やっぱり手掴みで獲ったらどうだ、きっと似合うぞ?ひひッ [少なくとも花を書物で潰すよりは有意義だと意地悪く笑うが、それ以上の悪態は続かない。 重石にするより読みたいと、鬼が持って来た歴史書を見て文句を付けはしたものの。止めようとは言わず、不器用そうな手の代わりに自分が花を紙の上に置いた。 行いを咎め伸ばされた手に大人しく摘んだ花を渡したように、「やっぱり花が好きなんじゃないか?」と悪びれず誂いながらも反論せず説かれたように。 そもそも押し花の話に異を唱えなかったからこそ、鬼は行動したわけだから。] (77) 2021/06/20(Sun) 20:26:26 |
【人】 鬼の子 千[平らな花が出来上がったとして、一体どうするというのか。 考えていないことは分かりきってるので、いつか忘れた頃確認するまでその誂いは取っておこうと閉じた書物を眺めて鬼子は考えた。 廃墟同然の建物に棲まい行水はしても風呂など使っていなかっただろう鬼の身体を、桶に汲んだ湯で手拭いを濡らし擦ってやりながら 右半身の黒い跡を眺めそれについて結局聞かなかった時も。 未来への約束を無意識の中積み上げていく自分がいることに、久しぶりに眠気がやってこなかった湿った暑い寝苦しい夜鬼子は気づく。 いつまでも「相応」は与えられず、こちらばかりが用意されたぬるま湯に浸り始めている。] (78) 2021/06/20(Sun) 20:27:13 |
【人】 鬼の子 千─ ある夏の日/山奥 ─ そんなに大した怪我じゃねぇよ 未だ何も採ってないのに、ここまで来て帰れないだろ [だからこんなことで目的を果たさずに戻る必要は無いと言い、額を拭う。 すっかり夏が訪れ、虫達が活発になった頃。今日は山の奥まで薬草を採りに来ていた。 大きな木の根元で腰を下ろし、昼の握り飯──自分で作っているから形はともかく大きすぎない──を食べた後 変わった草を見つけ不用意に伸ばした指の腹、一筋傷が入ったのがこの問答の原因。 百数十年の山暮らしがずっと牢にいた者に向けるには当然の心配なのかも知れないが 相変わらず親気取りのような過保護だと、鬼子の呆れは声に顔に表れる。 初めの頃などすぐ寺の中に戻されるから、鬼が薪割りなどで外にいる間非常に退屈していたものだ。 自分は二つの意味で子供ではない。きちんと理解してほしい。 悪意のない人外と知っているからこそ、その不満はいつも胸にある。 語り聞かされることはなくとも、さと、さとと事あるごとに死んだ人間の名前が出てくると一層想いは強いものになった。] (80) 2021/06/20(Sun) 20:29:41 |
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