人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

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【人】 終焉の獣 リヴァイ



[怪物の吐息にも似たそれは、見た目に似合わず凍えそうな死の温度を纏っている。
試練に立ちふさがる灼熱の壁を溶かし、一本道の活路を切り開けたのかどうか。]



[否、作れなくとも構わない。その壁を突破し、彼奴に届けばそれでいいのだ。

どこまでも彼に温もりを与え続けた怪物が最後に届けるのは終焉を知らせる冬の到来。
左手には闇を、左手には約束を。誰よりも憎み■したかった者たちを壊すために目覚めたのだから。


凍てつく波動じみた炎を、遥か上の相手へと叩きつけるように吐いた後、
切り開いた活路を───開かれないのであれば、腹を焦がしながら。重い身体を引きずらせ、只管に玉座を目指し続ける。
口内にしまい込んだ短剣を振りかぶる時を待ちわびながら、燃え盛る瞳は真っすぐに相手を打ち付けながら。]*


 
(36) 2020/12/12(Sat) 1:14:16

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム



 互いにヒトとしての自我を無くしたならば、
 同様に言葉さえも不要。

 燃え落ちよ、この足許へ至る前に灰と化すべしと
 降り頻る焔が幾千と連なる山脈の如き鱗を灼く。



  不確かな体躯はたった一撃、
  魔除の加護を受けた刃で貫けば跡形もなく消えるだろう。
  故にこそ近付けさせてはならない。
  玉座に至る前に滅しなければならない。



 火球の一つが怪物の顎門に直撃しようかという寸前で
 其れは吐き出された絶対零度の前に掻き消える。
 覆う空気が凍て付けば、焔とは影も形も無くすもの。


 
(37) 2020/12/12(Sat) 1:56:12

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム



 ────獅子は瞳を再び見開く。


 その牙の内側に隠した品の何たるかを識っている。
 忌々しい
約束
だけはこの身に触れさせる事を良しとしない。


 深紅の爪を抱く掌を開けば、
      一際大きい
を振り落とし。

  質量を持つそれは、躱せば自ずと石段を砕く。
  即ち、退路が完全に失われるのと同義。
  然し────この期に及んで背を向ける者など居ない。



  隕石にも似たその影の裏から躍り出る姿が在るならば、
  いよいよ魔剣と化した獲物の柄を握り直す。


 
(38) 2020/12/12(Sat) 1:56:26




  其の頭上で、月が消える。
  再び衣に包み隠された氷の星の表情は失せる。


   同時に、黒き至高の獣の行方を僅かに眩ませるだろう。



 

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム



 浴びた冷気は纏う熱に触れれば一瞬にして蒸気と変わる。
 視界が歪むのはそのせいだ。

 返礼の如き
哮と共に、
 半月を画く様にして禍々しい刀身を振り落ろす。
 刃の煌めきも、尾を引く残像も其処にはなく。

  まるで光を喰らった様な漆黒だけが、空を裂く。



       蝿でも叩き落とすかの様でありながら、
       確実に身体の正面を捉えようとした一撃を
       擦り抜ければ、その心臓にだって手は届く。

       ────約束を果たすことだって。*


 
(39) 2020/12/12(Sat) 1:56:57

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[修羅を貫く真っ赤な旅路の道中で、数多のものを投げ捨ててきた。

最後まで使うことの無かった、約束だけをこの手に残して。

必死につなぎ留めた意識を代償に、この身に降りかかる災厄を全て受け止める。罅割れかけた精神がこれ以上は限界であると叫ぼうと───この夜だけ保ってくれたらそれでよかった。


(その後は、どこへなりとでも燃え尽きればいいのだ。
 理性を失い、数多の人を喰らい、正真正銘の野生へ変われ。
 だが───今は。今だけは。
 略奪者ではなく、救済者としてあってくれ。

        この場で朽ち果てるわけにはいかないから。)


掻き消えた絶対零度が示す道を辿るように一直線に百段を駆け上がろうとすれば、大気圏に触れて温度を上げる小惑星じみた火炎が眼前に迫る。
咄嗟に吐き出した吹雪は勢いを弱めていたものの、石段を砕け落とす前に威力を弱めることはできた筈。

何層にも分かれた炎が頭蓋骨にぶつかれば、元来の頭痛が更に速度を上げて、鱗の隙間から血が垂れ流された。

苦痛を振り切るように轟く咆哮が空気を震わせれば、焦げ付く身体をくねらせて、数多の命を喰らった巨大な口を大きく開き───絶え間なく涎を垂れ流す。]

 
(40) 2020/12/12(Sat) 2:52:31

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[断頭台の如き刃の一撃を、身を捩って躱しきる。
四肢の骨が焦げる音がしたが、知ったことではない。

床に勢いよくついた前足にスナップを効かせれば、尾が大きく上へと踊る。そのまま勢いよく振り下ろせば────空間を大きく揺らし、砂埃のような瓦礫の屑が一帯を覆うだろう。

  目くらましのようなそれに目を奪われていれば、
  きっと獣の行方も、変わった姿も、認める早さは遅くなる。
  衝撃を利用して一瞬のうちに宙へと躍り出た────
  大口を開けた獣と言うよりは、鱗に覆われた女の姿。

たったひとつの約束を抱えて、悪魔に襲い掛かろうとする、運命でさえも抗うちっぽけな存在。
赤から戻ったアイスブルーと、錆びることなく澄み切った刃の輝きだけが、これから起こる未来のことを物語るように。]


 
(41) 2020/12/12(Sat) 2:52:34


  [────月が、味方しているのだろうか。]

  [幾ら空に、
  映る水面に手を伸ばしても届くことの無かった幻想。

  つがいの獣を喰らい、自らの運命を呪った夜も、
  寄り添い合って安らぎを得た夜も、
  熱を与え、痛みを分け合い混じりあった夜も、

  ……すべてを見守っていた、
  どこまでも大嫌いで憎たらしかった呪いの元凶が。]


 

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[刹那────月が翳る。]



     ッ 、
う゛
あぁぁあぁぁ!!!!!!!!



[咆哮と叫びが混じりあっていく。
飛び掛かった獣の姿が剥がれていく。

雲間に隠れた月明かりがわずかに照らすのは、高く跳躍した人外の一部を残した女が空気に躍らせる、漆黒に輝く黒髪の艶やかさ。
未だに痛む身体中の火傷の残響が示しているのは、“元の姿に戻るのはこれが最後である”という証。

鋭利な牙が生えそろった顎が、何にも穢れぬ短剣を振りかぶった両腕に代わり────獲物に喰い掛かる代わりに、その左胸を貫き通そうとした。*]

 
(42) 2020/12/12(Sat) 2:52:41

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム




 砕けた彗星の欠片と纏う残り火、
 飛び散った血痕が大理石の上に散る。
 これ迄辿った血塗りの路を示唆する様に。


  薄闇の最中で僅かに煌めいた短剣の誓いは、
  女が姿を変えつつあっても決して身から離れず。
  白銀の残影を、その身体ごとだって両断してしまいたい。


   命に届くか紙一重の斬撃が捉えたのは
    ────僅かに血が付着した石畳でしかなかった。


       
空を仰ぎ……


 
(43) 2020/12/12(Sat) 4:29:38

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム




 月明かりの消えた舞台に舞ったのは、
 ヒトの四肢と貌を取り戻した女の姿。
 撥ね付けられた瓦礫と塵埃が其れを隠せば
 最後の抵抗として振るった腕が形を捕らえる事はなく。



     霧中を跳躍する漆黒の旗めき。
    其れが悪魔の視た最期の光景となる。



 
(44) 2020/12/12(Sat) 4:29:57

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム




 胸を穿った聖なる刃の痛みを享受する前に、
 突き刺さった箇所から錬成された肉体が解けていく。
 黒い煙へと変わり、空気に混じって消失する。

 藻掻けど足掻けど終焉の針が止まる事はなく、
 本分を得る前に全ては拡散して行った。


     十余年を経て成就する筈だった悪魔の目論見は、
     此処で終わりを迎える。実体を完全に無くして。




  其の最中をゆっくりと落ちて行く身体、
  制御を奪われ、悪しき存在に覆われていたヒトの身は
  今は未だ、見付けだす事は叶わない。 


 
(45) 2020/12/12(Sat) 4:30:16

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム





         ────……



 [ 重力に引かれて往くのとは裏腹に、
   緩やかに意識が浮上する。

     燃える様な痛みと共に目覚めれば、
     此処が死後の世界で無い事くらい理解出来た。 ]


   (    嗚呼、終わったのだと。
      同時に……免れない死を感じる。 )


 
[ 激痛に漏れ出そうとする叫びを流動体と共に抑え込む。
  空になった瓶が落ち、足許で粉々に砕け散った。
  懐剣が同様に叩き付けられる音に混じって、
  きっとその存在を誰も気に止めることはない。 ]

 
(46) 2020/12/12(Sat) 4:31:23

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム

 

[ 床に足が着くと共に霧と驚異は去ったが、
  体重を支える事も当然叶わずに崩れ落ちる。
  生まれて初めて膝を折ったのが宮中だとは、
  歴史書でさえ語る事のない、一人だけが知る事実。


  視覚を取り戻していけば、追い縋る様にして腕を伸ばした。
  幕を閉じる場所は其の腕の中でありたいから。 ]



     [ 死に物狂いで血の海を這い、
       よく知った温度に辿り着く頃には
       既に足の先が感覚を失くしている。

        燃える様な痛みは寒さへと変わり、
        平等で残酷で耐え難いものが
        背後に迫る恐怖に襲われる。 ]


  ( 終わりが、来る────……其の前に。 )


 
(47) 2020/12/12(Sat) 4:31:50

【人】 荊冠の王 ヴィルヘルム

 


 [ 温もりを頼りに破れた衣服の上を掌で辿り、
   震える指先で首筋と垂れ落ちた髪に触れる。
   最期の力はこの為だけに使う。
   その顱が引かれる儘に下がり、距離が零になれば。




   
────噛み付く様に、渇いた唇を奪った。
 ]



   [ からん、からんと音を立て、
     黄金の冠が血濡れた階段を転がり落ちていった。 ]



 
(48) 2020/12/12(Sat) 4:34:31

【人】   ヴィルヘルム

 

[ 柔らかな肉を貪ると同時に、舌を突き入れて。
  上から覆い被さる様にして首を伸ばした。
  甘い、何処までも甘い蜜を口端から零しながら
  血と唾液の混ざり合った其れを咥内へ注ぎ込む。


   快楽等ある筈もないが、逃がす積もりもない。
    喉が上下する迄、確実な死を飲み下す迄。
     引き寄せた小さな頭を抱き込んだ儘、
   嚥下する音が耳許を撫ぜるまで決して離さない。



  込み上げる喀血の味を、呼吸を共有すれば
  安らかな死など鮮血と酸素を求め喘ぐ苦しみに塗れる。
  合わさった唇から漏れ出すのはどうあっても苦悩の声。 ]


    [ 其れはサロメの狂気にも勝る、破滅のくちづけ。

        彼女自身が作り出した『罰』を今この場で、
            自らの命と臨終の時を以て返す。 ]


 
(49) 2020/12/12(Sat) 4:35:16

【人】   ヴィルヘルム





( 身を灼く熱情の炎が執着に依るものと知ってしまえば、
  抱く願いなど唯一つ。
  遺言を放棄し、死の運命を秘密として守り通し、
  剰え醜く足掻き、苦痛を増やす道を選ぶ程度には

                
こい

  ────如何しようもない程に
してしまっていた。 )



 
(50) 2020/12/12(Sat) 4:43:00

【人】   ヴィルヘルム




( 死を目前にしてやっと気付いたのは、
  おまえを何処にだってやってしまいたくないという事。

  ずっと満たされなかった奇妙な心地の正体は、
  同じ死の苦しみを味わう事になったとしても
  共に在り続けたいと叫ぶ秘めた想いだった。
  蓋をし続けたのは己だったのだ。


          だから、どうか…………どうか。 )



 
(51) 2020/12/12(Sat) 4:51:29

【人】   ヴィルヘルム





       
     ────……傍に居てくれ、リヴ。

       
   ( Egal was kommt, ich werde dich nie verlassen )



 [ 凍える身体が全身で紡いだ、たった九文字の願い。
   ずっと痛んでいた、空白ばかりが胸を占めた、
   <利己>に限らぬ想いの応えを導き出した。 ]


 
(52) 2020/12/12(Sat) 4:55:23

【人】   ヴィルヘルム

 


[ 互いの唇を結んだのは泡を含んだ赤い糸。
  伏せていた瞳が揺らぎながら愛しい貌を見詰めては、
  散々血に穢した口許を歪めて、弱々しく笑った。


  其れを最後に、とうとう全身の膂力を失い
  首元に回した両腕さえ零れ落ちて、躰は沈んで行く。
  抱き留めてくれると言うのなら、其の温もりの傍で。
  唯独り、死後でさえ離れたくはないと望んだ者の元にて。



   空気を喘ぎ求める事もなく、痛みに喚く事もせず、
   死を受け入れる支度が調えばいっそ穏やかに、
   かんばせを見上げ続けていた瞳を閉じた。 ]

 
(53) 2020/12/12(Sat) 4:55:43

【人】   ヴィルヘルム




[ 其の表情は苦悩に塗れた最期を示すものではなかった。 ]*



 
(54) 2020/12/12(Sat) 4:56:04

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[──────────びゅいッ と黒翼広げた暗殺者独り
冬空を切って星まで堕とさんとばかりの勢いで振りかぶる。
心の臓を着地点とした短剣がどうなったのか、悪魔学に疎い己はすぐに判断などできず貫けてしまったとして...これから起こることなど、分からない。

 それでも、ふと我に帰れば狂気の離れた身体を
 抱き止めてやりたくて、思わず腕を伸ばした。
(誰だって意識のある確実な死は寒いものだから、
 大切なのだと認めた者の最後くらいは寄り添いたい。
 ……自分自身が征服者として奪ったものを、
   まだこの胸の中に残ったわずかな人間性で。)

 息さえぴったりと合わされば、抱き合う形をとって、

───それから。]


   
(55) 2020/12/12(Sat) 8:08:00

【人】 終焉の獣 リヴァイ




     ………ッ
!?


            ふ……ッん────ぅ、


[御伽噺の口づけなんかとは程遠い、貪り尽くすかのように覆い被さられたそれに大きく肩が跳ねた。
甘さの中に錆びた香りが混じりこんだそれは酸素の代わりに強制的に流し込まれて、脳みそを強過ぎる刺激が塗り替えていく。


その味の正体が、嘗て自分が渡した小瓶の中身だということにすんでのところで気づけない。
逃げることを許されない確実な死を運ぶ餌付けを享受しながら、ファーストキスにしては酷過ぎるそれまでもを受け入れようとする。


互いが最後に共有するのは終焉へと至る迄の過程だったのか。理解しようとしても時既に遅し。
小さな身体が唐突に受け止めるにはその激情は果てしなく重く、きつく蓋をされ続けてきただけのしかかるものの多さに圧倒される。

幾ら閉鎖的で鈍感な精神と思考を持っていても、
過去に抱いたことのある感情への名前の付け方を知っていれば……己に向けられるそれがなんなのかくらいわかる筈。

……自惚れているのかと思われても仕方ないかもしれないが。]


 
(56) 2020/12/12(Sat) 8:08:05

【人】 終焉の獣 リヴァイ




[鼓膜を揺らすのは、遅すぎるくらいの愛の懇願。大きく見開かれた片目の澄み渡った凍土が激しく揺れ、隠し切れぬ動揺を明らかにしていた。
……些か物騒な赤い糸を繋げた激しさに朦朧とした意識をなんとか奮い立たせようとしても、微笑まれた相手の視界には蕩けた表情を隠すことができない己の情けなさが映し込まれるのみ。]



           …………どうして、私なんか、
           
(怪物なんかいたところで、)



[思わず零れ落ちるのは、純粋な疑問。
その答えを聞く前に、終わりに近づく身体は冷たい床の上に頽れていこうとするから───反射的に相手を抱きとめ、包み込んで。
ゆっくりと正座するように腰を下ろしたその膝へ、頭を降ろさせようとする。]

 
(57) 2020/12/12(Sat) 8:08:09

【人】 終焉の獣 リヴァイ



(……ぽた ぽた と。
 その頬に流れゆくのは、枯れたと思っていた涙。
 冷ややかな頬を伝えば、温度を徐々に失う相手の顔に
 水滴を立ててしまうから、絶えず指先で拭っていた。)



[………今からずっと昔。
幼馴染を喰らった日からだった。
どんなに慕われようと、ひとの関わりは自然と薄れていった。
自身の友好関係など、信頼関係など、誰かの蜘蛛の巣から零れた糸を伝っていたものに過ぎなかったのだ。


 ( ”弱い”自分の代わりに、”智慧”を身につけた。
   身につけても、私は─── 弱虫で、臆病者だ。
   全てを守れるだけの力も 救える力もなかった。
   だから、 「選んで」 「棄てた」。

    修羅を歩む孤独な道が正しいのだと信じて。 )


────……大事なものなんて、選べるものじゃないのに。
    その先は、何よりも恐れる孤独があるだけなのに。]


 
(58) 2020/12/12(Sat) 8:08:29

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[力尽きたあの子を抱き上げてから気づいた。
私は呪いなんて要らなかった。
ただ、大切な誰かが苦しんでいるなら、
その悲惨な苦痛に苦しんでいるのなら。

    ────…… 傍で寄り添い、支えたかっただけ。
      互いにひとりぼっちになりたくなかっただけ。]



    ………傍に、いてくれるのか?
    これからも、ずっと……私の隣に。


[今も舌先に残り続ける甘ったるさの味の源を辿ろうとすれば、漸く彼の意図がわかった気がして───叶わなかったはずの自身の悲願が届いたような、不思議な暖かさが広がって。浮かべたのは泣き笑い。

指し示されるはずのなかった“自分を持ったままの終焉”を約束された安息感だけが、この心を静かに満たしていた。]

(返事なんて必要なかった。
 返される内容さえも察しがついてしまう問いだから。
 もう孤独に震えることも、泣き叫ぶこともない。
 死の向こう側に至ってもずっと、寂しくないという事実が
 揺らぐことなく目の前に差し出されているだけ。)


 
(59) 2020/12/12(Sat) 8:08:50

【人】 終焉の獣 リヴァイ



[プロポーズにも似た短い言葉に、乙女のように応えることは自分らしくもないだろうから。
ほんの少しだけ……死の間際に、痛みを我慢してほしい。
全てを奪われたあの夜の仕返し。火傷だらけの身体には、彼の所有印が未だ色濃く全身に残っていたはずだから。]


[相手に覆い被さって、その喉元を引き裂かぬ程度に食らい付く。
口づけのお返しとしては少々野蛮な噛み跡をひとつ、そこにくっきりと浮かばせて───それが懇願への返事の代わり。
此奴は永遠に自分の獲物だと言わんばかりのマーキング。]


[遅効性の毒薬がその身を激しい苦痛の末路へと誘うまで────あと少し。
死に向かうには寒すぎる季節の訪れを告げるのは、割れてしまった窓から降り注ぐ雨から変化した───……*]


 
(60) 2020/12/12(Sat) 8:15:17
 
[焦るような声を上げてから、あっという間だった。
 強く吸い付かれるのと同時

 
ドクン!


 死んじゃうんじゃないかってくらい
 ものすごく大きな
 心臓の鼓動みたいなのが来て]



   
あっ、 んああっ……!!




[おしっことは違う
 なんかドロっとした熱い塊みたいなのが
 溢れ出る感覚があって、

 それが、
 今まで感じた事のない
 めちゃめちゃに強烈な快感で。]
 

 
[だけど、その余韻に
 浸れるような状況じゃなかった。

 また、
 胸がギュッて痛くなるような
 真昼くんの、あの
 消えちゃいそうな儚い微笑みが見えて、

 それから、その後は────…]
 

 




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