77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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[やがて声すら潰えてゆく。
陸に上げられた魚のように振り下ろされる大鉈の動きに重なり身体を跳ねるばかりの、獲物。
獲ってきた獣を見て喜んでくれた記憶が過ぎったのは、走馬灯なのだろうか。
紅鉄坊との日々は、やはり鬼の子なぞには過ぎた幸せだったのだろうか。
こんなことになるなら、やはり喰らわれたら良かったのだろうか。
男の憎悪の叫びも与えられる痛みも、今は遠い。]
[鬼子の残る左目から流れた涙は、すぐに紅に混ざって分からなくなった。]
[がらりと色彩を変えた空間、動く者は何処にもあらず
誰もいなくなった部屋で虚しく音を立てる火鉢の熱は、開かれたままの戸から吹き込む風で意味を成していない。
横たわり、その寒さに晒されている男の上下する胸の動きは眠りの最中よりずっと微かなもの。
老人のような白髪は身体や部屋と同じく斑に紅で汚れ、乾き始めている。
命がかき消えるまで、残る時間はもう僅かだろう。*]
なんだ、この匂いは……
[ 酷く食欲を唆る。濃すぎる血の芳香だ。
門に到達する前から、強く鬼の鼻腔へと届いた。
ほんの一時、指から流れる一筋を舐めただけの
千の血を思い出すことは、流石に無い。
だがこの状況で嗅ぐそれは、不穏を煽るに充分なもの。 ]
千!!
[ 開かれたままの戸が、淡い希望を握り潰す。
それでも、それでも、どうか応えてくれと名を叫ぶ。
何も、返ってはこない。
駆け上がった石段の先で、見えたもの
───季節外れの梔子が、紅い世界に散っていた。
]
千……ああ、千!
何故、どうしてお前が……
[ 衝撃でぐらついた視界、なんとかよろめきを堪えて戸を潜った。
込み上げる本能への嫌悪で、胃酸がせり上がる。
抱き上げよく見れば、片目から顔に掛けて傷つけられている。
外套の前を開けば、白い着物が無残に色を変えている。
まるで自分と対照にされたような傷の他にも、
酷く虐げられた跡が身体中に存在していた。
刃物を使ったのだろう。同胞の所業ではない。
これはやはり──薬屋の店主からの、村人からの報復だ。 ]
お前は何も悪くないのに
全て、これからの筈だったのに……
[ かつて同じであった人の子を喰らい続ける同胞と、
彼らを見捨てられず約束を取り付けた自分に罪はあろう。
それでも千は無関係だ。
村で千が何をしていても、鬼子と呼ばれるに相応しい悪人でも
花嫁たちは彼のせいで死んだわけではない。
報いを受けるべきは自分だ。
村人を飼い殺すような契を押し付け、長きに渡り花嫁を送り
今更全て捨てて千と外の世界へ向かおうとしていた鬼だ。 ]
千、死ぬな……
私を置いて行かないでくれ……
[ 微かに息があることに気づいても、鬼の声は絶望に震えている。
血が足りない。傷が多すぎる。
収穫した実は全て薬屋に渡した。
対価は後日、寺まで届けられる筈であった。
約束の傷薬も、“これからの為”求めた止血の生薬
──梔子の薬も此処にはない。
血に塗れた愛しい唯一に、何も出来ない。
命が、消えてゆく。このままでは、千は死ぬ。 ]**
彼が生贄を逃している村と、
多少なりとも交流があるのなら
私が彼の元で生活するための道具は
そこで揃えることになるだろうか。
神様への嫁入りに、道具を村から
持たされることは無かった。
それは意味がなかったからか
それとも価値がなかったからか。
彼は村との契約を切ることにしたようだが
今のところ、村にそのことを伝えていないらしい
神としての立ち位置を考えると
簡単に話に行く、というわけにいかないのだろう。
次の花嫁が来た時に伝えるのかと思っているが
さて、実際に彼はどう行動するのか。
村と神の行く末はわからないけれど
穏便に事が進めばいいと思う。
木の上に立つ彼を呼べば
水の目はこちらを視界に入れ、軽々と飛び降りてくる。
最初は高いところから落ちる様子にハラハラとしたもの
今は慣れたように笑みを見せて
「 幸せならよかった。 」
初めて味を感じないと聞いた時は驚きを表した
幼い頃、「美味」と書いてくれたのは覚えているし
人型を取っているから味覚はあるものだと
そういう先入観を持っていたから。
必要も無い、味もしない、それなのに
彼に食べてもらう意味はあるのか、
考えたこともある。
けれど、幸せだと彼が笑ってくれるから。
嫌な思いをしないのならばと
共に食事をすることにしている。
あの日、嫁入りする時の気持ちは
暗く沈んだものだった。
どうなるのかわからない未来。
今までの、そしてこれからの犠牲。
どうしたって、明るい気持ちにはなれなくて。
でも今は、これでよかったと思っている。
生贄制度の流れが変わったこと、
今までの人達がどうなったのか知れたこと、
……彼と再び出会えたこと。
村に閉じこもっていたらなにも知らないまま
私は生を終えていただろうから。
世界は緩やかに時を刻む。
怪物だろうと、人間だろうと
自然の摂理には逆らえないのが世の理。
いずれ私たちはまた離れ離れになる。
けれど、……その時が来るまで。
[蟻となったかんぅが分からず、ぷちっと潰してしまうかもしれないのに。
でも楽観的なところが嫁の大好きなところなのだけれど。
こんなに優しく抱かれているのに、中に熱いものを感じれば、中を焼かれるような気持ちになる。
元々水の生物のヤオディは、体温は低い。
かんぅの熱は自分には熱いはずなのに、それが心地よくて。
彼の手が髪を避けてくれる。それすらも愛しい]
もう、おしまい……っ
あんまりして、飽きられては困るでの……
[中をどんどん開かれて汚されて。おしまいと言っているのに傍若無人にまだ中を抉るかんぅ。敏感な雄を握られ、先端の弱い場所を押されて。
高い声をあげて啼いては、かんぅにすがりつく]
もう、感じすぎて、死んでしまう……っ
[かんぅではなく、自分の方で命数を減らしてはどうしようもないではないか。
まだ続く悪戯に、さすがに体力の限界を感じて、ヤオディは昨晩から何度目だろう。意識を失った*]
成る程、揺れが大きいと
痛みが出るもの……と
それならば、なぁ冥桜
天狗は走れば鼻が痛むだろうか
[ 残念ながら己は会ったことがない
ただ、天狗の鼻は大きいと聞いている
もし走れば痛むものならば
褌のような何かで顔を覆うのだろうか
その光景を想像すれば抑えきれぬ笑いが漏れ ]
我を知ろうというならば
そこばかり触れる必要もないのでは?
だいたい、他の方法もあるだろうに
いかんのか?
なぜだ?強くはしとらんし
大事というに丁寧に調べてるが──
[ 調子に乗って、より一層撫でていく
気づけば相手の腰が引け
ずるりと湯船に落ちかける羽目になり ]
ぶっ、ふぇ!?!
おぼ……おぼれ、るっ
こ、これ!冥桜!
その姿勢はいか……っ、ん。ん
[ 湯船自体にさほど深さはない
とは言え、横抱きにされ
足を持たれたならばまた別である
足の裏を指がくすぐる度
大きく手足をばたつかせ暴れ回る
そうこうするうち、飛沫が鼻に入り ]
ん、んん?!??
けほっ……っ!ごほ
──んっ、かはっ
[ 見事にむせこけ、目を白黒
じたばたした際全てが見えていたかもしれないが
その辺を確かめるつもりは特にない* ]
| えへ。 俺、がんばったよ。 [褒めて褒めてとばかりに、抱きとめてくれた天狗さまに笑う >>77背の足りない茅に合わせて、その巨躯を屈めて口を吸ってくれる 茅はそれはそれは幸せそうに笑った] (82) 2021/07/01(Thu) 22:22:33 |
| 呪 [呟きは鬼火を生み、骸を焼いた もしかしたら、息の合ったかもしれない身体も焼いた 『お嬢さん』だけは、何故だか燃えなかった けれどそれを、茅はもう見ていない 不浄を残さぬように 他のヒトを腐らせぬように 生ける者のいなくなった村 けれど山裾には他にも村がある 害されなければ殺さない絶やさない 子天狗は歳を取らぬだろう 主人たる天狗さまがそうなのだから どれだけの時が過ぎたとて 刹那の後の永い時を、山神さまたる天狗さまと 生きるのだ 望むと望まざるとに関わらず その責を全うしてきた天狗さま 作物が育ちにくいその土地に力を与え、荒れやすい天候を穏やかにし ヒトとの共存を保ってきたその人が…… 愛おしい だから、嫁ぐのだ その力分け与えられ 共に、永遠に────、] (83) 2021/07/01(Thu) 22:23:55 |
| [子天狗は、抱っこと言わんばかりに手を差し伸ばす 愛しい、愛しい旦那さま どうしてこんなに愛を注いでもらえるのか、 何故自分が特別だったのか
そんなことは茅にはわからない わからないが
元々深く考える質でもないものだから “わからない”は、茅にとって暗雲足りえない]
欲しいもの? ……ふふ、
[茅は笑うと、天狗さまの耳元に唇を寄せる。] (84) 2021/07/01(Thu) 22:24:14 |
| [――――囁いて、その耳たぶにそぅと口づけた。*] (85) 2021/07/01(Thu) 22:25:05 |
[かんぅ(蟻)は踏みつぶされた。
いや、この心臓は生は彼にもとより捧げられていた。胸にある確かなものが与えてくれる彼との生。それが確かな熱をもつ。もうおしまい、という彼の言葉に続く飽きられて困るという気持ちに、ふっと笑ってしまった。]
飽きる訳がなかろう。
[愛おしい婿殿に
何度も心を奪われているのだ。交わるごとに色を増す彼の事を堪らないと思う。啼いて縋る彼を抱きしめて、それから頬を寄せた。婿殿が死んでどうする。と意識をなくした彼を見つめて、それから密やかな接吻をした。
初めての接吻は救命活動だった。
あのときは照れ隠しされてしまった(かんぅ談)けど
今は違う。今はこうして触れ合う事が出来る]
…かんぅの方こそ
愛を知らなんだのかもしれぬな。
[この愛を。
婿殿が知らぬものを教えたいと思っていた。
其れからどれ程歩いただろうか、気づかされた事気づいたことが多くあった。魔物の花嫁になりたいとはもう言わない。
己は、彼のただ一人でありたい。]
ふむ、もっと知りたいぞ。
ヤオディ。
[主のことを。
交わるだけではなく、言葉を交わし
愛を交わし、全てを知りたい。気を失った彼を抱きあげてまずは汚れを落とそうか。丹寧に丁寧に、洗い身を清めていく。何、時は長くあるのだ。主がくれたときを精一杯。愛し愛されて生きていたい。そんな思いを込めて、愛おしい身を抱きしめた。彼の生が終わるそのときまで彼が隠し事をしていたとしても
倖せであったと言ってほしい*]
それは予にもわからぬことよ。
何せ未だ天狗の類は見たことがない。
[瞼を閉じるが浮かぶは物語に聞く赤鼻の物の怪であった]
噂によるとあれは相当に長いらしい。
問題は揺れるかどうかだが確かめて見ぬとわからんな。
とは言え予では会えぬ気がするが。
[薄らと瞼を開くと手はそのまま動かしていたからかリンが暴れ始めているところであった。
よいせと暴れる身体を抱き寄せると湯に尻と腰だけ浸かる高さまで引揚げてやり背筋を擽るではなく優しく撫でてやる]
ほれ、鼻に入ると痛かろう。
鼻を摘まんでやるから、ふん、とするのだ。
[男はリンの鼻を片方だけ空気が通るように摘まむと先ほど自身がしてみせたようにしてみよと謂う]
すまぬ、流石に擽った過ぎたか。
しかしな、お主が弄っておったのは真に鋭敏なのだ。
強くしすぎてはいかんし優しくしすぎてもいかん。
[片方でふんすとできたらもう片方が通ずるように鼻を摘まんでやろう]
一度興ればしばらくは萎えぬし。
弄りすぎれば先端から白いねばねばの液体が出る。
[それは宛ら――]
そう、女子は大きくなり子を成すと胸から乳が出るが。
男児は此処を大きくすると先端から汁が出るのだ。
それなりに生臭いものだぞ。
[じたばたしたことで丁度リンの股間に直立したそれが挟まり先端だけが頭を覗かせていたようで、ほれ、ここからだと男は先端を示した]
お主がもう少し成長したらな。
もう少し詳しく教えてやろう。
お主が言うように知り合うには色々とやり方がある。
[リンが落ち着いたら肩まで湯に浸かろう]
逆上せぬ間に温まれば上がるとしよう。
今宵は眠りの詩を聞かせてやろう。
[そう頭を優しく撫でてやる*]
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