124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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[霜降の紫明、立春の蘭花、雨水の村雨――
特に村雨は、どことなくかつての小満を思わせる雰囲気があって若い頃はいろいろと構ってもらった。その内容は、まあ、ちょっと青すぎて語りたくないところもあるが。簡単に言えば遅すぎる反抗期が私にもあったってことだ。
立夏は正直、蛍の印象ばかり。隣だし接触の機会は他より多かったはずなんだが、ほとんど本人には会わず。悔しくて唐突に会いに行ったりしたっけな。
白露はどうしているだろう。急に失踪をしたと聞いた時はどこぞの親友のことが一瞬過ぎりもしたが、手紙すらといった調子らしく今なお気がかりではある。
それこそ目の前の小暑だって、まだ先代の印象が強い相手だ。
まったくあいつときたら、自分の妹に向かって人のことを『考えると負け』
だなどと、人聞きの悪い。
こんなにも人畜無害だって言うのになあ*]
| (a25) 2022/01/22(Sat) 3:23:12 |
| [ さて、雨水の彼女にもらったマカロンを摘まんで一息ついた後、 パーティー会場に向かう前に動いたのは、大寒の彼女についての事だった。 難しそうだとは思っていたけれど、彼女は案の定、執事やメイドの勧めを断っていたらしい。 >>31 ブーツを持ってパーティー会場内に入り、まず向かったのは彼女の元だった。 ] ……大寒サマ…… 不便を強いてしまい、大変申し訳ありませんでした [ 否、こちらだけの責任ではないけれど、“灯守り様”相手にはそう言わなければならない。 辛いところである。 しかし大寒様は、ブーツを差し出すと、一瞬驚いた顔 >>34をした。 ……何か不味いことをしたか、と緊張が走る。 靴が不釣り合い、ということには全く気付いていなかった。人が人ならば、苦言を呈されたかもしれないけれど。 ] えっ あ、いえ、失礼致しました はい……ご意向通りに私が選ばせていただきました [ しかし彼女は靴を履くと、笑みを零してくれた >>35。 ほっと息を吐く。 ――が、続いた彼女の言葉に最早驚いた、というレベルではない衝撃が走った。 ] (65) 2022/01/22(Sat) 4:36:22 |
| は……!? ……えっ、!? [ 突然大寒様に蛍に勧誘されれば、誰だってこの反応をするのではないだろうか。 ……否、どうだろう。 大寒様に蛍が居ないのは知っているが、己のどこがそんなに琴線に触れたのか……否、今それは重要ではない。 ともかく己は真剣にその言葉を受け止めていたし、蛍になる、蛍になるとは?と、真剣に考えていた。 ……が。 ] あっ、えっ、……そうでしたか、取り乱してしまい失礼致しました ええ……ではそうしていただければ [ 冗談と言われれば、はあ、と大きく安堵の息を吐いてしまっただろう。 己の心を乱高下させた彼女は去っていく。 己も、礼をして見送った。 ] (66) 2022/01/22(Sat) 4:37:10 |
| [ 蛍に、と言われ、まず出てきたのは困惑。 自分が“そちら側”に行くとは微塵も考えていなかった。これは、市井の人間の大半もそうであろうと思うけれど。 中央域から蛍や灯守りになった者は、居たかどうか。居たとしたら“変わり者”であろうが。 もしも、さっきの言葉が冗談でなければ、己はどうしただろう。 己は、少なくとも今の仕事は向いていない、とは思っていない。 大変ではあるが。 だから迷うし、じっくり考えるだろうが、その時の己がどういう選択をするかは……はっきりとは分からなかった。 大寒様は対応が面倒な部類の灯守りではあるけれど、他灯守り全員を相手取るよりも、ひとりの元で働くのは案外賢いのではないだろうか? ……と、いうのを差し引いても、「何を考え、何を思うのか」――秩序を重んじる己と違う彼女の言動がどこから来るのか、 興味がないと言えば、嘘になるから。* ] (67) 2022/01/22(Sat) 4:38:25 |
| [ さて、仕事も終わり、己はパーティー会場の端でピザをつまんでいた >>1:5。 疲労から、半分放心状態の休憩時間であったが、こちらに近付いてきた影が声を掛けてくるならば、背筋を伸ばす。 ] あ……小暑サマ え、ええ、どうぞ [ 名前を呼ばれているのだから、確実に己に話し掛けている。 “灯守り様”にそう言われては否定も出来ず、隣の席を示すだろう。 小暑の灯守りである彼 >>1:208。 小暑域は色々とあって、彼は確か会合が初めてだったはず。 その間も、今日も出席してた蛍、蓮始華の彼女は出席していたのだったか、どうだったか。 ちなみに今はどうでも良いことであるが、己の出身は小暑域である。 冬の灯りを持つ己にはやや過ごしにくい場所ではあったし、もう中央に来て10年程になるから、内部から深く知る訳ではないけれど。 少し気になるのはしょうがないことだ。 ] (68) 2022/01/22(Sat) 4:45:45 |
| [ ……と、それを知る訳でもないだろうし、どうして己に声を掛けてくるのだろう、と思う。 ここは灯守り同士の交流の場であるのだから、他の灯守りと交流すればいいのに。 ……という己の考えは、歪んだ方向で現実になってしまった。 小満の彼がこちらに近付き輪に混ざりに来た >>1:213。どうして……。 一応気遣う気持ちが少しでもあったこと >>1:212を知ったら驚いただろう。 席を勧める小暑様 >>5、引かれた椅子に座る小満様 >>8。 灯守り二人に囲まれる形になって、己は頭痛がした。 ……忘れていたが、このパーティーでの時間は休憩時間などではない。 会場内を見ていなければいけないし、灯守り様蛍様に何か言われれば対応しなければいけない。 そう、これは仕事。これも仕事。内心遠い目をしてしまう。 ] ……ええ、お疲れ様でした 乾杯 [ ココアdrinkを掲げる。グラスを合わせるまでは、自分からはしなかったかもしれないが。] (69) 2022/01/22(Sat) 4:47:25 |
| [ 疲れた時には甘いもの、とココアを飲むのが癖になっている、というのはさておき。 口を付けると、小暑の彼が話を切り出す。 ……どうして己に振ってくるのだろうか。そういう話は灯守り同士の方が相応しいのでは……。 答えに詰まる間、小満の彼も考えるような声を上げていた >>9。 ……心当たりがない、みたいな顔をしているな、と思った。 まあ彼ならば、ないのも納得がいってしまうのだが……。 彼の昔の話は当然知ることはない。知っているのは、資料に残っている範囲のこと。 灯守り同士の会話を聞くのに回りつつも、小満の彼の「自由な場」という言葉にまた頭痛がした。中央の職員で彼を嫌う人が多いのはそういうところだな、と思う。 とはいえ、彼の珍しい言葉 >>63を聞けば少し驚いたけれど。 彼も不安やら、そんなことを考えるのだな、と、 失礼ながら 目を瞬かせる。 けれど――彼が他の灯守りまでこちらに呼ぼうとしたから、そんなある種しんみりした感情は一気に吹き飛んだ。 これ以上灯守りの中に置かないで欲しい。己抜きでやってほしい。 げっそりとした表情は、恐らく隠せてはいない。** ] (70) 2022/01/22(Sat) 4:50:14 |
| (a26) 2022/01/22(Sat) 4:55:24 |
[ “彼”の愛称を呼ぶ。
応えてくれる人は、疾うにに亡い。 ]
[ 先代処暑である彼――
『夕来(ユウラ)』
という名のその人と出会ったのは、
処暑域の最高学府だった、とだけ言っておく。
私は昔から人と接するのが苦手であり、資料と向き合うだけが取り柄の人間で、
故に、学者に向いており、学者しか道がないような人間だった。
そんな面白味もなく、可愛げのない
人間の何処がそんなに気に入ったのか、彼は飽きることなく私へと構ってきた。 ]
「 髪の毛、綺麗だよね
その色、僕はとっても好きだな 」
[ 私の
黄金色
の長い髪を見て、彼はそう言っていた。
私は彼の
髪色
の方が綺麗だと思っていたけれど。
だけど彼が何度もそう言うならば、この髪で良かったと思った。
]
「 名前も綺麗だよね
『金波』
って、一面黄金の稲田を思い起こさせるというか 」
[ 彼は処暑域の出身ではなかったからなのか、彼の目には珍しい田園風景を気に入ったらしい。
私は彼の
名前
の方が綺麗だと思っていたけれど。
自分の名前は特段好きでもなかったけれど、彼がそう言うならば、この名で良かったと思った。
]
[ 当時の私も、意識的でないにしても、人を遠ざけるような態度を取る人間であったし、実際私の周りに居る人間は多くはなかった。
彼に対しても淡々としていたし、周りからはそっけなく見えていたかもしれないというのに、
何が良かったのか、彼はずっと私の側に居ることを選んだ。
どうしたら良いか分からず、私の態度は傍目から見たら変わっていないように見えただろうけれど、彼は何かを感じ取るように、私の内心に寄り添うような人だった。
面白味もなく、可愛げもない、そんな
女
が醜く嫉妬し拗ねたら、更に面倒くさい。
彼に離れていって欲しくないと思う程度には、私も彼が好
きだった。
だから表に出さないのに、「ごめんごめん」と彼が先に言っていた。
とはいえ、“その子”への贈り物はやめてくれなかったけれど。 ]
[ 彼が次代灯守りに選ばれた時、私は驚きはしたけれど、彼ならば務まると思っていた。
選ばれた事が嬉しい、というよりは、腑に落ちたような感覚で、
その時も諸手を挙げて喜ぶというようなことはなかっただろう。
私なりには、祝福していたけれど。
――だけど私は、「貴方を支えたい」だとか、「蛍になって貴方の側にいたい」だとか、そんな可愛いことを言える
女
じゃなかった。
その頃の私は、学術機関で新米学者をやっていたし、その道を彼に合わせて辞めるという意思もなかった。]
[ しかし彼はそれを全て理解した上で、何の不満もなく受け止めるような、そんな人間だった。 ]
「 僕は、研究をしているきみが好きだから 」
「 僕が灯守りとして役目を終えたら、ふたりで暮らそう 」
[ 私の仕事はそのまま、彼も灯守りとしての道を行く。
務めを終えるまでは離れたところで頑張りながら、務めを終えたら、余生をふたりでゆっくりと過ごす。
それまで、結婚もしない。
それが私と彼で決めたこと。
それから私は自分の興味を突き詰めていたし、彼は立派な灯守りとしての地位を築いていった。
私は領域に暮らす訳ではなかったから、普段は離れ離れであったけれど、それも苦ではなかった。
……少し寂しいと思うことはあったけれど、私は研究が楽しかったし、彼が素晴らしい灯守りとして務めを果たしていると思えば、嫌ではなかった。本当に。
休みが合えば、私は彼の領域を訪ねて一緒に食事をし、ふたりで過ごしていたし、
ふたりで処暑域の海に行って、橙色の夕景を眺めて砂浜を歩いたりした。 ]
[ この時は、信じて疑っていなかった。
穏やかな未来が、訪れることを。 ]
「 “カナ” 」
[ 彼が私の愛称を呼ぶ。
呼んでくれる人は、疾うにに亡いのに、
いつまでも、いつまでも、頭の中で繰り返し再生する。 ]
[ 先代処暑は、親しかった者になら時折、“カナ”の事を話していた……らしい。
その存在が今の“私”と繋がれば、もしかしたら、私個人の名を知る灯守りがいる、かもしれない。
――尤も、その名を呼ばれたら、私はひどく苦々しい顔をするだろうけど。** ]
― 先代のお話 ―
[先代雨水は先代処暑からブドウを差し入れされた。
雨水の先代もまだ真反対の相手がどんなか、と興味をもち、相手も同じと知ればよし、じゃあまずはダチにでもなるか? なんてフランクに接していたそうだ。
交流が深い彼の領域には何度も遊びにいったし
農作物について互いに意見を交わしあう事もあった。
仲が良かった。
良かったからこそ……殺されたという話や訃報は信じられないものだった。]
「バカヤロウ」
[墓前にそう告げて、一人泣いた先代雨水の姿を見た事がある人がいたかどうか。
いたとしたら彼はこう言っただろう。
「局地的に通り雨が降っただけだ」なんて。
貰ったブドウで作ったワインを添える。あっちでゆっくりのんでくれ、と呟きながら。
やっと自慢できる味に仕上げてやったのに。
そんな独り言は風に流れた。]
[先代雨水は知っていた。
先代処暑が話していた存在を。
その存在が次の灯守りになったと知った時もまた驚いた。そうして、軽率に絡みにいった。
せめて、少しでも見守ってやれるように。
ブドウの時期になると仕入れさせてくれよ、と声をよくかけた。相応に構った。それこそ窓際に一人いたら突撃していく程度には。
次代の彼らが仲良くなれるかは当人たちに任せる放任主義だ。
彼はそれでも、仲良くなってくれたらなぁ。
なんて現灯守りたちを父親のような目線で思いつつ、願うのだった。]
| ― かわいい観察中 ― [ぽてぇ…♡ なんて音が聞こえそうな雰囲気で歩みを進める雪兎。 >>49 可愛い以外に何といえばいいのだろうか。 感情の起伏が弱いぼくでも胸の奥がきゅっとなった。 これがときめきというやつだろうか。わからない。 そう思いつつマイペースにピザをもくもく食べていたわけだけれど。 ぼくは観察者のつもりでいたから (処暑の真似事) こっちに声がかかるとおもってなかった。 >>50] え? [ぽてぽてと近づかれれば動く事はしなかった。 とりあえずお辞儀はしておいた。 ぽてぽてにつられるように橙色がやってくればどうやって動いているのか。その謎が頭をよぎった。でも可愛いからいいや。それで終わった。 >>59 まずは冬至さんの言葉に返答から。] (71) 2022/01/22(Sat) 9:10:51 |
| お疲れ様でした、冬至さん。 ロクムというのが何なのかわからないので好きかどうかはこれから知ります。 [ロクムをまずはお皿を見てこれかな……とじぃっと見ることになる。 そうして橙色がジイイイイと見つめてくるのをいつも通りの表情でぼくも見つめ返した。 ぼくはにらめっこは強いから、勝敗? はつかない気がする。 別の存在を気にするのはそれより少しだけ後。 二……つの存在 (でいいのだろうか) が膝に来るのならば、おいでおいで、と手を伸ばし、その体を持ち上げようとする。必要がなければ見守る。お皿は流石にぼくが持ってあげようと手をのばしたけどどうなったかな。 膝に収まりそうになかったら……だっこすればいいのだろうか。ぼくの体は残念ながら小柄だ。 そうして膝の上に2つの存在がくるのなら、一度撫でさせて貰おうと手を伸ばす。 手袋越しでも感触を楽しめたのなら満足げに少し笑って。 どっちにしてもその後はやはり黙った。そうして少しの間、やりとりを見守ったのだった。] (72) 2022/01/22(Sat) 9:15:20 |
| ― 大寒さんと ― いえ、驚かせてしまいました。 え、あ、いえ、ぼくはまだまだ新米なので。 様はなくて大丈夫です。 [蛍や中央の人ならまだともかく、同じ灯守り(しかも先輩)に様で呼ばれれば落ち着かなくて手をぱたぱたとさせた。 >>51 どうしても、と言われれば受け入れただろうけれどなるべく普通に呼ばれたかった。まだ一般人の感覚が強いぼくに様付けは慣れない。] お仕事はそうですね、先代や先代の頃から手伝ってくれている領域の人に手伝って貰ってなんとか形になっているとは思いますけれど 慣れは……まだまだこれからだと思います。 [優し気な雰囲気に、ついついほわ、となってしまう。] (73) 2022/01/22(Sat) 9:17:03 |
| 今は仕事を覚えて回すだけで精いっぱいですね、はい ……これからの指針もまだ決めていませんし。 [……会ったばかりなのにこういう話をしていいかちょっとだけ迷ったけれど、少しでも嫌がりそうなら即打ち切るつもりで声にだしてみた。] 大寒さんは蛍についてどう思います? [蛍がいない先輩。いないなりの理由があるだろうと思った。 問われるのなら応えるだろう。ぼくは蛍がいなくて、探すべきかどうか選んでいないと。 現状そこまで必要とは思っていない。 けれど、未来はわからない。寂しくなった時、自分がどうするかわからない。でもそんな理由でやっぱり選ぶべきじゃないんだろう。 色々考える為にも先輩のお話を聞いてみたかったんだ。] (74) 2022/01/22(Sat) 9:18:14 |
| [大寒さんとお話している間。名指しで探されていたことはつゆ知らず。 >>63 小満さんとふっと目があったからお辞儀はした。 お話し中だから駆け寄ったりはしなかったけれど、さき笑われた事を思い出して。 >>0:288上着にまた顔を少し隠した。すぐ出たけど。 打ち上げのお誘いのお話もある。 >>1:151 ぼくがいって本当に平気かとか、何をもっていけばいいのか当人から聞けたら一番いい気がした。 後でお話出来たらいいなぁ。そう思いつつ一旦はぼくは意識を話し相手に戻したのだった。]** (75) 2022/01/22(Sat) 9:22:54 |
[さて、ここで視点は先代になる。
村雨は小満の事が気に入っていた。
というか気にいってないやつはがいた覚えは彼にないのだが。
まだ相手が若いと言える頃合いを共に過ごした仲。
そりゃあまぁ青かった彼は可愛いものだったと思いだしては未だに笑みを浮かべる。 遅かりし反抗期をまさか自分にぶつけて貰えるとはな。と内心でニヤニヤしていたものだった。
それは彼の中じゃ笑い話という扱い。
相手の名誉のために自分からは誰にも、勿論現在の雨水にも話してない。
これから関わる相手に先入観はないに越したことはない。ただあいつの料理はおいしいぞー、なんて吹き込んだ程度だ。
感謝してくれていいんだぜ? なんて内心で思っているのは秘密の話である。]**
[パパとお姉ちゃんと自分との少し複雑な関係を、
幼い頃の私は当然ながらまったく理解していなかった。
パパの独特のセンスで買い揃えられたおもちゃに囲まれた
ちいさな家の中が世界のすべて。
『灯りはとてもたいせつなもの』という
親から子へと誰もがみんな
口を酸っぱくして教え込まれる事柄以外、
私は何も知らず、知らされず、
芒種域に住まう他のごく普通の人々と同じように
もしかするとそれ以上に恵まれて、
何の不自由もなく健やかにすくすくと育った。
自分の暮らしている芒種域のこと。
統治域を守る『灯守り』のこと。
先代芒種様が大叔父さんであること、
親族一同が灯守りの役目に固執してきたこと。
大好きなパパがお姉ちゃんを置いて血筋から逃げたことも、
そうしてママと愛し合って生まれたのが私だということも。
蘭花様──師匠に弟子入りして
初めて知ったことは数知れず、
きっと未だに知らないことが、私にはたくさんある。]
| (a27) 2022/01/22(Sat) 9:38:49 |
[大好きなママに抱かれて、大好きなパパの顔を見て
優しいお姉ちゃんも傍に居て。
安心してうとうとと夢路に旅立とうとしていた赤子は
いつもとちがう『空気』を感じ取ってぴくりと目を開けた。
パパとお姉ちゃんがよくわからない話をしている。
いつもは優しいママが黙り込んでこわい顔をしている。
パパの後ろに誰か、しらないひとがいる。その人は、
ママがいつも確かめるように眺めていた娘の腕輪──
──私の『灯り入れ』を一瞥して、
なんだか胸がざわつくような笑い方をした。
その人と一緒に背を向けて遠ざかっていくお姉ちゃんが
どこか途方もなく遠いところに行ってしまう気がして。
まだ名前を呼ぶことも、走って足に縋りつくことも出来ず
お乳を飲むか眠るか泣くかしか出来なかった妹は、
そのしらないひとを直感的に『わるいひと』と判断した。
お姉ちゃん、『いかないで』。
お姉ちゃんを『つれていかないで』。
まるでそう全身で訴えるように、堰を切ったように
母親の腕から転げ落ちそうな勢いで泣き叫んだ。
誰にも伝わらなくても、何の意味も成さなかったとしても
何もわからないなりに何かしたかったんだろう。]
[誰かに連れられて出て行ったお姉ちゃんが
再び家の扉をくぐった日。
赤子は目に見えてご機嫌な様子を見せたが
またどこかに行ってしまうことを怖れてか、
どこに行くにもべったりで
お姉ちゃんから離れようとしなかったらしい。
以降もお姉ちゃんが家を出ようとする度に不安がって、
言葉を覚えだせば声に出して我儘も言うようになった。
隙あらば繋ごうと手を伸ばしていたのは
手を繋いでいれば安心していられたからだ。
あまりお姉ちゃんを困らせては駄目よ、と
ママに窘められてもなかなか言うことは聞かなかった。
お姉ちゃんは妹の"おねがい"を、
余程のことがない限り大抵は
なんだって望むままに叶えてくれたから。]
[それまでパパの感性で選ばれた
玩具やぶかぶかの服しか知らなかった妹にとって、
お姉ちゃんがくれるものはどれもが輝いて見えた。
お人形、ぬいぐるみ、絵本、おもちゃ。
ぴったり身体を包んでくれる着心地のいいお洋服。
幼い頃から今日にまで至る
自他ともに認める可愛いもの好きの趣味嗜好、感性は
お姉ちゃんの手腕によって形成されたと言っても過言じゃない。
ただ、お姉ちゃんのくれたおもちゃをすっかり気に入って
そのおもちゃでばかり遊ぶようになった娘を見て
しょんぼりしている人が一人いた。パパだ。
幼いながらにちょっぴり父親に罪悪感を覚えた娘は
パパのくれたぬいぐるみたちも大切に愛でて、
時々はパパの選んでくれたおもちゃで遊んだ。]
うんっ!
ままはおりょーりじょーず!
まちゅり、ままのつくゆはんばーぐが
だいしゅきなんだぁ。
おいち? ねえね、おいち??
きょうのは『じしんさく』なの! えへん!!
い〜っぱいたびてね!
[目をきらきら輝かせながら何度も何度も飽きずに繰り返し
同じ素材から錬成された『おりょーり』を
提供する小さなシェフ。
お姉ちゃんはよく飽きずに付き合ってくれたなって思う。
もっとお姉ちゃんが喜ぶごはんを、
泥と草でできた食べられないごはんじゃなく
本当に食べられるごはんを作れるようになりたくて
積極的にママのお手伝いをするようになった。]
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