147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[不意に、握りしめた掌に実体が宿る。
懐かしい声、懐かしい姿に、よかったと安堵を覚えるのと同時に]
アウローラ、です。
[ 間髪入れず答える。
貴方に、そう呼んでほしいから。 ]
……さっきも、言いましたよね?
わたしの幸せを決めつけないでほしいと
[ それでは、マティルダと同じ。
わたしの意志や願いを無視して、
選択の余地すら与えてくれないのと同じ。]
……それに。
[ 重ねていた手を離すと、その両手を彼の頬へと伸ばす。
触れた白皙からは、
いつも感じていたひやりとした感覚はなく、
ほんの微かな熱を感じるばかり。
そして、それは彼のほうも同じはず。]
大切な人に、触れられないのは寂しいから。
貴方に触れても、貴方を抱きしめても、
傷つけることのないわたしになりたいんです。
[ それが、わたしの選択。
貴方と共に生きていきたい、わたしの願い。 ]
[ それから、もう一つ。 ]
ゆうべのお返事、聞かせてもらっていいですか?
[これから先も、ずっと傍にいてほしい。
ううん、わたしが傍にいたい。
たとえ光差すことのない暗闇の世界でだって、
貴方と一緒ならわたしは何も怖くない。
何も恐れはしない。
彼の頬に両手を添えたまま、その赤い双眸をじ、と見つめ返す。]
……アルカードは、嫌、ですか?
そうであるならば、無理強いはできません。
先に言った通り、わたしは、貴方を幸せにしたいから、
わたしの考えを押しつけることは、
本意ではないんです。
[―――…。]
……莫迦だな、お前は。
今更、名前な、ど……。
[言いかけて、口を噤んだのは。
以前、彼女に勧められて読んだ絵本の1フレーズ
―――…ぼくがずっとほしかったのは名前じゃない、
名前を呼んでくれる人なんだ、と。
名前など、自分にはなかった。
だから、どんな呼ばれ方をしても気にならなかった。
それでも、この娘にアルカード、と。
仮の名であるはずのそれを呼ばれるたび、
不思議とあたたかかったことを思い出す。]
[ため息を一つ吐くと、瞳を閉じて。
頬に添えられた手を軽く揺すって離すように促す。]
……アウローラ。
[名前を呼ぶのは、これで二回目か。
娘の肩に手を回して引き寄せると、唇を重ねた。
掌越しではない、はじめての口づけ。 ]
[引き寄せられ、抱きしめてくる彼の身体には
確かに温もりがあって]
…えへへ。ありがとう、ございます…。
[自分でも、しまらないなって思う。
でも、うれしい。
うれしくて、あたたかい。
彼に出逢う前の悲しさが、思い出せないくらいに。]*
んー……俺の理解している限りでは
「治療の為に転院した」だけ、じゃなかった?
人の道なんて外れてないし
何も問題なくない?
だからさ……
俺は誠丞さんと一緒にいられるだけで割と既に幸せだけど
それじゃ満足できなるかもしれないし
先のことはわからないけど、努力するよ。
同性愛なんてまだ……
世間には受け入れられないことも多いだろうし
俺は身体的なハンデはあるし
なんなら無職なのに今は家事も出来ない役立たずだけど。
………俺でよければ、喜んで。
[ やり直しの告白には及第点を超えた満点の笑顔を。
我ながらなかなかの不良債権で
彼を幸せに出来るなんてこっちだって思えない。
けど努力を積み重ねる事は得意なんだ。知ってるでしょ?
彼も一緒に努力してくれるのなら
きっと大丈夫だって
何時になく楽観的に前向きなことを考える。 ]
[ 彼の生徒だったあの日語って魅せた
パフォーマンスの夢の話よりも
今の方が余程夢みたいな話だとは思う。
努力って何を如何?とか
漠然としすぎていて具体性がゼロだし。
けれど、ふわふわの曖昧な夢を語るのは
誰もが納得出来る根拠に基づいた手順で固めた
誰もが思い描く理想を謳ったあの頃よりずっと楽しかった。
今度こそ、本当にそうなりたいと心から思える
はじめて俺自身で描いた目標だったから。 ]
[ あざといぶりっこな所作はあっさり受け入れられて
それはそれで計算通りだけど羞恥は加速し
意味もなく叫びだしたい気分になる。耐えるけど。
頭を撫でて触れてくれる手も今は嬉しいよりも
どうしても気恥ずかしいが優って
今までみたいに擦り寄ることもできない。 ]
せんせぇーはさ、おれのこと、なんでもゆるしすぎだよ。
[ あの頃からそうだったから。
ついあの頃の呼び名に戻る。
じとりとした視線を向けるのは今度はこちらの番で
けれど不機嫌はポーズだけで照れが滲むばかりなその視線に
彼を責める強さはない ]
[ 別段媚びようと努力したわけでもないのに
本心から、可愛い子ぶってるみたいな台詞が溢れた。
遅れてふと自分で気付いて。
恥ずかしさに襲われる。耐えた。
……と思ったが今度は耐え切れなかったので。
普通に、あああああ゙!!!とか癇癪を起こしたみたいに
かき消す為の唐突で無意味な声を上げてひとり悶えた。 ]
[ 彼が派手に暴れれば、傷口にも触れる金属が擦れ
痛みを訴えることになっただろうけれど
控えめな確認のおかげでその手間も省けた。
幾らでも抵抗できる拘束に律儀に囚われる彼に
満足気な笑みを浮かべて返した唇を
望んだ通りに彼の唇にたべられた。
甘ったるい口付けに、彼に移って、唾液に溶けて戻ってきた
サンドイッチの塩味を僅かに感じて
その色気のなさが、何故だか
この行為が特別なものなんかじゃなく
日常の延長のように思えてきて、嬉しくて、胸が熱くなる。 ]
誠丞さんも、疲れたら休んでいいからね。
だいじょうぶ、挫折しても何度だってやり直せるから。
生きてる限りは、何度でも。
だから、一緒に頑張ろうね。
[ とりあえず今はまだ繋いどいていいから
手始めに冷蔵庫とか整理してきなよ。
そんな現実的な指摘をするのは今じゃなくてもいいだろう。
彼と一緒に、これから先を努力しながら歩む
幸せな夢に今くらい酔いしれていたって
今は、ふたりのことを誰に咎められることもない。 ]
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