7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】
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[変わらぬものなんて何もない
またひとつ、分岐点が
近くに迫っているだなんて]*
― Epilogue とある日のカルデア ―
[1週間の休暇は終わり、
私たちのいつもの日常は帰ってきた
マスターについて特異点の修復に行ったり
今川さんのお部屋に首狩りボーナスを得にいったり
それ以外にもなんやかんや、あったけれど
平和で、幸せな日常を過ごしていた
そんなある日の、ことである
私は風呂上り後、日課のクガニに餌をやり
読書に勤しんでいた
今はハーブティーに纏わる本を幾つか買い漁っており
何時かまた、あの店に来店した時に
あの店員と会話したいものだと
それまでに、上手に淹れられるようにならねばと
まずは知識を蓄えねば。そう考えて
彼から聞いた話を記したメモと見比べながら
頁をめくっていたところ……]
む、クガネか。
かまわないよ。ハーブティーでも淹れるか?
……ん。
[常のような元気溌剌ではなく
照れつつの問いかけに、首を小さく傾げ
君の言葉を待っていたら……
差し出された箱が、あった
ありがとう、と告げ受け取ったもの
君の前で開ければ、銀色のデザートスプーンとフォークがあり
それは奇しくも、あの時喫茶店で見た
銀の輝きを、思い出させるものであった]
美しいな。
……きっと、この匙やらで食べる甘味は
きっと特別な、味がするだろう。
ありがとうな、クガネ。
―――無論、だ。之からも
君と共に。美味しいものを食べ、美しい景色を見て
楽しく、日常を過ごしたいと思うよ。
[君が私の為に、作ってくれたことがうれしい
共に食卓を囲みたいと、言ってくれるのがうれしい
ああ、君は何度私を喜ばせるのだ]
[私たちは英霊だ。永遠に共にいられる保証はない
だが、それでも君となら。最後の時まで
きっと幸せ、なのだろう
―――願わくば、それが永遠に続けばよいのだが]
さて、礼にもならないが。
温かいハーブティーでも淹れようか
折角なのだ、鶴姫が土産に買ってきた菓子が
冷蔵庫にあったはずだから。
それを茶受けに、之を早速使わせてもらって
かまわないかね?
[尋ねつつ、銀の匙を持ちつつ 笑う
だから、ねぇ可愛い人]
[9月12日 無料トークアプリ GINE 「球追カットバース」グループライン]
セス<お疲れ様です。リーグ優勝が決まりそうなタイミングですが、個人面談を行おうと思います。練習中から練習終わりの時間を利用して、21日までに終わらせたいのでご協力お願いします。
[9月20日 GINE ラッセルとのトーク画面]
セス<お疲れ様です。練習のない日ですいませんが、明日どこかで個人面談をする時間は空いていますでしょうか?)
[練習も片付けも終わらせて
自転車に乗ってスーパーに寄って
テキトーなお惣菜を買って家に帰って食べる
この辺りまでは日常的な、風景だった
スマートなフォーンのロックを解除すれば
GINEのアイコンの上に赤い通知の印]
個人面談かー…
[知らせは、球追カットバースのグループラインから
去年はあったっけ。あったとしても記憶がどうにも薄い
面談といっても派手に時間を取ったりはしないだろうから
忙しい私でも時間はなんとかなるか。と踏んで]
[そして約1週間後。20日
個人面談は21日までと聞いていたが一向に気配がない
…そろそろ流石に連絡が来るはずでは?
もしや私の存在を忘れられているのではと
疑問を持ち始めた頃に再び連絡はくる]
もっと早く言ってくれたら良いのに…
[ちょっとした愚痴をこぼしながらも
指先を動かし返事を書いていく]
ラッセル< こんばんは。いつもお世話になっています。明日のお昼頃なら空いています)*
─ ホテル・スイート ─
そうしたい気持ちは山々ですけど……
もうこんな時間ですよ?
それに、
君と居るとつい気が抜けてしまいますから。
[ベッド傍の置時計を指差した。それなりの深夜だ。
早朝の散歩を予定しているとはとても思えないような。
この後すぐには寝付けないだろうことも、容易に想像が付いた。
ご所望のモーニングコール
は出来ればしてやりたい。
が、彼の起床前に起きて二、三の仕事を片付けることさえ、明日の朝は出来るかどうか。
油断しきったベッド上の彼に覆い被されば、
素っ頓狂な声が上がった。
驚いた顔も可愛らしくて、思わず愉悦の笑みが零れてしまう。]
ふふ。
……そんなに驚きました?
[伸ばした指先を耳元へと滑らせれば、早鐘を打つ彼の拍動が伝わってきた。
そのまま脈を辿って首筋を落ち、肩を過ぎ、胸元へ掌を置く。
より確かな鼓動を感じるために。]
[己の心臓もまた、同じくらいに激しく高鳴っていた。
件の壁ドンで微破壊された元バイト先の壁だが、
当時僕にまで疑いの目が向けられていたことを
恐らく彼は知らない。
店長視点、容疑者は二名。
まして片方は素行の甚だ悪かった僕だ。
どちらがより器物損壊の犯人らしいかと問われたなら、
誰もが僕を指差しただろう。
ヴィクのあの細い腕のどこにあんな力があったのか。
僕自身、この目を疑ったのだから。
「レーナルト先輩が壊しました。」
正直に答えても、店長は全く信じてくれなかった。
ヴィクも事情聴取は受けていたようだったけれど、
彼の言い訳は恐らく、
僕を庇う為の証言と思われていたと思う。
あの日の暴魔が、今ではこんなにも愛らしい表情
を見せてくれているのだから。
鬼生何が起こるかわからないものだ。]
─ 夜明け前 ─
ふぁあっ……?
[髪に触れた優しい熱と、肌をぬるりと滑ったやわらかな感触に驚いて目が覚めた。
こんな可愛らしい悪戯を仕掛けてくるのは、世界にただ一人しか居ない。]
んむ……、
……ぁ、ヴィク…………?
おはよう、の……
[愛する人に伸ばしたはずの手が、空を切ってシーツに落ちた。
重い瞼をこじ開けて声のする方に目をやれば、
プールサイドで双眼鏡片手にはしゃぐ姿。
黎明の光を受けて、金の髪が燦然と輝いている。
彼の方が先に起きていたのは予想外だった。
てっきりこちらが起こさねばならぬものと思っていたのに。
朝っぱらから元気だなぁ。
己の身体を確認してみれば、喪った箇所は元に戻り、どこに傷が与えられたかさえよく分からなくなって、むしろ肌つやが良くなってさえいた。……愛の成せる業だろうか。
身体を揺すられゆっくりとベッドから身を起こして、開けたローブを整える。]
……随分早起きですね…………、
被告人ヴィクトル・レーナルト。
ちゃんと起きられてえらい君には、
こーしてあげます。
僕直々に、羽交い締めの刑です。
[半分夢うつつ状態のままよろりと立ち上がると、
正面からぎゅうっと抱きついた。
見上げれば上機嫌な君が居て、頬に優しいキスが降ってくる。]
…………っ、
…………
……どうせならこっちの方がいいです。
[頬へと手を伸ばし踵を上げて、唇に唇を重ねる。
姫の胸に身を預けながら二度寝しそうになって、眠い目を擦った。
流れでぺたぺたとヴィクの身体を触診する。
昨夜確かに付けた傷痕も、奪い去った指先も、何も無かったかのように元通りになっていた。
むしろ、やはり彼も昨夜以上に血色良く見える。]
[ ── これからは、毎朝こんな風に一緒に居られるのだ。
想像するだけで頬が緩んでしまう。]
では、
――向かいましょうか。
[手早く支度を済ませると、
甘い香りの漂う花畑へと、連れ立った。]*
― ラベンダー畑 ―
[風が吹く度、甘く柔らかい香りが鼻腔をくすぐる。
一面を埋め尽くす青紫は美しく、蝉の鳴き声さえ清々しい。
そして――
眠い。
立ったまま眠ってしまえそうに眠い。
鎮静作用のあるラベンダーといえば、最も有名なのは安眠効果。ただ眺めているだけでは美肌にはなれない。
設えられた散歩道を昨夜のように恋人繋ぎで歩きながら、自然と降りてきそうになる瞼を必死で持ち上げた。
ひんやりとした静謐な空気を肺いっぱいに吸い込み、目を醒まそうと試みる。少し肌寒い。
ヴィクは水を得た魚のように元気いっぱいだったから、多少足元が縺れても助けてくれただろう。
暫く歩くと、休憩所らしき小さな販売所に辿り着いた。]
ラベンダーソフトクリームに、
ラベンダーティーですって。
……流石にこの時間、まだ開いてないようですけど。
僕、紅茶は
ラベンダーミルクティーが一番好きなんです。
ヴィクは何が好きですか?
[こんな他愛ない会話も、今後は気軽に直に交わせるのだろう。]
[大切なことも、くだらないことも。
共通する話題も、相対する話題も。
嬉しいことも楽しいことも、悩めることも辛いことも。
沢山話をしよう。
時には喧嘩したっていい。
君となら、嵐の夜も超えてゆける。
夢見心地で花畑を後にして、ホテルへと戻ろう。
朝食バイキングを目と舌で楽しんで、さて、お待ちかねの海へ行こうか。
小さいけれど憧れていたクルージング船に乗って、
シャチやイルカの尾を見て二人ではしゃいで。
岸へ戻り海水浴場に着けば、サマーハウスで海の幸を堪能して、日が落ちるまで浜辺で遊んで。
そうしてくたくたになって戻ってきた真珠貝ソファの上、
蒼の光揺らめくシャンデリアの元。
きっとまだ大海原へと想いを馳せている君に、声を掛ける。]
ヴィク。
左手、出して貰えませんか。
……失くしたら泣きますからね。
[この旅行中に渡そうと思って選んでおいた指輪。
インサイドストーンにアイスブルーのダイヤモンドがあしらわれたそれを、薬指に嵌めて、唇に永久の愛を誓った。]**
[待ち合わせ場所 集合時間30分前]
……どうするかな。本当のことを言うか、ごまかして消えるか。
[答えは、今日まで出ない。ただ、ある一人を除いて他のメンバーには真実を隠してある。一応他言無用とは言ってあるが、どこまで守られるだろうか]
……迷ってても、しょうがねえやな。表で真実を話す!
[運命のコインが掌へ。開けば、表coinの面が]
[ぼくだって
ぼくの望みになんて気づいてやしなかった。
気づかないように蓋をしていた。
一緒に
”生きたい”
”殺させたくない”
人間であろうとしたのは
悪魔がフリーレを殺す決意して
────少女はようやくそのことに気づいた。
願いを叶えて貰いたいなんて
出会った時から一度も思わなかったけど。]
ふーん、あっそ。
[言わないなら、いいや。
何だか色々吹っ切れて
普段よりも幾分穏やかな笑みを浮かべる。
───…それでも、まぁ
この先苦労をしないかどうかで言えば
自分で買った苦労だろう。
いま
も
]
そう……。
[ この世界を守るだけに存在するものは
容易に諦めて
新たな勇者《いけにえ》を求めるのみ
転移が行使される刹那に
精霊の王はフリーレの内から、離れた。]
( おまえの方から”行くぞ”なんて
はじめて聞いた気がする )
[たったそれだけで少しはしゃいだ気持ちに、なった。]
[ 渡った世界でも少女は少女のままで。
悪魔は悪魔のままで
勿論この世界でも名前は違ったけれど
青白き炎のごとく星があった。
時折夜空を見上げては、指を差す。 ]
あ、なあなあ!シリウス〜
シリウス見つけた!
[よしこれで方向がわかると言えば
何に対してか呆れたような顔をされて
むかつく顔するな!って
いつものように理不尽に
ぶつけたのは特大の火玉 ]
あはは!
ざまーみろ!馬鹿ロキ!!
[ 少女が、従属のために真名を呼ぶことも
あれ
以来、生涯なかった。 ]**
……来たか。済まんな、急に呼び出してしまって。それじゃあ始めようか、個人面談を……
[待ち合わせ場所の河原にラッセルが現れたのを見て、微笑む。そして、2人が話す最後の時間が訪れた]
……皆には言ってあるが、俺は明日からチームを離れなければいけない。海外への、急な出張でな。
[他のメンバーに話した、偽りの理由を語る。嘘をついたセスは、ラッセルから顔をそらした。深緑色の髪を、秋めく風が揺らす]
……ってのは、嘘でな。実は俺、なんと言ったらいいのか……
[嘘を押し通そうとしたが、色々な意味で良心が傷み、本当のことを話し始める。そして、再びラッセルの方を向いた]
……なあラッセル。もし、俺がこの世界の人間ではないとしたら。俺が元の世界に戻らなくちゃならないとしたら……
[押し殺すように、あるいは絞り出すように語りだす。それでも、今度はラッセルから視線を逸らさない]
ほら、これが証拠さ。……って、こんなのが証拠にはならないと思うけどな。
[あの日、ドアに差し込まれていた手紙を見せた。ラッセルがそれを読んでいる間、足元の石を川に向かって放り投げる]
……これから俺は、元の世界に帰る。もう、カットバースの一員ではいられないんだ。
[足元の石が、水面に波紋をたてたのを眺めながら、少しだけ悲しそうに、そう呟く]
俺がやっていた監督と代表者業務は、マナに引き継ぐことにした。あぁ、本人の了解は得ているよ。……で、キャプテンなんだが……
[持っていたカバンから、何かを取り出す。それはいつもセスがつけていた、キャプテンマーク付きの背番号「10」のユニフォーム]
……お前が、引き継いでくれ。今のお前なら、周りのみんなも認めてくれると思う。だから、お願いだ。
[ユニフォームをラッセルに押し付けて、深々と頭を下げる。果たして、彼女はこの提案を受けてくれるだろうか]
……それじゃあ、これでサヨナラだ。元気でな。お前なら、きっと……
[何かを言いかけて、やめる。ここから先の言葉は、言う必要がない気がした]
じゃあな!カットバースを頼むぞ!……あっ、そうだ!もし、俺のそっくりさんがチームを見に来たら、是非歓迎してやってくれ!
[別れに涙は要らない。そう信じるセスは、ラッセルに背中を向け涙を流すことなく、その場を去った*]
( 背に庇われるのはめっぽう苦手で、
目くらましの術でもかけられたみたいに
背筋が冷える心地さえしたけれど。
…… 大丈夫、あの時とは違うから )
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