ごめん、もう少しだけ。
もう少しだけ我慢して。
[向かい合った彼女を抱き留め、もろともベッドに倒れ込む形で、彼女を組み敷く。
そのまま、彼女の下腹部――臍のすぐ下あたりに指をあてると、指先に魔力を込める。]
「淫魔の紋」、淫魔に従属した証であり、虜にされた証であり―――淫魔にとって、最も大切な相手として認めた場合にだけ使われる。
何故なら、相手が淫魔に従属するのを拒否すれば、数分ほどで消えてなくなってしまうものだから。
[彼女の下腹に、小さなハート型の紋が現れる。
淫魔である自分に出来る、最大限の彼女への敬意。]