人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

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[咥え愛でれば掠れてしまった声も
 蜂蜜のように甘くなっていった。

 他のことは忘れてしまったように
 僕が与えるものだけに耽溺する君を
 口に含んだまま見上げ思う。]
 

 
[────とても残念だよ、空澄くん。

 でも、仕方ないよね。
 だってこんな気持ちいいの、きっと初めてだもんね。]
 

 
[胸の奥から溢れていた何かがぴたりと止む。

 誰かに盗られてしまう前に
 この場で跨り、奪ってしまいたかった。
 そんな欲望はいまはなりを潜めた。

 快楽を教える動きだけ休むことを知らず
 背中の白い羽根を一枚ずつ優しく毟り取るように
 恥垢を剥がし、飲み込みきれば、
 露出した如何にも粘膜といった先端を
 顎の内側、喉奥へと擦り付けて嬲った。]


   ん、っふ、 
ぢゅ……っ



[唇を窄めて深く咥え頭を揺するのを繰り返し
 限界を伝えられれば一層強く吸い付いた。
 温かく青臭いものが口の中に拡がっていく。]
 

 

   ……、……ぷ、はぁ……


[君を気持ち良くできて嬉しくて
 受け止めた体液はゆっくりと喉奥に流し込み
 どろりとした喉越しが過ぎれば息を吐いた。
 達成感は確かにある。
 けれどどこか冷めた心地が足下を攫っていく。]
 

 

   …………目、瞑っててね


[見せた微笑みはこれまでで一番淡い。
 強い力で腰を抱かれ、
 身を寄せていた膝から引き剥がされる。]
 

 
[十一月。日の落ちた教室は冷え込み
 触れていた箇所に移っていた温もりが
 消えるのは早かっただろう。

 今日もこの階だけ、見廻りが来ることはなかった。**]
 



[─────最後の注射針を、腕に深く刺し込んでいく。
痛々しい針痕だらけの腕は悲鳴をあげていてもおかしくないのに、もう痛みさえもわからないくらいに感覚が麻痺していた。

有り余るほどにあった赤い薬品ケースが、今では一つも見当たらない。
材料が無ければ作りたくてもそれすら叶わないだろう。
この日が終われば不要になるとわかりきっていたから敢えて作らなかったのだ。

綿密に、秘密裏に編み込まれた計画の中。今宵は綺麗な満月が望める筈だ。明から暗へと変化するグラデーションを眺め、沈みゆく火の惑星を見守った。

  (この夜を超えれば、私は。
   ……本当にどこへも行けない怪物になってしまうのだ。)

引き留めるものも理由もありはしない。全て自分の意思で捨ててしまった。
後は嘗て死にかけだった獅子を頭から貪れば、きっとそれで終わってしまう。
少しも寛げなかった客間の扉を静かに閉めれば、向かっていくのは謁見の間。

  息苦しさに喘ぐ   彼
……王族に唾を吐く性格の彼女には到底似合わない場所こそ、最期を飾るに相応しく。]


 

 

[ 広がる光景に酷い既視感を憶える。
  覚醒すれば忽ち薄れて消えてしまう様な記憶だが、
  夢の続きに導かれて再び小川の畔に立っていた。

  アルデンヌの森。
  小春日和と呼ぶべき柔らかな温もりを風が運ぶと共に、
  木の葉のさざめきと栗鼠の鳴き声を伝えている。 ]


 ( 言いそびれた台詞などたった一つだけ。
   其れを解っているから貴方は何も訊かないのか。 )



 [ 隣合う影法師は何も語らない。
   此方が口を開くその時を待っているかの様に。

   言わなければ。
   もう、夢を見る事だって二度と無くなるのだから。 ]

 



[ 睦言を交わし合う様な仲でこそなかったが、
  課外学習に似た認識をお互いに抱いていた筈だ。
  其れは最早利己的な利用関係には留まらず…… ]


( 然れど、あの学び舎に背を向けた日から
  二度と逢う事はないと思っていた。

    学友を、教師を、実の父でさえも殺す未来を
    打ち明ける決断は出来なかったのだから。 )


 



        
( ……だから。 )


    ・・
( お前だけは何も知らなくていい。
  望んだ時のみ遠い國の史書を手に取れば良かろう。

   血濡れた路を辿らず、陽向の如く唯、
   何も出来ずに────老いて、然して逝け。 )



 [ 其れがたった一つの、彼なりの優しさだったから。 ]


 

 


           
さようなら。次は無い

       …… Auf Wiedersehen.



 



[ 多くの人間に失望した。
  其れを元々立っている場所が違うのだと割り切って来た。

  其の中で彼は、内情に踏み入ろうとはしなかった。
  その上で手を貸し続けてくれた。
  他の誰とも違う。

  其れでも、置き去りにするのだ。何一つ告げぬ儘。
  戦士でなければ、野心家でもないのだから。 ]




      [ 懐剣を抱き締めて、其の場を去ろう。
        既に最期の夜は明けようとしている。 ]*

 





  其の頭上で、月が消える。
  再び衣に包み隠された氷の星の表情は失せる。


   同時に、黒き至高の獣の行方を僅かに眩ませるだろう。



 



  [────月が、味方しているのだろうか。]

  [幾ら空に、
  映る水面に手を伸ばしても届くことの無かった幻想。

  つがいの獣を喰らい、自らの運命を呪った夜も、
  寄り添い合って安らぎを得た夜も、
  熱を与え、痛みを分け合い混じりあった夜も、

  ……すべてを見守っていた、
  どこまでも大嫌いで憎たらしかった呪いの元凶が。]


 

 
[焦るような声を上げてから、あっという間だった。
 強く吸い付かれるのと同時

 
ドクン!


 死んじゃうんじゃないかってくらい
 ものすごく大きな
 心臓の鼓動みたいなのが来て]



   
あっ、 んああっ……!!




[おしっことは違う
 なんかドロっとした熱い塊みたいなのが
 溢れ出る感覚があって、

 それが、
 今まで感じた事のない
 めちゃめちゃに強烈な快感で。]
 

 
[だけど、その余韻に
 浸れるような状況じゃなかった。

 また、
 胸がギュッて痛くなるような
 真昼くんの、あの
 消えちゃいそうな儚い微笑みが見えて、

 それから、その後は────…]
 

 

[後悔の嵐だった。]

 

 
[夜端のヤロウが言った”持て成し”の意味。

 こうなることが分かってて
 真昼くんは、オレを身代わりにさせまいと
 懸命にしてくれたんだってこと。

 何も分かってなくて
 ただただ気持ちよくなってしまった
 自分の浅はかさ。

 全部、全部、理解できた。
けど遅かった。遅すぎた。

 

 
[ぐちぐち、と
 汚いモノが真昼くんの体を引き裂くのを
 至近距離で見せつけられて

 悔しさが、憤りが
 目から零れ落ちてくる。]



   
………ぅ、 …………っく、…




[殺しきれない嗚咽が
 キツく噛んで血の滲んだ唇の奥で、鳴る。]
 



   (オレも、あいつらと
    何にも変わらないじゃないかッ!

    助けるなんて言ってたくせに
    自分勝手に気持ちよくなって
    真昼くんをあっさり生贄に差し出して、…

    最低だ、最悪だ、ッ

    オレも、アイツらも皆、死ねばいい!!)


                         ]

 
[蟀谷が痛くなるくらい泣き腫らして
 視界が狭くなっても
 睨み付けることを止めなかった。

 視線で殺せるなら
 全員、焼き殺してやったのに。
無力だった。

 

 
[ふたり、残された教室。

 青臭い匂いも
 残された水風船も
 意味を伴ってしまえば、吐き気を催す代物だ。

 そして、自分もまた同じものを
 彼に飲ませたんだと思えば、殴り倒してやりたくなる。
 なのに、痺れた腕では
 拳を固く握ることすらままならない。]



   真昼くん… ごめん、 ごめんね…

   オレ、あいつらと同じだった。
   ほんと最低だ、
   死ねばいいと思うよ、

   ……けど、
 
   このまま死んだら、ただの犬死になる。
   あいつら全員 殺してからだ。



[憎悪の滲む低い声が
 冷たい教室の空気を震わせた。]*
 

 
[枯れた声が地を這い鼓膜を震わせる。
 深い後悔の一部が伝わってくるようだった。

 最中も、そちらを見ずとも
 伝わってきていた。

 僕が持つ前に諦めた憤り、殺意が。

 君も彼らと同じだと思った。
 ――だけど、違うと思っていい?

 手足の縄を解いてあげた指先を
 残る跡へとそっと伸ばし、優しくさする。]
 

 
[君は感じなくて良い筈の
 痛みに触れて苦しんでいる。

 心も、身体も。

 解放してあげるべきだろう。
 きっと、そうした。]
 

 
[ 僕に人の心があったのならば。 ]
 

 

   ────…ダメだよ、空澄くん

 

 
[僕は引き止める。
 君が見せてくれるかも知れない未来に期待して。
 ……そう、どこまでも身勝手に。]


   僕のそばに、いてくれないの
   そんなことをしたら

   僕はまたひとりになっちゃう……

   空澄くんは、僕といてくれなきゃダメ


[放っておかないという
 君の言質を利用する。

 ……今日の奴らだけじゃだめなんだ。
 この先僕を傷つけうる全てから
 守ってくれなきゃ。守り続けてくれなきゃ。]
 

      
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[ 君は僕のものだから。** ]
 




[雲隠れした月明かり。その隙間から光が差し込まれるのが見えた。
朦朧とする視界の中で、自身が最初に手を下した傷だらけの姿が歩いてくる。
「迎えにきたよ」と弱々しい手が差し伸べられた気がしたから、腕を伸ばして────……]


              ………………噫。


[ゆっくりと、その手を下ろす。
腕の中の赤い髪を、傷つけないように梳き下ろした。]