人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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視点:


 
『そうか、残念だが仕方ない。
 リーも仕事大変だろうからな。

 俺もお前も同じ日に、ここ一番の大舞台とは。
 互いに頑張ろうな。
 帰ってきたら、どこかに食いに行こうぜ。
 普段よりも贅沢な処にな。』


[ リーも着実に先を進んでいる。友の躍進が嬉しくない訳が無い。
 この時は弾んだ声のまま、通話を切ったのだが。

 
この先起こる、残酷な現実を露にも知らぬ時のこと。
]
 

 
[ 意識を取り戻したのは、あの日から数日後。
 携帯電話に触れることが出来たのもその頃。
 
 リーの着信や、アプリのメッセージが何通か届いていたが
 既読のみ、返事をする気にはなれずにいた。
 それにまだ出張期間中の筈だ。仕事の邪魔する訳にもいくまい。
 
という建前。報告することが怖かった。

 後で報告すればいい。
出来るのか?

 
この哀れな男の現実を。


 リーが同僚の女団員から、執拗にアプローチを受けていたことは
 知っていた。
  

 
「ねえ、お友達次はいつ来るの?」
 「どの辺りに住んでいるの?」「趣味は?」

 

 などと質問攻めにされたこともあった。
 だが前者は冗談抜きで知らない、後者はプライベートにつき閉口。
 常々対応に面倒さを感じていたが、肝心のリーも余りにも
 興味が無さそうで、ある意味哀れんで見ていたのはある。
 ──とはいっても、役者としての才能があるのは事実。
 色々な意味で、彼女には嫉妬心のようなものを抱いていた。

 後にリーから真実を聞けば、主役を持って行かれた
 劣等感、迷惑を掛けた罪悪感に苛まれるが、
 同時に苛立ち、不快感も隠せずにいただろう。]
 

[心が通じ合ったと思ったらあわや破局の危機
わしららしいが、なんともはや
混沌となるところは未だ変わらぬ、らしい

だが、それでも最後にはきっと
”なんとかなる”ような気がするのだ

        私だけか?そう思うのは]


[次はちゃんと”むぅど”とやらがある中で
君と朝寝を迎えたいものである
―――そうなるように努力いたそう。あと
ちゃんとごむも、用意して

その方が君の負担も少なく、心の準備もできていようし
次はもっと、君の婀娜めく艶やかな姿が見れるのだろうか

そう思うと、”次”が楽しみで、あることよ]

[家に帰るまでが、遠足
後の処理をしてまでが、交わりである
なんだかんだ言って私が一番優先するのは
君のことであるのは変わりなく

 だからこそ、無垢に付け込むようなまねは
 私が、私を許さなんだ、それだけのことである

とはいえ、はっきり言えという君よ
それがしゅうちぷれい、であることは理解していようか
……していないであろうな、きっと

奥ゆかしい日本人なのだ、はっきり言うのは
羞恥以外何物でもないのだ

とはいえ、未だ賢者もぉどにはなれていない私は
頭の中の引き出しをひっくり返して最適解を探す
――このままでは、口淫をしてくれといいそうで、
非常にそれはいけない、まずいと探して、探して

素晴らしい案(当社比)を思いついたとばかりに
提案してみたのだが]

[羞恥は確かにない、ないが

       絶景かな?

形の良い、鍛えられた双丘
張りの良い太腿があられもない姿で晒されている
俯せになるときに、辛うじて腕に引っかかったままの
君の浴衣も取っ払ったことで
すらりとした背が惜しげもなく目の前に晒されている

正直これだけでおかずとやらにできそうな光景だが
更にを求めてしまうのが私の慾深き、ことだ

太腿を、両手でむんずと、つかむ
怒張が入る隙間を、得るために

程よい弾力の腿の合間に、未だ萎えぬそれを挟み
君の腸液と私の先走りで濡れたものをゆっくりと、
抽挿めいて動かせば、
ぬちゃり、と擦れる卑猥な音が君の耳にも届くであろう]



    
 お前が悪い


[機嫌の悪さを隠そうともしない、冷ややかな声]


  
 …だけどきっとぼくだって、悪い


[わかってはいた。
わかってはいたんだ。

次の街には。次の街では
────密やかに心に決めて


聞きあぐねていることは山ほどあった。
納得していないことも沢山あった、のに。]

(これはまずいな
 

       想定以上に、気持ち良い)

 —――違和感は、ないか?

[熱を帯びた声が、君へと注がれる
腰を持って、少しばかり君の尻を上に向かせ
何度も股の間のそれを出し入れするように、動かせば
未だ履いたままのズボンと君の肌が擦れることになろうか
――当然、着込んだシャツと、肌もである

肌同士が触れ合う感覚よりも
敏感になった肌なれば、そちらの方が酷かもしれないが
私にあまり余裕もなく

少しばかり荒げた吐息が、君の背に降ることだろう*]

[ オレらって、意外と破局の危機を迎えてる気がする
 しかも互いを嫌いあったからではなく、
 互いを想いやった結果の危機である。
なんで?


 ――でもまァ、嫌いになることなんてないんだ
 オレたちは何度すれ違ったとしても
 またここに戻ってくるんだろう

     オレだって、そう信じてる ]


[ むぅど、に関しては何となくわかる
 要は互いに準備が出来た甘々な空間だろう。
 ちゃんと共に溺れるには相応の準備が必要だ。

 ――そうしたら、貴方が理性溶かしオレだけを求める姿を
 見ることができるだろうか

 そう思うと、"次"が待ち遠しくなるというものだ ]

[ 羞恥を感じて自滅などオレだって望まない。
 だから、その良案?に訳知らぬまま
 乗った訳である。が ]


  ( ――なんか、むずむずする… )


[ 何故だろう。羞恥で言ったら
 さきの正面の方が断然恥ずかしいのだが、
 どうもこのうつ伏せ姿も落ち着かない

 ――見ることのできない彼が
 現在進行形で己の尻を凝視してる、とも知れれば
 それはもう盛大に、羞恥大復活をしていた訳だが

 あとやめてシロさん。マジマジとオレの尻とか身体を
 評価しないで。恥ずか死ぬ 
]



  えっと、シロさ……
ぁひっ!?



[ 反応途絶えた彼の様子を伺いかけた言葉は、
 いきなり太腿をつかまれたことで
 悲鳴に消されることとなる

 続き、股の間にぬるりとした灼熱を感じてしまえば―― ]



  え、シロさん何やって……んっ


[ 先ほどよりもダイレクトな快感ではない
 だが、散々暴かれたその付近を行き来されるのは
 ビリビリと背筋痺れさせる程の別の快感を
 呼び覚ますには十分だった。

 必死に腕に顔を埋め
 んっ、んっ、と途切れ途切れの嬌声を零す

 尻を上げさせられ、より明確に熱棒擦られれば
 落ち着いたはずの欲が顔を出す。
 若いことを象徴するかのように、己の雄も
 ゆるりと立ち上がる。

 背に感じる布の感触と擦れる音に頭がまたふやけてゆく

 耳元に降る、彼の乱れた吐息に
 ぞくぞくとした快感がこの身走った **]

 
   ……ん、わからないや。


[ 曖昧な笑いに曖昧な言葉で誤魔化して、
  優しい言葉に視線を落とし、震えを逃す。

  泣きたい夜があったかだなんて、
  そんなもの、無かったに決まっている。

  それは決して恵まれていたからではなくて、
  世界から爪弾かれた己が見出した唯一の自己防衛。

  自己を殺し何も感じないことに慣れさせて、
  夜に何かを想う時間があれば眠りに繋ぐ生き汚さは、
  ここまで生き残るに必要だった ]
 

 
   泣くのって、難しくって……。
   あんまり覚えてないんだ、泣いたこと。
   無意識にそうしたことはあったかもしれないね。


[ 故に、彼の綴る言葉は遠くて眩く、
  ただ沈んでいくだけの己に昏い影を滲ませる。

  それでも彼なりに沈む子供を掬おうとしたのだろう。
  他人を伺い生きて来た己の感覚はそれを嗅ぎ取り、
  嘘だけはつきたくなくて、曖昧さを再び強調しつつ]
 

 
   ぼくも世界に憎まれてるとしか思ってなかった。
   あなたはぼくは違うというけれど、
   周りから見ればぼくは化け物だったんだって。


[ 籠りかけた緊張を抜くように、
  灰の瞳だけを閉じ瞼を撫でながら細く息を吐く。

  陽に痛めた眼は未だじわじわと灼ける痛みが残り、
  一晩を越して休ませなければ明日も痛むだろう。

  他人からみたら化け物と評価される要素のひとつを、
  忌々しく思った記憶は実のところ、なかったのだけれど。

  このように生まれたから仕方ない――、

  諦めを土壌にした思考は深く根付いて寂寞の花となり、
  こうして夜の前で咲き、孤独だけが伴の過去を知らせて ]
  

 
   おんなじだからだよ
   貴方がひとりで飢えて苦しんでいたら、
   その痛みを思い出すから、悲しい。


[ これでは伝わらないだろうか。
  過去を想ってひとりぼっちの彼が苦しむのを、
  見ていて愉快であれば彼を昨夜で殺せている。

  だからこそ、価値の話に到れば単純に。 ]
 

 
   あなたに価値がなければ、
   セレスも、他の子どもたちも――…
   思い出のなかに後悔を残したりはしないよ?


[ きっと否定できないであろう価値を付け足した ]
 

[互いを思いやりすぎて、すれ違うというのが
私たちには多い気がする。言葉が足りず、
想いが伝わらずというやつだ
なにそれ、こわい

とはいえ、最終的には周囲の手助けもあり
なんだかんだでこうして今、触れ合えているのだから

どんなことがこれからあっても
私たち2人なら何とかなるのでは、なかろうか。
な?そうだろう――クガネ

などと言えば、楽観視だと言われるだろうか]


[互いに溺れあうには、彼の思う通り準備は必要だ
世の中には玩具を使ったあれそれがあるらしいので
(ちなみに戦国時代にも張り型等あった)
そういったものも併用してみるというのは如何か
――君がより気持ちよくなれば良い。
出来れば、互いに。

とはいえそれ(玩具)にたどり着くには
男性同士では初心者2人。今はただ互いを
重ね合わせ交わらせるだけではあるが

それもまた、幸せだと思うのだ]

[所謂素股というのは
体力の消耗は互いに抑えられるが
挿入りそうで挿入らないという、
受け手に不思議な感覚をもたらすもので、ある

慣れた人では自身の中に熱杭がないのに
物足りないと、腰を振るらしいのだが

慣れぬ彼が、自身を犯す者の顔見ぬ様子が
不安なのか、どこかそわりとした雰囲気なのは
何とも初々しく、映ることである

その様を眺めるのもまた、楽しみの1つだ

――評価されるのは嫌か?評価する方に関しては、
私は、好きだぞ。恥ずかしがる姿も含めてな]

[おや、不意打ちのその声
良いな。とこっそり胸の内で呟く

未だ熟れ、ひくつく尻穴も丸見えのこの体制
悲鳴も相まって大変にそそられる

が、そこに挿入するのはまた今度
今は君の負担にならぬよう
股に差し込む。己の慾よ]

[影法師となる前の、女と交わる時にせなんだこと
引き締まった尻や張りのある腿
それにこすり付ける絶え間ない刺激が気持ち良い
彼の中を蹂躙するのも良いが、
君の美しい肢体を眺めながら、扱くというのも
堪らないものなのだな、と内心で思う

腕に顔伏せているから、君がどのような表情かは見えないが
見えずとも、くぐもった途切れ途切れの声が
彼自身も悪くはないと、示しているのがわかる

嗚、何とも健気なことだ]


 ……なんだ。もう元気になった、のか?
 若いな。

[と、時折態と。 
ゆるく勃起した君の雄に己の物を触れさせて
擦り上げるのもまた、楽しみと知る

とはいえ、揶揄めいた自分の声に慾滲み
快楽に、果てそうであるのは容易に知れること
―――このまま何時までも、とはいかぬのが惜しいが、
どうせならばと、君の雄に手をやって
律動に合わせて手で肉筒を扱く]

 何、とは。
 ―― 先ほど、説明した通りのこと、だが。





 果てるなら共にが、よいだろう?


[気にしておった、みたいだしな。と
少しばかり楽しそうに君に告げ

君の鈴口に親指の先端を、ぐっ と
押し込むように刺激した**]


   なんでもいいよ、何でも答える。
   ニクスさまが望む限りは拒みはしない。

   聞いていて気持ちいいものじゃないと思うけど。


[ 視線が戻って紅眼に囚われて、
  またちりちりと焦がれる心悸に首を傾げつつ。

  己の過去に価値などない子供にとって、
  望まれれば呈するのはあたりまえの思考でしかなく。
  故に、恭順を誓うかのような言葉は、
  魔眼や教育で仕込まれたものではなく本心から。

  村のことを尋ねられると予想していたおかげで、
  ふるふると髪を揺らす仕草はとても自然だっただろう ]
 


   何とも思っていなかった……かな、
   そこに売られた時は、少し安心しただけの場所。

   お腹は膨れるし、怪我は治して貰えたし、
   寒くて震えながら眠れない夜を過ごすことも無くなった。
   自分だけの寝台も初めてだったし、
   服だって、破れていない古着を貰えたから。


[ 裏を返せばそれまでは常に飢え、怪我もし、
  寒さに震えて眠れる夜は少なく眠る場所などなかった。
  服だって襤褸なだけで服と呼んでいいものかどうか ]
 


   言われるままに生活していれば打たれなかったし、
   逆らわなければ、折檻されたりもしなかった。

   誰もぼくを見ないし、触れもしない。
   ぼくに生贄となること以外の期待していないから、
   そういうものだとずっと思っていたくらい。
 

[ 記憶の限りを辿って綴る生活は、
  古城の主には悪くないものだと感じるだろうか。
  それとも、己には知り得ない憐憫を誘うのだろうか。

  手が伸びて僅かに身を竦めたのは反射だった。
  抗いはなく無抵抗でありながら怯えの残る仕草は、
  彼が言葉を継いだころには失せさせはしたけれど ]
  

 
   ぼくと話しをしようとしてくれたのは、
   あそこでは変わり者だった……あの子だけ。

   周りのみんなのように一緒に何かをしたりとか、
   そういうこともなかったから……。

   生贄として育てた価値がやっと芽吹いたって
   そうじゃなければただの……ただの、何だったかな?
 

[ つまりはずっとひとりきり。
  飢えなくなったし怪我も治されたし生活できた、
  その幸運を享受する生贄として育てられただけの場所。

  記憶から消していた言葉を探るように黙って暫し、
  漸く思い出したそれを、
  無感動に受け止めた証として躊躇いなく口にして ]
 

 
   ただの気味の悪いガキとかそういう……?
   気味の悪い化け物だったかなぁ、
   そこはあんまり覚えてないや、ごめんね。
 
   だから、村は、ぼくにとってはどうでも良かった。

   何にもないぼくに価値を付け足してくれたけれど、
   ニクスさまは、それを要らないっていうから……

[ 価値がないのは自分の方だとまでは綴らずに。
  これでいいのかなと伺うような視線で紅い瞳を覗く ]*
  


[ 彼の反応は何処か鈍い
 曖昧な反応に男は親近感を抱く ]

  俺も泣いたことはあまりないよ。
  それに俺には相応しくないものだと思っていた。
  人の心臓を持たないのに涙、なんて。

[ しかし彼の場合は境遇があったのだろう。
 周りから化物だと虐げられた彼
 化物であるからこそ古城に身を移した男。

 おなじ、なのだろうか
 男はまた異なると頭を振ろうとした。
 しかし出来なかった ]

  悲しませたくは、ないな。

  でも、あの子達が見ていたのは俺の一部だから。
  俺はそんなに綺麗なものじゃないんだ。

[ 彼の古傷を抉る事は避けたくあって
 されど名残惜しげな呟きを残すもの
 否定出来ない言葉は甘受した ]

[ 彼は何でも話してくれるのだという。
 読み飽きた絵物語より気を引く噺だ
 彼の語るこれまでに耳を傾ける。

 あの村で拾われてからは人並みに生活出来たのだろうか。

 しかしあの場で行われていたのは残酷な教え
 男は沈黙を守り彼と彼女の繋がり
 瞬きを数度繰り返した。

 彼はきっと本心から口にしている
 淡々と事実を並べるように。
 泣かない事が自分を守る事につながると
 かつて此処にいた子供の一人が答えていた。

 男は泣かぬ子供がいる事にたいそう驚いたが
 時にして諦め期待せぬ事が救いになると耳にした。
 彼がそこに当てはまるかどうかは分からない。

 また、自分が彼にって何か価値あるものとして
 与えてしまっても責任など取れない。
 軽率にその腕を差し伸べられないのだ ]


[ その先にあるのが破滅だとして
 彼を巻き込み引き摺りたくなかった。

 だが、伸びる手は彼の頭に触れようとしてやめる。
 何処か怯えたような仕草を思い出したせいだ。
 その代わり彼の傍に腰を落ち着かせたまま口を開いた ]

  セレン。
  俺は生贄も気味の悪い子供も要らない。

[ 相変わらず視線は彼から逸らさず ]

  ……でも。
  ひとりぼっちじゃない夜を過ごす夢を見たい。

[ 彼の言葉をなぞらえながら
 先がないと
 あなたの傍らにしか居場所はないと
 言葉にしてきた少年の顔を見る ]


  それは、この世界で特別同士の方がいい。
  普通の人間なら怯えて死んでしまうかもしれないから。

[ お伽話を読んで聞かせるような声色を意識して
 また一つ、彼の言葉を借りた ]

  独りは嫌だと口にした事を忘れる程
  語らえる存在から欲しいと思う。

  ……セレン、一つだけ問うていい?
  今の君が思う事そのままでいいから答えて欲しい。

[ 言葉を区切れば息を吐く。
 そのまま彼を見やり唇を開いた ]

  君にとって大切なものは、なんだ?**

 
[ 問題児の世話をすることになった初日。
 相手の第一声を受け、穏便に対応するという心意気は
 早くも諸共崩れ去った。]


  その忠犬に教えられる立場のお前は
  犬以下ってことを認めるんだな?

  ──一応言っておく。
  店長に鉄拳制裁の許可は既に得ている。
  口で言っても聞かないなら、力ずくで教えないといけないからな?


[ 勿論、最終手段という条件つきだが。

  
──甘い! 


  
俺の愛飲しているダブルクリームハニーキャラメルマキアート
withチョココレクション程に甘い!


 クレームが増え、嫌がらせの電話まで増えた段階で
 既に最終段階に到達しているのだ。
 対応に手と時間を取られているのはまぎれもない事実。
 現に、俺も自らの仕事の時間を裂かれている。

 
──当時の俺はまだ若く、青かった。
] 
 

 
   
────はあぁぁっ!!!



[ ドンッ!!!! ]


  
   
[ ガタガタ…ガサガサ……ササ……。 ]



  
何せ俺は犬だから、上手く教えられなかったらすまんな……?



[ 壁が崩れる音が聞こえる。
 壁ドン(物理)を挨拶代わりに。
 こういうクソ生意気な奴は、力で服従させるのが良い。
 
なお、俺はまだこの男の正体を知らない。
]
 

 
[ きりきりと痛む眼の奥に溜まる滴が、
  もし涙だとしたら今らなら流せるのかも。
  
  耳に柔らかな声音が響くたびに、
  揺れる思考は他人事のように涙の存在を自覚して、
  灰と蒼はずっと古城の主を映し逸らさなかった。

  綺麗なものじゃないと綴る言葉の真意に、
  淡い吐息を飲み込んで、困ったように。

  語彙も拙い己では伝わらないだろうかと、
  再び言葉を組み立てようと思考を巡らせて ]
 

 
   でも、主観が違えば世界が違ったように、
   あなたが自分をどう思おうとそう見えたんだ、きっと。

   ……せんぶ見せるのは、怖かった?
 

[ 言葉に含んだ哀切は玉響に。

  夜の怪物の心を蝕む何かが隠したものは何か、
  それを見てみたいと思う興味の発露を、
  全てを諦めていた己にしては珍しく双眸に映し ]
 

 
[ 子供の拙い話を聞いてくれる彼は、
  己を取り巻く世界の悪意に中断を挟まない。
 
  どうしてかなと過るも望まれるままに語り終え、
  終わりを結ぶ言葉に眼を瞠り瞬きを数度。>>$12
  
  生贄も子供もいらないのなら正に無価値でしかなく、
  彼を殺す為だけの機構として扱うのかと思えば。

  想像上のものでしかなかった微睡みを――
  己には赦されなかった憧憬を引き出してくるとは ]
 

 
   …………


[ 外だけ磨かれ内は疵だらけでも、
  辛うじて保たれていた自衛の輪郭が緩む。

  瞳の奥が熱く、痛かった。
  堪えたいのに抑えられない何かで、
  視界が漣立って上手く射抜く紅眼が映らない。
  
  これまで生きるに必要なものは諦めで、
  猛毒でしかなかったものが期待と希望のふたつ。
  己のものなど生命の他に何もなく、それが当然。
  
  だから、人にしか映らない彼に手を伸ばされて、
  人への恐怖に身が竦んだ意識は溶け消えたように ]
 

 
   と……く、べつ…… ?


[ 常ならば受け流せただろう響きに瞬きを幾度か。
  思わず俯いて前髪が異色を隠し、
  繰り返した言葉の意味を噛み締めて息を吐く。

  細やかな震えは肩にも伝播しているだろう。
  その肩に吐息で揺れた空気が触れて、
  びくりと震えた怯えに促され掌が自然と伸びて。

  手に触れた。
  傍らに腰かけたままの冷たい手に。
  触れることを躊躇った自衛を崩されて、
  繋いで欲しいと囀ったあの夜のようにもう一度だけ ]
 

 
 

[ たいせつなものは何か、なんて―― 

 
 

 
   ない、……ぼくには、なにも……
   だって…たいせつなもの……は……


[ 喉が震えて上手く音にならない言葉を辛うじて束ね、
  俯いたまま顎だけを濡らして頭を横に振る。

  静かに訊ねられた答えを、
  己は今までいちども持ってはいなかった。

  生き延びるだけが精一杯で、
  それ以外のものを諦めた身からすれば、
  命というのが最も近いかったのかもしれない。

  けれどこの夜の居城は未来の終わりで、
  そこにすら居場所がないのだと知らされて、
  幕引きのためだけの価値を見出されたと理解して。
  
  従順にその命すら諦めた子供に問う静かな響きが、
  辛うじて保たれた輪郭を崩し、溢れさせたのは何なのか ]
 


   
   ぼくの届く場所には……
   何も……なかった、から……


[ だから、今まで価値がなかったのだろうか。 

  理解は唐突に染み入って唇をきつく噛み締めた。
  幾度も噛んでしまったそこはとうとう壊れて傷ついて、
  鉄錆のような味が広がり――それすら気付かない。

  たいせつなものどころか意志もない。
  正しく空虚で、人間らしさの欠片もない異端の存在。
  
  想いの欠片は人のものではなくとも、
  たいせつなものを知る彼の方がよほど人間らしい、
  そんな理解すらも、今更のようにじわりと広がって ]
 



[ 陽に焼けた肌がひりひりと痛む。
  震える瞼を鎖して留めた滴では冷やすに足りない。

  泣いてるのかな、泣いてるんだろう。
  なんで泣いたのかは、今なら理解ができる―――… ]

 


  たいせつなものが、欲しかったんだ。


[ 諦めたそれは手の届かない遠い夢の中だけれど。
  未来が終わるまでの間の微睡みを許されたのなら。

  生贄でもなく、ただ従うだけの子供でもなく、
  眠る間だけ――今だけは、ただのセレンとして。

  口にすることもきっと許されると信じて ]**
  

[ そうだ。周りに時として支え、時として忠告してくれる
 そんな優しい人達がいたからこそ、
 今のオレ達は存在できている。

 これから先、例え大きな困難があっても
 シロさんと――そして皆となら
 意外と大丈夫じゃないかって、オレも気楽に考えてるんだ ]



[ 性行為の為の玩具など実物を見たことはないが、
 それも準備には入るのだろう
 最も、そこまで辿り着くには時間やら羞恥やら
 壁となりそうだが ]

[ 素股なるものは、別に入ってないのだが
 擦れる股の間やら時折掠める雄やらが
 絶妙に良い塩梅であるが故、別の意味でヤバイ

 快楽初心者である己でも、そのぞわぞわとした
 心地良さに感じ入り、振るではないものの
 腰を居心地悪そうにもぞもぞとよじるほどだ。

 ……シロさんが羞恥プレイと言葉責め好きなら
 今度是非口に出してもらいたい。
 オレは絶対恥ずか死ぬ
 ]


[ 当たり前だがこの態勢でも丸見えと知れば
 ぐわー!と悶えそうである。


 ――しかし、これはやばい


 また達したくなるのもそうだが、
 入りそうで入らない微妙なすれすれ感が…
その…
 ]

[ と、元気になった雄を見逃してもらえるはずもない ]


  ん、あっ、しろさっ、


[ 貴方の雄が、己の裏筋部分をこすれば
 散々出したのに、屹立は立ち上がっていく
 己の精力は、恐らく怪物基準なのだろう。
 (カラ逝きなる未知のゾーンとはまだ無縁そうだ。)


 しかし、直接雄を握られてしまえば
 絶頂は一気に近づいてくる

 よりぐっとシーツに顔を押し付けて、その時を待つ

 ――そして ]



  っ、んんん―――!!


[ 先端を強く刺激されれば
 今宵三度目の白を吐き出すに至るだろう

 ――流石に三度ともなれば
 達した後、意識が疲労からもうろうとし始めるやもしれない
 寧ろ昼間のプールからよく持ちこたえた方だ **]

[誰が悪いかなんて、もうよく分からない。

悪くないかもしれないし、
やっぱり悪いのかもしれない]

[そもそも悪魔に人の情緒を推し量るような
優しさなんてものは残っていないし
残っていたとしても、それを見せる気にはならない]

[───そんなもので済ませると思っているなら

    
        随分とまあ
”見縊られている”


  それは一種の甘えであった。
       それは一種の信頼でもあった。

確かなものが欲しい訳では無いけれど

      不確かなものなんて、
いらない


   
いらない。

     気紛ればかり並べられたって

         
 ──────ぼくは、
]

[独り、誰とも分かち合えないものも
勇者としての使命も宿命も

終着点を知っているから、耐えられた。

 
 終着点の続きを繋がれて

 
 世界は救われた。


   だけど、その世界にぼくは異分子だ。
  生きている筈のない生を、持て余している。



   
────生き延びては、いけなかったのだ。
]



( あなたがついぞ狂い果てた様を見ること叶わなかった
  笑顔の綺麗な珊瑚色の少女を
  止めきることはできなかったけれど
  彼女の眼を覚ませようとして、
  未熟な杖を強く握りしめたのはずいぶん前のこと。 )



[彼は己のことを正反対だとよく言うけれど、
案外そんなことはないと思っている自分がいる。
結局望む未来が一緒なら、行動は違っていても
それは正解への道のりが違うだけ、ってやつでしょう?]

 


[言葉を理解していてもこれまで生き延びた時間は互いに異なる
 つきりと疼く痛みを何と表現すれば正解なのだろうか。
 化物が知る筈のない名前を捨てて黙り込んだ。

 問いかけを一笑
 楽しくもないのに浮かべる表情はどこか壊れているのかもしれない]

  それは、ただの夢だよ。
  目を瞑っていると真実から遠ざかるの同じように。
 
  全てを見せることが恐ろしい――か。
  化物が何を怯える必要があるんだろうね。

  だけど、……見せたいとは思えなかった。
  この手には最初から何も残ってやしないのに。

  ほんの少し、夢を見て現実から目を背けてしまった。
  それだけでこの体に生まれた空洞はあまりに大きかった。

[ただそれだけのことだよ。
 そう語る男の目尻からは、ちっとも涙なんて出やしなかった]


[男にとって少年をどうしてやろうかなど深く考えてやしなかった。
 彼にも彼の意志があるべきで出来うる限り尊重すべきだと考えていた。

 彼の価値観 語られぬ間にどれ程の想いがあるのか
 その全てを耳にしたって正しく理解が出来るとは思えないが、
 気紛れに伸ばした手が触れた
 彼の琴線にでも触れてしまったのだろうか。

 彼の語る言葉は途切れ途切れだった。
 届く場所には何もないと彼は言う
 涙してしまう程届かない場所にある大切なものとは何なのだろう

  それは君にとってどんなものなんだ。

  命というわけでもないんだろう。
  それから君の中でそれは手の届かない場所にあるんだろう。

  君は、人とのつながりを求めているのか?

[そうであるなら男には与えられないものだろう。
 何せ男は人に非ず。それから彼は化物に非ず。
 
 男にとって映る人々はどうしたって憧憬すら抱く、遠い存在だからだ]**

【人】 萩原 悠人


 やっぱり小さい頃の秘密基地は
 それぞれ思い出があるもんなんだな。


[2人の話を聞いて、>>1:@11>>1:203
やはり女性は男同士の秘密基地からは
締め出されてしまうのかなとか、
樹上に秘密基地があるのはすごいなとか。
そんな感想を抱く。
さらりと話してしまった施設のことも
特段気にせず聞いてくれるのも助かった。
別に何か言うふたりではなさそうだと
判断したからこそこうして話したのだが。

それにしても、細身に見える彼女が空手を
習っていたというのは意外だった。
確かに女性ともなれば狙われることも多いだろう。
けれどだから習うと、実際に行動を起こす人は
あまりいないのではないだろうか。
後に続いた弟の件で納得はしたが>>1:204
少し間を置いて、似てんのかな?と思ったのは内緒だ]
(61) 2019/04/16(Tue) 15:19:47

【人】 萩原 悠人


 名前、そんな褒められ慣れてない?
 意外だな。いい名前なのに。


[照れると話す彼の言葉に>>1:@12
軽く笑いながらそんな問いを返しつつ、
逸らされた瞳に少しだけ笑みを深めた。

そんな話をしていたら、彼女の歳について
思いがけず聞くことになって。
聞いた歳につい驚いた顔を見せた]


 マジかよ、それで35?
 全然見えないっていうか……すげぇな。


[最近は30くらいが結婚する歳じゃなかったか?
なんて思うので、遅いとは思わないが。
しかし、すごいしか感想を述べられないのは
確かだった。
別に若く見せようとしているようには見えないから
顔の作りが幼いのだろうか。
……なんて、少し失礼なことを思いつつ]
(62) 2019/04/16(Tue) 15:20:09

【人】 萩原 悠人


 はは、大丈夫だって。
 弟や妹なんてのは、いつの間にか
 自分の知らないところで
 大きくなってるもんだよ。


[大人になって欲しい。>>1:208
そう話す彼女に笑い混じりに伝える。
うちの子達がそうだったように。
いつまでも小さいと思っていたら
いつの間にかお兄ちゃんの助けになりたいとか
もっとやりたいことをやって欲しいとか。
そんなことを言い出すものだ。

兄としては寂しくとも、嬉しい成長。
だから、放っておいても大丈夫なのだと
そんな気持ちを込めて。]
(63) 2019/04/16(Tue) 15:20:20

【人】 萩原 悠人



[愛していた女の子«妹»でさえ、
気が付けばもう立派な女性に成長しつつある。
いつまでも小さい子のままじゃない。

守ってあげなければと思う一方で
いつかは手を離さなければと思うほど
彼女は彼女を引き取った夫婦の元で、
もう立派に育っていた。

会って抱き締めてあげたい。
よく育ったと褒めてやりたい。
───そんなこと、出来やしないけど]


 
(64) 2019/04/16(Tue) 15:20:44

【人】 萩原 悠人


[そして話は彼の悩みのことへ。>>1:@21
結ばれたふたりへのプレゼントなんて
正直思い浮かばなくて、2人の話を
聞く方へと回る。

そんな時、彼女の提案したペア物>>1:210
なるほど、そういうのがいいのか。
なんて恋人がいるこちらも納得してしまう。
彼もその案が名案だとばかりに話すから
多分それで決まるだろう。>>1:@42>>1:@43

そういえば、店に来ていた常連の子も
同じものを欲しがっていたっけ。
それと似たような感覚なのだろうか。
……なんて考えて、ふと。


あの子も同じものとか欲しいのかなと、
そんな思いが頭を過ぎった]
 
(65) 2019/04/16(Tue) 15:20:59

【人】 萩原 悠人



 ……俺は悩みがないって言ったけど、
 恋人に寂しい思いとかさせてる時あってさ。
 なんつーか、もっとなんかしてやりたいって
 そう思ったりはしてんだよね。

 今は前の仕事辞めてちょっとは安心させてやれてるって
 勝手に思ってるけどさ。

 なんか他にしてやれること、ないかな。


[ホストはやめた。店の常連客の連絡先も消した。
けれどそれだけで安心させてあげられるとも思ってない。
もっとちゃんと、安心させてあげたい。

自分が彼を愛しているのだと教えてあげたい。
……あの頃愛した妹よりも、ずっと。

けれど、好きな相手と付き合うというのが初めてなもので。
実際どうすればいいのかまでは思いついていなかった]*

 
(66) 2019/04/16(Tue) 15:25:00
萩原 悠人は、メモを貼った。
(a7) 2019/04/16(Tue) 15:27:01

  
   夢はね、抱くことは無かったから。
   眠る夢を見ることも殆どなかったから。


[ 俯くままに綴る言葉は不安定に揺れて、
  淡々と続く彼の世界に鑢掛けされる錯覚に息を吐く。
  
  繋いだ掌は冷たく遠い。
  繋げて理解した感覚はきっと正確なのだろう。

  “己の手にも何もなかった” 

  知って居たはずで認めていた筈のそれに、
  まだ何かが残されているのかもしれない空想を。
  何もないことを理解しきって、
  ふふ、と笑う顔は恐らく柔らかかっただろうか。

  俯いた顔は誰へも見せないけれど。
  今だけは目を背けていた現実を口にする子供は、
  何もなかった空洞に虚ろな笑いを溢すだけ ]
 

 
   人との繋がり……じゃないと思う。

   誰かがぼくに手を伸ばす時って大抵殴る時で、
   近付かれるたびに怖くて仕方なかったから。

   人は怖いもの。
   その繋がりなんて欲しくはないよ。
   

[ 自ら繋がれて大人しく従えば、
  少なくともその間は殴られないというだけの自己防衛。

  夜を泳いで売られた日も、
  生贄化粧に縛られ城に置き去りにされた日も。

  そうして異端を見せ付けるように、
  牙持つ夜の怪物に己をものだと云ったのは。

  そういうことなのだろう、きっと ]
   

 
   ぼくはモノだったんだ、今までね。

   大切なものなんてないから、
   自分にとって何が大切かも分からない。
   
   だからそれが欲しかっただけの、
   心のない怪物みたいなものだった……それだけ。


[ 繋いだ掌をそっと解放し、
  視線は交わらないままに椅子から辞して足は床の上。

  借り物の服に靴。
  己のモノなど何一つなく、子供はただ唇で笑うだけ。

  足元に控えていて見上げる狼だけは、
  流した涙がもう枯れたことを知るだろうけれど ]
 

 
   ただの夢を見たかったのかもね。


[ 真実から遠ざかる夢を。
  許されないその行為を、幾夜の間だけでも。

  拒絶も、独りも慣れている。
  疵は刻まれ続けてその痛みすら笑って流せる。

  虚飾であってもそれは身を護るための鎧だった。
  他人が己を侵すことから守るための唯一のもの ]


   セレスに会おうと思ってたけど
   やめた方がよさそうだね、あなたを見ていると。

   彼女の想いを綴った日誌を返すべきかなって。
   あれはぼくなんかが触れていいものじゃなかった。
 

 
[ 日誌の場所は知っているのだろうから、
  己の諦めを城の主たる彼に告げて笑いはそのまま。
 
  ただ、彼が口にした言葉が真実だとするなら
  かれの孤独を埋めるには、互いを知らなさ過ぎて ]

   
   貴方の傍にしか居場所はなかったけれど
   貴方の傍にもぼくは居場所がないように思うんだ。

   生贄も気味の悪い子供も要らないなら、
   話すたびにぼくが要らない子だと知られてしまうから。

   
[ 相互不理解の螺旋が続く限りはきっとこのまま。
  ならば要らない子のまま彼を殺した方がきっと楽だろう。
  
  今なら恐怖に怯えることなく、
  彼を殺した後に自ら心臓を突くことも出来る気がして ]
 

 
   でも、貴方が知りたいことは全部見せる。

   ぼくには最初から何もなかったけれど、
   モノでしかなかった僕が怯える必要なんてないし。
   命も大事なものじゃなかったって理解したからさ。


[ 焼き直しの言葉に悪辣さはなく、
  彼が望んだただのセレンという子供らしく素直に。

  彼の知りたいことが尽きた時、
  きっと終わりの時間が来るのだろうと予感しながら ]**
 

[羞恥と時間と、あとは知識か
玩具やらと少しばかり斜め上な準備に
たどりつく日はいつになるやら

何にせよ、君は素股というものを学び
私は君という存在はとても快楽に弱く
そしてかわいいことを再度確認して

敏感であり、頬を、肌を上気させ
色づき魅了して止まぬ、そんな君を
汚す背徳感と、腿の弾力
狂おしい位に、気持ち良い

 さて、私が言葉責めが好きかというとそうでもない
 君の反応がかわいいからつい、揶揄したくなるのだ
 それを一般的に言葉責めというとは私は、知らない

 なお、羞恥プレイに関しては否定させて貰おう
 今恥ずかしいのはほら、君だけだし。ね?]

[しかし、君は若い。年がというか、体力がというか
そんなところもまた、愛しいのではあるが

己の名を呼ぶ君に。どうした、と囁きつつ
手は君の絶頂を促し、君の雄を弄び

高く甘やかな声とともに、君が頂に達すれば]

 
 …… っ

[数瞬息を止め、こちらもまた精を君の腿に
吐き出すに、至るであろう

ぽた、と君の背に汗が滴り落ち
息を吐けば精魂使いはてた君をじっと、みやる

腿を自身の精で汚す君。なんともそそる光景では、あるが
一度、君の頭を優しく撫でた後]

 このままではいかんよ、なぁ


[寝てしまいたいが、性交は後片付けまでが性交です

衣類を整え、果てたものをズボンにしまい込んだ後
少し待っておれ、と
布団をかけて寒さを感じさせぬようにしたあと
シャワールームへと足を向かわせ、
タオルをお湯で濡らし、君の体を清めていこう
勿論君の雄も、腫れぼったくなったであろう窄まりの周囲も
白で濡れた内股も、だ


……ある意味これも羞恥プレイ?いやいや、そんなばかな
*]

[ 今度ばかりは、互いに達することができた
 太腿にかかる熱い液体に、また羞恥に駆られそうにもなるが
 それよりも満足感と高揚感が僅かに上回ったか ]


[ ……そして、若いといっても限度はある。
 例えサーヴァントであっても、
 交わりは戦闘以上に精魂使い果たすのだなと
 また一つ、勉強した巨人さんだ。

 しかし、眠い。とにかく眠い
 このまま夢の世界へとダイブしたくもなるが
 その場合間違いなく翌日大変なことになるだろう
 (主にカピカピ的な意味で)


 …とはいえ ]



  し、シロさん!オレ一人でもできるから!!


[ ちょっと待っていろと言われ夢見心地数分
 戻ってきた彼が己の身体を拭いてくれたのは嬉しかった。

 ――嬉しかったが、流石に赤子にするように
 後ろまで拭かれそうになったのは盛大に慌てもしたか

 …しかし、何だかんだで腕も満足にあげられぬ
 倦怠感の中だった故、その抵抗は彼でも
 躱せるものだったかもしれない。

 ――翌日、悶える内容がまた一つ加わった ]

[ そうして、己が大分清められた頃には
 心地良い眠気の中にあっただろう ]


  ――シロさん。ありがとな
  もっと、いろいろ話したい、けど……


[ うつらうつら
 いつもより夜更かししてしまった巨人さんは
 もうすぐ意識も落ちそうだった *]

 遠慮せずともよい。
 疲れているのだろう?私に身を、任せて。

[慌てて、夢見心地から目覚める彼に
淡々と告げて。拭くのは止めない。

ほら腕も満足に上げられないではないか
ならば私がすべて清めるから。ほら
力を抜けとばかりに、温かい布は
君の体を隅々まで、清めてゆくだろう

果てたのは攻め手であり先程の一度だけの私と、
昼間溺れたりなどしつつ、受け手で3発も達した君
たとえ基礎体力に違いはあれど、
抵抗を躱して綺麗にすることは可能であったろう

大丈夫だ、その悶える姿も愛らしい]

[ということである程度綺麗になった君
生まれたままの姿で、うつらうつら

乱れたシーツの上。汗や散った君の白濁はしみ込んではいるが
寝れぬほどぐっしょりなことは、ないだろう
とはいえ、出来れば。綺麗な褥で
ゆっくりぐっすり眠って欲しいものだから


うん、距離も近い。いけるな]


 そうか。眠いなら目を閉じておれ。


[告げれば、君の脇と膝裏へと手を差し入れ
よいしょ、と抱き上げて隣の
綺麗なままの私のベッドへと君を移そうか

大丈夫。私も英霊。これくらいでぎっくり腰にはなるまいて]

[流石に汗だくの私が、彼の傍で寝るのはまずかろう

ということで、うとうとしている君に
お布団ぽんぽん、かけて
シャワーを浴びに行こうと、よいしょと腰をあげるのでした*]

[ 羞恥心が顔出したって
 シロさんのイケメンな言葉
 不覚にもときめいてしまえば、オレの抵抗なんて
 儚いものだ。くっそう……


 (でも、シロさんに全て委ねてしまうのは
  確かにこの上なく心地良い。

  …このまま依存して、ずっと堕落したいくらいに)



 ――それでも、シロさんに任せっきりは
 オレのプライド的にも許せないので、
 やっぱりリベンジしたいなァ、とも思うオレだった ]



  ……うん


[ 眠いなら、と言われてしまえば
 遠慮なくその目を閉じるだろう。

 暗闇の中、ふっと浮遊感を覚える
 最早感覚があやふやなほど意識が無い

 ――姫抱きされたと知れたなら、それこそ
 惜しいことをしたと、意識なきオレに
 翌日以降のオレは憤慨しただろう ]

[ ……そういえば、オレは今日もまた
 シロさんの寝顔を見れなかった。

 いつか、三千の世界の烏が絶滅するより前に
 貴方の穏やかな寝顔見て、眠りにつけたらと
 夢の中に、そんな小さな想いを連れ込んで


 ――まァ、翌日盛大に寝坊して
 シロさんの寝顔はまだまだ見れずじまいな訳だが *]

[愛しい君が眠りに落ちたのを見届けて
シャワーを浴びに、その場を去る足音が、1つ

衣類を脱ぎ捨て、頭から湯を浴びて
獣慾を押し流す様にして]


 ……触れてしまうと、駄目だな
 歯止めが効かなく、なりそうだ。


[可愛かった。愛しかった―――もっと
溺れて、仕舞いそうになった
そうすれば、負担がかかるから耐えた。
そう、耐えるほど君は魅力的だったのだ]

[結ばれた幸せと、今更になって訪れる羞恥
こんな顔、見せずに本当によかった。と

風呂の中でずるずると、壁に凭れて天井を見上げる]

(そんな私は、初心者な君が
リベンジを狙っていることには
まったく気づいていないのだが

プライドに火をつけた、ことも)



 此方が世話をする、というのも
 よいもので、あるな。


[小さく、思い出し笑いをして
―――シャワー室からそろそろ退散だ]


[ 古城を訪れた子供達は沢山いた。
 親を失くしたり、兄弟と生き別れたり
 様々な境遇の子供達がいたと思う。

 哀れんだら良いのだろうか。
 彼の語る不幸に対して思う。

 同情は別段と望んでいなさそうだと見えるが
 どのような反応を求められているのか
 男には分からず、不当な扱いの果て
 自身すらもモノだと自負する彼に対し ]

  ……そう。
  俺では君に教えてあげられないね。

[ 離れた手を追うこともせず、
 彼女の日記を目にした彼に笑う。
 あれもどれも
 彼の言葉に不満が含まれているような気さえした ]


  君が見たくないのならば見なければいい。
  知りたくないものを知る必要などない。

  話す度に君に拠り所がなく思えるなら
  話す必要などないね。

  俺はこれでも君自身と歩み寄ろうと考えて
  その結果言葉にしただけだけど……。

[ 腰掛けた椅子から立ち上がる。
 跪く事もせず見下ろしたまま続けた ]

  知る度に要らない子になるんだろう?
  なら、知らないままでいい。

  君はさっきから何に嫉妬しているんだ。

[ 見せるならば見せてみろと双眸を眇める ]**

[体をふいて替えのシャツとズボンを着て
ベッドの方まで戻れば、君はぐっすり夢の中

その無垢な寝顔が可愛くて
かわいくて、愛しくて
暫しは、その茜色を撫でていたけれど

このままだと再び悪戯を開始しそうなので
名残惜しく自分はソファに寝っ転がって朝を迎えるのだ


勿論、君が目覚める頃には
私は部屋のソファに座っている]


 おはよう、よく眠れたか?


[と、声をかけるのも常のように]

 朝食はケータリングとやらを頼んでいるから
 部屋で食べよう。疲れているだろうし
 今日は午後から遊びに行こう。

 さて、げぇむせんたぁと、映画館とあるが
 どちらが、いいかね。

[と、褥に未だ体横たえる恋人に
るる〇を取り出して尋ねる
そんな私が、いるのである*]

[ 貴方が、水の流れに未だ残る獣慾を流していたと知れれば
 オレはどう思ったのだろう。

 ――でも、一度灯った再戦誓う心の火は
 今度こそ彼の理性溶かそうと、奮闘するんだと思う


 "愛"とはつまり、そういうことだ]

―翌日―

[ 何分、己が起きた時、彼は既に目覚めソファに座っていたから
 彼と共に寝たのか、それともソファに追いやってしまったのか
 そのことすらわからなかったのだ

 一緒に寝れなかったことを知れば
 「共寝するんじゃなかったのかよ!」と異議申し立てしたかもだが ]


  へへ、おはよーシロさん


[ ――昨晩の魅了が未だ残っているのか
 寝起きの挨拶する己は、その幸福から
 何時もより何割か増しでぽやぽやしていたのである。]



  そうだなァ…昨日は色々疲れたから、
  今日はのんびりしたいかもしれねェや


[ なら映画館かなァ、と二択の内一つを選ぶ
 ゲームセンターもかなり楽しめそうだが、あそこは少し
 騒がしいと聞いたこともある。

 ――昨日から、胸に残るぽかぽかとした暖かい幸せを
 今日はゆっくり反芻したいなと思うオレなのであった]


[
このステータス異常(?)が途切れたあたりで
 漸く昨晩の"おたのしみ"を悶えるコースに入るのかも、だが


 今はにへらと阿呆みたいな笑みで
 朝食を楽しみにしていようか *]

[君が意識を闇に溶かした後のことは
起きていた私しか知らぬ、こと

君の寝顔に、常と違い色が仄かに宿っていることも
私しか、しらぬことだ

とはいえ、再戦誓う君の心があるのなら
無論受けてたとう、とするのであろう
奮闘する姿もまた、愛いものだから

”愛”とはつまり、そういうことなのだ]

― そして翌日に ―

[知られなければ共寝でなくても問題はないな
と、思うずるい大人が、ここにあり]


 うむ、おはよう、クガネ。
 ゆっくり眠れたようで、何よりだ。


[ほんわかな様子に、緩く目を細めれば
口元に運ぶのは、鮭の切り身
朝食はきちんと食べる派の私であるが
果たして君は食べれるだろうか
一応、慣れたものの方がよかろうと
君の分は洋食のものを頼んでおいたの、だが]


 そうか、では映画館、にいこう。
 クガネは……このアニメとかいうのがよいのか?


[確か漫画とやらをみているからな、と
猫型ロボットやら電気鼠の冒険が乗っている欄を見せる

そこでラブロマンスやらが出ないあたり
完全に子供を見る保護者の図である
おかしいな、初夜を迎えた恋人の
甘い雰囲気のはずなのにな?]

[たとえそれが屁理屈こねた結果だとしても、
少女が本当に願ったものではないとはしても、

"人間"のまま死んでいったのは確かだ]

[今の少女をなんと形容するのかは知らないが、
この世界から逸脱した存在であることは確かなのかもしれない]


 ( ………だからこそ、 )


[だからこそ、―――…]

[とはいえ、君の方が甘くぽかぽかと
しているのならそれで構わない私は

(ステータス異常が解除された際に
 どたばたがあるかもしれないが、さておいて)


ホテルの従業員さんの運んできた朝食をすすめつつ
さて、どのような映画が見たいのだろう、君は
そう言いたげに、映画の種類の欄が載っているページを
君に見せるので、あった*]



 [ 何者でもなくなったおまえは、

       ようやく愛した世界を見つめられるんだろ? ]



[
「ぬしと共寝がしたい」って言ってくれたのは
 シロさんじゃないか!などともし知れたら
 告白のことを持ち出してまで突っついたかもしれない


 ――とまァ、それはさておき
 シロさんが和食を食べる中、オレは洋食を頂いている。
 ふわふわしてる時でも食欲は健在なのか
 パンにかぶりつき、ベーコンやスクランブルエッグ頬張るオレは
 シロさんより早くに食べ終えてしまうだろう ]


  アニメか…うん、面白そうだしオレもそっちが良いや
  オレの知ってるまんがの奴とかあるかなァ


[ 完全に保護者チョイスなシロさんに対し
 オレも完全なる子ども目線で楽しめるアニメを優先してしまう
 初夜の翌日って、これで良いのかな……

 ――とはいえ、ラブロマンスは
 この幸せな現実を前に、少し霞んでしまうかもだが 
]



  そうだなァ。青狸も電気鼠も日ノ本じゃ超有名人らしいし
  どっちも見てみたいけど……

  強いて言うなら、親近感感じるし電気鼠の方かなァ


[ 同じ雷属性の好みか、軍配は黄色鼠に上がる
 なお、後に電気鼠は"あにめ"でなく"げーむ"出身なのだと知れば
 後学のためにげーむに手を出すことを検討する巨人がいたとかいないとか。
サブカル化がすすむすすむ


 いずれにせよ、朝食が済めば午前の間はゆるりと過ごすだろう
 ――彼が良ければ、一緒の布団でごろごろしようぜーなんて
 だらけきったふわふわな誘いがあったかもしれない** ]

( その静謐なこころが
        波紋のように揺れていても )


  ────……………。


[怠惰で道化。
この悪魔の同情は心地良かった。

  心地良かったけれど浸かりきれもしない。]

[分かっていた。気づいていた。

世界の恩恵を、人間の身体で引き受けて
そう、

世界を慈しむなら精霊へと化すか

世界を恨むなら魔へと堕ちるか


   元よりそんな風に定められていた。
   半端な存在でいたツケ。

 高慢な大精霊がおのれを
 見逃した理由に気づいたのは、最近だ。]



        ・・
 (  だって、そこばかりは同じだろう?  )


 




(  ─────── ………  )   

 



[ あの惨劇から数年の時が過ぎた頃。
  ついさっき“ 僕 ”の読んでいたあの新聞を
  たいそう騒がせる事件があった

  
『 魔法族の不審死多発事件 』


  まるで死の呪文でも掛けられたみたいに、
  なんの外傷もなく、なんの脈絡すらもなく、
  立て続けに魔法族たちが命を散らしてゆく。

 
    マグルのコメンテーターは連日のように
    
原因不明

    “ 心不全 ”による不審死に理由をでっちあげ、
    ノートに名を書いて人を殺したと嘯いても
    驚かない、などと笑えないジョークを零す。 ]

 



[ 日刊予言者新聞には毎日のように、
  謎の死を遂げた犠牲者の名が列をなす。
  その内訳はホグワーツの関係者が多数を占め、
  イギリス魔法界は多大な混乱に包まれた。


     …… 紙上の知った名をなぞっても
     今度ばかりは、彼らはもう還ってこない。 ]

 




 (  …… 蘇りの石は、
    永く死者を繋ぎとめられるような
    死を制する秘宝ではなかったんだな  )


 
      
覆魔法薬、盆に返らず

[ “ It's no crying over split hellbroth. ”

  マグルよりは融通が利いても、変わらない摂理。
  得心とともに、細く長く息をつく。
 
  覚悟は僕なりにしていたつもりだから、
  何が起ころうと最後まで見届ける心算だった。
  ……けれど事態は、予想をはるかに超えてゆく。 ]

 



[ 『世界』が一つきりじゃないなんて、
  こんな事になるまで、ちっとも知らなかった。
 
  ほんの少し選択肢を違えただけで
  たとえば勇敢に闇使いと戦った魔法使いが、
  逆に、闇の魔法に身を浸す事すらあるなんて。
 
 
  そうしてみるみる生い繁る枝葉のうち、
  可能性なき世界は、幹から落とされ消滅する。
  “ 剪定事象 ”と呼ばれる世界がそれであり、
  僕らの世界は、袋小路に至ってしまったのだと。 ]

 



[ 英国魔法界の礎たるホグワーツといえども
  ネットワークが著しい混乱を来してしまったら、
  闇の魔法使いの支配には、むなしくも抗えず。
 
 
 
───── 滅びが、すべてを覆い隠す。

 
  魔法界も、非魔法界も、誰も彼もことごとく。
  空はとうに、闇の印の髑髏に塗りたくられた。
 
  闇祓いといったって、予言に名を詠まれたって、
  こんな時に役に立てなきゃなんの意味もないのに。
  同志たちばかりが、儚くも命の花を散らしてゆく。 ]

 



[ 
あの惨劇と同じように、
数多の骸が山となり、
  それでもなお、立つ者すべて殺し尽くそうと。
  耳につく嗤いとともに杖腕を振る死喰い人へ、 ]



    (  Expelli ──────  )



        
 僕の十八番

[ 思いっきり『武装解除呪文』を見舞おうとして。 ]

 



[ ────── ぱきり、と。
 
  何かが割れるかのような音を聞いた。
  姿現しの時のそれにも似ているけれど、
  ずっとずっと焦燥を煽る、身を裂くような異音。 ]

 


   (  それは、世界の“ 終わり ”の音だった。  )**



 



『 ステージと法廷……
  舞台は違いますが、共に頑張りましょう。

  無事に終わったら
  霜降り肉食いに行きましょうね!! 』


[己の昇級まで喜んで貰えたことが、嬉しかった。

――結んだ約束が彼の重荷となる日が来ることなど、想像もせずに。]

[気付くのが遅れたのは出張期間中だったせいもあった。
反応がなくとも、彼なりの妙な気遣いとばかり。

頼りがないのは元気な証拠だろう。
落ち着いた頃に、初主演の感想を尋ねよう。
そう、楽観的に捉えていた。

例の諦めの悪い女性団員から、彼まで質問攻めにあっているとは思わなかった。
個人情報を保護してくれた事を知ったなら、心底感謝した。
彼女からのメッセージ群には、法廷まで押し掛けて来かねない鬼気迫るものがあった。


舞台というものは、決して一人では作れない。
たとえ主役を張れる程の才の持ち主であったとしても、だ。


脚本家。演出家。演技指導者。振付師。
音響。照明。小道具大道具。背景美術に衣装係。
演者も、メインから端役に至るまで。

一つのカンパニーが一致団結して、劇場に観客が入って、初めて舞台は完成する。
何一つ欠けても成功はない。

彼女主演の舞台は、主演一人の舞台だった。
その他の出演者とスタッフは愚か、観客までもが置いてきぼりだった。

――今、『大勢の人に支えられて立っている』ことを身に染みて感じ、心から感謝出来る彼ならば。
きっと素晴らしい主演俳優となれるだろう。]

[何故だろうか。
彼のやることなすこと、全てが癪に障っていた。

どうしてこんなに心がざわつくのか。
自分でもよく分からなかった。
可能な限り関わらないようにしていたし、相手からの心象が悪いだろうことも予想がついていた。

当時の僕は、人との交流を軽んじていた。
むしろ馴れ合いを避けてきた。
そもこのカフェでバイトを始めたのは、課題の為。

僕の歪んだ性格を見抜いた教授から薦められたプログラム。
端的に言えば『性根入れ直して来いの刑』。

ところが僕には、残念なことに自分の何が悪いのかさっぱりわからなかった。
信条は「正論を正直に言って何が悪い」。
故に、仕事の能率よりも客への忖度と仲間との絆を重視するような彼の方が手厚く扱われていたことが、不愉快だった。

今思えば、単なる醜い嫉妬心。

己には持ち得なかった能力――自分ではなく誰かの為に懸命になれる力を、ヴィクはごく自然に有していた。
そんな彼に対する苛烈な羨望と、己の能力が思うように認められないことに対する葛藤、焦り、屈辱感。

一方的に目の敵にしていた相手が、わざわざマンツーマンで己を指導しようというのだ。
僕からすれば、飛んで火にいる夏の虫。
ここぞとばかりに日頃溜めていた対抗意識が爆発してしまった。

そう。当時の僕もまだ幼く、青かった。
]



  やれやれ。良く吠える犬だ……、
  おまけに癇癪持ちの乱暴者と来た。
  どうやら飼い主の躾がなってねぇようですね。

  許可を得ないと何も出来ない上、
  暴力で解決しようとする。
  これだから馬鹿は困ります。


  お生憎様。
  貴方に教わることなんて何もありません。

  僕の方がずっと優秀ですから。


[彼がダブ……
なんだって???

その名を聞いただけで胸焼けして来そうな呪文を唱えねばオーダー出来ない飲み物を愛飲している、なんてことは知らない。

もし知ったなら、あの頃の僕は
「そんなもん愛飲するから
 年がら年中貧乏なんじゃねーですか。」
そう言ってまた彼を煽ってしまっていたと思う。]

[客数が増えれば、クレームは当然増えるもの。
それだけ店の人気が上がったという事だ。
万人に受け入れられる店など殆どこの世に存在しない。

現にクレームと同じ数だけ、
店員さんがすっごくかっこよかったです♡

なんてメッセージも届いているのは見た。

理不尽なクレームは受け止める素振りで無視すれば良いだけだし、嫌がらせの無言電話には偽計業務妨害罪が適用される。
通報して罰金をふんだくってやればいい。

不要な箇所に労力を多く割きながら、肝心な箇所は手間を惜しんで何もしないというのだから、はっきり言って馬鹿だ。
間違った事は言っていない。

後輩指導も仕事のうちだろう。
つまり別に彼の仕事時間は裂かれていない。
店長に頼まれたのならば、尚更。

正社員でもない彼にしか出来ぬ仕事があるような店なら、潰れるのは時間の問題だと思った。]



  …………っ!!


[目にも止まらぬ速さで相手の腕が耳脇を抜けた。
轟音と共に、パラパラと何かの崩れる音がした。

背筋を冷たい汗が伝う。
並の人間にやられるような軟弱者ではないと自負していたけれど、壁ドンされた瞬間に吹いた頬の切れそうな旋毛風は、人の起こせるものではなかった。]


  …………器物の損壊にも
  許可は降りてるんですか?

  職場環境配慮義務違反、使用者責任違反、
  安全配慮義務違反……、
  脅迫罪も適応されますかね。


[思い浮かんだ法律を適当に並べながら、瞼を持ち上げた。
相手の方が10センチ以上も背が高かったから、どうしても見上げる形になってしまう。
奥歯を噛み締めながら、ピンクに近い赤紫の双眸で、碧の瞳を精一杯冷ややかに睨み付けた。

真正面からまともに彼の顔を見たのは、
その時が初めてだったように思う。

――成程。
役者を志しているだけあって、端正な顔立ちをしている。]



  ……問題ありません。
  最初から何も期待してませんから。


[腕からすり抜けて彼に背を向けながら、制服に落ちた塵を床に払い落とした。
そう簡単に僕を服従させられると思うな。


これが世に言う『壁ドン』か。
こんな物騒なものに心踊らせるなんて、世間の女性陣はどうかしている。
身に迫った危機感をときめきと錯覚しているだけだろう。

所謂吊り橋効果。
これは防衛本能から来た生理現象だ。

――と、
早鐘を打つ心臓を抑えつけながら僕は思っていた。


かつての僕がもし今の僕を知ったなら、
「どうかしてしまったようですね」なんて言うに違いない。

今の僕は、かつての僕にこう言いたい。
そこを代わってくれ
」と。]

 
   ありがと……でも、そうじゃなくて。

   ぼくには何もないことが分かったから、
   それをぼくは理解したからもう怖がる必要がない。
 
   つまりあなたの望むことを、
   今なら何でも出来る気がするってことだよ。


[ 怪物と自認する彼が、
  人を怖がった子供に返す言葉に瞬いて、
  己の語彙のなさに眉を寄せながら言葉を落とす。

  人との繋がりなど、求めてはいなかった。

  今、目の前にいるのは夜の怪物で、
  人と変わらないと訴えはしたものの――
  その価値観を、現状、揺るがすことが出来ないならば ]
 

 
   ただ怖かっただけなんだ、
   ぼくには何もないのを認めるのを。
   貴方にも、全て知られてしまうのを。

   夢を見るのも恐る恐るだったし、
   怯えて逃げて、ただ生きただけの子供に、
   歩み寄ろうとしてくれたのは、嬉しい。

   でも、ぼくが歩み寄るべきなんだよね、


[ 見下ろす視線に応じて顎を上げながら、
  落ちて来る言葉の一つ一つをゆるりと噛み締めて。
  
  嫉妬、の言葉に瞬いて、首を傾げる ]
 

  
   何もかも、かもなだったのかな……
   大切なものを持ってる貴方を羨ましいと思う。
   
   その大切なものに繋がった根源が……
   セレスが、眠る場所へ行ってぼくが会うのは、
   貴方の大事なものを土足で踏み荒らす気がして。
   

[ 顔を上げたまま、掌を上げて眼前の胸板へと添えた。
  冷たい夜の鼓動は触れた掌に伝わらないのだろうか。
  それでも指先は心悸を促すべく、トン、と柔らかく叩き ]
 

[確かに共寝はしたい。が、今同じ布団に寝たら
朝まで寝かせないコースになっていたと思うんだ
などと、供述している。閑話休題

食欲があるのは良いことだ、と
緑茶を啜りながら、君の旺盛な様子を眺める
自分の方が先に食べ始めたのに、遅く食べ終わるのも
いつものことで、ある]


 ふむ、君の知っているまんがのもの、というと「
 ……名探偵?くらいではないだろうか。


[体は子供頭脳は大人、だったか
とはいえレイシフトした時期はその映画が封切りになった頃だ
きっと大勢の人込みとキッズたちであろう
よりかは、リバイバルのこの2本がゆっくりと
見れるのではないだろうか。身長を気にしないで
と、考える保護者の図である

いいんじゃないかな?2人楽しめれば]

 
   彼女の墓所への鍵を教えてくれたことは、
   墓荒らしへの道標だと思ったんだけどね。

   貴方が人のように生きたいと願うなら、
   その人の心が痛むようなことはしたくなかった。

   それに、ほんの少しだけ。

   日誌の彼女を読む限り、
   会えばあなたを殺せる勇気が挫けそうかなって。
 
 

 あい、わかった。ではこの電気鼠のものを
 見ようか、クガネ。

 ……着替えは1人でできるか?

[腰は大丈夫かな、と
ご飯を丁度食べ終えた、椅子に座る君の背を
一度すっと撫でる
椅子までは歩けていたが、やはりどこか
ぎこちない気がしたものだから

さて、電気鼠がげぇむの世界の出自と知って
げぇむに手を出す様子が、後のカルデアでみられたなら
さぶかるちゃぁとはすごいのだな、と感心しながら、
小説で付き合うのいろはをお勉強する
私がいることでしょう

さて、午前はゆっくりベッドの上
ならばとふわふわの雰囲気な巨人さんのお誘いに
たまには朝寝も良いものだ、と
ころんと隣に寝転がる

眠気はこないものの、こうしてともにいられる幸せは
何にも代えがたい、ものだ]

[指が君の前髪を撫でれば、
茜色がゆるく巻きつき、離れて

そのことに小さく目を、細めた**]

 
[ 眇める眸に笑ってみせるもぎこちなく、
  笑顔ってこんなに難しいのかと自覚ののちに。

  暫し思案の間を置いて、視線を泳がせ窓へ向く。
  陽が落ち夜の帳に包まれた闇を見通すことは出来ずとも、
  けれど方向は、子供を切り売りする村の方角だった。

  彼の古城に贈られた子供たちがひと時の故郷とする、
  闇深い――村の名は興味がなかったせいで憶えてないが ]
 


   ニクスさまはセレスやぼくたちの村を……、
   住んでた場所のこと、あまり知らなかったんだよね。

   なら、ぼくらの住んでた村を、
   夜の間にこっそりと見に行くのはどう………?

   案内はできるよ、貴方が興味があるなら。

   ここに来ることが決まった子供のお墓があるし、
   どういった場所で育ったかもぼくの言葉より伝わりそう。
   順番がくるとお墓がつくられるとか、
   どういう場所だったかなんとなく分かるかもだけど。
 

[ 彼が移動する手段を持つか否かで、
  散策に出るにしても今すぐか明日か未来か。
  その選択の権限は己にではなく、彼にあるのだろうけれど]
 
  


   それとも、日々を変わりなく、
   陽と夜を越えて恙なく過ごす方が互いを知れる?

   でもそれだと結局、
   他の子供たちと変わらない気がするから。

    
[ 結局の所、伝えたいのはひとつだけ。
  綴る言葉の逡巡を夜に融かして躊躇いを脱ぎ捨てて ]
   


  ――ひと月。

  区切らないと貴方もきっと苦しいだろうから、
  知る為に過ごすひと月後にもう一度だけ聞かせて。

  それでも、ぼくに、殺してほしいのか。 **

 




[昔は勉強が楽しかった
知っていることが増えて、出来ることが増えて、友達や親に自慢したりもした

けど楽しくなくなったのは
それが競争に置かれてからだ
親の意向で放り込まれた戦いの世界
どれだけもがいても、上がいる

順位や偏差値が上がろうと
「もっと出来る。今度は1位を目指せ」
なんのために勉強しているんだっけ
テストで1位を取る為なんかじゃないよね?
そう自問自答した事は、数えきれぬほど


“争い”
……彼女にこの言葉は向いていない]


 


[レギュラー争いなんてどうだっていい
彼女は普段からよくそんなことを話していた

限られた練習時間で周りを見ることはできなくて
戦えるのは常に過去の自分だけで
今日はスタメンで使ってくれた
次の日はすごい投手からヒットを打てた
その達成感が1番の楽しみだった



そんなのはホントは言い訳で
競争社会に疲れてしまって逃げているだけで

周りを全く見なければ、何処かで躓く
…ぶつかった壁を越えられない日が来る


理解はしているから
  いつか立ち向かわなければならない

            それは今、なのだろうか?
]
 

[どうやら男の杞憂であったらしい
 しかし何もないことが怖がる必要がないのは
 一体どういうことなのだろうか]

  失うものがないから何でも出来る――そういうことかな。

[それならばこの男こそ当てはまるような気がしたが
 確認の為の問いかけ一つを投げるだけに留めた]

  どうして知られることが恐ろしいと思う?
  失望されるかどうか、期待を裏切るかどうか。
  人ならばそんなことを思うんだろうか。

[少なくとも男にとって知られることはそういったものではない。
 人に憧憬を抱くだけの男は
 人との違いを感じることを嫌悪したに過ぎなかった]

[男は一度も彼女があの部屋にいると正確に語ってはいない。
 日記や男の言葉から弾き出した可能性ならば大したものだと思う

  俺からの言葉も何もないまま、客観的な視点で見て欲しかっただけだ。
  ここまで語っては今更だけれどね。


  それに、狂気に囚われた化物だと思われた方が都合がよかったんだ。

[あっさりと手の内を明かせば言葉で笑んでみせ]

  君は思った以上に詩人のような人だったから
  まあ、失敗してしまったな。

  死んだ少女を着飾って傍らに飾る男なんて
  人の命を愚弄していると裁いてもらう為の手筈だったんだけどね。

[カードの裏表を明かせば
 意味のないことだったと手を組んだ]

[彼の視線の先を辿る
 子供を贄に捧げる村のある方角に目を細めた]

[ なんと!シロさんったら大胆!

 ある意味憧れなシチュエーションではあるが、
 それはまたの機会が良いだろう。
 朝まで寝かせてくれないなら、日中ごろりとするのも
 また良き哉 ]


  あァ、あの名探偵か!
  確か"死神"の異名を持つ……


[ その"まんが"もまた、非常に国民的であるが
 妙に失礼な知識に寄りがちな巨人さんである。

 それに、公開したばかりで賑やかな劇場よりは
 ゆとりある映画の方が落ち着くというものだ ]



  ……なんでだ?
  オレ一人でもできるぞ


[ どうしてそう問われたか
わからなそうに首傾げる。

 ――実際、彼がかなり紳士的だったお陰で
 腰と尻の違和感はそう痛いものでもない。
 ただ、"違和感"自体はあるので、歩行や座る時に
 ちょっと覚束なくなってしまうだけだ。

 シロさんってげぇむできるのかな
 "機械音痴"なるものじゃなければ、共にやってみたいものだ]



  へへ、シロさん!


[ 昨夜できなかった共寝を、真っ白なシーツで

 貴方が転がってくれるなら、己より小柄な身体を
 がばっと抱きしめにかかるだろう


 前髪を指で遊ばれれば
 満更でもなさそうな笑みで、うつらうつら ]


[ そうして、幸せな二度寝を


 ――目が覚めれば、漸くふわふわモードが解けて
 腰の痛みを真面に自覚したことで
 ちょっとあわあわする巨人さんがいたとかいないとか?
*]

[少しぐらいは、愛しい君に大胆でもよかろう?

流石に初夜の明くる朝まで寝かせぬ状態にするなどは
どんな鬼畜生だと何処かから突っ込みがきそうなので
今日のところは、午前中に君と白の海に包まれ、休もうか]


 そう、確かそんな感じの。
 高校生の探偵もいるらしいが、
 生憎私は見たことが、なくてな


[尚、その高校生探偵は青年?になった新しりぃずが
連載されたこともあるんだとか

大丈夫だ、問題ない
そもそも知識が乏しい私もいるのだしな!

ゆっくりとした空間で、の方が
君とのんびりできるだろうし
映画というのは、恋人同士でみる定番だと
アンネに借りた小説のはるひちゃん(♀)も言っていたし

そんな午後も楽しみだとばかりに]

 ……いや、君が不便でないならば良いのだ。


[無用の心配だった、のだろうか
それともクガネの回復力がすごいのか、と
私は少しばかり考えつつ、首傾げる君の可愛さに
思わず頭をなでなでするのであった

とはいえ、歩行や座位時に
少しばかりふらつくようであるなら
そっと支える様にするだろうけれど

げぇむは、どうだろう機械?なにそれおいしいの(ぼかーん)]

[私に携帯げぇむをさせてはいけない、絶対にだ]

[真っ白なシーツの海に君と、私
包み込まれるのは君の腕の中で

少しばかり驚いた、顔だ

 うつらうつら、する君に油断したのだろう
 私も温かな君に包まれて、夢の中
 幸せな二度寝だ。


     もしかしたら、君が運が良ければ
     私が眠りに落ちそうになる姿をみたやもしれぬが

     起きるのはきっと私が早い、はず。多分



さて、目が覚めた君が少しばかり慌てるならば
私は手を伸ばして。今度は抱きしめ返してしまおうか

君より早く起きているとはいっても、
此方も少しばかり、寝ぼけているわけで

ぎゅうっと抱きしめ]

[なんて言ってふわっと笑って―――― はっとする
恥ずかしさで顔を赤くしてくるーっと後ろ向きになろうとした
そんな一幕も、あったやもしれぬ*]

― それから午後だよ! ―

 ええと、大人2枚で。

[ところ変わって、映画館
幸い泊っているホテルから近い場所にあったため
のんびり歩いて十分間に合う距離でよかった、よかった

さて。鑑賞のおともに、ぽっぷこぉんと烏龍茶
序にパンフレットも買って準備万端である
来場者特典に電気鼠のきぃほるだぁを貰った。これどうしよう]

 何々、携帯獣の逆襲。
 クローン、か……。

[子供向けと思えば中々に、重いテーマだなと
パンフレットを開始時間まで読む。私はそんなタイプだが
クガネの方はさて、どうだったか

映画の開始前のCMとか、照明とか
そういったのにはしゃぐタイプかもしれないし
或いは映画のおとものフード類をほおばっているかもしれない

パンフレットをチェックしながら
ぽっぷこぉんにキャラメルソースをかけたものを頂く
隣には、君がいる
こんな贅沢な午後。幸せだなぁと思うひと時である*]


[ 彼は何が為に笑うのだろう。
 彼は誰が為に笑うのだろう

 怪物は一人思うが問いかけはせず
 村の実態と彼の提案を天秤にかけた ]

  そうだね。
  一度足を運んでみようと思う。
  明日の夜に出かけよう。

  道案内を頼むよ、セレン。

[ 選び取ったのは彼らの生きてきた場所を知ること。
 村から旅立つその日に墓石が飾られるなど
 正気の沙汰だとは思えなかった ]


[ ひと月後への約束

 男はただただ笑みを浮かべるばかりで ]

  分かった、約束しよう。
  ひと月後の夜に。

[ 彼にあてがった部屋の出口へと向かう。
 そのまま扉の外まで向かうと一言だけ
 彼に背を向けたまま呟いた ]

  君を飾り立てた村の大人達の方が
  よっぽど化物じみているね。

[ ただそれだけ。
 振り返らずに男はそのまま立ち去る。
 握りしめた拳など無自覚のまま ]*

  ―翌日―

[ 夜の闇に月が浮かぶ頃男は目を覚ます。
 一度だってこの目にした事のない陽の光。
 きっとこれからも得ることがないのだろう。
 
 男は彼の部屋に狼を介して果物くらいは運んだが
 彼は手をつけたかどうか。

 月夜に伸びる影を引き連れて男は扉を叩いた ]

  セレン。
  昨夜の通りに頼めるかな。
  一応君用の衣類も見繕ったよ。

[ 扉越しに語りかけながらも男は外套を既に手折っており、
 彼の分もその腕に用意していた。

 彼の見た目に関して男は特に思わない。
 人のように畏怖を感じたりもしない。
 彼のそのものが恐ろしくないからかもしれない ]


  まあ、隠さずとも堂々と歩いて
  君の墓石を建てた彼らの前で笑ってやっても
  それはそれでありかもしれないが、な。

[ 独り言のように呟きながらも
 彼が室内にいるなら聞こえる程度の声色で
 部屋の主の様子をちらりと伺った ]**



( 何もかも思い通りにできなかったからって
  へこたれて、自分で傷ついて。
  周りの言うことをちっとも受け入れようとしないところも
  昔の自分とよく似てる。

  英雄ってやつはどうしてこうも独り善がりなんだろう。
  完璧にできないのが人間ってやつなのに! )


[わかっているならそれでよろしい、なんて
偉そうなことは言えそうにないけれど。]

 

  

[ オレの耐久A+を舐めたらいけない
 割と頑丈な作りではあるのだ。
 ただ、こう、"慣れてない"だけで

 ――しかし、そうか
 シロさんはげぇむをすると今川さんの茶道よろしく
 爆発してしまうんだな……

 いつか大乱闘とかしてみたかった巨人さんは
 少ししょんぼりすることだろう

 ……つまりはリアル大乱闘をしろってか?英霊だけに
 ]

[ ふわふわとした頭は、とにかく大好きな貴方と
 一緒に居たいと思った訳で

 溢れる"好き"が突き動かすままに
 貴方を抱きしめることで発露させる。

    うつらとした意識が、ゆっくり目閉じる
    貴方を捉えた。
    でも、先に意識落ちたのは、やはりオレなのだろう



 次に起きた時、漸く意識がはっきりしたのか
 オレは赤くなるやら慌てるやら
 何だか気まずさすら感じ、早く起きようとする。が ]



  あ……



[ ふわり、貴方の温度がオレを包み込む
 今度はシロさんがふわふわとしてるような感じだ]

  (それでも、オレは嬉しかったんだ
   貴方がオレを、この手に閉じ込めてくれたことを)


[ オレの恥ずかしさや気まずさなんて
 瞬く間に吹っ飛んでしまった。

 そうして、慌てる貴方を
 思いっきり抱きしめて、お返しするんだ *]

― 午後、映画館にて ―

[ やってきました、映画館!
 映画を見るだけなら、それこそカルデアの映像ライブラリなど
 使えるのだろう。
 でも、こうやって大勢、大画面で見るのは初めてで。
 わくわくそわそわ隠せぬまま、チケット買う彼の後ろをついてゆく。

 オレもポップコーンと飲み物…コーラを頼む
 電気鼠はなんだか親しみを覚えたので
 ストラップは武器か何かにでもつけておく予定だ ]


  へェ、クローンか
  人間が命を作るって、結構神の怒りを買いそうだけど…
  神代が終わってて良かったなァ


[ 己の前印象は神代目線であった。
 だってゼウス神とか人間ほぼ一掃したことあるしね!

 その後はもそもそポップコーンを食べ(一応食い終わらないよう気を付けた)
 突然大画面で始まるCMにビビったり
 カメラ頭の男に笑ったりと既に全力で楽しみ始めている

 ――嗚呼、穏やかな時間だ
 この時間が永遠に続けば良いのに


 そんな泡沫の夢を抱く ]

[ 映画の感想は――確かに重く、それでいて心にクるものがあった

 クローン携帯獣の反乱。その頭である携帯獣の心の叫び
 その身犠牲にしてまで戦いを止めようとする主人公
 そして相棒の電気鼠との絆……

 子ども向けどころか大人ですら楽しめる内容だ。
 しかも、これが過去一作目だったらしいから
 ひたすら感心するばかりである ]

[ 己は大迫力の戦闘に興奮したりハラハラしたりと
 割と子どもらしい反応で当初は楽しんでいた。のだが ]


  ………


[ 終盤になると、ただ静かに、しかしまっすぐと
 スクリーンを眺めていたか ]

― 映画終了後 ―


  なんか、凄かったな…


[ エンドロールが終わり、明かりがつく頃
 しばし黙っていた己がようやく出した言葉がそれだ。

 ――時間経てば矢継ぎ早に言葉出るかもしれないが

 今は、余韻に浸るように
 己の表情はぼうっとしていただろう *]






               
・ ・ ・ 。

 

[頑丈なことはいいことだ、と耐久Dは思う今日この頃
ならば少しばかり激しくしても大丈夫だろうか
何をって?ナニを。親父ギャグではないぞ、いいね?

えっ今川って爆発させるの?茶道
と、手合わせ後は一緒にお茶を嗜む私は真顔になった
―――勿論、狂戦士の今川のことだとは
今の私は知る由もない

だ、だいじょうぶ。据え置きのものなら
いける!いけるよだいじょうぶだよたぶん!



( “セレス”が何歳なのかはわからないけれど、
  日刊預言者新聞を読まない性格あらすると、
  事件を知るのは狼の訃報を聞いた時。

  途切れた彼のふくろう便を最後に送ったのは
  遡れば随分前に等しいし、
  焦り混じりの少女の指先は震えていて
  手元に戻ってきたジェイダを撫でる事すら叶わない。

  何かがおかしい、ということだけが
  少女の脳内を埋め尽くしていっぱいになった。 )



[昔みたいにトイレに閉じ籠って、
滅びが覆いつくすのも知らずに意味も無い涙を流し続けた。
もう隠れん坊はできないし、
憎まれ口をぶつけられることもなくなってしまった。
自分のしたことに意味がなかったのだとか、
後悔ばかりが身を包み込んで────下を向いて。

         後ろ向いたのは、自分自身だった。]

 

 

[リアル大乱闘?なにそれたのしそうなどと供述しつつ
据え置きげぇむならいけそうだ!ぞ!!]

[三千世界の鴉を殺して
微睡む転寝は、昼まで続く

起きた君の慌てる姿に
可愛いものだと目を細めた、私が
ふんわりとした空気に当てられたのだろう
柄でもなく、君へと甘えてしまったことが気恥ずかしく

―――でも、確かに今私は幸せで
君の腕の中。或いは私の腕の中
互いにぬくもりを分け合うことが
こんなにも、胸に響くのだと知る


だから、赤くした顔のまま、君に思いっきり抱きしめられ
その腕に顔を埋めて、気恥ずかしさを隠すのだ*]

― それから映画館 ―

[どうやら楽しんでいるようだ、と
映画館で色々リアクションをとる君を見ながら、思う

しかし、不思議な種という名前のカエル?謎生物?いや
携帯獣か。これ可愛いな。と
こっそり思う私である。なぁRPGなら爆発しないかな。ダメかな
きっと時々回線接続不良]


 クローンというのも、戦う兵士を作るという意味では
 いずれ、人の世で実現される、ものなのかも。しれない

 その時、クローンの人権をどう、
 人が判断するか、と、いうのは
 興味が、あるな


[こちらは人目線。ノアの箱舟とかあるから
神様的にはまたリセット!みたいな感じに
なるのかもしれないな、若し神世の時代であれば
と、君に同意するのだった]

[映画に、最後は見入る君
私もその終盤の様子を見ていた]

[泣きながら、クローンが、そのクローンの元になった
電気鼠の頬を叩いている


たたいて、いる]

             
(ずきり)



 ……。


[時間を稼がなければ
君が二度と後悔しないように―――頼まれたのだから]

       (たとえこの思いを、記憶を全て贄としても)


(あなたのためなら、命すら)


[でも本当は。君が望んでいなかったことを知っていた
―――共に生きてくれと願ってくれたのを知っていたのに

私は、きっとあの時逃げてしまったのだ
役立たずになったら。君の希望を叶えられずに
君に失望されたら生きていけないと

これ以上醜くなる前に、君に嫌われる前に
君のために犠牲になった方がいいと
無意識に思ってしまったんだ、と、思う]

 そうだな、映画というのはかくも壮大なものだったのか。
 アニメというのも凄いものだ。


[尚、一作目が度肝を抜くほど凄かっただけだということに
今の私たちは気づいていない

ぼうっと余韻をかみしめる君を
私は静かに待つのだ。いつものように 

  
あの時浮かんだ泡沫を、追い払うように


暫しは、そのままで
やがて移動しだせば、君の矢継ぎ早に感想をいうのに
相槌などを打つことであろうが]

 さて、これからどうするかな。


[自分としては公園でのんびりするのもいいかもしれないし
もう1つ。からおけとやらをするのも良いかもしれないとも思う

さて、どちらにするかと問いかけるが
反応や、いかに*] 



     
  “ 死んで花実が咲くものか。 ”

   ( Death is the end of all )



[命ばかりは修正が効かない。
父が還らぬ人となったとき、そんなことは
痛いほどわかっていた筈だったのに。

泣きすぎて力も抜けて、眼も腫れた少女に
警戒心もなにもあったものなんかじゃなかった。
よろめいて便所の外へ足を向けた時には
呪文だらけのダンス・マカブル、理解するより場面が早い。
視界に一気に緑色が広がれば、
杖も握らない非力なうさぎは恰好の的にしかならなくて、]


 



( 何もできなかった。呆気なかった。
  彼に直せるだとか、前を向けだとか、
  あんなに大それたことを言っておいて、
  結局最悪の時に足掻く事すらできやしない。

      力の抜けた傀儡の如き掌から
      もう唯の石ころ同然と化した秘宝が転がり
      死喰い人に踏まれて行方を眩ませる。
      世界の終わりのブラック・ホールに呑み込まれ
      少女の記録もかき消されて忘却の向こう。 )


 





                   
“英雄だけ”

     *( …………残ったものは、彼一人。 )*


 

[ 別世界の今川さんについては置いておこう
 オレも詳しくは知らないし

 据え置きが大丈夫なら今度やろうやろう!と
 シロさんや皆を誘ってやるやもしれぬ]


[ 話は飛んで映画館
 シロさんが緑色の蛙が気になるなら
 ゲームを……
あっ、難しそうですか


 それならオレが代わりにやるのも良いかもしれない

 電気鼠を相棒にする据え置きゲームがあると知ったのは
 この後の出来事である ]



  ――それ、なんかヤだなァ
  人間が人間でシャドウサーヴァントとか
  作るようなもんじゃん


[ 己もかつて鬼神として闘争求めた口ではあるが
 守るべき人間が進んで傷つけあおうとするのは
 人類の守護者となった今では複雑な気分である

 ……まァ、そんな愚かなことをしたとしても
 愛すると決めたのが、別人格のオレでもあるが 
]

[ クローン。オリジナルから生み出されたもの

 その悲哀と憎悪を背負い、クローンはオリジナルと
 戦った。 

 ――ふと、思う
 オレもある意味でクローンのようなものではないか、と

 オリジナル(キュクロプス)の勝手によって生み出され
 使い捨ての命のようなものしか持ちえなかった]


  ( でも、見つけられたんだよな )


[ 生きる意味を。共に居たいと願う者を

 旅立つクローンたちに幸福あらんことを
 ――その道は、他でもない貴方のものだから
 ]

[ 貴方が何を想い、何を零したかはわからない
 でも、今日の出来事は確かに双方の心に残る
 思い出深い一作となった筈だ

 ――しかし、アレが何十年も前の作品とは恐れ入る
 主題歌とやらも中々であった
 今度是非、別の作品も見てみたいものだ ]


  そうだなァ。からおけ…は正直歌とか自信ねェし
  公園でのんびりぶらぶらしてくかー!


[ 行く場所の仔細を聞けば、次の目的地を定める

 ――己に歌の経験はない
 ましてや文化の知識など乏しく、知ってる歌も無いだろう
 シロさんは歌えるのかな?気になるところだ**]

["人間"の体が脆い、…なんていうのはわかっていたはずだった。

世界の恩寵を受けていた分
悪魔と魂を繋げた分

――――その、儚く脆い肉体が悲鳴を上げるのは道理]

[こぼれた思いに、仮面の奥に
そう、と居座っていた少年は目を伏せる。

不滅の魂がないように、
不滅の肉体がないように、

いつか人は死ぬ。…ああ、分かっていたことだろう?]

 
[ 最初は「問題児なんているわけないじゃんおおげさだなぁ。」
 と思っていた。
 だが、本当に存在していたのだ。しかも同じ大学の学生とか。
 
 どうやら法学部の教授が、知人であるカフェの店長に
 面倒を見て欲しい人物がいる、と送りつけらて来たらしい。
(※又聞きにつき、正確に表現されているとは限りません)


 最初はおおげさだなぁと思っていた。(大事なことなので二度)
 いざご尊顔を拝見すると──
 髪の色はグラデモヒカン、顔中ピアスだらけ等のDQNかと
 思いきや何だか穏やかそう、且つ王子様然とした、
 小柄な白皙の美青年だった。
 取り違えがあったのかと疑った程に肩透かしだった。


  
   しかし奴が来てからというものの……。
   同僚も、社員も、やがては客も──
   奴の噂を聞かぬ日は無くなるようになる。
   ──主に、良くない方で。

 


[ 俺は日により担当部署が違ったが、特に接客担当が多かった。
 接客は嫌いでは無い。客との交流は楽しく「ありがとう」
 「美味しかった」等、礼を言われると気分も良くなる。
 常連の客には既に顔と名前を覚えられているもの。
 このように人が繋がり、顔なじみが出来るのは嬉しい。 

 最初の方は奴とのシフトがずれていたので、
 噂のアイツ程度の認識しか無かったのだが

 
  「最近入ったあの金髪の男何なんだ?
  あっ兄ちゃんのことじゃない、もう少し背の低い、糸目の……」


 次第に客から直接苦情を聞くようになり、
 自然と警戒レベルも上昇してきた矢先、店長に泣きつかれることに
 
 

 
[ 初めて話すまで、正直実感無かった。
 この見た目だ。喋らなければ女はころっと騙されるだろう。
 実際、アンケートやSNSでの人気も上昇していたらしい。

 ──初めて話した結果がコレだった訳だがな!]


 吠えさせるような事をしなきゃ何もしねぇよ。
 自分で地雷ばら撒いておきながら
 踏んだらお前が悪い、って言ってるようなものじゃないか。


[ まず論点がずれている。
 この男とまともに話をするのは不可能だと秒で悟った。
 だが自分のことならまだしも、己に良くし、
 可愛がってくれている店長まで悪く言われれば、秒速で
 左ストレートをお見舞いしたくなったが、ここは懸命に堪える。]


  はいはい優秀なお方が犬の下で働くなんて大変ですね???
  早くこの店を卒業して、あるべき場所に戻ればいかがですか〜?


[ 堪えた結果嫌みったらしい敬語になってしまった。
 駄目だ、このままでは俺の方が性格が曲がっちまう!
 だが間違いは言っていない。
 店にとっても奴にとっても、居なくなるのが
 一番多くの人間が幸せになれるだろう。]
 

 
[ ちなみに
 
ダブルクリームハニーキャラメルマキアート
 withチョココレクション
 とは

 キャラメルマキアートの上にホイップクリームと
 カスタードクリームがふわふわもこもこに盛られ、
 その上に板チョコ、チョコスプレー、チョコチップ等が
 所狭しと泳ぐ、甘党涙涙涙のデカ盛りである。

 一般的には甘すぎる、飲みきれない、胸やけする、濃すぎる、
 高い……等の評が多く、今では隠しメニューとなり
 身を潜めてしまったので、実質俺専用メニューである。

 煽られていたとしたら
 「甘いな、店に貢献している俺は従業員価格で飲めるんだよ」
 と返していただろう。

 飲みたそうな反応をしていたならば、
 「お前に飲めるのかぁ〜?」と訝しげに言いながらも、
 結局は飲ませただろう。]
  

 
[ 実際、客足は伸びているのは事実。
 アンケートを見せて貰った時

『レーナルトさんとカーライルさんに挟まれて写真撮影したいです♡』
 『お二人が一緒にいるところ、もっと見たいです♡』


 といった、戦慄の文面まで見てしまったことがある。
 
 誰も居ない間に捨てておいた、と思ったら1通だけじゃないという。
 大量に捨てると不正がばれるだろう、と
 結局捨てることはと諦めた。

 クレームを無視すれば良いといっても、実際に
 「聞く」時間が搾取されること。
 大概クレーマーは話が長い。勝手に切る訳にもいかない。
 罰金をふんだくれて消えても、その処理にやはり時間がかかる。

 要は机上の空論ばかり並べられても無駄だということ。
 社会を知らない学生が理想を頭でっかちに並べただけということ。]
 

 
[ 途中で我慢出来ず、頬横数センチの間隙を縫い
 壁を殴りつけてしまったが。]


 
( ……っと、少し調整ミスしたか。 )


[ 壁に罅を入れる予定は無かった。
 どうやら想像以上に感情的になっていたらしい。
 これならば正面で寸止めにしておいても良かったか。]
 

  今更店の心配をしてるのか?
  そもそもの理由は大体誰なんだろうな?


[ だが、威嚇の効果はあったようだ。
 お高く気取り済ました奴の表情が、眸が──見えた。


 奴の
開かれし赤紫
と、己の
コーンフラワーブルー


  
──── 一瞬目が合えば、言葉を失う。


 美しいき赤紫に一瞬魅入られたと同時に──どこか人間離れした、
 妖しさのようなものが、漂っていた気がした。
 
 何じっと見てるんですか、と嫌味が来るかと思いきや
 奴も俺の顔をじっと見ていたので、開き直り
 堂々と相手の目を見ることにした。

 
[ ちなみに壁ドン(物理)は今でもやって欲しければやるぞ???
 俺はリーの望むことなら何でもするからな。

 遠慮する仲じゃないだろう???]


 

 
[ こうして俺先輩(年下)がリーベルト後輩(年上)に
 指導することになったのだが。
 流石に奴でも、一日中嫌味や毒を言い続けていることも
 無かった筈(恐らく)。

 店中で共に歩き、行動している姿を見れば
 何人もの女性客が立ち止まり、俺らの方を見ていた気がした。
 見せ物じゃないんだぞ、と思いながらも大事な客。
 迷惑を掛けていない段階では追い出せない。
 とはいいながらも、通路や入り口を塞いでいた客には
「少し移動してもらえますか?」
と店員営業スマイルで。

 モー○のように道がすらりと開いたのは気分が良かった。

 客の前では丁寧に対応を、幸せに過ごしてもらい、
 帰ってもらうのが一番大事だと精神論も説いていたが。
 果たして効果はあったのだろうか。]
 

 
[ それからどれくらいの月日が経過しただろうか。
 表には出ず、裏の事務室でパソコン作業をしていた時のこと。

 ついこの前、リーベルトに泣かされていた人が辞め、
 今や事務作業の人手も足りなくなってしまった。
 ので、今は交代で事務室作業を行うようになっていたのだが── ]

  「レーナルトさん! 来て下さい!」


[ バイトの女子高生が事務室へと駆け込んで来た。
 何が起こったのかと思い慌ててついて行くと、
 そこには客と揉めているリーベルトの姿。
 相手は年配の男性、リーの見た目補正が通用しない層だ。

 何が起こったのかは途中で女子高生に聞いておいたが。
 リーと客を引き離し、客の方を向いて── ]
 

  
  申し訳ございません。彼は私の後輩ですので
  全責任は私にあります。
  

[ 頭を深々と下げ、満足しないようならば床を頭に付けて。
 相手が飽きるまで満足するまで、刺激しないよう、
 じっと話を聞き続けた。

 もし何故そんなことをした、と聞かれたならば。
 「店が客を一番に扱うのは当然のこと」と答えるだろうし、
 モンスター客なら毅然とした態度で追い返すが
 「今回はそうでは無かった。だから非は此方にある。」と答えよう。


  ま、今回ばかりは面倒な客に絡まれて難儀だったな。
  すっかり遅くなった。時間だから早く帰って休んでおけよ。


[ 今回はある程度の同情もあり、特に責めることもなく踵を返す。
 此方はまだ業務が残っている。
 帰れる時には早く帰っておけ、との先輩の命令だ。

 この後、少しずつだが普通に喋れるようになってたいのだろうか。]**
 

[別世界の今川や、別霊基の自分や君のこと
知らないはずのこと。でも座(記憶)は確かに覚えている
それは時に君の夢の中に出てきたり
或いは―――……?

据え置きならきっと大丈夫、何かバグることはあるかもだが
きっと大丈夫だってわし、信じてる

ただし携帯げぇむ、お前はだめだ(フリーズする)
なのできっと私は、君がプレイするのを
お隣で見ていることでしょう

でも電気鼠元気でちゅうは今度やってみたい

 だが、そうやって生まれる命も、あるやのもしれぬ。
 その子が歴史の、流れを変えることも、あるやも。

 クローン、とは聊か違うが。人の手を入れた子供。
 デザイナーベビー。ホムンクルス。そういった、者。
 アインツベルンなどは、一緒にしては怒られるやもしれんが。
 今のこの、映画の、クローンとやらと
 少しばかり似ているのかも、しれぬ。


[生まれは何であれ。一度生まれたなら
生きればよい、と思う

そこに生まれたなら、命に貴賎は無いはずだから
―――どう生きるかは、その命次第だと思う

それは。隣で映画を見ている君を見れば
よく、わかる]

(だから、生まれてくれてありがとう、と思うのだ

 君に、大好きな、君に)

[さて、映画を見終えた後はどうするか
尋ねれば君が行く先に決めたのは公園だ

では参ろうかと、告げる私の歌唱力は54点くらいであろう
……料理のほうがきっと上手であるとは思う。
ただし、地獄プリンを作ろうとして茶わん蒸しには、なるが]

 ―→ 公園 ――

[公園には遊具や芝生の広場、広葉樹の下のベンチなど
休んだり、遊んだり、談笑したり
そういったのにおあつらえ向きなものが揃っている

ジュースやくれぇぷ屋の屋台とやらもあり
少しばかり買っていくか?と尋ねる私である。
尚、君の財布からは出させるつもりはない。

天高く、雲は流れ。
この世界は、イングリッド――マスター達が守った
主流の、世界だ。
でも、もし。姫が本願をかなえていたら
どうなったであろうか
今、このような平和な世界はなかっただろう]

(でも君を泣かせることも、なかったかもしれない)

[目を閉じる
手には屋台で買ったものを持って

一見寝ているようにも、
懺悔するようにも
君には見えたかもしれない**]

【人】 萩原 悠人

[2人の話を聞いて、なるほどと思う。
一緒にいるとか>>72、思いを伝えるとか。>>@18
一応やってはいるけれど、兄気質のためか
喜ばせてやりたいという意思を隠し
彼自身には伝えていなかった気がする。

なんて気軽に考えていたのだけど。
次に会う時は今回思うことを伝えてみようか。
そう真剣に思ったのは、彼の言葉と顔を見てだった。>>@19

何があったのかは知らないけれど、これは
感情を移入してるって顔だ。
自分の体験ほど切実に感じるものもないだろう]
(192) 2019/04/18(Thu) 12:11:01

【人】 萩原 悠人



 ……んじゃ、俺はこれからでも
 逢いに行くかな。

 うちの可愛い白夜くんに。


[なんかお土産買っていこう。
食べるのが好きだから、甘いものとか。
ついでに小っ恥ずかしいがペアの物でも。
多分喜んでくれると思うから。

へらりと笑って立ち上がれば金を置く。
多分足りないってことは無いだろう額を。
パフェも食べたかったけど、まぁいい。
それよりも今はすぐに会いたかった。

パフェは二人で食べて、なんて適当なことを言って
2人に手を振れば、少し悩んで”またな”と声を掛けた]

 
(193) 2019/04/18(Thu) 12:11:29

【人】 萩原 悠人



[そして、扉に手を掛けて外に出る。
あれ?ここから出られるんだっけかと
ドアを開けてからふと思ったけれど。
目の前に広がるのは見慣れた光景だった。

後ろを振り返れば、やはりパン屋。
少し悩んで、再びドアを開けるのはやめた。

不思議な体験だったなぁ、なんて。
そんな感想を抱いて街中へと歩き出した]*

 
(194) 2019/04/18(Thu) 12:11:42
萩原 悠人は、メモを貼った。
(a28) 2019/04/18(Thu) 12:25:39

[電気鼠を相棒に、途中で貰える御三家に不思議蛙もいるので
中々良いのではなかろうか
後はボールを投げる時にうっかりコントローラーを暴投しないことを祈るばかり

そして電気鼠でちゅうをやってみるも
マイクの拾いの甘さに悶絶したりカレー作りを失敗して爆笑したり釣りに熱中したり、もしかしたらシロさんよりハマったかもしれない。そんなイフ
]


…そうか、そうだな。
思えばホムンクルスも似たようなもんだ。

確かに魔術に携わってない普通の人間が生み出すって違いはあるのかもしれない。
でもまァ、何だかんだ大丈夫だろうなァ

[人間は強いんだ。

しぶとく、図々しくも、その可能性は輝きを持ち続ける]

(己の未来に輝きがあったように)


[シロさんの歌唱力は平均くらいか…
ならオレは(29)1d100点くらいかもしれない。
正直、自信は無いので期待はしてないが…いつか機会はくるのかどうか

閑話休題

公園訪れたオレは、並ぶ屋台に目を丸くしたものだ。
アレは確か祭り事の時に出てくるものではなかったか?
とはいえ、何も無い時でもああいう特別なものがあるのは悪く無い。

世界は平和だ。
この穏やかな時を彩るように人々は生きている。

(悲しみは未だ途切れぬとも、前を向く事ができる。
別世界の己が護ったのも、そんな世界だ)
]



くれぇぷか!買う買う!
一度食べたかったンだよなァ


[甘党な巨人さんは買ってもらったチョコバナナクレープを頬張る。クリームが思いっきり頬についても気にせぬほど、すっかり気に入ったようだ。

シロさんにずっと奢ってばかりではあるが
雰囲気的に恋人というより親子のような感じなのが、オレらクオリティだろう]


…シロさん、どうした?
お腹痛いのか?


[ふと、静かな隣の彼を見遣る。
…目を閉じ、眠るように佇むその姿に
ふと、儚さすら感じて、心配そうに声をかけたか]**

[きっと私のコントローラー暴投率は36%だ
だ、大丈夫だ問題ないと私は信じている

とはいえ、多分私は君がプレイするのを
横でのんびり眺める方が性にあっていそうである
主に破壊しない的な意味で

Ifが訪れる日を楽しみにしつつ
カルデアにまた1つ、さぶかるちゃぁがやってくる日は
そう、遠くないのかもしれない
]

[3回に一回は駄目そうだ。私は
もしかして:げぇむに向いてない]

[男が歌うことはなかった幕末だからな。仕方ないよな
まぁ、カラオケというのは歌う者が楽しめればそれでよい
そのはずだ。だからあれだ
今度目指せ携帯獣ますたぁを歌うのを
聞かせておくれ。な?

それは置いておいて(閑話休題)

屋台に目を丸くする君に
るる〇をそっと見せる]

 どうも、数個ではあるが
 ああいった屋台が、公園に止まることは、
 珍しくない、らしい。

 すぅぱぁ、とやらにもとまって、から揚げやら、
 プリンやらを、売っているものも、あるとか。

[人の商魂とは逞しいのだな、と ぽつり
だが、丁度ここいらで休憩するとなると
口さみしいのは確かなので
そういったのを見越して、甘いものや飲み物を
売っているのかもしれないな、とも]

 そうか、それは、よかった。
 私も甘いものを、食べたかったもので、な。

[因みに。この霊基では誰にも言っていないが
私は甘いものが好きだ。
ランサーなどはスタバァに
妹分の女神様と一緒に行こうと約束するほど好きだとアッピしているが


注文はイチゴカスタード&生クリームチョコシロップブラウニー小枝乗せアイスはバニラで
と、何か呪文みたいにトッピングまで指定しつつ
受け取れば一口、無表情で食べる
美味しい。と思うけれど口に出さないのが私であるよ

奢りに関しては、私は恋愛小説で予習済みだ
彼女に奢るのは彼氏の務めなのだとか
……だがいかんせん。恋人が無邪気で可愛いせいで
どうにも保護者と子供の図になっているが

まぁそれも私たち、らしいだろう]


[少しばかり感慨にふけるように
或いは、この平和の世界を壊そうとした自分を思い出して
目を閉じていた、ところ―――

声がかかり、緋色2つを開けて
君の方を振り返る]

 ――いや、何もないよ。
 それより、ほら。クリームがついている、ぞ。

[指を伸ばして、君の頬についたクリームを掬い取り
そのままぱくりと、口の中

うむ、美味いな。と小さく呟き
次はチョコバナナもいいかもしれないな。と思うのだった*]

[ そうだなァ、歌うっていえば吟遊詩人とかの役割だったのに
 現代はとても芸術に溢れている。

 ――ところで噂だと幕末を凄くロックンロールにした
 げぇむ作品があると聞いたのだが、幕末は日本人にとって
 フリー題材か何かなのかな?

 携帯獣ますたぁもだが、クガネ的には
 携帯獣言えるかな?を言えるように奮闘した後
 どや顔で披露することはあるかもしれない。]



  へェ〜〜……屋台ってのはこう、見てると
  わくわくしてくるな!オレは好きだぞ!


[ 特別な日や特別な場所でしか止まらないというのは
 中々好奇心が沸き上がるものでして
 己の眼のキラキラ度が増した気もする

 己は普段「肉!」な野生派ではあるが
 アンネちゃんのお茶会に行く内に甘党になったのは
 此処だけのお話。苦手なものはブラックコーヒーです

 ――なお、シロさんが突然紡ぎだした呪文
 宇宙猫顔で二度見する巨人さんがいたとか 
]

[ 平和なのは良いことで
 この世界がずっと続けば良いと思わずにはいられない

 ……いや、そうするのが己らの役目だ
 平和な世界を守るためなら、例え何があろうと
 駆け抜けるのが、人類の影法師だから ]



  ( それは、例え大切な人を失うこととなってもか? )

 
 
 

[ ――なんだか嫌なことを考えそうな気がして
 せっかくの幸せの中でそれは駄目だなと思考を切り替える

 そうして逸らした意識は
 シロさんの異変気づき、声をかけた。のだが ]


  
んえ!?
い、言ってくれよ!
  なんか恥ずかしいじゃんか……


[ クリームの指摘をされれば
 気まずそうに苦笑いしつつ、それでも満更ではなく

 ……嗚呼、本当に幸せな時間だ
 ]

[ 公園で遊ぶ家族連れや同じくでぇと中のカップルが
 視界に入る。

 ――今のところ、オレ達はとてもでぇとを満喫してると言えよう
 後は、他にシロさんとやりたいこととかあるかなと
 普段は無い休暇だからこそ、よく考えてみる ]


  ……オレばっか選んじゃってるけどさ
  シロさん自身が行きたいトコとか、オレにしてほしいこととか
  そういうのはあるのか?


[ 独り善がりになってはいけないと
 彼の願いを聞いてみる。
 そのころには公園をゆったり満喫し
 もうとっぷり日が暮れていたかもしれない *]


[ ──────鏡を見るのは嫌いだ

        この姿は本来の自分じゃあない。

それは、人では耐えきれない呪いの”果て”
それは、世界の恩恵を受けていた”あかし” ]




    そんなこと、

       一言だって言わなかった癖に


 [そうこの悪魔は何も語らなかった]

[わかってる。
”少年”の憎悪を糧とした悪魔は

もはや憎悪しか持たないとおどけていう。

他はまるですべて偽りであるかのように。

────フリーレの源泉だって
 ほとんどは”怒り”で占められている。

世界を愛するがゆえに怒り猛る。
独りの寂しさを誤魔化すための手段だった筈なんだ。]


 
 ……ぼくが気にしてるのはそこじゃない!!



[密やかに告げられた言葉に
地面の火を踏みしめて
空中に浮かぶ道化の服を掴んで引き摺り下ろそうとした。]

[現代のさぶかるちゃぁや歌文化は、凄いと思う
音楽も、手乗りの機械1つにどれ程詰められるのか
そう、思う程に身近になった

 どうやら幕末を題材にした恋愛げぇむもあるらしいから
 幕末って割と題材にしやすいのではないかな
 とはいえ、新選組などの方が多いので
 あまり長州や薩摩は取り上げられていない

 ……と、思ったら。最近幕末アニメが作られたな
 主人公に高杉晋作の名前が出た時はびっくりしたぞ
 だが私はあんな露出の激しい服は着ない。絶対にだ


君が151の獣をすべて歌い終えるまで
私はタンバリンをパンパンするかマラカスを振って
その歌声を応援していることだろう]

 そうか、君が気に入ったのなら、何よりだ。
 夏になると、花火の大会、などで
 屋台が、それはもう。たくさん出るらしい、から。

 休暇を貰ったら2人で、行こう。

[特別な日、特別な場所
君がこの美しい世界の中で、知らないことや
興味深いものに触れて目を輝かす姿がまぶしい
願わくばずっとその姿が
見られればよいのにと、思う程に

普段質素で和食を好む故に
(洋食をあまり食べないのは、留学先で世話になった
 英吉利人が悪かった。食の冒涜だ。甘味以外)

こうした甘いものに嗜好が偏るというのも
禁欲的からの反動なのかもしれない

けえきにこぉひぃはあうとおもうのだが
割とクガネは子供舌なのかもしれない

 スタバァに行ったらこれよりさらに長い呪文になるぞ?
 エクストラホイップとかな。
 注文の準備と呪文発動の準備は十分か?
]

[平和が続くことは、人類史で殆どないことだ
そう考えれば、第二次世界大戦が終わってからの
日ノ本の100年近い平和や、鎖国を挟めど徳川家康の
天下統一後の江戸幕府の時代など
日ノ本という国は、とても平和を維持するのに
長けているのかも、しれない

それが人類全体がそうであればよいのだろうが
それができぬからこそ、きっと各地で争いは起こる
それを何とかするのが、マスターであり
影法師の私たちなのだ


      たとえ、己を犠牲にしても
     大事な者が生きてくれるならそれでいい


だが、それに惑いが入るようになったのは
君と一線を越えたからであろう
影法師が、抱いてはいけないかもしれぬ思いだ

君を置いて逝きたくない。と、
そんなことを]

[それをごまかすかのように
今は甘く平和なひと時に浸りたい
―――浸らせてくれとばかりに、君と過ごす時間の
何と幸せなことか]


 今いうたでは、ないか。
 それとも―――


[顔を近づけ、頬に触れるか触れぬか唇寄せ]

[だからこそ、首をかしげるのだ]


 いや、私は君が楽しそうな姿を、みるのが。
 楽しみで、あるから、とくには、ないぞ。


[そう、本当にないのだ。
唯、君と過ごせたらそれでよかった
―――もしかしたら私は、君以上に甘えたなのかもしれない

魂がざわつくことはないが、
君の姿があるとどこか安心してしまうのだから

尚、してほしいことは色々慾に直結するので
紳士に我慢しました、まる
がっつきすぎ、いくない
]

 今日はもう遅いし、帰った方が良いかもしれない、な。
 日はあるのだから、色々行くのも良いかも、とは。

 水族館、遊園地。色々、
 君の興味がありそうなもの、は。
 るる〇で、チェック済、だぞ。

 私も、行ったことないから。楽しみだしな。

[だが、もし今、行きたいところがあるならば]


 ―――ホテルに、帰るまでの道程を。
 少しだけ遠回りして、良いか?

 川沿いに桜があるの、だが。
 きっと今の時期なら散り始めではあるが。
 夜桜が、楽しめそうだ。


[とはいえ君の体がつらいならそのまま
まっすぐ帰ろう、と言い添えて*]

[気付いた時には、もう僕に抵抗できるほどベテランスタッフは残っていなかった……。
残った店員を全て跪かせ、別の獲物を求めてこの店を去っていってやりたかった。

単位さえ掛かっていなければ。
店長が教授と懇意でさえなければ。

思えば初出勤時、僕を出迎えたスタッフ達はヴィク含め、皆一様に拍子抜けしたように口を半開きにしていた。
どうせしょうもない勝手な期待を抱かれていたのだろう。

ニュースで殺人事件が報道される際、
「優しい人でした。あの人がまさか」
「そんなことをするような人には見えなかった」
犯人はそう評されていることが多いだろう?

人は見かけでは判断出来ないのだ。
グラデモヒカンで顔中ピアスまみれの輩が人情味溢れた良い奴だったり、一見好印象で爽やかな真面目人間が、恐ろしい衝動を胸の内に飼っていたりするものだ。

もっとも僕自身は、
『問題児』などと呼ばれる言われはない。
そう本気で思っていた。]

[接客は嫌いだった。客に謙る意味がわからない。
女顔で一見優男に見えるからだろうか、面倒な客に限って吸い寄せられるように僕に寄ってくる。
そして思うように優越感を得られない相手と理解した途端、決まって顔を真っ赤にして声を荒らげ出すのだ。

「金払ってやってるんだからこれぐらい当然だ」
「こんな不味いもんを俺に食わせるつもりか!金返せ!!」


彼らは日頃の鬱憤を晴らしたいだけなのではなかろうか。
店員が抵抗出来ないとわかっていて吹っ掛けてくるから、余計性質が悪い。
売られた喧嘩は買ってやるが、勝たせてやる気はなかった。

記憶力には自信がある。
常連らしい客の顔はすっかり覚えていたし、場合によっては大抵何を注文するかまで記憶していた。
「また来たんですか」とつい零してしまえば、
覚えてくれてたんですか!?
」などと調子に乗って連絡先まで尋ねてくる客。
「態度がなってない」とクレームを投げ付けてくる客。
場合によっては「俺の女泣かせやがって……!」等と言い掛かりを付けてくる輩までいた。

人と関わると碌なことがない。
最初から凄んでいれば、不必要に舐められずに済むのではないか。
そう思って意識的に鬼神面を保っていれば、今度は
「あの店員は愛想が悪すぎる」
「怖くて店に入れない」「接客されたくない」
……一体どうしろと言うんだ。

かといってキッチンにも立てなかった。
僕の手先は壊滅的に不器用で、皿洗いさえあの頃はまともに出来なかった。]

[バッグヤードに回されると知った時は心のどこかで安堵したのだ。先生がレーナルト先生でさえなければ。]


  周りが勝手に吠えるんです。
  僕は地雷なんか撒いてません。
  人聞きの悪いこと言わないでください。
  
  それとも、
  貴方は紛争地帯にも丸腰で赴くんですか。


[ごく普通のカフェが己の周りだけ紛争地帯になってしまっているのがまずおかしいということに、僕は気付いていなかった。

日々敵地に出陣するような緊張感を抱いて出勤していた。
そういったピリピリした空気が、もしかすると周囲にも伝わっていたのかもしれない。

先輩であれ後輩であれ、
誰かを頼るなんて絶対にしない。

自分一人で何でも解決出来るという、驕り。


思えば起こしたトラブルの大半は、誰かに相談出来れば食い止められたものだったのかもしれない。
けれど当時の僕は、『人に頼ること』を恥と思っていた。

この男とは根本的に馬が合わない。
まともな会話は不可能だと決めつけていたし、するつもりもなかった。]

[
『店員さんはいつでも撮影OKにして欲しい♡』

『カーライルさんとレーナルトさんセットで推してます♡』

そういうメッセージは、不愉快すぎて見た瞬間記憶から抹消した。ところがそういったコメントが、驚くべきことに一通や二通ではなかった。

遊園地のマスコットキャラクターじゃねーんだぞ。
セットってなんだセットって。
サラダや食後のコーヒーデザートと一緒にすんな。

威圧的な度を過ぎた説教は業務執行妨害罪。
きちんと謝罪してお引き取り願ったにも関わらずお帰りにならないようであれば、不退去罪。

知は力だ。
知識があれば悪質クレーマーに振り回されることはない。

過剰奉仕が蔓延すれば、消費者側もそれが当然と感じてしまう世の中になる。
必要以上のサービスを良しとする風潮は、ゆくゆくは従業員の心身を蝕んでゆくだろう。

相手が客なら何を言われても尻尾を振るのか。
腹を斬れと言われれば斬るのか。
環境を変える努力もせず、社会常識を理由に問題から目を背けるのか。

――ほら、やっぱり忠犬じゃないか。]

[机上の空論だというのなら、何の為の、誰の為の法律なのか。]


  ……心配ではありません。
  貴方に対する忠告です。

  知りませんよ。
  少なくとも僕に非がないことだけは確かだ。


[妙な自信にだけは満ちていた。
そして、穿った見方をして冷ややかに彼を突き放そうとしていた。
どうせ彼も僕を罪人に仕立て上げたいだけなんだろう、と。

何を教わっても苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。
年下の先輩から視線を逸らし、眉間に跡が残るまで皺を寄せ続けながら、その日はなんとか仕事を終えた。]


[今の僕にはわかる。
壁ドンは不意打ちだからこそ良いのだ。
お願いしてやってもらうものではない。

もしお願いするなら、
壁ドン(物理)より両肘ドンかぎゅうドンがいい。

ヴィクに望まれたなら、顎くいでも股ドンでも叶えよう。]



[こうして僕は不本意ながらレーナルト先輩の後輩(年上)になった。

また鉄拳が飛んでくると厄介なので、彼に対する嫌味や毒舌は一日大体10発言までと決めた。
制限を超えた分はよその先輩方に飛んで行った。

並んで歩きながら視線を感じれば、思い出すのはアンケート用紙のコメント。
店長が彼を僕の教育係としてあてがったのには、ひょっとしてひょっとせずともご要望に応える目的もあったんじゃないか。

……なんて強かなんだ。
動物園の珍獣にでもなった気分だった。


四六時中付き添われるようになってトラブルは激減した。

通路や入り口を塞ぐ客に思わず舌打ちしかけても、
長時間居座る客に眼を飛ばしかけても、
即座に長身の彼が動いて僕はすっぽり隠された。

そう――
僕は完全に彼の影になってしまった。

己の無能さを具に突き付けられているようだった。
元々の劣等感は肥大化し、彼への憎しみは募る一方。
時には苛立ちを小麦粉にぶつけたりもした。

彼の精神論には聴いている振りをした。
たとえそれが世間では肝要なのだとしても、手放しには受け容れがたかった。]

[試用期間が終わり、影から日向へと出始めた頃。
骨のない先輩が辞めて、更に深刻化する人手不足の中。

ホールスタッフも手が足りず、接客の苦手な僕もフロアを東奔西走せざるを得なくなっていた。
淡々と注文を取り、お冷を継ぎ、料理を運ぶ。
狭い店内を縫うように走り回っていれば、接触事故が起きないわけがない。

死角に居た同僚の女子高生とぶつかってしまった。
その拍子にサービストレーの上に乗せていたアイスコーヒーが揺れて、近くに座っていた客に思い切り飛び散ってしまった。

己の不注意が原因の一端ではあった。
舌打ちを飲み込んだ。

ぶつかった彼女を一瞥すれば、いろんな意味でこの世の終わりですみたいな表情でガタガタ震えている。
客に陳謝し、おしぼりとふきんを差し出し、まずは汚れを落とそうとしたところで……

相手の年配男性の言うことには、

「高価な一点物の洋服だから全額弁償してほしい」
「ついでに飲食代もタダにしてほしい」


どう見てもさほど価値のなさそうな安っぽい衣服に法外な額を請求しつつ、駄々を捏ねてきた。
こいつなら聞いてくれそうだとでも思ったか。


冗談じゃない。
そんな無理難題を認めてしまったら、今後この店には金目当ての客が殺到するだろう。]



  お出しできるのは
  現状復帰に必要なクリーニング代のみです。

  それ以上の額を支払う義務は
  うちにはありません。


[毅然とした態度を取った。
けれどそれが、客の怒りを爆発させてしまったらしかった。

何をどう説明しようと話は平行線。
そのうちに僕個人への侮辱とも取れるような発言まで飛び交い出す始末。
周囲の客もスタッフも遠巻きになり、すっかり萎縮してしまっていた。

そこに現れたのが、ヴィクだった。]


  ……っ、


[その場に居た誰もが僕を戦犯扱いする中で。
彼だけが、僕を庇ってくれた。

土下座までした彼に対し流石に罪悪感が湧いたか、話を聞いてもらって満足したか。
或いは、耳を傾けたのが彼だったから、か。


客はクリーニング代と次回の食事の無料サービス券で納得してくれた。]



  ……んでだよ。格好付けやがって。

  僕が悪かったんです。
  貴方のせいじゃねぇでしょう。

  ……、

  …………
ごめんなさい。ありがとう。


  
  お先に……失礼します。


[己のくだらないプライドがずたずたに切り刻まれた気分だった。拳を握り締めながらタイムカードを切った。

悔しくて、口惜しくて、
嬉しくて、

それまでかっこいいと思っていた自分が、酷く情けなく思えた。]

[翌日から僕は、掌を返したようにヴィクに懐いた。
何かする前には必ず一言、彼に相談するようになった。

接客に関しては、
彼を真似しても暫くは怖がられてしまった。

それまでがそれまでだった分、今度は
「いったい何を企んでいるのか」
そんな風に見えてしまったらしい。失礼な。

そういう訳でむしろ腹の黒さは上がってしまった。


初対面時にヴィクに抱いた
『クソ生意気な目立ちたがり屋』とは、
傍から見れば僕自身を表す言葉であったんだろうと思う。]

[ちなみにこの一件の後。僕は、

ダブルクリームハニーキャラメルマキアート
     withチョココレクションの実態


……を知ることになる。

好奇心から興味を示した僕が馬鹿だった。
こんなものに負けてなるものかと口にした瞬間、噎せた。

たった一口でもあまりの甘さに喉が焼けそうだ。
これを連日飲んでるなんて、どんな舌と胃持ってるんだこいつ。

まさに洋菓子の暴力団。
キャラメルマキアート自体がまず甘い。
その上にこれまた甘いカスタードクリームが溢れんばかりに盛られ、その上のチョコ群はもう蛇足だろこれ。
それぞれを少しずつ食う分には上手いと思える筈のものが、甘さを競い合って喧嘩しているようにしか思えなかった。]


  従業員価格でもそれなりにするでしょう。
  その分で野菜を買え。肉を買え。

  将来糖尿病になっても知りませんよ。


[小言を吐きつつ苦笑出来る程度には、少しずつ歩み寄れるようになっていったのだった。]**

[ 幕末ってば本当に可能性が無限大なんだなァ
 いっそいろんなシロさんも観たくなってきた。

 そう感心するオレは後日キュクロプスの
 さぶかる具合についても調べる訳だが、まァものの見事に
 "サイクロプス"名義の雑魚敵キャラしかいなかった為に
 一週間しょぼくれたのは余談である ]



  花火!!確か日ノ本の風物詩だよな!
  絶対行こう!んで、何か叫ぼうぜ!


[ 確かそういうお約束だよな?と
 日ノ本の行事の多さに此方もときめきが止まらない

 ――世界には未だ未知なるものが沢山だ
 それを全て体験するまでは、絶対に消えるつもりもない ]


[ その呪文を唱えるくらいなら、オレは粛々と
 151匹を数える方が良いなーとも思うのだ ]

[ シロさんが自分を勘定に入れないでオレを救おうとするのが
 とても嫌で、辛かった。

 だから、確かなつながりができたことで
 貴方が死を恐れるようになったなら
 (共に生きることが、死をもって成し遂げることより
 大切だと思ってくれるなら)


 ――オレは、とても幸せだと思うんだ

 とてつもなく我儘なことはわかってるけど ]


[ そんな難しいことは考えずとも今は良い

 隙をつかれ、クリームを取られ慌てふためくオレに
 彼の整った顔がずいと近寄って ]



  それは……確かに、オレもそうだな


[ シロさんの言葉にとっさに反論しかけるも
 事実、己も幸せだなぁと気づき、
 そうなれば焦るように考える必要もないなと
 さくっと結論付けてしまうチョロ巨人である ]


  おう!また明日な!
  本で選ばなかった奴にも行きたいし!


[ 休暇はまだ二日目
 残り5日もあれば十分回れるだろう

 さて、今日はゆったりした一日だったので
 疲れは腰の違和感以外さほどない

 ――となれば、その提案だって二つ返事で
 了承するだろう ]