人狼物語 三日月国


51 【完全RP】ポムペッシュ・フェーリンコロニー【R15】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 受験生 雨宮 健斗


[あ、返事しちゃった。>>@1

 しまった、と思う間もなく、矢川の声が落ちる。
 見ていないけれど、声と>>@2足音がこちらを
 向いたのがわかって、慌ててパーカーを握りしめた。

 が、抵抗虚しくぶぁさ、と捲られて、
 勢いにつられて猫耳帽子もふわりと浮いて。

 急に明るくなった世界に目を顰めて、首は竦めた。

 そぉっと上目で見上げたら、矢川が見えた。

 …顔も耳も熱かったから、顔色はまぁ、
 悪くはないのだろう。   ]
 
(2) 2020/11/29(Sun) 8:07:47

【人】 受験生 雨宮 健斗


   …ご心配をおかけしました…
   多分大丈夫ぽい。


[二人にそう言って、立ち上がる。
 意地とプライドにかけて、負ぶってもらう訳には
 いかないと思いながら。

 ぽん、と叩いた帽子を近藤に礼を言って返す。

 なんか言おうとしたけど、
 礼以外のことは、やっぱり言えずに。  ]
 
(3) 2020/11/29(Sun) 8:12:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


   人にあんまり頼むなは同意かな。
   まぁ確かに心配だしよ。


[さっきの矢川の言葉を繰り返す。>>@0

 俺らが聖人だったから良かったものの、と付け足して、
 ねー、と首を傾けてちらり矢川を見て。

 二人の声を聞きながら、多少はふらつきの残る足を
 ぼちぼち戻るかと動かそうか。  ]*
 
(4) 2020/11/29(Sun) 8:14:15

【人】 受験生 雨宮 健斗


[差し出された手に>>@5一瞬の躊躇いの後、
 ぐ、と力を込めて握って、立ち上がった。

 ピアノ弾きの端くれの己から見ても悔しいくらい
 大きくて、繊細な手だと思った。
 そんなことを考えていたから、矢川の頬が
 ぴくりと動いた>>@5ことなど、気付く訳もなく。]


   あー、そうかも。
   ちょっと部屋で寝るわ。


[近藤に答える矢川に、頷いて。
 BBQまでには回復する、と近藤に笑ったけれど、
 やっぱり立ち上がれば多少血の気が引いて、
 提案通りに肩を借りることになった。

 ふわりと浮いたのは、足元だけだったのか。
 有り難くも複雑な気分で。  ]
 
(29) 2020/11/29(Sun) 16:00:58

【人】 受験生 雨宮 健斗



   …高いんだよ肩が。
   また伸びたんじゃねぇの。


[なんて嘯いて。
 素直に感謝も言えずださいと人知れず唸った。 ]
 
(30) 2020/11/29(Sun) 16:01:48

【人】 受験生 雨宮 健斗


[ざく、ざく、と鳴る靴の下。
 近藤と別れて歩く静かな森で、
 先に口を開いたのは矢川で。

 けれど珍しくこちらを向くこと無く
 吐き出された言葉に、ちらりと横目で視線を流した。 ]


   …した。
   後悔はしてないが反省はちょっとしている。


[なにが、と聞かれたなら口籠もる。
 お前みたいな優しいやつにしときゃよかった、とは、
 今は言えない。  

 ふーん、と言う声が風に流れた。>>@7
 
(31) 2020/11/29(Sun) 16:03:03

【人】 受験生 雨宮 健斗


[ぼそぼそと紡がれる言葉が、普段より随分近い。

 そーだな、と頷いて、 ]

 
   あー!ちげぇ、文化祭のあとだろ!
   委員長にふられたやつ。


[とすぐに顔を顰めたけど。 ]


   ……居ないよ。
   なんか、自分のことも女もよくわからん。

   
   
つかお前はよ。
   ライブで、きゃーきゃー言われてんのは
   知ってるけど。


[矢川とは、反対側に顔を向けた。
 空と紅葉した森は綺麗だなと息を吐く。  ]
 
(32) 2020/11/29(Sun) 16:04:35

【人】 受験生 雨宮 健斗



 
女を抱いても、心が跳ねない。
 
 それは、いつからだったか、なんでなのか。

 そんなこと、一番大事だと思ってる友人に、
 とっとと相談すりゃいいのに、と思うのに、
 出来ない日が続いていた。 
 ]**
 
(33) 2020/11/29(Sun) 16:06:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


[記憶にあまりない、棘のある言い方>>@9。]


   ……あぁ?


[無遠慮に眉を顰めてギロリと見上げたその顔は、
 なんとなく苦しげに歪んで見えて。
 眉尻は下がってて、なんでか
 
泣いてるようにも見えて

 そんなはず、ないのに。  ]


   …なんだよ。


[言ってやろうと口を開いたら勝手に取り消されて、
 けれどこっちは途中で止められなかった。 ]


   羨ましいわけねーだろ。
   なんかムカついてたわ。


[拗ねたような口調になった、と小さく舌打ちひとつ。
 彼が唇を拭ったのが目の端に映った。 ]
 
(60) 2020/11/29(Sun) 21:25:39

【人】 受験生 雨宮 健斗


[ざざ、と木々を揺らす風が吹いて。
 ただそれに紛れそうな小さな声を>>@11己の耳は
 ちゃんと拾う。
 拾ってしまう。

 
  
あ、と息を呑んだ。


 かぁ、っと頭に血が昇る。
 本当に頭だったか、顔だか耳だかが熱くなったのか。
 知りたくなかった、なんて。 
 何言ってんだ。 ]


   
   
はぁ?なん、で、
   …っ…俺なんて実際に聞こえてたんですけど!?

 
(61) 2020/11/29(Sun) 21:28:18

【人】 受験生 雨宮 健斗


[だから、なんだと言うのだろう。
 思わず言い返した声に自分が一番驚いて、
 すぐに恥じた。   ]


   ごめん、今のなし…


[同じ言葉を使って同じように瞳を伏せる。

 彼女欲しいと思わないの、なんて。>>@12


   ねえよ。


[食い気味で返した。
 すぐにあ、とか、う、とか、口の形を変えながら
 言葉を探って、

 …はぁぁぁぁ、と大きなため息を吐いた。
 しぶしぶ、口から絞り出す。  ]
 
(62) 2020/11/29(Sun) 21:30:12

【人】 受験生 雨宮 健斗



   ピアノ。
   手が最近調子悪くて。
   まじで弾けなくなって。
   試験近いし。

   気晴らしに女と遊んでも。
   そーゆーことしても。
   なんも思わなくなって。

   ちょっと参ってた、っつーか。


[またざぁ、と風が吹いた。
 今度こそ、あんまり聞こえないといいなぁ、
 とぼんやり考えた。  ]**
 
(63) 2020/11/29(Sun) 21:33:23

【人】 受験生 雨宮 健斗


[きっと怒るだろう、と思っていた。
 わかっていて、黙っていた。

 肩に触れる手に、力がこもるのがわかって。>>@25

 あぁやっぱり怒らせた、と苦笑いする。


 背の高い友人が、何を思っていたかなんて>>@25
 その心の奥は微塵も覗けないまま。


 
  
知っていたら、俺は多分、
 
 
笑ったと思うんだ。    
  ]
 
(78) 2020/11/30(Mon) 0:42:15

【人】 受験生 雨宮 健斗


[初めてだったと思う。
 こいつの、こんな声を聞いたのも、
 こんな、顔を目にすることも。>>@26


 羨ましいとさえ思う、大きな掌が熱かった。
 ぎり、と音がしそうなほど力が込められて、
 矢継ぎ早に責められる。>>@27
 ぐうの音も出なくて、けれど無性にカチンと来て。]


   うるせぇよ!


[振り解いてやろうとして身体を捻ったけれど、
 上手く出来なくて、肩を抑えられたまま
 矢川を睨みつけて。
 吐き出した舌打ちが重なった。>>@28
 
(79) 2020/11/30(Mon) 0:43:47

【人】 受験生 雨宮 健斗




   離せ。


 
(80) 2020/11/30(Mon) 0:44:11

【人】 受験生 雨宮 健斗


[矢川の手が首元に触れる。
 殴られる、と思った。
 目は逸らさずに睨んだまま、ぎり、となる
 奥歯の音を聞いていた。


 
  
殴られたほうが、
 痛くなかったかも知れない。


 噛みつかれるように、唇が触れた。
 だらんと落ちたままの左手が心底うざかった。
 ぶん殴ってやることも出来ない。

 がち、と歯が当たる音がした。   ]
 
(81) 2020/11/30(Mon) 0:46:57

【人】 受験生 雨宮 健斗


[無理矢理ねじ込む矢川の舌に傷がついたかも
 知れないと思う。

 さっきまで、己がしていたような。
 今までなんの気無しに繰り返してきたような。
 酸素を求めても許されない、
 呼吸が相手の手の中で、
 初めてぞくり、と身体が跳ねた。


 それは、恐怖にも、快感にも似た
   

 
(82) 2020/11/30(Mon) 0:48:15

【人】 受験生 雨宮 健斗


   ……っ…!


[はっ、はっ、と酸素を求めて短い呼吸を繰り返す。

 飲み込みきれなかった唾液が、唇の端を伝って、
 ぜいぜいと動く喉を撫でた。

 開いたままだった瞳で見た矢川の顔は、
 なかなか見事に歪んでいて、
 吐き出すように溢れる言葉を聞いていた。 ]



   …なんで、お前が
   そんな顔してんだよ。


[ぽつりと告げて、同じように歪んだ口元は、
 なんとか笑みの形に変えられただろうか。 ]**
 
(83) 2020/11/30(Mon) 0:49:51

【人】 受験生 雨宮 健斗


[特別だっつっても友人で、もちろん男で、
 がっちりホールドされて、
 うっかり頸動脈キメられて、
 殴られるどころかキスされて。


 いくらあいつがデカくても、
 多少己の血の気が引いていても、

 抵抗することなんていくらでも出来たはずなのに。

 何すんだ、って怒鳴るとこだろう。
    
 
  
普通は。
     ]



    …何やってんのお前。
    なんで、こんなこと、すんの。

 
(84) 2020/11/30(Mon) 8:16:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


[さっきの、矢川の言葉を拾って。>>@27
 掠れた声は、いっそ穏やかだった。


 俺は、なんで、笑ってんだろう。    ]
 
(85) 2020/11/30(Mon) 8:17:04

【人】 受験生 雨宮 健斗


[身体が離れて、間を風が通り抜ける。
 あんなに熱かった体温が連れ去られて、
 急激に寒いと感じた。   ]


   サイアクだ。


[自嘲気味に笑いを増やして息を吐いたら声に出た。
 バニラじゃない、鉄の味が鼻腔から抜ける。

 視界がまたぐらりと歪んで。
 ごめん、と言う言葉が>>@36
 遠くで鳴く鳥の声と重なった。  ]
 
(86) 2020/11/30(Mon) 8:21:21

【人】 受験生 雨宮 健斗


[もう体重を預けられる肩はそこには無くて。
 置いてきゃいいのにそれでも己を気遣ってか、
 ゆっくり歩く矢川を、己の意思に反して
 閉じようとする瞼を懸命に上げて目で追った。]



   
   
矢川。


[呼びかけた声は、割に落ち着いていて。
 振り向いてくれなくてもいい。

 目の前が、急に色を失って。
 座り込むように、倒れる直前。    ]
 
(87) 2020/11/30(Mon) 8:23:02

【人】 受験生 雨宮 健斗




   あのさ、俺。



[届いたかな。   ]
 
(88) 2020/11/30(Mon) 8:23:39

【人】 受験生 雨宮 健斗




[ざす、と、
 
 落ち葉がまた鳴った気がした。  ]**
 


 
(89) 2020/11/30(Mon) 8:25:18

【人】 受験生 雨宮 健斗




[気づいてしまえば答えは至極単純で。
 もしかしたら本当はずっと前から、
 分かっていたのかもしれないけれど。

 頬に添えられた手で、
 頸動脈を抑えるように掴まれて、
 無理やりにでも突きつけられたのは>>@35

 
 
きっと唇だけじゃなかったんだな。  ]

 
 
(91) 2020/11/30(Mon) 14:06:07

【人】 受験生 雨宮 健斗


  
ぱち、と瞬いた。

 ぼんやり開けた視線の先には天井と、
 電気が見えた。
 体の下は落ち葉じゃなくて肌触りのいいリネン。

 自分の置かれた状況はなんとなくすぐに理解して。

 さっきまでのキリンの夢に思わず
 小さな苦笑いが溢れて、

 見える世界が滲むのが分かった。  ]
 
(92) 2020/11/30(Mon) 14:07:30

【人】 受験生 雨宮 健斗


[養護教諭の先生の声が聞こえて、
 右腕で顔を覆おうとしたら、
 点滴の管が引っかかってアラームが鳴る。

 今朝、部屋で何度も鳴らしたアラームと
 似たような音だな、なんて思いながら

 やがてやってきた医者の話を黙って聞いた。

 
 睡眠不足、と、貧血。
 医学部には圧倒的に足りない偏差値の己でも
 付けられる診断をして、人の良さそうな
 その若い医者が笑う。


 
いくら林間学校が楽しいからって、
 ちゃんと食べて寝なさい、
 と。 ]

 
(93) 2020/11/30(Mon) 14:10:26

【人】 受験生 雨宮 健斗


[点滴を外してもらって、立ち上がる。
 まだ寝ていたら、と言う声に首を振った。

 肉、食ってこないと。なんて笑ったら、
 無理しないようにと釘を刺されて
 退室は許可されて。

 確かに与えられた休息と睡眠のおかげで、
 随分楽になっていた。
 服装をちょっとだけ整えて、頭を下げた。

 部屋を出る際、ここまで運んでくれた友達に
 ちゃんとお礼を言うように、と言う
 先生の声が背中に届く。


 …はい、と小さく返事をした。  ]
 
(94) 2020/11/30(Mon) 14:12:08

【人】 受験生 雨宮 健斗


[先生にはああ言ったものの、
 流石にBBQに参加する気分でもなくて、
 ぼんやりと部屋に向かって歩いていた。

 部屋に戻っていいものか、と目を伏せる。
 けれど行くところも他にない。


 室内には誰も居なくて、足音が重く汚く響く。
 賑やかな声が漏れ聞こえていて、
 ふいと窓に目を向ける。

 月が、綺麗だな、と思った。


 文豪が意訳したその綺麗な文章を、
 知らない訳でもなかった。
 昨日の風呂を思い出す。


 
  
月は、ずっと綺麗だったんだ。 ]**
 
(95) 2020/11/30(Mon) 14:14:54

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
 どこかの時間 
  


[いつの間にかしっかり認識出来るまでに
 なった声が聞こえて、振り返る。>>96


   おう。


[いつもと変わらない笑顔に、こちらが返すのは
 なんとなくぎこちない笑顔。
 …にならないように苦労した。  ]


   サンキュ、いろいろ心配かけました。


[気遣ってくれる言葉に頭を軽く下げた。
 近藤が紙袋を渡してくれる。   ]
 

   え、なに。
 
(97) 2020/11/30(Mon) 15:10:10

【人】 受験生 雨宮 健斗


[驚いて近藤の顔を見る。
 昨日のお礼、と言う言葉に、
 んが、と変な声が出た。  ]


   そんな、気使うなよ…
   いや、もうなんか礼を言われると
   逆に申し訳なくってな…


[なにが、とは、言えない。
 けれど、あの近藤との時間があったからこそ、
 気づけたことがあったと思うのだ。  

 あの後に、なにがあったか。
 いつかこの後輩に話すことはあるのだろうか。

 手の中で、開いた紙袋の中には、
 バニラじゃない、リップクリームが、
 ころん、と立っていた。   ]*
 
(98) 2020/11/30(Mon) 15:12:53

【人】 受験生 雨宮 健斗


   んがっ…


[また変な声が漏れた。
 さっきより幾分大きかった。 ]


   がっついたとか言わないで…
   鶴子に聞こえちゃう…


[頭を抱える。
 それでも、やられっぱなしという訳にも。]


   気持ちいいってか…
   まぁそれは相手の反応によるんじゃねぇの。


[と返して笑った。
 頬が少し染まった近藤が、
 口元を隠すのが見えた。 >>99  ]


   
あ、お前、思い出したな今!

 
(104) 2020/11/30(Mon) 15:40:49

【人】 受験生 雨宮 健斗


[そうして、続く言葉には、ぐ、と
 息を詰めて。>>99


 血はもう見ました。
 なんて言えないから。
    

 かなり歪んだ笑顔で、   ]
 
(105) 2020/11/30(Mon) 15:42:38

【人】 受験生 雨宮 健斗


[と聞いたのは、
 男としてのプライドか、
 
 もっと違う名前の感情だったのか。]**

 
(106) 2020/11/30(Mon) 15:44:27

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
 いつかの時間 
  



[思っていたより随分と可愛い反応が
 返ってきて>>-290

 ぷいと逸らされた顔に、
 真実はわからないまま。   ]

 
(120) 2020/11/30(Mon) 18:46:11

【人】 受験生 雨宮 健斗


[そう言えば。
 あんなところまで、って…>>108
 どんなところだ、と唸る。
 
自分は、ごく普通のところしか、
 していない。はず。


 自分でやってみた、なんて声に言葉を失った。 ]


   ……その探究心は尊敬する。まじで。


[今時の女子高生は、という彼女が嫌がる
 雑な一括りは、今回は出番がないようだ。]

 
(123) 2020/11/30(Mon) 18:48:26

【人】 受験生 雨宮 健斗


   何、指でした訳じゃないよな。
   その辺は、硬口蓋。奥まで行くと、
   軟…軟らかい方の軟口蓋。
   そこまで行くと嘔吐くから、気をつけて。
   それは、また、別のプレイらしいぞ。
   知らんけど。


[なんて、リップクリームのお礼に
 なるはずもない情報を一つ、送って。]**
 
(124) 2020/11/30(Mon) 18:50:07

【人】 受験生 雨宮 健斗


[遠くから、近づく足音。
 ああ、認めてしまえば、ただの足音だって、
 誰のかって、すぐわかってしまうなんて、

 
サイアクだよ。


 
 名前が呼ばれて。
 わかっていたのに、びくり、と
 思った以上に身体が跳ねた。
 悪戯を見つかって叱られる前の子供みたいで、
 振り向けなくて。

 見上げていた視線を足元に落としたら
 ついでに肩も落ちた。   ]
 
(145) 2020/11/30(Mon) 21:57:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


[背中を向けたまま。
 さっきはあんなに落ち着いて出せた声は、
 今はたった二文字でさえみっともなく震えて。

 振り向かなくていいと言う言葉に甘えた。
 自分がどんな顔をしているかも、
 聴き慣れた声の持ち主の顔も、
 知るのが怖い気がして。

 謝罪の言葉は、同じように少し
 震えているように聞こえた。>>@58
 
(146) 2020/11/30(Mon) 21:59:06

【人】 受験生 雨宮 健斗


   …なんで、


[あやまんの、とか、あんなことしたの、とか、
 続きは言えなかった。
 
 心臓の拍動に合わせるように、ズキ、ズキ、と、
 今更掴まれていた肩が痛んだ。  ]*
 
(147) 2020/11/30(Mon) 22:00:41

【人】 受験生 雨宮 健斗


[俯いたまま聞いていた。>>@60
 ついさっきまでとは違って、随分離れた位置から
 聞こえる声は、もう震えていなかった。


 悔しかった、なんて、
 エゴ、なんて。
 

 いつだって人のことばっか心配して、
 困ったように笑う、
 変わらない優しさが、
 向けられる視線が、
 変わらないまま続くと思っていた。
 続いて欲しいと願っていた。   ]
 
(149) 2020/12/01(Tue) 8:05:36

【人】 受験生 雨宮 健斗


[特別で、大事な人、なんて。
 友達の延長線上。
 そう言えば、変わらないでいられる?
 知ってしまった気持ちに、名前はつけないで、
 また蓋をして、閉じ込めて、馬鹿言って騒いで、
 笑って。

 もう、知ってしまったから。
 それは結構、残酷だなと口の端が歪む。  ]


   …馬鹿じゃねぇの。
            ・・
   お前は特別で大事な友人にキスすんのかよ。


[声が詰まる。
 そんなことを言いたいんじゃ無いのに。  ]
 
(150) 2020/12/01(Tue) 8:07:22

【人】 受験生 雨宮 健斗


[掠れて、震えて。
 
 ゆっくり振り返る。
 そっと見上げた矢川の顔は、
 思っていたより遠くにあって。>>@61


 眉が、少し上がる。
 あぁ、届いてなかったのか、と分かったら
 少しだけ、ちからが抜けて。

 瞳を見つめるのが、こんなに難しい。
 泣きそうに笑った声が、静かな廊下に響いた。  ]



   …ごめん。
   こっちこそ。

   ずっと、わかんないままだったら
   良かったのにな。   *  
 
 
 
(151) 2020/12/01(Tue) 8:12:00

【人】 受験生 雨宮 健斗


[差し込む月の光は人工的な光とは異なる色で
 動きかけた足が止まるのを照らして、
 矢川の眉根がぎゅ、と寄るのが良くわかった。

 問われた事に、違う、って、
 すぐに口は開いてくれなくて、

 ぎり、と噛み締める奥歯の音が聞こえた。


 堰を切って流れ出すような矢川の言葉を。
 言いづらいこともきっとあるだろう、
 必死ささえ含むような、その声を、
 いつもよりずっと困ったように
 寄せられるその眉根も、

 全部、全部、漏らさずに、受け止めたいのに。
 
なんでかな、視界が滲む。
  ]
 
(154) 2020/12/01(Tue) 10:54:09

【人】 受験生 雨宮 健斗


   …告白じゃん。
   それ。


[瞬きをしたらふ、と顔が歪む。
 笑っているのか、泣いているのか、
 自分でもよくわからないまま。

 五反田が言っていたことが月灯に浮かぶ。>>2:12

   諦めたくないなら。
   好きなら、好きなだけ
   続けたらいいと俺は思いますけど。
   無理してるんなら
   やめてもいいと思います。
   ]
 
(155) 2020/12/01(Tue) 10:55:43

【人】 受験生 雨宮 健斗



   矢川、俺。
   好きなやつ、いたみたい、って、
   そう言ったんだ。



[一歩だけ、踏み出した足は、
 思ったより、震えてなかった。  ]*
 
(156) 2020/12/01(Tue) 10:57:54

【人】 受験生 雨宮 健斗


[結ばれた唇が、また開くのが見えた。
 すう、と息を吸い込むのもわかって、
 吸った息の割に短い言葉が
 返ってくるのを聞いていた。

 一度落ちた視線が、また上がる。

 謝罪と、礼を伝える矢川の顔から
 視線は逸らせずにいた。

 今どんな顔をしているか、
 わかっているのだろうか。
 応援する、なんて言う彼は、
 もしかして笑っているつもりなのだろうか。 ]
 
(158) 2020/12/01(Tue) 13:45:10

【人】 受験生 雨宮 健斗


[体調を気遣う言葉が聞こえる。
 ああほら、やっぱり。
 こんな下手くそな笑顔、記憶になかった。 ]


   (…あ、そうか。俺、大事なとこ…)


[どくん、と心臓が跳ね上がる。
 差し出された手を見つめて、
 届く距離まで足を進めた。

 何も言わずに差し出されたのはちゃんと右手で。
 ふ、と笑いが溢れて、それをそっと握り返した。 ]
 
(159) 2020/12/01(Tue) 13:47:17

【人】 受験生 雨宮 健斗


   なんでお前がそんな顔、してんだよ。


[さっきと同じ言葉を繰り返す。 ]


   泣きたいのはこっちだよ。
   …まじサイアクだ。


[握った手に力を入れて、ぐいと引き寄せた。
 腹の立つことに、ちょっと背のびをしないと
 届かない。



 少しだけ、かさかさした唇に
 そっと己のそれを重ねて。     ]
 

 
(160) 2020/12/01(Tue) 13:50:05

【人】 受験生 雨宮 健斗


[確認の為に、と言った近藤>>2:117が、
 ちらりとよぎった気がした。   ]


   …あーもう。

   キスって、こんな、緊張したっけ。
   近藤に、笑われる。


[顔を伏せて、呟いた言葉は、
 今度こそ届いているといいなと思う。  ]
 
(161) 2020/12/01(Tue) 13:50:56

【人】 受験生 雨宮 健斗


[あーあ。
 やってしまった。
 おまけに言ってしまった。


 一瞬触れて離れた唇。

 初心な中学生でもあるまいし、と思うけれど、
 まるで初めてのキスのあとみたいに顔が熱くて、
 とてもじゃないけど顔なんて上げられなかった。
 同じように紅潮した顔が>>@78
 すぐそこにあったと知っていたとしても。

 図体のデカい男二人して、震えているのは
 どちらの手だったか。
 俯いたままの耳に届く矢川の声は、
 やっぱり震えていた。      ]
 
(162) 2020/12/01(Tue) 18:19:44

【人】 受験生 雨宮 健斗

 
   …馬鹿じゃねぇの。
   言えるか何回も。


[つい、と顔を背けて。
 けど、とぽつり付け足す。 ]


   …友達で、男だし。
   積み上げたの、壊れるのが
   怖いんだよ俺。

   理由がわかんないまま
   あんま寝られなかったり
   食えなかったりしてて。
   手は死んでるし、ピアノは弾けないし。
   ───だけどさっき、わかって。  
 
 
(163) 2020/12/01(Tue) 18:22:12

【人】 受験生 雨宮 健斗




   ずっと。

   好きだったんだな。


 
(164) 2020/12/01(Tue) 18:22:38

【人】 受験生 雨宮 健斗


[しょうがないから繰り返してやったのに、
 最後まで言えなかった。

 長い身体を折るようにした矢川が、
 俯いたままの唇を掬い上げて塞いだりするから。


 ──聞こえた言葉に、ふ、と息が漏れて。
 笑ったはずなのに視界が滲んだ。   ]*
 
(165) 2020/12/01(Tue) 18:23:28

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
 それから。 
  


[久しぶりに、腹が減ったな、と感じた。
 けれど残念ながらというか当たり前というか、
 バーベキューは終わっていて。

 どこからか知らないけれど、己が倒れた、
 と言う情報はある程度伝わっていたようで、
 何人かには気遣う言葉をかけられただろう。

 その都度、さんきゅ、大丈夫、と返しながら、
 赤羽にバレたらまずいな、と苦笑いして。  ]
 
(175) 2020/12/01(Tue) 21:52:44

【人】 受験生 雨宮 健斗


[隅の方に座って、おにぎりを齧る。

 入江のカッターで抜かれた、海苔の
 猫だかうさぎだかが>>2:109
 キャンプファイヤーの炎にゆらり
 照らされて、オレンジ色に染まっていた。
 
 カバンに入れっぱなしだったから、
 冷えてちょっと形が歪になったそれは、
 佐藤の神のスピードで握られたおにぎり>>2:@6
 と同じくらい、美味かった。  ]*
 
(176) 2020/12/01(Tue) 21:54:12

【人】 受験生 雨宮 健斗


[I love you を月が綺麗ですねとでも
 しておきなさい、と言った文豪の気持ちは、
 わかるはずもないのに、
 おっさんやっぱやるな、なんて
 頷けるような気がした。

 我君ヲ愛ス、なんて。

 そんな言葉で括れないものが、
 世の中には嫌と言うほど溢れてる。


 深淵でもがきもせずただ沈んでいた己に、
 伸ばされた手があったこと。

 人より少し大きな手に掬い上げられながら、
 暗闇から光が見えたような気がしていた。



 ───あれは、きっと今日みたいな綺麗な月。  ]
 
 
(178) 2020/12/01(Tue) 22:49:28

【人】 受験生 雨宮 健斗


[さて。
 なんやかんやで向かい合ってしまえば、
 この同室というのはなかなかどうして
 困ったもので。

 ───なんて思っていたけれど、
 窓の外に今度こそ本当に張り付いた
 軍曹(体長約20センチ)と目が合ってしまって、
 それどころじゃなくなって、布団を頭から被って、


 …いつのまにか、眠っていた。


 こんなに、ゆっくり眠ったのは、
 随分と久しぶりだった。   ]
 
(179) 2020/12/01(Tue) 22:51:37

【人】 受験生 雨宮 健斗


[目が覚めたら、ベッドから足がはみ出して
 狭そうに寝ている男がいて。

 昨日の朝を思い出して、苦笑混じりのため息を
 吐きながら、アラームを鳴らし続けた。

 ───そりゃまぁ見事に起きないもんで。
 しまいには上に飛び乗って起こしてやろうか、
 と一瞬過ぎったけれど、以前言葉を交わした
 バンドメンバーの話を思い出して踏み止まる。


 代わりにそっ、と前髪に手を差し入れて。
 近くで見る唇は、やっぱりカサついていて、
 親指で撫でた。

 ちょっと悩んで、またままごとのような、
 かすめるだけのキスをひとつ、落とそうか。 ]
 
(180) 2020/12/01(Tue) 22:54:30

【人】 受験生 雨宮 健斗


[遅刻魔の意識がようやくはっきりしたころには
 すっかり日が登る。
 遅すぎる今、何時、には、
 しかめ面で起床時刻ぎりぎりアウトだよ、
 と返す。

 慌てる様子もなく欠伸をする様子に呆れて、
 文句を言おうとしたらつられて欠伸が出た。

 手招きをしているその頬は緩んでいて、
 ドキリとしたことを恥じて隠すように
 ふいと顔を背けたら、布団から身を乗り出して、
 ───キスが降る。   ]


   朝から何やってんだ。


[と睨んだ顔はきっと、
 赤かったと思う。    ]
 
(181) 2020/12/01(Tue) 22:56:36

【人】 受験生 雨宮 健斗


   あー!そうだ。
   肩、ちょっと痣になってるんだけど。
   あと頸動脈キメられたの根に持ってるので、
   掃除はよろしく。


[誤魔化すように言って、箒を押し付けた。
 林間学校は、終わろうとしていた。   ]**
 
(182) 2020/12/01(Tue) 22:58:04

【人】 受験生 雨宮 健斗


[少し思案したけれど、赤くなってしまったことが
 癪で先に朝食会場に向かった。

 誰か知った顔がいたら挨拶をして、
 言葉を交わして。
 昨日と変わらず豪華な朝食を、
 昨日よりは沢山食べた。

 
 帰りのバスの座席は、行き道と同じだったか、
 それともランダムだったのか。

 もし同じだったのなら隣には異色の瞳が
 見えたかもしれない。
 もう、己の上着が必要無さそうな様子が
 そこに見て取れれば、お疲れ、と
 手を上げて、笑みを浮かべただろう。  ]
 
(183) 2020/12/02(Wed) 16:36:50

【人】 受験生 雨宮 健斗


[色々あった山が背中に小さくなっていく。

 来た時と同じように、よーいお茶が
 膝の上で暖かい。

 左手に持ち直して、右手でキャップをまわす。

 ──ぱきゃ、と、久しぶりに一度で音が鳴った。 ]**
 
(184) 2020/12/02(Wed) 16:37:38

【人】 受験生 雨宮 健斗

  
なんやかんやで自宅の話
  


[玄関を開ければすぐにぱたぱたと
 駆けてくるスリッパの音。
 荷物をどさりと落として、ただいま、と告げた。

 18の息子に向けるには少々、いや大分甘い顔で、
 不安げに笑って、どうだった、と尋ねる母親に、
 うん、と頷いた。      ]


   ──楽しかったよ。


[そう、とまた笑った母親の視線が一瞬
 手元に落ちたのがわかって。   ]


   カレー、作った。
   おにぎりも。
   …料理って、大変だな。


[母親の目が落ちそうなくらいまん丸になった。 ]
 
(185) 2020/12/02(Wed) 18:06:04

【人】 受験生 雨宮 健斗


   ──やっぱ、卒業したら、
   家出ようと思う。
   ま、大学、受かったらだけど。


[眉を下げて笑ったら、母親の口が、だって、と
 言いたげに動くから、    ]


   …母さん。
   色々心配かけてごめんな。


[と遮った。
 まん丸な瞳が緩んだのが見えたから、
 やば、と思って、   ]


   受かんなかったら、父さんに
   ひとつよろしくって言っといて。


[と片手を上げて、自室へ階段を足早に。 ]
 
(186) 2020/12/02(Wed) 18:09:41

【人】 受験生 雨宮 健斗


[はぁ、と息を吐いて、ベッドに腰掛ける。
 ようやく落ち着いて、煙草に火をつけた。

 あ、と思い出してポケットと鞄から
 旅の相方を取り出して、窓辺にそっと。

 
 追いかけてきた母親がそれを見て、
 可愛い折り鶴、誰に貰ったの?と
 しつこかったのは、想定外の話。  ]**
 
(187) 2020/12/02(Wed) 18:10:59

【人】 音楽教師 雨宮 健斗

  
 いつかの 
  



   おまえら!
   未成年が煙草なんか吸ってんじゃねぇ!
   没収だ没収!


[はー?先生ふざけんなよ返せよー、と笑う声に
 こちらもにやりと笑って凄む。  ]


   お?やんのか。
   お前らの卒業は俺次第だっつーのを
   忘れてんじゃねぇだろうな?ああ?


[なんの因果か林間学校。
 キャンプファイヤーの炎に揺らされて、
 少し離れたベンチで上がる紫煙を
 目敏く見つけた。

 ひょい、と没収したそれにこれ見よがしに
 火をつけて、深く吸い込む。

 わーまじかよ最悪、と言う声に笑いながら
 吐き出した白が、月に向かって登る。   ]
 
(197) 2020/12/02(Wed) 21:24:41

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[なんで全員必須なのか、なんとなくわかった気がする。
 希薄になっていく未来のために。
 そうならないための絆を。
 解けかけた糸があるならもう一度結んで。

 そんな願いが、きっと込められているのだ、
 と思う。


 会ったばかりの煙草臭いパーカーに吸わせた涙も、
 敷かれたレールから少し外れて出逢った恋にも
 同じ方向を向いた愛も、
 年季の入ったネックレスも

 思い出したら頭を抱えるような不器用な恋も、

 きっと全部まとめて、月は見ていた。  ]
 
(198) 2020/12/02(Wed) 21:26:29

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[───さぁ、明日。
 朝食ブッフェ食ったら帰ろう。

 首から下げた銀色が、キャンプファイヤーの
 炎で僅か煌めいた。



 ただいま、って言う相手はあの頃と変わって。
 
 図体のデカい二人にはちょっと不似合いな、
 折り鶴と雪の結晶がちょこんと佇む家に。


 深く吐き出した紫煙は、


 ───細く、白く、月に伸びた。   ]**
 
(199) 2020/12/02(Wed) 21:30:12

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


   ──笑いすぎ。


[だから言いたくなかった、と、目の前で
 顔を伏せて笑い続ける彼をギロリと睨んで。

 友人の名前を出してまた笑いを増やされて。
 しぶしぶ口を開いたら、きっとさらに笑うくせに。]


   …もう笑われた。
   理科室に灰皿もうないですよ、だって。
   ──マジムカつくあいつ…

 
(202) 2020/12/02(Wed) 22:32:10

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[ひとしきり笑ったあとで褒められてもな、と
 また睨んで、残ったおはぎをぽいと口にした。

 そうして、口を掌で抑えながら
 ぼそりと告げられた言葉には、
 息を呑んで、ふ、と笑んで。  ]


   まぁーな。
   モテちゃうかな。


[にやりと笑ってやった。
 籠った小さな声には、ちらりと視線を流して、]


   …おっそ。気づくの。


[とそっぽむいてやるのだ。  ]
 
(203) 2020/12/02(Wed) 22:33:39

【人】 音楽教師 雨宮 健斗


[着任の日。
 珍しくスムーズに起きた彼から渡された、
 銀色に目を見張る。
 まじかよ、と言いながら、完全に赤くなった顔を
 誤魔化すように、そっと、唇を合わせた。


 せんせー、彼女いるんですかー?
 なんて、早速きゃっきゃする声に、  ]


   いまーす。
   わかったからとりあえずはやく座れ!


[と、相変わらずの言葉使いで、
 お世話になった校長室に呼び出されたと言えば、
 きっとまたお前は笑うんだろう。  ]**
 
(204) 2020/12/02(Wed) 22:36:32