人狼物語 三日月国


65 【ペアRP】記憶の鍵はどこ?【R18】

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視点:


館の主7票

処刑対象:館の主、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:龍人族の勝利



    潤さん……

[
 誰よりも大事な人の名前を、呼べた。
                  ]*


   ……やっぱり。お帰り、美鶴さん。



  ネックレスは2人にとっての鍵だった。
  その事実がとても嬉しくて、
  でもそれを適当なところにぽいっと
  放置していた輩にはイラッとして。

  なんの世界なのか、結局わからないまま
  彼は彼女を抱きしめて意識がなくなる。
  彼女の方はどうだったか、
  あまりわかっていないけれど、
  次に目を覚ましたとき、
  2人は寝る前の半裸の状態のままだった。

                     ]

    ……なんや、危なかった。
    おはようさん、美鶴さん。



  朝食を作らなければいけなかったけれど、
  今はただ、すやすやと眠る彼女の
  可愛い寝顔を見ていたくて
  頬を優しくフニフニと触っていた。

                     ]*


    ……ただ、いま?

[
 返事はこれでいいのかな、なんて思いつつ
 手の中を見てみれば
 光の粒とともに“鍵”は消え去った。
 
 ……まあ、私が大事にするものが鍵だったのは
 嬉しいんだけど……。

 余計な事まで喋った気がしてならない。
 
誰だこんな状況作ったのは!!!!


 そんな憤りを彼が察知したかは知らないけど。
 ぎゅうっと抱きしめられて意識が遠くなっていった。
                         ]

    んん……もーすこし…ねる…

[
 頬を触られている感覚で目覚めれば
 大好きな人がこっちを見ていた。
 寝起きはうまく頭が回らなくてぼーっとしてたけど
 ふと違和感を感じて左腕を見れば……
 
 
“痣がある”


 夢でぶつけて出来た、痣。
 ……意識が覚醒した。
 いや待って、待って。
 もしかしなくても夢が夢じゃなくって
 あの出来事を、記憶をなくしてたことを
 実際に体験したとかありうる?????
 もしそうだとしたら……

 私はまたこの人に失礼なこと言ったことになる。
 しかも隠してた過去を話して……しまったような…

 夢の中の自分に盛大に裏切られてる……。
 えっこれ潤さん怒ってたりしない?
 私なら多少なりとも怒るよ???
 
 
現実の逃げるコマンドどこかな…

 現実逃避まで思考が巡った私は
 とりあえず布団をかぶって顔を隠した。
                     ]*

村の更新日が延長されました。

[ハチヤが先に立ち、廊下を歩き階段を下りる。


部屋の外はこんな風になっていたのか。部屋は寮と似ていたのに一歩外に出るとまるで知らない場所だった。ドアすら開けた時はいつものドアだったのに、閉める時には違うものになっていたのだから不思議なものだ。

知らなかったけれど、聞いたことがなかったけれどこの場所はハチヤがかつていた場所らしいから。興味深くて見回しながら歩いていたら転ばないようにって片手が差し出された。こちらのハチヤは相変わらず優しい。


ここだよ、とハチヤが立ち止まったのはなんの変哲もない棚の前。人一人、余裕で入れる大きな棚。
知らない場所に、ふと一瞬だけ知らない廃墟の風景が混じる。先程の幻を考えるとハチヤの旦那が暴れた後の風景なのだろうか。風景を覚えこむように見回して、そして開けようと引き戸に手を伸ばした指先をハチヤが止めた。


そうして恐る恐ると彼が手を伸ばし、触れた瞬間に]


 ……。


[見えたのは、過去の愛情。それとも執着と呼ぶべきものなのだろうか。ハチヤはどんな顔をしている?気になるけど、俺だったら今顔を見られたくない。だから代わりに握ったままだった手をぎゅっと握ると抱きしめられた。

ハチヤは、そこまで旦那……しちろ?に未練はなさそうに見える。けれどしちろからハチヤへは。あの、向ける思いは本物で、確かに恋情なのだろう。


それを俺にも見せてくるのは牽制なのだろうか。ここまで思われてるハチヤを取るなら覚悟をしろとでも?どちらにしても……ちょっとだけもやもやするから、宥めがてら少しだけ高い背を引き寄せて額にキスでもしてやろう]


 ここで……合ってる?みたいだな。俺が開けるか?


[落ち着くのを待って、そっと声をかける。こいつがどう思っていたとして、納得するようにしてやりたい*]

村の更新日が延長されました。



    ……どないしたん、そんな顔隠して。
    今更、昨日のこと恥ずかしくなったん?




  昨日のこと。何とは言っていない。
  寝る前の話かもしれないし、
  寝た後の話かもしれないし。

  ただ、そう言って彼女の反応を見てみたかった。
  どちらのことも彼女にとっては
  恥ずかしかったことに変わりなく。
  彼は、朝食のことを考えることをやめ
  彼女の反応をただただ待った。

  それが良いものかどうかは、
  今の彼では分かりかねたけれど。

                    ]*



[
 昨日の事、と言われて
 やっぱり夢の事ですよね!と
 寝る前の事まで思考が回らないくらいには動揺していたので。
                             ]

    
恥ずかしくないわけないじゃないですか!!

    
色々余計なこと喋っちゃったし…


    あの、えっと…すみませんでした…!
    わたしまた失礼な……

[
 そろりと顔を出してまくし立てた。
 潤さんがどんな反応をしたかはわからないけど。
 とりあえず落ち着こう。…手近にあったパジャマを着つつ。
 深呼吸を一度。
 ……夢のことを思い出せば、潤さんも色々気になることを
 言っていたな、と思案して。
 ……私には言わないといけないことがある。
                            ]



    ……あのね。聞いてほしいことがあって。

[
 あの時。核心をつかれて応えられなかったこと。
 今までは目を見て言えなかったことだったけど。
 今なら……知られてしまった今なら。
 
 それに、隠してしまったことで彼を傷つけてた。
 ……潮時、だなんて思わせてしまうまでに。
 だから私は応えなきゃいけない。
 
                彼の
想い
に。
                       ]

 
  私……素敵な女性じゃないんです。 
  料理だって潤さんと比べるとまだまだで
  上達だって遅くて……
  
  可愛かったり美人だったりもしないし…。
  ……潤さんは何でもできるから
  一緒にいて何も返せたりとかしてなくて
  ……ふさわしくない、とか考えたり、とか。

  すごく失礼だけど、私は潤さんのこと信じ切れてなかった。
  なんで私なのかってどこかで思ってた、から。
  

  でも。でもね…
  私、それでも潤さんのことすごく好きで。
  貴方のためならなんでもしたいし
  貴方の時間は全部欲しいし
  貴方には私だけを見ていて欲しい。
 
  ずっとずっと傍にいたい。
  貴方が帰って来るの遅いときは寂しかった!
  
  ……こんなに好きなの自分だけだったら
  気持ちが重いって思われたらどうしようって不安だった。
  “欲まみれ”なのは私だって同じ。
 

[
 ……少し息を吐く。
 潤さんが何か言うのならそれを聞くし。
 黙ったままなら、また言葉を紡ぐ。
 あの時の答えを。
                  ]*



    ………………




  彼女の話を聞けば、彼はふっと笑みを見せた。
  可愛い人だな、と思うしかなくて。
  
  でも、そう思わせたのは彼女の中のせいで、
  彼女のせいでは全くない。
  だから信じ切れていなかったと言われても
  そんなに傷つくことはなくて。
  よしよし、と彼女の髪を撫でながら
  軽く唇を重ねて彼女のことを労う。

                     ]

   話してくれて、おおきにな?
   ……素直に、嬉しいわ。

    *




[
 …怒られたりとかあまりいい反応されない可能性も
 なくはなかったのに。彼は笑みを見せてくれて。

 
夢の中の貴方も、嫌な顔なんてしなかった。


 唇を重ねられて、潤さんは受け入れてくれるんだって
 安堵した。信じ切れてなかった自分が
 嫌になりそうではあるけど。
                          ]

    …潤さん昨日聞いたよね。
    なんで私がOKしたのかって。
    それは…… 


    私を、飾りもせず女性らしさもない私を
    そのまま受け入れてくれた貴方は、
    一緒にいて心地よかった。
    話していてとても楽だった。
    気なんて遣わないその時間が、好きだった。

    友達のままじゃ不可能な位の時間を
    
貴方となら共に過ごしたいと思ったから。


    貴方が私の思い込みを超えて想い続けてくれたから
    私は貴方に……
をした。

[
 仲良くなってからの貴方は、そう思わせるだけの
 言葉を、想いをくれていた。
 じわじわと水がしみ込んでいくように、
 時間はかかったかもしれないけれど。

 好かれるわけないって思いこみを
 もしかしてって思うくらいに崩したのも貴方。
 だって可愛さとも美しさとも縁のない私を
 認めてくれる人がいるなんて…
 思ってもみなかったから。
 
 それでも鈍感な私は、
 貴方の気持ちを確信できずにいたけど
 でも、結局、貴方に惹かれて

 貴方のほうへと振り向いたんだ。
                  ]

    だから…想い続けてくれて
    私を好きでいてくれてありがとう。

    
ずっと、ずっと傍にいてください。

    潮時なんて、もう思わないで……。

    *

[着いちゃった。
なければいいなって思ってたのにあの棚は、記憶のままにあったんだ]


 ──ここだよ。


[棚に手を伸ばして、止める。
棚が鍵だったら、選ばれないんだろうなって思っててもいきなりエンと離れ離れになるかもしれない。それはちょっと嫌だから。

でも、冷蔵庫の一件もあるからエンに開けてもらうのも嫌だ。
だから、おれは、棚自体が鍵じゃないことに望みをかけて、エンの手をぎゅっと握ったまま、棚の扉を引こうと触ったんだ。










──そして、おれは、しちろの最期を見た]

[

 ごめん、しちろ。
 今のおれには、しちろの言ってることがわかる。
 
 おれにも未練があるけれど、
 それがしちろじゃなくてごめん……


顔を見せたくなくなってエンをぎゅっと抱き締めたんだ。
共感しかできなくておれも泣けてきちゃうから、上を向こうとしたんだけど、それより先にエンに引き寄せられて額にキスをされたから。
宥められついでに首筋に頭を擦り付けるように軽く抱き付いて]


 うん、あってるよ。 あってるはず。
 おれが開けるから大丈夫


[それからエンの提案を断って、棚の戸を引いたんだ。
触っても大丈夫って知っているから、戸を引く手は迷わない]

 

 …………


[棚の中には魔術符が一枚。よりにもよって活性状態になっているんだけど…………なんでだろう。

魔術符は、おれの宝物だった魔術符は、おれはもう持ってないはずのものなんだ。
盗まれてぼろぼろにされて宝物は、取り戻せはしたけれど、おれが2年に上がるまで持たなかったはずなんだ。
そもそも盗まれた原因なんだっけって話だけど。
なんでここにあるんだろう。


活性状態、つまり符がなんかの魔法を使ってるってことなんだけど、魔術符は消耗品だから。
役目を終えれば、朽ちてしまうものなんだ。
おれがもう持っていないはずのものを使えるはずもないし、あっちのハチヤにしても使うかな?
なんで動いているんだろう。


これが鍵ならおれはまだ触りたくないななんて。
だからおれはエンの顔を覗きこんで、その言葉を待つことにしたんだ**
]


   …………好き。
   そのままの貴方が、好き。
   ずっとそのままでいてほしいくらい。

   恋に落ちてくれて嬉しい。
   もう思わないから、貴方のそばにいます。
   …だって、そんなに気持ちを伝えてもらえたから。


   初めて、心の底から安堵したわ……




  伝えながらぎゅっとだきしめた。
  多分その抱きしめた腕は少し震えて
  安堵の感情が伝わってしまったかも。

  あれで記憶が戻らなかったら、と
  不安で不安でたまらなかった。
  そして、また4年かけて、となれば
  彼はどんな選択をしたのか
  考えただけでもゾッとする。

                   ]





   これからは、もっと素直でいて?
   じゃないと、……
   俺も苦しいから。



  虚勢を張っていたわけではないけれど
  待つことが苦になってしまうことも
  そろそろ表に出してもいいかも、と
  彼は彼女の瞳を見つめて伝えたはず。

                    ]*





    ……そのまま、でいいの?
    今みたいに沢山頼ったままでも…
    朝起こしてもらったりとか
    ご飯作ってもらったりとか…

    うん……私もずっとそばにいる。
    貴方の記憶をなくして
    貴方がどれほど私にとって大切で、
    私がどれほど貴方にとって大切なのか

    やっと、わかったから。
やっと確信できた。



[
 潤さんにぎゅうっと抱きついた。
 彼の腕は震えていて、ああ、こんなに心配をかけて
 不安にさせてしまっていたとようやく気付いて。
 手を伸ばして、そっと彼の頭をなでた。
 
 ……私が記憶をなくしたままだったら。
 多分彼を好きになるのに四年はかからない…はず
 でも、万が一夢の出来事を忘れて記憶もなかったら…
 どうなっていたかわからない。
                          ]


    ……ごめんなさい。
    潤さんだって、
    かくしごとしてたんじゃないですか……

    いつも涼しい顔してるようにみえて…
    ぜんぜん、わからなくてっ……

[
 見つめられながら苦しい、なんて言われて
 そうさせたのは私なのに、涙が溢れてくる。
 上手く言葉にならない。
 
 ずっと大事な人に苦しい思いをさせてたなんて
 私は、なんてことしてたんだろうって思う。
                      ]*

[棚の中から出てきたのは、一枚の魔術符。あれは……みたことがある。ハチヤの宝物だ。覚えてる。これが原因でハチヤはいくつかの授業が出入り禁止になったし近くにいたからと俺まで巻き添え喰って罰を受けた]


 これ。ハチヤが宝物って言ってたやつだよな。盗まれて取り返すのにお前が大暴れしたやつだろ。
 懐かしいな。ボロボロんなってあんまりにも落ち込んでるから、保護の魔術俺がかけてやったんだよ。そういやあの直後くらいからハチヤがすげー懐いてきたんだよな。そうか、しちろの符だったのかこれ。

[知らない間に恋敵に協力していたらしい。それにしても目の前の符は今にも朽ちてしまいそうだ。これが朽ちたら……朽ちるまでに、ハチヤが戻らなければ。あちらのハチヤは消えてしまうのだろうか]


 ……ハチヤ…なぁ。あっちのハチヤとお前と、両方残ることってないのかな?今のお前をあいつが覚えていれば、そしたら。
 ……ないかな。ない、んだろうな。ハチヤ。ハチヤ……俺……


[唇が震える。その言葉を口にしたくなくて。けれど、その言葉は俺が言わなくてはいけないことなのだろう]

 


 ……そっか


[魔術符を目にしたエンは懐かしそうに目を細めて、ハチヤがエンに懐いた時の話を聞かせてくれたんだ。。
エンから聞いた思い出話は、当たり前の話だけれどおれの記憶とは違ってて。

なくなったはずの魔術符と、今ここにいるおれ

なくならなかった魔術符と、今ここにいないあっちのハチヤ


鏡をみてるみたいなあっちのハチヤとこっちのおれ。
だから、多分この思い出は、ハチヤの分岐点だったんだろうってわかるし、
これが鍵なんだろうっていうのも確信してしまうんだ]

[消えたくないって縋れたら楽だった。
傍にいたいって縋ってしまいたい衝動に駆られた。
でも、おれがそうするより先に、エンが縋るような目を向けたから。
奇跡に縋りたそうだったから。

おれは、言いたかった言葉を飲み込んだんだ。


「おれをあっちのハチヤが覚えていれば」なんて、
統合じゃなくそっちが出てきちゃう時点で、おれとハチヤはそれほどまでに別物で。
裏を返せば、ハチヤにとってエンはそれほどまでに大きな存在だったっていうことで──…

ああ、もう、頭の中がぐちゃぐちゃだ。
なんかエンはあっちのハチヤがいる前提で話しちゃってるし、つまりは、うん……そうだよね

なんでおれはあっちのハチヤに見せつけられなきゃいけないんだろうなって気持ちが、別れる辛さより強くなってきたから]

[俺が言った言葉は、このハチヤを選べない時点で、俺が言っちゃいけない言葉だった、のかもしれない。目の前のハチヤが泣きそうな顔を歪め、無理に笑みを作るから。


 けど俺は、こっちのハチヤだって好きなんだよ。それ以上に……あっちのハチヤが大事になってしまっている。自覚なんてなかったのに、いつの間にここまでになっていたのだろう]


 ……、うん。


[
 ──好きだよ。お前だって大事だよ。


 その言葉はもう使えない。だから初めから分かってたみたいに頷くハチヤに、こちらも頷くしかできないんだ]

[そう、ハチヤは俺がどんな答えを出すのかなんて知ってたみたいだった。俺のことなのに俺以上にこいつの方が詳しいなんておかしいけど、きっと俺以上に俺のことを見ていたんだろう。こんなに短い間だったのに。



 もう会えないのだろうか。もう二度と。



 ハチヤは、あれできっとしちろが大事だったんだ。だからこそしちろの遺した魔術符を大事に持っていたしどんな手を使ってでも取り返そうとした、そしてあれに保護をかけた俺に懐いた。

 それでも俺を選んでくれたのに。

 俺は、このハチヤに好かれなければよかったのだろうか。そうすればこのハチヤは今もしちろの大事な嫁で]


    頼られた分俺も頼る。
    もちろん、ご飯も作ってもらう。
    これで普通に対等でしょ?
    どっちが優れてるとか、ないから。

    …………
    よかった、ほんま…ほんまに……



  感情がおかしくなって泣くのではないかと
  彼は思ってしまったけれど、
  腕の震えだけで収まっている様子。

  でも、彼女の涙が見えたなら…
  少しだけ彼も涙を流したかもしれない。

                      ]

    っ、……あかんな。……

    あかん…………
    少しでもええところ見せたかったんよ。
    それに、美鶴さんが…受け入れてくれる
    そんな確信がなかったから。


   *


[目が覚めたのはベッドの中で、ひどい倦怠感と頭痛がするのはよくある魔力酔いの症状だろう。

とりあえず水を飲もうと、おれは体を起こしてサイドテーブルに手を伸ばしたんだけど……なんでだろう?手を伸ばした先に水差しの手ごたえがない。
そちらを見ればサイドテーブルもない。
っていうか元々なかったんだけど、なんでおれはサイドテーブルがあるって思ったんだろう?

まだ本調子じゃないけど、エン君もきっと喉が渇いているだろうから、おれはキッチンに向かうんだ。
水差しとマグ二つをテーブルに運んで、おれはエン君を起こそうかなって思ったんだけど、その前に]


 ……


[顔に
が生えちゃったから、これは引っぺがしとこうなんて、おれは右目の下をかりかりかいて小さな鱗を剥がしたんだ]

[
 どっちが優れてるとかない、
 なんて私が潤さんの立場になって考えれば
 わかるだろうに、なんでわからなかったんだろう。
                        ]

    うん……頼ってほしい。
    もっともっと、貴方を教えて…?

[
 彼が泣いているのが目に入ったら
 余計に涙を止められるわけもなくて
 でも、でも……
 今まで見なかった貴方を見せてもらった気がして
 少しだけ、うれしくて。
 ええところみせたいなんて、夢の中の貴方が言ってた
 子供だって言うのに、納得してしまった。
                         ]

    ……潤さん、子供だったんだね
    
私だって、そのままの貴方が好きなのに。

   
    でも、きっと私が伝えてなかったから…
    だから、何度でも言う。
    
    私は、どんな貴方でも受け入れるし
    ありのままの貴方が、
大好き
です。
    その証拠に……
 

[この鱗、
いつも生える鱗に比べて根本があまりにも心許ない形なんだけど、
今まで変な形の鱗が生えたこと……は、確かなかったはずなんだ。

なんか、この鱗]


 ──……


[生えた場所も考えると]


 ……涙、っぽい?


[面白い形の鱗だけど、よくわからないものをエン君に食べさせるのはダメだと思うから。
この鱗、どうしようかな。

とっておいたら、他の鱗みたいにいつか食べられちゃいそうだし、
このまま捨てて、廃棄されればいいけど誰かの手に渡ったらなんか嫌だ。


……そうだ! いっそのこと、おれが食べちゃえばいいんじゃないかな!*]

[目が覚めた。


 あいつが何か言いそうに覚悟を決めた顔をして、けれど結局なにも言わずに符を両手に持って──そこまでだ。


 目を覚ましたのはいつもの寮の部屋で、いつもはもっと寝起きが悪いのにすぐに目が覚めたのは、目の横をくすぐったい感触が流れたからだ。
 夢の中では何とか泣かずに済んだのに、こっちでは耐えられなかったらしい。もそもそと布団をめくって顔を出したら、起き出したらしいハチヤの姿が見えた]


 ハチ…っ、けっほ!


[飛び起きようとしたけど、腰に力が入らなくてすぐに逆戻りになった。おまけに声はうまくでないし。さっきはちゃんと立てるようになったと思ったのに]


 ゆ、め?


[そうなのだろうか。俺が起き上がってすぐ倒れたからだろう、ハチヤが慌てて駆け寄ってくる。あ、これ犬だ。その顔をじっくり見ようと覗き込んだら──目の下にうっすらと鱗を剥がした痕がある。相変わらずちょっと乱暴に剥がしたのだろう、ちょっと血が滲んでる]


 おまぇ……けほ…かってに、剥がすな、って……


[俺のあまりの状態にだろう、準備されていた水を手渡された。準備がいいな。数口飲んでやっと人心地ついて、それから奴の手の中に不思議なかたちの鱗を見つけた]


 何、それ……涙?


[そんなかたち。片手を伸ばしてその鱗をもらおうとする。嫌がられてもそれだけは絶対俺が受け取らなきゃいけない気がする。
 状況でいうと。今までのことは、きっと夢なのだ。けれど夢だと思うにはあまりにも。あまりにも──あのハチヤの最後の顔が頭を離れなくて。違ったらいい、なんて思うんだ]


 なぁ。お前、なんか夢みてた?
 あと、しちろって知ってる?


[あのしちろが本当なら、きっとこいつはわざと俺に言わなかったのだ。だからこそ本当か夢かの判断になる、と俺はお構いなしで突っ込むことにした*]

【人】 アマミ


[二度寝と空想から現実に戻ってきたのは、
クラヴィーア
の音色が聞こえた時だった。>>+5

彼女と夜を共にする理由をくれた雨の音は、今のアマミにとっては少し心地が良い。


何度か名を呼ばれると小さくあくびをひとつして。]


   あぁ......おはよう。クラヴィーア。



[寝起きで掠れた声のまま彼女の名を呼ぶと記憶の中を整理し始める。

夢の中の出来事など本来現実を生きる者に何も影響は与えないはずだ。
夢の中で最後まで彼女を離さなかった>>+3

しかし現にアマミにも、そして彼女にも影響が出ている。>>+5
ということはあれは夢ではないと言うべきか。
寝惚けた頭ではアマミもまともに考えが浮かぶわけがなく、先に話を切り出したのは彼女の方であった。]

(0) 2021/04/10(Sat) 19:55:28

【人】 アマミ


[どうやら夢の中でのことは彼女の記憶にものこっているらしい。
アマミはホッとしたように軽く息を吐いて]


   礼には及ばない。
   あれは君が自力で解決したんだ。

   俺はちょっと手を貸しただけだよ。


[そう彼女に微笑むのだが。
アマミ自身、よく分かっている。
自分が言いたいのはきっとそこでは無いのだと。

内心と口上のギャップの差は結果として彼女の話を先に引き出すという結果を招くことになった。]

(1) 2021/04/10(Sat) 19:56:49

【人】 アマミ


[己の願いは呪いの楔となってしまってはいまいか。
それは彼女の話を聞く前から気になっていたことだった。

奇しくも半分正解で半分不正解のような気がする。


彼女に確かなプレッシャーを与えつつも、そのプレッシャーが彼女にとって良いものであったかどうかはこちら側からは判断が出来ないものだったのだから。]


   それは.........俺が君を我が家に招いて
   こうして泊めていることで答えには足りないか?


[アマミは他者を厭世の目で見る男だ。
己の空間に他者を招き入れるなど、信頼がなければ出来ないことだが。

彼女が問うたのはおそらくはそんなことでは無いのだとアマミには思えたから、彼女の気遣いに応じるように>>+7その口を開く。]

(2) 2021/04/10(Sat) 20:01:48

【人】 アマミ



   厳密にはだけど。
   俺は、君にV願いVはないよ。

   本当に叶えたいことは
   願い事に括って済ませる気は無いからね。


[そう言って彼女の手を優しく握る。
現実的に叶わない事だから人は願い事に乗せる。
アマミが彼女との間に望むことは、願い事に縋るほど儚いものではなかった。
願うくらいなら、その手を掴んで離さなければいいのだ。]


   俺に未来を与えるのではなく
   俺が作る未来でただ傍にいて欲しい。
   俺は君とはそういう関係でありたい。


[与え、与えられる関係。
その土俵から降りた時、彼女と己は新しい関係として始まりに立つことになるのだと思っていたから。

バーバチカ島での恩赦は、これを最後にしたい。
月に願うでも、神に願うでもなく。

アマミは彼女に告げる。
たった1つだけの、思い描いた未来の希望を。]

(3) 2021/04/10(Sat) 20:03:47

【人】 アマミ





   俺は君を愛すると、
   今ここに誓おう。


         ─────────だから。

(4) 2021/04/10(Sat) 20:07:31

【人】 クラヴィーア


 おはよう。アマミさん。

[寝ぼけた返答にふふ、と笑って返答一つ。>>0
 ……なんかくすぐったいぞ。これ。]

 そうかな? 結局見つけてくれたのはアマミさんだしなぁ。
 その手助けがなかったらきっと無理だったと思うよ。だから素直に感謝を受け取ってくれ。

[自力で、と言われる程何が出来た気もしない。
 酷いパニックを起こさず終えれたのもアマミさんのお陰だったしな。
 まぁここは押しつけ合戦になっても仕方ないか。]
 
(5) 2021/04/10(Sat) 20:48:48

【人】 クラヴィーア

 
[あの願いが呪いかどうか、と問われたら>>2違うと迷いなく答える。あの願いがあったから私は……穏やかに生きてこれた。

 リアンさんの願いの通りに自分の為の願いを、自分でしたいと思っていた。思ってはいたが家族からの解放以上の発想は当時なかった。
 そこから先を考えることは出来ていなかった。
 その先も守って貰えていたのは確かな事実なんだから。]

 ……そうだな。それもそうだったな。
 うん、でもやっぱり言葉で聞きたかったんだ。

[そういう人だと分かっていても、やっぱり自信はなかった。

 続いた言葉に目を見開いた。>>3
 ……願いに括る。その言葉が完全に意識の外から来たからだ。

 手を握られる。
 その温度はただ、優しい。]

 ……アマミさん

[それは、私の中にあった罪悪感を見透かされているようだった。]
 
(6) 2021/04/10(Sat) 20:50:22

【人】 クラヴィーア

 
[それは、私がずっとずっと望んでいた言葉だった───……>>4>>-24

 顔がただ赤くなる。
 鼓動がどんどん強くなって
 私の内側から私を叩く。
 息がつまる。
 意味を飲み込むのに数秒。

 涙をこぼして、言葉を音にする。]

 ……わたし、はね。
 願い自体は嬉しかったし、大事なものなんだ。
 でも、失わせたのが 
重かった……。

 自分が……それだけの価値があるのかって
 うまく、自信がもてなかった……。

 だから願って貰えば、叶えることが出来れば
 それで何かを返せるんじゃないかって……。

 ……違ったんですね。
 
(7) 2021/04/10(Sat) 20:52:32

【人】 クラヴィーア

[アマミさんが望んでいるのは願いじゃなかった。
 もっともっと確かなもの。“私自身”だったんだ。]

 ────……私、も
     私も 誓います。

アマミさん、貴方を
愛すると。


 
(8) 2021/04/10(Sat) 20:54:32

    ……そ、子供なの。
    美鶴さんにはいい顔してたい。
    怒られたくない。
    後、わがままでいたい。




  子供、と言われればうん、と
  小さく首を縦に振ってみる。
  わがままにお互いなれなかったから、
  今回のこの夢の出来事は
  悪すぎることはなかったけれど2度とごめん。

  彼女に囁かれれば、
  ちゅっと頬に口づけを落として。
  記憶が戻らなければ、
  今こんな風にはしていなかったから、
  改めて戻ってくれてよかったと実感している。

                        ]*



 

 ううん、鱗だよ。


[涙みたいだっておれ自身が思っていたはずなのに、エン君に涙?って言われて咄嗟に否定してしまったし。
エン君が手を伸ばしてきたけど、おれは鱗を握りこんだんだ。


 ──見せたくないなあって思うんだ。
 ──見られたくないだろうなあって思うんだ。
 ……なんでだろ? 誰がだろ?


それでもエン君が握りこんだおれの手に手を置いて、じぃっとおれを見上げてきたら、
おれはゆっくりと手のひらを開かざるを得ないんだ]

[夢を見たかって聞かれたんだ。
夢?もちろん見たよ!]


 見たよ。確か……
 錬金術上級クラスで鍋パーティーしてたんだけど、ウォル先輩がランドランタートルの胆石突っ込んで怒られてたのは覚えてる。


[そのあと軌道修正ができなくて闇鍋パーティーになってたのも覚えてる。あ、エン君もなんでか参加させられてたよ。

おれが覚えてる夢はそれだけ。

夢ってたくさん見るらしいから、見てたけど思い出せない夢はいっぱいある気がするけれど、
それはさておき、なんで夢の話をしてるんだろう?って気にはなるから]


 ……エン君、こわい夢でも見た?

 
[って、おれはエン君に聞いたんだ]


    …怒られたくないって、
    私そんなに怒ったことあったっけ…?

[
 くすくすと笑いつつ、口づけには照れてしまう。
 …さらっとそういうことできるのは
 やっぱ大人だと思うし…
ずるい。

 潤さんは思った以上に子供だったみたい。
 そんなの気づけないよ、って思ったけど
 ……気づく要素はいくらでもあったわけで。

 見てるようで見てなかったってことなのか
 私があまり踏み込まずにいたってことなのか。
 
 どっちにしろ今日でそれはおしまいにしよう。
 
……私、潤さんと結婚したいし。

 結婚したいって思ってもらえないの、嫌だから。
                       ]


  
    潤さん、私が記憶なくしたままだったら。
    ……今頃どうしてた?

[
 記憶が戻ってなかったら
 今頃どうなってたんだろう。
 そんなこと考えるの、不謹慎かな?
 なんて少し思うけど
 でも潤さんがどうしてたのかは正直気になる。

 だから、そんなことを聞いてみた。
 …聞いたっていいよ、ね?
                       ]*

 おれ、エン君に話したことあったっけ?


[確かないはず。

エン君が知らないはずの名前がエン君の口から出てきたんだけど、どこでしちろの名前を知ったんだろう?
しちろを知ってるヤツ──…
おれ以外にも生き残りがいたのかな? 独自に事件を調べてるヤツとかいるのかな?
なんの目的でエン君に教えたんだろう? 

……しちろの家族って事もあるのかな? 遠い島国から浚われたって言ってたし。
あ、しちろの家族はしちろが死んだって知ってるのかなあ


おれは、おれじゃないおれが教えたなんて真相を予想できるはずもないから
]


 エン君、それ誰に聞いたの?
 どんな人に聞いたの?
 

[きな臭いやつだったら排除しなきゃいけないし、そうじゃないなら話してみたいなって思うから、質問はちょっと喰い気味だったかもしれない。
仕方ないよね、気になるし!**] 

[涙みたいだ、と思ったそれはすぐさまハチヤの手のひらに隠されて、伸ばされた手はそれに触れられない]


 ……ハチヤ……


[でもそれが欲しいんだ。じっと見上げたら、諦めたみたいに手のひらをひらく。改めてみたそれは、やっぱり涙みたいだ。


 そろりと手に取り、じっくりと眺める。不思議だ、今までこんなかたちになったことなかったのに。俺はおそるおそるそれを口に入れようとしたけれど……どうしよう。これがなくなってしまったらなんだかあいつとの思い出まで消えてしまいそうで。やっぱり今はそっと握りこむだけにしておこう]

[そうして聞いたハチヤの夢には]



 ……………。へー。



[ほかにどんな返事があるっていうんだ。とりあえず、こいつと夢を共有してたりだとか。夢の中で、俺を忘れたこいつと会ってたとかではないらしい。となると本格的にただの夢なのだろうか]


 いや、お前から聞いたことはないな。


[うん、ハチヤからしちろの話を聞いたことはない。とはいえ夢で見た、というのはどこまで理解してもらえるのだろうか。というかハチヤから聞いたことのないはずのしちろは実在していた。なら……本当に、どこまでが夢でどこからが現実?分からない。分からない、けれど]


 ………。


[しちろの話を熱心に聞いてくるのは、ちょっとおもしろくない。内緒にしてやろうかとも思ったけれど、俺もまだ知りたいことがあるから]



 ………。夢でみた。夢にお前が出てきて、俺のこと知らないって言ってた。
 それで、しちろは旦那だってさ。



[めいっぱい不機嫌になるのは仕方ない。あっちのハチヤ?夢のハチヤは俺を一番にしてくれたけど、この、現実のハチヤにとってはしちろが一番なんだろう。顔が歪むのも仕方ない、だって堪えないと泣きそうだ]



[ここを聞いておかないと、俺はきっと進めない*]
 
 

[やっぱりおれが話したことはないらしい。
じゃあ誰がって聞いてたら、どんどん空気が冷えてってるんだけど……エン君大丈夫?風邪引かない?毛布被る?]


 …………


[冷え冷えのエン君いわく、夢におれが出てきてしちろについて教えてくれたらしいんだけど……]


 うん、しちろは旦那さんだよ


[ごめん、エン君。
エン君が怒ってるのはわかるんだけど、おれ]

[顔が熱を持つのを止められないや]
 

 ──おれが教えてないのに、おれくらいしか知らないことを教えられるって……

 エン君と夢で繋がってたんだろうな!


 すごい
伴侶
って感じがするんだけど!
 どうせならそっちの夢を覚えてたかった!


[でも、エン君を覚えてないおれって想像つかないなぁ…なんて!
そっちの方が嬉しくて顔が緩んじゃったし、色々口から零れちゃった。

エン君が怒ってるのにごめんね!
エン君が、しちろの話してるのにしちろそっちのけになっちゃってごめんね!]


[分かってるつもりだけど。納得したつもりだけど、やっぱりこいつの口からしちろの話を聞くのは面白くないんだ。ちょっと視線を逸らすのは仕方ない、だから犬の表情の変化なんて気がつかなかった、けれど]


  う、え?



[知らなかったことがたくさん返ってきた。というかこいつらにとってしちろの立場って一体。

言葉だけでは信じられない。って思ってたのに、次々暴露されるこいつの本音は疑いようもなくて。というかそうだ、こいつ犬だからそもそも嘘ってつけないし、今の状態で俺が一番だって言うなら、そう]


 ……そ…んな前とか……しらない、し…
 も……言え、よそんなの…


[顔がどんどん赤くなっていくのが分かる。けど喋り出したこいつは止まらない。こいつ、本当に俺が好きだったんだ。ならば]

[そういえばエン君、おれからしちろの話聞いたみたいだけど、7日7晩の話も聞いたのかな?


エン君いわく"そんな前"からおれはおあずけされてたから、おれは今さら待てなんてできないんだ。


だから、聞いてなかったとしてもするつもりなんどけど……
大丈夫!手加減は、たぶん、きっと、予想では、できるはず!……だといいなぁ**]


  はちやぁ……


[自分でも驚くくらい甘えた声が出たけど、もっととねだるみたいに唇を寄せたら嬉しそうに再びキスされたからどうでもよくなった。


 七日七晩は……忘れてたけど、今それを言われたなら。多分、俺は嬉しくなって、うんって答えてしまうのだと思う**]


[そういえば、あっちのハチヤとはキスはしたけど舌を触れ合わせたことはなかったなんて思い出して、キスの合間にそっと教えてやろう]


 ん。ふふ。
 俺。旦那はお前だけど、他に嫁ができたんだよ。
 嫁はあいつひとりって、約束しちゃった。


[そういったら、どんな顔をするだろう。そっと布団を持ち上げてハチヤを引っ張り込みつつ顔を覗き込もう*]

[いつの間に。

他に嫁ができたっていつの話なんだろう?
エン君がお嫁さんになったのは昨日だからそれより前?
おれより先に番になったヤツがいるなら、エン君おれのとこいていいのかな?

エン君の衝撃の告白に、おれは目をぱちぱちさせたんだ。
お嫁さんとこ行かなくていいの?って聞きたくなったけど、
言いたくなかったから、かわりに引っ張り混まれついでにエン君をぎゅって抱き締めたんだ。

どっちが好き?なんて聞けなかった。
なんでだろ、エン君がお嫁さんを選んでも嫌だし、おれを選ぶのも嫌だなって……おれはおれを選んで欲しいはずなのに思っちゃった]


 エン君


[それでも]

 

 エン君、ごめんね。
 エン君のことお嫁さんとこに渡したくない。
 おれはエン君と離れたくないのに、エン君を離してあげられなくて、ごめん。


[渡したくない、これだけは言えるんだ。

お嫁さんは傍にいるだけで幸せな存在だから、
おれだったら、エン君と引き離されたら嫌だから、
それでも、おれがエン君から離れるのも嫌だから、おれはエン君が逃げらんないよう、ぎゅうって抱き締めて目を瞑ったんだ**]


[驚いたみたいに俺を見つめてくるハチヤに、未だぼんやりするまま満たされる──声に出して言われるよりも雄弁に、目が俺を離したくないって言ってくれるから]


 うん。渡さなくていいよ。
 俺にはお前だけだよ。


[ぎゅっと瞑った瞼に順番に唇を落として、額にも。こめかみにもちゅ、と音をたてて口づける]


 夢でな。お前に嫁にしてって言われたんだ。
 だからお前以外には嫁にしない、って答えたから。

 あいつ以外に嫁は貰わないし、旦那はお前ひとりだからな。お前に離されたら、俺ひとりになっちまうよ。


[だから、耳元で囁こう。そうして安心させるように口づけるんだ]


 俺の嫁も旦那もハチヤだから。他が入る場所なんてもうないよ。


[めいっぱい、ハチヤの全力で俺だけを愛してくれたらいい。少なくとももう俺はしちろに譲る理由もなくなった。
 逃げるつもりもない腕の中、嬉しそうに笑い。誘うように全身で、大好きなこいつを抱きしめよう**]

 
     ──────別れた。

     もし、美鶴さんが記憶なくしたままなら
     しばらくの家賃置いて、
     行方くらましたと思うし連絡先も消した。
     もう、あなたに会わないようにするために。




   それだけ、嫌だった。
   流石に4年かけてその結果になるのなら
   彼女の記憶の鍵が察せるほどの人間でもなく
   彼が贈ったものは響いていなかったということ。

   だから、もしあれで記憶が戻らなかったなら
   ごめんなさい、と告げて
   愛しいはずの彼女に別れを告げる。
   あと4年頑張れば、と言われては
   元も子もないけれど、彼にとっては
   記憶が戻らなかったという事実がある。

                        ]

    ……ま、そんなもん。

   *



    ……そっ、か。
    そうならなくて本当によかった。

    私の“鍵”よくわかったね…?
    自分で買ったものじゃなくて、
    貴方に貰ったもので……
 
    「私達を繋ぐもの」だから凄く特別なものだった。
   
    …大事にしすぎてあまりつけてなくて
    申し訳ないな、って思ってたけど。

[
 ぎゅっと抱きつく腕に力がこもる。
 ……記憶を捨てなくて本当によかった。
 大切なものを失わずにすんで
 本当に……よかった。

 四年頑張らないの?なんて言うつもりはあるはずもない。
 心が折れる瞬間って必ずあるし、そう聞くのは
 記憶をなくした私にそこまでする価値があるって
 言ってるのと同じな気がするから、私には言えない。
 
 …………私ならどうしたか?
 それは、聞かれたら答えるけれど。
 少なくとも潤さんと同じ選択はしない。

                           ]


    変なこと聞いてごめんなさい。
    …潤さんは?
    聞きたいこと、あったりしない…?

[
 夢で聞かれたことは応えたけど
 他にも聞きたいことがあるなら、
 そう思って促した。
                ]**

【人】 アマミ


[アマミといえど彼女のことは多少なりとも理解しているつもりだ。
彼女が素直に受け取ってくれと言えば、早々に譲ることもないだろう。
それに感謝を受け取っても減るものでは無いしアマミは自身が折れることを選択する。>>5

彼女の問いかけは言質を取るに近いのかもしれないと思うのは彼女から感じられた不安が言葉として表に出たからだろうか。>>6>>7


   なら、心配するな。
   ちゃんとなれている。


[彼女が言葉にするまでこれが言えないのはなんだか申し訳なく思えて彼女とはまた違う罪悪感を抱えてしまっていた。]

(9) 2021/04/11(Sun) 22:25:24

【人】 アマミ


[零れた涙を指で拭う前。
彼女の吐露から滲む不安と恐怖は、ずっと彼女を思い悩ませていたのだと知る。

対価に見合うかどうか。
投資として彼女に願いを捧げた以上、その対価など求めることに意味は無いのだと。
言葉にしなければ伝わらない。当然のことだ。]


   すまなかった。
   言うのが遅くなってしまって。

   君には、もう十分すぎるくらい
   返してもらっているというのに。


[だから彼女が気にかける必要が無いのだと。それが言えない自分は不器用だと言われても仕方がないのかもしれない。

本当は今日、指輪を買いに誘うつもりだったと。
きっと直ぐに彼女には言うことになるだろう。

   
(10) 2021/04/11(Sun) 22:26:51

【人】 クラヴィーア


 ────……
よかった。


[その一言は自分の想像以上に私を安心させてくれた。>>9
 聞かなかったのだから言わなくて当然なのに。別の罪悪感を与えてしまったと知れたのならそれを伝えるのだろう。


 私たちは何一つ特殊でも特別でもなんでもないただの人間だ。だからこそ、言葉にしないとわからないのは当然なんだろう。
 私も何を求めているのか怖がらず言うべきだったんだ。]

 ううん、聞けてなかったからいいんだ。
 ……返せてたのならうん、よかった。

[アマミさんが不器用なのはもうわかっている。
 その分私が直球でいかないといけなかったんだろう、うん。これからは知りたい事はそう言おう。そうしよう。

 指輪の件を教えて貰えたのなら
 その時は私は顔を真っ赤にして硬直することになる。
 そして、お揃いのデザインで二人分がいいと強めの主張をするんだ。

 
(11) 2021/04/12(Mon) 8:14:38
 

 うーん……


[エン君の旦那さんになって一年経ったある日、いつもの寮の部屋のなか、おれは紙束と何通かの手紙を前にして、頭を抱えた。

紙束の中身はざっくり言えば家と土地、手紙の中身は街や区からうちに来ないかって話だった。
優秀な人間は吸血……クリムゾンになることができるから、成果を上げたけど、人間のままの錬金術師は希少みたい。
未だにクリムゾンを怖がってるとこからの誘いが多かったけど、それは断ることしたんだ。不都合しかないもん。


一回クリムゾンにならないか、推薦はできるって話は来たけれど、体質的に無理だったんだ。
あとからエン君がクリムゾンの中で短命だって話を聞いたとき、おれはおれの体質に感謝したね。
エン君とずっと一緒にいるためにクリムゾンになろうと思ったのに、エン君なしでずっと生きなきゃいけなくなるとこだったなんでゾッとする!]

[悩んでるのは物件じゃないし土地でもない、もちろん職場って話でもない]


 お断りの手紙って難しい。
 全部文面同じじゃ駄目なのかなぁ、手書きじゃなくて複写したいよ……


[お祈りのお手紙で腱鞘炎になりそう。

どこで働くかなんてエン君の職場の近くに決まってる。
錬金術は工房作れば家でもできるんだ、エン君に毎日おかえりを言うためにも、どこかに勤める気はないんだ。

それに、エン君の職場は"ちょうど"専属の錬金術師がいなかったって話だ。
エン君に連れられて話をしたらすんなりと、そこに卸すことも決まったんだ。

………………本当に"たまたま"なのかなぁ、エン君わざとそういうとこ探して内定もぎ取って来てない?って、
さすがにおれもちょっと感付いちゃったんけだけど、結果的にはみんな幸せになってるから素直に喜んでおこうと思うんだ!]

 

 ……………やめた!
 今日はもうやめる!


[って、投げ出したけど、ちゃんと何通かは出来上がってるよ。
ちょうど今はエン君成分が不足してるから、エン君を迎えに行くついでに手紙も出してこようと思うんだ。


あの一件から、おれはあれほど固執していた魔法陣クラスの時間を減らして、錬金術クラスの時間を増やしたんだ。

あの日の薬の一件は、おれにとってはそれくらい重くって、あとから聞いた話だと本当にお弁当を食べてたおれが食べたからあれで済んだけど、
それ以外が、エン君が食べちゃってたら命に関わってたらしいって話だったから、おれはもっと知らなきゃって思ったんだ]

[それから、エン君の家族にも会った。

おれがステラ=セーゲンさんだと思ってたのはエン君のお義母さんのライリーさんで、本当のステラさんは違う人だったんだ!

最初聞いたときは素直に信じられなくて、エン君に
「でもその人、せーじろさんじゃないのかな?エン君が学園来たとき、そう呼ばれてたし。
それとのあさん、せーじろさんがそう呼んでたはず……。
だから、先生さんでねぇねさんがステラさんだと思ってたんだけど……違うの?」って聞きなおしちゃった。 

その時のおれはよっぽど変な顔してたみたいで、しばらくエン君にその事で弄られたよ!
可愛かったからいいんだけどね。


ともかく、ライリーさんに息子さんをお嫁さんにくださいって言うことが出来たから、エン君の家族にあった目的は果たせたんだ。
思ったよりもすんなりと許可が出たからびっくりしちゃったんだけど……
なんでかせーじろさんの方がびっくりしてたから、おれはちょっと冷静になったんだ。本当になんでだろ?]

[エン君のおじいさん?は言ったら悲しい顔されたからアルフィーさんって呼ぶことにしたんだ。
エン君のおば…………フレヤさんはフレヤさんだった。ちょっと気温が下がったけど無事にすんだから、止めてくれたせーじろさんに感謝したよ!


アルフィーさんいわく、エン君はクリムゾンより短命で、おれは普通の人間より長生きするって話だった。

それを知った今おれは、二人の終わりが一緒だったらいいなあって思ってるんだ。


死が二人を別つまで?
おれはもう置いてくのも置いてかれるのもごめんだから。

置いてったことはないはずなんだけど、そう思っちゃうから、一緒に終わりを迎えられるなら、
その時が来たのなら、法も倫理も無視しようって考えてるんだ。


あ、エン君には秘密だよ!
まあ、エン君いわくおれは嘘がつけないらしいから……
*気づいてそうな気はするけどね!*]

【人】 クラヴィーア

 ― それから ―

 ……あった。

[そう言って私は顔を真っ赤にさせていた。
 私の記憶の鍵はアマミさんの本だった。
 その本を折角だから読み返したくなって開いた時ふっと思いついたんだ。
 招待状が開いたままで影響が残っているのなら、あの本にも残っているんじゃないかって。そう思って家にある本を開いてみたんだ。

 あの言葉は、残っていた。>>1:+52 ]

 ───……こう、なんというか。
 格好よすぎ、だよな
……わりと。


[膝から力が抜けて、熱い顔のまま本を抱きしめつつへたり込む。使用人が心配気な声をかけてくるが大丈夫、と返しておく。

 あの世界でアマミさんから貰った言動の一つ一つを思い返すと、それだけでもう駄目だ。顔が熱くなって鼓動が痛い位早鐘を打つ。]

 ……すきだなぁ


[もう一度恋に落されるくらいにはあの人が好きだ。
 これが鍵だったのが嬉しい。あの人が私を考えてかいてくれた私にとって特別な物語なんだから。]
 
(12) 2021/04/12(Mon) 19:43:48

【人】 クラヴィーア

 
 さて、じゃあ招待状書き直すか。

[折角記憶を失って読み直せたのにじっくり読めなかったのだけは残念だな。と本を閉じた。
 私の招待状は>>0:164もう見つかった後だっただろうか。そうだとしてもきちんと書き直す。礼儀だしな。

 一つ、思いついてペンを滑らせた。
 自慢の字で書いたそれを封書に閉じ込めて印をする。そうしていつも通り、手土産を持って相手の家に向かうんだ。]


 あーまみさんっ。
 お邪魔致しますわ。

[いつも通りの掛け声にいつも通りの返答を待つ間。私はやっぱり笑顔でその人が迎えてくれるのを待つんだ。>>0:23

 本日のおやつはナッツを入れたクッキーですの。
 軽い口当たりを意識して仕事中でもつまめる大きさを意識してみました!

[そう言って、笑いかける。いつも通りのまま。]
 
(13) 2021/04/12(Mon) 19:47:34

【人】 クラヴィーア

 
[穏やかに流れる時間の中。ふとした時これも願いのお陰なのかなって思う時がある。
 そうであってもなくても構わなかった。
 結局その時間をくれていて、共有しているのがその人そのものなのだから。

 穏やかで明るいものであるように>>0:163
 その願いにはそれ以外は含まれていない。
 だから今、とても幸せで、とても愛おしい気持ちで満たされているのは紛れもなく恋を掴もうと行動した結果だ。]

 ねぇ、今度は私がアマミさんの昔話を聞いていいか?

[そんな事を日常の中でぽつりと。
 勿論言いたくないことは聞かない。失った部分はどうにもならない。
 それでも、出来るだけ相手を知りたかった。

 「Albert」の名の意味も>>0:60興味はあった。まぁそれでも私にとってこの人は“アマミさん”だがな。相手が呼ばれたい名で呼ぶ。私が忘れないで居続ける名前は『アマミ』なんだから。>>1:+26 ]
 
(14) 2021/04/12(Mon) 19:48:32

【人】 クラヴィーア

 
 ……そういえば、以前いらしたことのあるあの美人さんはどうしています?
 会いに来たりしているなら
 私からも
きっちり
お話するから
ちゃんと言ってな?


[恋敵として認識はしてない。だが今やアマミさんは私の婚約者と言っていいだろう。
 流石にそうでない時は口を出せなかったが、今なら口を出す。
人の男に手出しはさせない、と。


 アマミさんの家のことも、相談をされるのならこっちの家の力を貸すこともいとわない。だってこれから家族になるつもりなんだから。他人じゃないんだからな。]
 
(15) 2021/04/12(Mon) 19:51:10

【人】 クラヴィーア

 
[そうして雑談をかわした後、新たに書き直した封筒を相手に差し出す。]

 そういえば、唐突ですがアマミさんは誕生日いつです?
 私は、この中に書いてあります。

 ……これ、私の誕生日祝いの夜会の招待状。
 エスコートして踊ってくれたら嬉しい。
 あ、勿論無理にとは言わないけど。貴族の人も来るしな。

[とちょっと苦笑い。
 あっちでも教会で奉仕活動していた時の付き合いがあった平民の子も来るしそこまで堅苦しくはないんだがな。
 あの時書いた言葉は>>1:+46今度は書かずにちゃんと口にした。]

 受けてくれるなら暫くはおやつの後はダンスの練習で動いて貰うから、そのつもりを含めて考えてくれ。

[にーっこりと。いきなり本番で恥をかかせるなんて真似はさせないさ。
くっつく言い訳にもなるし。
服の心配がありそうなら、背格好が似ている親戚の服を貸し出すことも出来るからあとはアマミさんの意思一つだ。

 その招待状を開けば内容はありきたりな普通の招待状。その出だしに書いた文字は私なりの、あの言葉への返答だった。]
 
(16) 2021/04/12(Mon) 19:55:16


   まぁ…………俺の中でも、
   あれはあなたに贈った1番最初のものだから
   思い入れがあってさ。
   …………あなたが現実でつけていないのは、
   大切にしてもらっていたからだと、
   信じたかったのもあるかな。




  彼女がぎゅっと抱きついてくると、
  朝食を作る気力も、会社に行く気力も
  すっかりなくなってしまうのだが。
  
  立場が逆転したら彼女がどうするのか、
  気になるけれどもあまり気にしないでおきたい。
  だって、彼と彼女は逆だから、
  なんとなく察しがつく。

                        ]






   
好きすぎるわ…………

   ちょっと待ってな…




  小さく呟いて、携帯を手に持ち
  ぽちぽちとメッセージを送った。

 『忽那体調不良で有休お願いします』

  と、先輩に。
  でも念のため彼女に休む?と
  確認をとってから送ったはず。

                   ]*




    だって万が一なくしたら……
    
……私多分死にたくなるので。


    でも、気にするんだったら付けたほうが…?

[
 大げさ…?だってそれくらい大事だし…
 実際なくしたらちょっと冷静でいられる自信がない。
 たぶん泣くし、すごく騒ぐし
 ……そんな私を相手する潤さんが大変そう。
 
 潤さんに抱きついてると、どうも仕事に行きたくなくなる。
 というか、夢のせいで寝た気がしない……。
 そんなことを考えてたのがばれたのか、
 それとも私と同じことを考えてたのか。
 休む?と聞かれてすぐ頷いた。
 携帯で休む旨の連絡を入れておいて。         ]



    
大好き……

    ね、こうしてていい?

[
 ぎゅうっとくっついたままでいたくて
 嫌って言われても離れる気ないけど聞いてみた。
                        ]*

[卒業間近の寮の部屋、あいつは最近うんうん言いながら机に向かっていることが多い。

 もうじきこの部屋も出ることになる。入った当初は他の部屋とあまりにもかけ離れた魔改造っぷりに引きつったものだが、慣れてしまうと確かに快適だし必要なものがきっちり揃ったいい部屋だった。


 卒業後の進路も無事に決まり、あいつから特に何も言われなかった、のだけれど当たり前みたいに職場近くの物件候補をいくつか見せられたものだからちょっとだけ驚いた。ハチヤに言わせるとお嫁さんと一緒に住むのは当たり前ってことらしい。驚いただけで嬉しかったから全然構わないんだけどな。

 就職先は……ちょっと、ほんのちょっとの恣意は入ってる。だってあいつ、魔法陣学であれだけ苦労してたのは何なんだ、というくらい、錬金術はすごいし。自宅に工房作りたい、毎日家で俺のためにごはんを作って俺のためにおかえり言いたい、って言われたら……うん。頑張って条件に合うところを探したさ!




 たまたまなのかわざとなのかって疑いながらこっそり俺の様子伺うハチヤは可愛かったので、頑張った甲斐はあった]

[ハチヤと二人してどんな部屋にしようかと内装を悩むのは楽しい。クルスの家は、頼めばきっといろいろと手伝ってはくれるけど、できることならハチヤと二人でやってみたくてお願いしたから緩く見守ってくれている。就職と引っ越し祝いは何がいい?ってアルフィーさんがいい笑顔だったのが怖いけど。


 クルスの人たちが反対もせずにハチヤとのことを認めてくれてよかった。ライリーさんに、いいの?って聞いてみたらこれが俺のためには一番いいと思うから、って。たしかに俺もたぶんハチヤも、下手に反対されたら二人して自滅していくタイプだと思う。
 あっさり認められすぎて清次郎さんが呆然としてた。あの人ノアさんと結婚するためにライリーさんとフレヤさん連合相手に決闘したらしいからな……言い訳するなら、俺はアルフィーさんに認めてもらうために予めハチヤのプレゼンとかしてたし!]

[あいつの宝物だった魔術符だけど、あれの形式はステラ=セーゲン式に似てたらしい。あいつはそれで得意じゃない魔法陣学に拘ってたらしいけど、あの夢のあと魔術符が消えて、今までみたいに魔法陣学に拘らなくなった。

 ついでにステラ=セーゲンの創始者に並々ならぬ憧れがあったらしいんだけど、その憧れの人物をすっかり俺の義母であるライリーさんだと思い込んでいた。途中何度か違うよ、とは言っていたんだが。

 クルスの家で誤解が解けたんだけど、ライリーさんと清次郎さんとノアさんとを見比べながら酢でも飲み込んだみたいな顔してた。なんで誤解したのかを聞いたら分からないでもなかったけど。ついでみたいにライリーさんと清次郎さんの訓練という名の決闘騒ぎになってたけどいつものことだから割愛しよう]



[まぁ諸々含めて考えて……俺は今、かなり幸せだと思うんだ。あの夢がなんだったのかは知らないし、消えてしまったあのハチヤを夢にみることはたまにある]
 
 


 ……。


[俺は今、ハチヤのデスクで見つけてしまった研究資料を眺めながら考え込んでいた。これ……魂の同化実験とか、かなりヤバイやつだよな?
 専門用語だらけで専門外の俺には難しい内容ではある。けれど実験結果の統計とかを眺めるに]



 魂を同化することにより、寿命の長いものを縮小し、同時に寿命の短いものの命を延ばす。
 実験の結果……同化されたふたつの生き物の寿命を、同じくする……



[なんとなく。あいつが何をしたがっているのかは、分かる気がする。あいつは多分、俺がいなくなったら生きていけないと思う。自惚れとかではなく]


 …………。
 ったく……こんなヤバイもん、適当に机に放りだしていくなっての……


[考えた結果。俺はこれを見なかったことにした。あいつはいつかこれを実際に俺に使うんだろうな。だから……俺は、その時を楽しみに待つことにしたんだ**]



   つけやんくてええよ。
   大切にしてくれてるって分かったし。
   ……外に出るとき、たまにつけて。
   それだけで、俺は幸せ。




  嘘なんてついていない。
  銀行員だし、下手に男の気配を匂わせて
  何か問題に発展したら元も子もない。
  だから、デートの時に偶に見たいくらい。
  後は、特別なときにつけてくれれば
  彼としても大満足なのだ。

  彼女も休む選択をしたので、
  先輩に連絡を入れて携帯をマナーモードに。

                       ]





   ん?……勿論。
   もう1回、寝よか。
   今度は、幸せな夢見たいわぁ。



  彼女が更にひっつくと、そっと髪を撫でた。
  離したくもないので、脚を絡めて
  目を閉じながら彼もひっついて。

  昼まで起きないつもりで微睡の中に。
  昼食も多分彼女が作ったかも。

                      ]*




    
    うん、つける。
    よく考えたらつけないと貰った意味ないし…

[
 よく考えなくてもわかりそうだけど。
 それくらいなくしたりするのは嫌だったから。

 離さないとばかりに脚を絡められれば
 くすくすと笑ってしまう。
 そんなことしなくたって逃げないのに。

 寝息が聞こえてくるのを確認してから、
 彼の唇にそっと口付けを落とす。
                       ]

[
 つぶやいてすぐに眠りに落ちた。
 昼頃にお腹が空いてお昼でも作ろうか、
 と起きたけどぴったりくっつかれてたから
 どうしようかな、なんてちょっと思ったりして。
 だって動いたら起こしてしまいそうだし。

 離してくれるならお昼はパスタにでもしようかな
 なんて思いつつ作ったと思う。
                       ]*





  彼女を離すタイミングは多分あった。
  物理的な話で。
  眠るまでは意識がはっきりしてるから、
  ぐっと力が入るけれど、
  眠った後というのはそういうわけにもいかず。

  彼女が昼食を作るために腕の中から離れたなら
  気づかずにそのまま眠り続けて。
  彼は多分とても幸せな夢を見ていたことだろう。

                         ]


          





    ──────なら、仕事辞めてええよ。




  たぶんこれはゆめのなか。
  彼が彼女に何かを話しているけれど、
  彼女はうーんと悩んでいる。
  そして出てきた上の発言。

  彼女は、どこかびっくりしているような。
  彼がそんなことをいうとは、と
  思っていたのだろうか。

                     ]






    また改めてプロポーズするけど、
    こうなった以上は。

    ────俺と結婚してください。
    ずっと、一緒にいてほしい。




  そう言って1番驚いたのは多分彼。
  次の瞬間には純白のドレスに包まれた彼女。
  それを見たなら飛び起きたかもしれない。
  彼女が起こしてくれたタイミングなのか、
  そこは覚えがなかったけれど。
  寝言で言っていなければ良いな、と
  思ってしまったのはまだ彼だけの心の中に。

                       ]*




【人】 アマミ

───夢から覚めて、それから───

[あの夢は結局己が踏み込むきっかけとなったわけで、感謝が全くない訳では無いというのがまた複雑な心境を生む。

彼女がここに訪れる数刻前のこと、クレイパイプを蒸かしながらアマミは夢の出来事を辿っていた。

あの鍵は、己とクラヴィーアを繋ぎ合わせる糸に同じ。
縁を再び目の前に突きつけたあの夢は、わるいことばかりではなかったのだろうか。


なんにせよ、アマミはもう身も決意も固めた側の人間であるということ。

彼女のポケットに入っていた招待状は、覗き見たら悪いように思えて中身までは確認していなかった。>>13
もしも己に対する手紙だとしたら、楽しみに取っておこうとしたと言うのが正しいのかもしれない。]

(17) 2021/04/13(Tue) 17:31:28

【人】 アマミ


[そんな空想の後、頭を掻いているとクラヴィーアの音色が聞こえて。
またいつものようにいらっしゃいと彼女を迎え入れるだろう。

彼女とは正式に夫婦になるのだから彼女には家の鍵を渡そうと思うのだが、こうして迎え入れるというルーティンが心地いいと思う自分もいたのだ。]


   そこまで気を遣ってくれたのか。ありがとう。
   ただ折角だから君の作ってくれたクッキーは
   仕事をしていない時に食べるとしよう。


[それは即ち、彼女がここを訪れてくれた時くらい働きたくないという婚約者に対するアマミの本音、甘えなのである。]

(18) 2021/04/13(Tue) 17:34:25

【人】 アマミ


[この穏やかで明るい時間が願いによるものかはたまたクラヴィーアやアマミの努力の賜物か。それはもはや些細な違いにも思えてくる。

踏み込むクラヴィーアを前にふと首を傾げて。>>14


   俺の話?
   ............はて、何から話すべきか。


[迷った末にかこれまでした話と絡めながら語り伝えていく。

自身の出生や、忌み子であったこと。
かつてその家では「Albert」と呼ばれていたらしいこと。
ロゼリアがかつて許嫁として自身の世話役をしていたこと。
実母の子である弟が受け取る恵愛の傍らで自身が虐げられたこと。
それでも兄と慕う弟の無垢な目が怖く、逃げ出すように家を飛び出したこと。

そして、アマミの名は自身を拾ってくれた義理の父親がくれた名であること。


彼女には全て伝えたが、これでは彼女の過去の行いを何かと言えた立場ではないなと苦笑せざるを得ないのだったが。]

(19) 2021/04/13(Tue) 17:37:20

【人】 アマミ


[苦笑いは彼女の言葉で本当の笑みに変わる。それはまるで和むかのように。]


   俺が2人の女を同時に愛せるほど
   器用な男に見えるか?

   大丈夫、俺にそんな器用さも度量も
   ないよ。大人気ないからな。


[とツボに入ったかのようにひとしきり笑った後、あの家で各々が辿った道筋を憂うように紅茶のカップへと口をつけて。]


   あいつも......ロゼも薄汚い上級貴族の
   被害者みたいなものだ。

   俺も、弟も、あいつも。
   そろそろ自由になっていい頃だと思ってね。
   

[そう彼女には説明する。
ロゼリアと何かよからぬ事が起こるなど万に1つもないだろうと言うことは、伝わって欲しいと願うばかりだが。

それでもクラヴィーアが万が一でも納得できるように言葉を重ねていく。]

(20) 2021/04/13(Tue) 17:41:23

【人】 アマミ


   先日、弟の所に行ってきた。
   随分と逞しく成長していたよ。

   忌々しい父親が死んだ今となっては
   恨み言を持ち込む意味もない。

   ロゼも今まで通り向こうの家に仕える
   つもりだそうだ。


[そう言ってカップをテーブルに置くとクラヴィーアを前に無邪気な笑みを浮かべて。
自分があの家に帰る気は無いとかつてロゼリアを突き放した時のことを思い返しながら、クラヴィーアには改めて自身の決意を伝えるつもりで。]


   愛する妻を守りたいから家には戻れない。

   そう言ったら納得してくれたよ。

   なんなら、今度紹介してくれとまで言われたしね。
   またあの家に行く必要がありそうだ。


[そう言って汚れていない手で彼女の髪を優しく撫でようとする。
彼女がいつか心配してくれた弟との関係は、無事良好に向かっていたのだと、彼女には伝わるだろうか。]*

(21) 2021/04/13(Tue) 17:42:45
[
 ふ、と力が緩められたタイミングで
 起きて抜け出した。

 よく起こされる側になるから
 潤さんの寝顔を見ることって少ない。
 だから、抜け出してもすぐに昼食を作りにはいかず
 暫くは寝顔を見ていた。
 
 
……愛おしい想いが溢れてくる。


 ずっと傍にいたいし、
 
きっともう、潤さんがいなかったら

 
生きていけないな、なんて。



 しばらく見ていたけれど
 空腹に負けて昼食を作ることに。
 ソーセージ、玉ねぎ、ピーマンを切って
 作るのはナポリタン。
 
……手の込んだ料理を作るには

 
ちょっとお腹が空きすぎてるというか…。

 付き合う前よりは格段に手際よく調理できるようになった。
 調理が終われば、部屋には
 ケチャップの香りが漂っていたんじゃないかな。
 盛り付けて、すぐ食べられるようにしてから
 潤さんを起こしに行くことに。
                           ]


[
 残念ながらと言うべきか、
 彼が何か言っているなって言うのはわかったものの
 何を言っているかまではわからなくて
 だから、ぐっすり寝てるんだなあ、って思いつつ、
 せっかくだから、前されたこと真似してみようか
 なーんて思ってたのに。
                        ]

    ……潤さん?!
    きゅ、急に起きたから
びっくりした……。


[
 なぜか飛び起きてきた彼のせいで
 失敗に終わった。
 
 
……チャンスだったのに!!

 なんて思ったらちょっとだけむっとしてしまって
                        ]



    
お昼ご飯、出来てるから早く起きて!

    
冷めちゃうから!

[
 なんて、引っ張り起こそうとしてみたり。
 ちょっとほっぺたをぷくっと膨らませつつ
 お昼ご飯にしたと思う。
 なんでむっとしてるの?
 なんて言われても、教えてなんてあげない。
 ……まあ、言うまで聞かれるかもしれないけど。
 何かいい夢でも見てたの?なんて言えば
 彼は教えてくれたかな…?
                       ]

【人】 文月 美鶴



    私は今、すごく幸せ。

[
 誰かに問われたのなら>>0:0、私はそう答えるだろう。
 夢での出来事は結果的に、私にとっては
 良い出来事だった。
 記憶をなくしたのが私でよかったとも思う。
 
 ……もう二度とあんな夢見たくはないけれど。

 でも、彼との繋がりが深くなったのも事実。
 もう私達の繋がりは絶対に切れない。
 誰かに切らせるつもりもない。

 
私は彼の傍にずっといるつもりだから。

                         ]**
(22) 2021/04/13(Tue) 18:06:52

【人】 クラヴィーア

 
[家に行けばいつも通り迎え入れられて貰える。>>18
 正式に婚約者になった暁には一緒に暮らそう。と勝手に決意している。
一足飛びに即結婚になっても構わないくらいだ。

 なお余談だが朝帰りした私を使用人はお楽しみだたようで? と話を聞きたそうにしたから流石にひと睨みしておいた。……どんな事されたかは言うつもりは流石に、ない。


 そうか。作り過ぎたから余った分は仕事中に食べるのも良いと思ったんだが。
 うん、でも好きにしていいよ。

[ちょっと分量調子のりすぎた。
 でも食べながら仕事はちょっと行儀が悪いし、そうしたいなら別にそれでもよかった。
 そういえば私と過ごす時はちゃんと私に構ってくれるな。私への甘えとまでは気づいてなくても、それはとてもくすぐったいものだ。]

[アマミさんは私に踏み込んだ話をしてくれた。>>19

 ……その境遇は、他人とは思えなかった。
 忌み子と正妻の子で立場は全く違う。違うけれど
 私も妹や継母が大事にされる傍ら虐待を受けていたのだから。

 ……弟さんがアマミさんを兄と慕っていたのには安堵した。
 ちゃんと家族がいたという事なんだから。
 
 独特な名前だと思っていたアマミという名のルーツを知る。

 苦笑いにはただ首を振る。]
 
(23) 2021/04/13(Tue) 21:27:29

【人】 クラヴィーア

 
 ……私達って結構似たもの同士なのかもしれませんね。

[語られたそれがどれだけ苦しい事か、似た苦しみを知っている私にはわかってしまう。
 アマミさんはもしかしたら、私がなっていたかもしれない姿の可能性の一つなのかもしれない。
 逃げた先が島じゃなくて、誰かだったとしたら。

 ……それはもう考えても仕方ない事だけど。]

 アマミさんは一人で頑張ったんですね。
 ……うん、そっか。凄いな。

[そう言って私から頭を撫でようと手を伸ばしてみたんだ。
 相手が私に敬意を持ってくれたように>>0:114、私からも敬意をもって。慈しむようその身を寄せた。]
 
(24) 2021/04/13(Tue) 21:29:02

【人】 クラヴィーア

 
[なぜか和むような笑みを向けられた。>>20
 そうして続いた言葉に大いに慌てる。]

 ちょっ、
違う。

 そっちの心配はしてない!

 確かに大人げなかったと思った時はあったけど
 あっ……。


[しまった。言ってしまった。思わず赤くなって口元を抑える。そして咳払い。]

 アマミさんは……
自分が格好いい自覚をしてくれ。


[アマミさんがなびかなくても他所の女がやってくるのは十二分にあり得るんだから。
 なぜかツボに入られたようだ。解せぬ。
 そう受け取ったって事は浮気を疑ったと思われたと同然なのに。

 続く真面目な言葉に空気を戻す。
 ……言ってくれれば一緒に行ったのに。と思うがこればかりはアマミさんが自分でやらないといけなかったのかもしれない。
 >>21父親を忌々しい、と言うのにも……どこか自分が重なる気がして。胸が痛む。

 続いた言葉にまた私は硬直をする羽目になった。
 ……鼓動が一気に加速して顔に熱が一気に集まる。]

 そ、そう……か。
 納得して貰えたならよかった。
 うん、じゃあ時間作っていこうか。
 アマミさんの家族に会えるの、楽しみだ。
 
(25) 2021/04/13(Tue) 21:33:02

【人】 クラヴィーア

 
[ふふ、と笑みをこぼす。
 綺麗な手が私の髪を撫でる。されるがままに受け入れて、その手にそっと私の手を添えて頬に引き寄せる。

 アマミさんの未来もまた、穏やかな方向に向かっているようだ。それが今私の胸を幸せで満たしてくれた。
 弟さんとの仲がいい方向に向かってると分かって安心した顔をする。
 どんな人かな。会える日が楽しみだ。]

 私の家族にもその内私の婚約者として会って下さいね。

[ああ、そうだ。リアンさんさんにもその内会ってほしいな。恋の相談をずっとしてきた彼女にもまた安心させてあげたいし。恋が成就したと手紙に書かないと。
 そう思うと自然と笑みがこぼれるのだった。]*
 
(26) 2021/04/13(Tue) 21:43:44

【人】 アマミ


[それにしても自分の話をするというのは存外疲れるものだ。
疲れてまで話そうと思うような相手は他に居ないのだから構わないことだが、ふぅと一息ついてしばらく。

差し出された封筒はあの時見たものと似ている気がしたが、別の封筒だろうか。
首を傾げながら封筒を受け取って。]


   俺の誕生日...ちょうど来月頃だね。
   ふむ、夜会か......


[暫し悩むように言葉を詰まらせる。
貴族が来るから嫌だとか、そんなことは無い。
ただダンスなど本当に小さな頃以来やっていなかった為に、自信がなかったのだ。
ふと、「あなたはダンスの才能があるわ。」と
誰かが幼い頃の己に話していたことを思い出した。

今はもう、詳細は失った記憶だ。


(27) 2021/04/13(Tue) 21:51:42

【人】 アマミ


[しかしどうやらそんな心配は無さそうだ。
クラヴィーアが随分と悪い顔をしている。>>16


   いや、せっかくの誘いだ。
   喜んで行かせてもらうとしよう。

   ただ...練習はティータイムの前にしてくれると
   俺が嬉しい。


[もういい歳だ。恐らく練習後にはとてもお茶を嗜む余裕などないだろう。
手紙へと目を通し書き綴られた文字を読み込んでいく。

言葉とは不思議なものだ。
文字にすれば記録として永く残り、声にすれば感情や想いを乗せて運ばれる。

手紙を読み終えたアマミはそっと顔を近づけて。
柔らかな口付けと共に気恥ずかしさを顔色に滲ませた。


(28) 2021/04/13(Tue) 21:53:17

【人】 クラヴィーア

[話し終えて疲れてそうな姿に心配をする。>>27
 ……精神力使うよな。わかる。

 招待は少し考えているようだ。
 緊張しつつ返答を待つ。
 なお相手のダンスの腕前に関しては期待はしてない。と思うと酷いかもしれないが。経歴を聞く限り長年やってないだろうというのは想像に難くない。自分がリードすればいい、と小柄な体ながらに本気で考えている。私はここ三年ちゃんと社交界に出て練習もし直してちゃんと踊れるようなってるからな。


 色よい返答が貰えた。>>28
 分かりやすく顔がぱあああっと華やぐ。あ、どうしよう。凄く嬉しい。]

 ありがとうございます!
 嬉しいです!

 そうです? ふふ、ならご希望通りに。

[招待状をしっかり眺められるのを感じてちょっと恥ずかしくなった。上手く返答だって伝わってくれただろうか。

 読み終えると顔が近づいた。
 優しい口付けを素直に受け入れ、相手を見ればその顔色が、どこか……。]

 (照れてる?)


[なんて思ったら私の顔も無性に熱くなる。]
 
(29) 2021/04/13(Tue) 22:21:34

【人】 クラヴィーア

 
[誕生日。私は主役に相応しく徹底して綺麗に仕上げて貰った。

 アマミさんの髪の色と合うよう意識した暗めの紫基調としたロングドレス。
 肩や腕が出るタイプで首元にもリボンの飾りをつけている。
 腰のコルセットで締め、その下にはふんわりしたボリュームのあるスカートが揺れる。華美すぎず、でも華やかさがある見目。ドレスの裾部分から歩くたびに覗く軽い布で作られた薔薇のような飾りが美しいデザインだ。
 桃の髪も緩くウェーブががり、バラの形の髪飾りを付け、耳にはアマミさんの瞳の色を意識したシンプルながらに美しい耳飾りが揺れる。

 主役らしくエスコートされるままアマミさんと中央に。
 そうしてカーテシーを。

 こういう時は相手から手を差しだして貰うものだ。それを待って手を微笑んで重ねる。

 ゆったりした曲に合わせてステップを踏む。
 少し慣れないヒールをそれでも見苦しくないよう曲に合わせて鳴らす。練習の成果は上手く出てくれただろうか。]

 私ね、実を言うとずっとこうやって一緒に踊ってみたかったんだ。
 ありがとう。夢が一つ叶ったよ。

  
(30) 2021/04/13(Tue) 22:27:36

【人】 クラヴィーア

  
[そう囁く。

 この手は今は貴方の手を取る為に。
 この瞳は今は貴方を映す為だけに。



 ───母さん、私は今幸せだよ。



 もう会えない人にそっと心の中で呟いた。
 一歩大人になる特別な夜。
 私はずっとその人の隣を離れなかった。]*
 
  
(31) 2021/04/13(Tue) 22:29:31

【人】 クラヴィーア

 ― 物語の終わりは ―

>>0:72 家の訪問についての経緯に聞かれる事があったのなら。私はこう答える。]

 側にいるのを許可して貰った、と思っていたましたが?

[ときょとん、と。
 あの時まさかまいったと思われていたなんて夢にも思っていない。>>1:36
 私に恋を叶える機会を、時間を許可してくれたと受け取っていた。
 そういえば、いつからそういう意味で好きだって思うようになってくれた? なんてそんな時間があったのなら果てしなく鈍い質問も飛ぶことになるのだろう。

 あれから月日は流れた。
 一緒に暮らすようなり、指に揃いの指輪が光るようになり、寝不足になる時間も度々あったのだろう。

 どの時間もとても幸せで、愛おしくてたまらない。

 一緒に歩く時は手を繋ぐ。
 もうはぐれないように、見失わないように。>>0:146

 あのね、アマミさん。
 覚悟してな。寂しいなんてものはもう
 感じる暇なんて与えてやらないから。>>2:+7

[そう言って隣で笑う。
 もう二度とこの人を独りになんてしない。
 私たちは“家族”なんだから。]
 
(32) 2021/04/13(Tue) 22:31:14

【人】 クラヴィーア


 アマミさん
 好きだよ。


[それはいつも通りの言葉。
 人生は一冊の本で終わる物語じゃない。だから私たちがハッピーエンドだったと言えるのはもっとずっと先なんだろう。
 そう言えるように道を一歩一歩しっかり踏みしめていく。ずっとずっと愛を伝えていく。
 幸せにして貰うんじゃなく、二人で幸せを作っていく。
 望んだ物語を私達二人で紡いで生きて行くんだ。

 いつか言いたかった言葉を、私はあなたに伝えるんだ。]
 
(33) 2021/04/13(Tue) 22:32:46



  彼は思った。
  起きた瞬間に若干怒られながら
  起きてと言われるのは何故なのかと。
  
  勿論拗ねた理由を後々聞いたけれど、
  彼が夢の内容を教えなかったので
  彼女も勿論教えてくれなかった。

                   ]

   ……まぁええか。
   美鶴さん、お昼作ってくれておおきに。



  ナポリタンを一口、また一口と食べ、
  彼は心の底からホッとしていく。
  彼女との繋がりは無事に切れることがなかったから。

  これからも、ずっと一緒にご飯が食べられますように。
  そんなことを彼は願って、貴重な時間を堪能する。
  最愛の彼女と一緒に。

                          ]**

[
 客人が赦そうとも赦さずとも
 館の主には関係のないこと。

 むしろ赦さない、などと思われる方が
 望ましいなどと言えば…

 気の強そうなあのレディは何を思うのだろうか。

 赦さない、のは忘れない、のと同じこと。
 忘れられないということは何か影響を及ぼしたということ。
 正確には、赦さないと思い続けるのであれば、か。

 まあ許されるかどうかなど、どちらでもよい。
 夢を忘れられない以上は、館の主は満足するのである。

 記憶にありつけなかったのは多少なりとも残念ではあったが。
                             ]


[                      
 今日も幸せな二人を館に誘っては、
 片割れの記憶を奪う。
                 ]


  「ねえ、どうしてそんなひどいこと言うの?
   私のこと覚えてないなんて、嘘よ!
   婚約までしているのに!!!」

  「だから、本当に知らないんです。
   僕には婚約者なんていないんです…」

[
 ああ、可哀そうに。
 あんなに混乱して。
 あの二人は果たして
“鍵”
を見つけられるのだろうか。
                          ]



    もっとも……私はどうなろうと構わないが、ね。