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──エン君、エン君、すき。すきだよ
なんで今思い出したんだ。あの夜俺を抱きながら、あいつはずっとそんなことばっかり言っていた。薬に浮かされているものだと思っていたけれど……あれは、本心なのだろうか。
必死で俺にしがみつく腕は、それでも必死で俺を傷つけないように抑えていた。もういいって言ってるのに、辛いだろうに俺が怪我しないよう丁寧に溶かされて。記憶が飛ぶほど、一回ずつが長いのに何度も何度も──]
……っ、そ、れ、くらいだよ!!!覚えてるのなんて!!!ほら、行くぞ!!!
[赤くなった顔を隠すように立ち上がったけど、こいつ俺の顔をずっと見てくるからきっとバレている気がする。思い出しついでに自分もあの時必死で、俺も、なんて言ってたのを思い出した。俺も好き、もっと俺を好きになって、ってなんだよ俺。思えばそれで激化した覚えがあるからもっとの部分しか聞こえてなかったのかもしれない。この場合は両成敗?いや俺はちゃんと言ったから悪いのはあいつだ。
必死で顔を見られないように部屋を飛び出してズカズカ歩いたら、道を訂正された。けど、そっち向くのはまだしばらく勘弁してほしい*]