5 光と闇の幻影月蝕〜Phantom lunar eclipse〜
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綺羅星《トゥインクルスタア》も……墜ちましたか……
[偽装表皮《フェイク・スキン》が半ば剥がれ、水晶の真皮が覗く有様になっていても。その表情が哀しみに模られていることは、おそらく見て取れたことだろう**]
先だって、コーネリアスの処遇はお任せする、と申し上げました。
一部撤回してもよろしいでしょうか?
……直接的に危害を加えるつもりは引き続きございませんが、被害を与えない保証が取れなくなってしまいそうでして。
[一応は問うている、という体であった]
んー、良いわよー。
私はまあ、殺さないって約束しただけだしねえ。
感謝いたします。
何、運がよければ死にまではしないでしょう。
あー、大丈夫でしょ。
その辺はあの子が守ってるって言うしね。
なるほど、それならば安心です。
遠慮なくやらしていただくと致しましょうか。
先だって、月の子《ムーンストーン》をそちらに送りました。
色彩群《カラーズ》も合わせて、最早末梢として朽ちるだけの哀れな存在《イシ》たち……
慈悲と共に受け入れてくださると、幸いです。
[色彩群《カラーズ》は扱き使っていただいて構いません。
そう笑う聲も、ノイズが混じり始めている]
……構わないわ。
けれど、貴方。
どうしたの?
[ノイズが混ざる聲。
ついつい、聞き返して。]
全《ボク》が誤った時、一《ボク》もまた誤ったのです。
全《ボク》が一《ボク》である以上、一《ボク》は背負わねばなりません。
[聲はよりか細く、またノイズはさらにひどくなっていく]
勝手ながら、……可能性の芽《イシ》は託しました。
酷使するも、器《イシ》を砕くも、その責は託した一《ボク》にあるのです。
汝の思うがままに為せ、です。
ボクの徒《ボク》らしく。
幸運をお祈り申し上げますよ──
[石の擦れるような耳障りな音が入り込み、そして急速に消えていく──]
――ありがとう。
[消えていく相手の意識。
それに対して、出来たのは見送るぐらいか。]
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