【人】 調香師見習い ノア[小高い丘にあるレインツリーの木の下。 街を一望出来るこの場所は、 この国に来てからのお気に入り。 師匠の家に居なければ大体ここに居ると 私を知るひとは言うだろう。 …う、うん。 勿論、他のところにも出掛けたりしてるのだけど。 お使いとかお使いとかお使いとかで。 でも、何が“でも”なのかわからないけれど、でも、 なんだか見えるような気がして。 いつか、届くような気がして。 こんなこと>>57を続けている私が居た。] ───…そう…ですね… [芝生を踏む足音に顔を向ければ、既に近く、 声を掛けてきた相手に緩く微笑む。>>58。 声音から男性であることはわかった。] (62) 2020/05/11(Mon) 22:38:10 |
【人】 調香師見習い ノア星読みを───… そ、そうなのですね。 …ごめんなさい、私……、その、見えなくて。 無数にあるいう星々も…、 貴方の、顔も… あまり目が良くないんです。 [困ったように、けれど、このことで 気を遣わせることのないよう 柔らかく告げて、霞に覆われた空を見上げた。] だから余計に興味があるのかな…。 [ありがとうございます。 お話、聞かせてくれると嬉しい。*] (64) 2020/05/11(Mon) 22:40:09 |
【人】 調香師見習い ノア─ 丘の上 ─ [この場所が好き。 見えなくても、柔らかい風は感じることが出来て。 大樹から零れる陽の温もりが頬に触れるのもわかって。 私に見える街の景色は、その建物の輪郭が ひとつひとつわかる訳ではなくても、 全部滲んでぼやけていても そこにあることはわかるから。 そう、あの辺り、はっきりとはしないけれど、 師匠のお店『ディアス』があることも。] (91) 2020/05/12(Tue) 5:11:54 |
【人】 調香師見習い ノア[優れた調香師は香りを扱うために、 人に対しての作用―薬理―だけでなく、 それぞれの希少さや価値、ひいては法律にも 精通している。 店では日常生活に欠かせない香り、消臭剤や 芳香剤をはじめ、貴族達の身嗜みの香水、 肌を乾燥から守るクリームも販売していた。 師匠は更に、それらを用いてマッサージや整体、 香りによる病状緩和という目的での医療行為にも 携わっている。] (92) 2020/05/12(Tue) 5:11:56 |
【人】 調香師見習い ノア[ハニエルさんも師匠のことは知っていたようで、 私のことではないのだけれど、 なんだか嬉しくて、自然に顔が綻んでしまう。 師匠は傍目気難しく見えるけれど、確かに時々 頻繁に意地悪だけれど、優しいひとだから。] いえ!私はそんな、まだ全然… [腕利きと言われて、両手を胸の辺りにあげて ひらひら揺らす。>>86 毎日、師匠のお手伝いをしているけれど、まだ知らない 香草のほうが多い。 店で扱う商品も、予め師匠が教えてくれたからわかるだけで。 よくよく考えると、店の奥のアトリエで、 『この香りどう思います?』 と聞かれて応えるだけしかしていないような。 師匠の名前はディアス・レオンハルトという。] (93) 2020/05/12(Tue) 5:12:00 |
【人】 調香師見習い ノア…でもハニエルさんから、 少し木の香りがするのはわかります。 これは何の木かな…… 師匠ならすぐにわかるのだろうけれど。 [無意識にもっとよく確かめようとハニエルさんの身体に 顔を近づけてしまって。] ごっ、 ごめんなさい! [遅れて気付いて、謝ったりしていた。] (94) 2020/05/12(Tue) 5:12:04 |
【人】 調香師見習い ノア…異郷の… もしかしてハニエルさんはこの国に来たばかりなのですか? いえ、私も別の国からこちらに来たので… こんなだから、学校にも行けなくて、 最初はずっと、家から出られませんでした──… [期待を背負うこととか>>88、 周りにデキるひとが居る気持ちはわからないけれど、 知らない世界で感じる“ひとり”はわかる気がしたから。] ……そっか、…うん。 …その、読むことは出来ないかもだけど、 聞くことなら私でも出来るかな……。 [口にしたのは、いつもなら絶対しないような願い事。] 教えて、くれますか? [彼が私にこの話をした真意は別のところにあって、 私のこの提案は頓珍漢なことになるかもしれないけれど。 星に触れることは出来ると言ってくれたハニエルさんが、 “ひとり”じゃなくなるように。 友達になりましょうって、 笑いかけた。*] (96) 2020/05/12(Tue) 5:12:10 |
調香師見習い ノアは、メモを貼った。 (a30) 2020/05/12(Tue) 5:48:17 |
【人】 調香師見習い ノア[元からの資質なのか、あるいは 不自由な目を補おうとする身体的変化なのか、 師匠によると、私は普通のひとより、耳も鼻も 効くらしい。 からかってペット扱いする方便の可能性も ]少しはあるけれど。 ───…誰か居るのですか…? [大樹の死角、誰かが小枝を踏む音にハニエルさんから 窺うように視線を移す。>>120 私の目では視認は難しいけれど、出てきてくれれば 慣れ親しんだ友達の香りには気付くだろう。 未だ知る由もない話、ユンカー家の使用人の ジゼルさんとは師匠のお店を通じて知り合い、 たまに一緒にお茶をするくらいには 仲良くさせてもらっていた。*] (122) 2020/05/12(Tue) 16:28:59 |
【人】 調香師見習い ノア[自分のことを邪魔というジゼルさん。 ハニエルさんはどう思っていたのだろうか。 彼にも不思議そうな顔のまま、 届かない視線を届けようと目を向けた。>>123 彼が赤面していることや動揺していることは 備わった視力と鈍感力のせいで認識出来ていなかった。] …ジゼルさん、お店のお得意様で友──… [私がジゼルさんのことを紹介するよりも早く、 彼女へと状況を説明するハニエルさんに口を噤む。 少しでも彼女が、彼とお話出来たらいいなと思ったから。] だから、星のこと教えて貰ってたの。 ほら、明日からタナバタ祭りだし…… [星の飾りが隠された宝箱。 祭りの間にそれを見つけたひとは運命の人に巡り合う。 あるいは思い人を結ばれる。 このジンクスについては周知の事実だろうか。 助け船のつもりで状況説明に補足を加えて、 後は見守っていた。*] (138) 2020/05/12(Tue) 19:30:46 |
【人】 調香師見習い ノア─ 回想 ─ [ジゼルさんは私が初めて、ひとりで接客した相手。 彼女と知り合った当初は、いつも師匠に後ろに 控えていて貰って、フォローを受けつつの接客だった。 とある日、来店してきた彼女を見て、師匠は 思い付いたように、出掛けてくるからと 私に接客を任せて行ってしまって。 店を出る時にジゼルさんに何やら話をしていったのは わかったけれど、私は不安と混乱でいっぱいいっぱい でそれどころじゃなかった。 怖々とジゼルさんに声をかけて、 入用のものを聞き出そうとして、 彼女が私に負けず劣らず 緊張していたことを今でも覚えている。] ……ぁ、あの、良かったら紅茶、どうですか? 立ち話もなんですし、この、 師匠が調合したカモミールティーは とても香りが良くて落ち着くから…… [この接客時の紅茶出しは、彼女が来るときの定番になった。 師匠も咎めるどころか自ら進んで、茶葉を調合したりして、 『今度はこれを試してみなさい』なんて、 なんだか楽しんでいるみたい。*] (150) 2020/05/12(Tue) 20:10:11 |
【人】 調香師見習い ノア─ そして現在 ─ [ハニエルさんに頭を下げるジゼルさんの空気は やっぱりなんだか居心地が悪そうで。>>139 そんなことはないと告げても、腑に落ちていないみたい。] ……ぁ、もしかして、ジゼルさんはお使いの途中? [今更、思い出したように問いかける。] …実は私も師匠に言われて、 仕立屋さんに受取に行ったのだけど閉まってて。 アルジャーノンさん、寝てたのかな……? [お店の営業時間、よくわかってなくて、と付け加えて、 いつものように柔らかく笑う。 彼のお店で仕立てて貰った洋服は他でもない私のもの。 いいって言うのに、師匠がなぜか張り切って、お祭りに着る 女性らしい服を!とかって色々注文つけていたのは 知っているから、彼にはちょっと何か手土産でも 持って行ったほうがいいかもしれない。*] (164) 2020/05/12(Tue) 21:25:37 |
【人】 調香師見習い ノア[私の問いかけにジゼルさんの顔色が変わる気配。>>169 聞こえてきた小さな声にくすりと笑う。>>170 彼女はどうやら師匠の店に行く途中だったらしい。] …行こうと思ってたのだけれど、 今日はもう遅いから明日にしようかな…… [沈みかけている陽を見るように視線を向けるが勿論、 はっきり見えているわけではなく。 滲む世界に混ざる茜を感じ取ってそう話す。 だから、ジゼルさんが店に行くなら 一緒にと思ったのだけれど。] え?ぁ、う、うん…… [先を急ぐようなジゼルさんの雰囲気に 告げる機会を逸してしまった。 いつものように手を握られれば曖昧に笑って、 歩いていく彼女を見送った。] (194) 2020/05/12(Tue) 23:45:51 |
【人】 調香師見習い ノア…うん、私も、そろそろ行かないと。 [ハニエルさんの声に頷く。>>174 また二人になる前、自然にジセルさんにお礼をいう ハニエルさんが嬉しかった。 彼女がずっと、この場に居ることを気にしていたのを 知っていたから、ハニエルさんの言葉で彼女の誤解も 解けるだろうなって。 私もハニエルさんも、ジゼルさんのこと、 邪魔だなんて思っていないこと、伝わるといいな。] ───ええ、勿論。 香りを味わえる紅茶を用意して待っています。 [宿舎に戻るというハニエルさんに応える。 師匠の調合した茶葉は絶品なのですよ、と伝えて、 彼も見送れば、来た時と同じ、ひとりに戻る。] (195) 2020/05/12(Tue) 23:45:54 |
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