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ライカは、走って、走って。足がもつれても。 (a22) 2022/06/07(Tue) 13:07:10 |
【人】 未だピンボケ ライカ「あ、れ」 見つけた!と駆け寄った先に、見えるのは。 あの時、確かに標本室で。 「結木、さん…?」 どうして、死んだはずの貴方が。 (17) 2022/06/07(Tue) 13:23:18 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+9 結木、さん 「どうして、は 僕のセリフです」 頭がガンガンする。脳が理解を拒む。 最初に会った時のように話しかけてくる貴方の姿が、どうしたってこの場では異常であることを"知ってしまっている"。 「あなたは、標本室で」 「死んでいたはずで」 傷はそのままで、赤を垂れ流してそこに立っている。 それは、おかしいことだ。 異常だ。 「生きている、なら 先輩も、結木さんも 治療しないと」 「死んでしまう みんなで一緒に帰れない」 (22) 2022/06/07(Tue) 17:08:47 |
ライカは、そんな状態でも、写真を撮った。もう、癖になってしまっていた。 (a34) 2022/06/07(Tue) 18:27:59 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+11 結木さん 「いえ、……遠慮、しておきます。 じゃあ、やっぱり……結木さんは、死んでしまっているんですね……」 どういう原理なのかは分からないが、今は置いておくことにする。あまりに非現実的な光景に脳がマヒしそうだ。 これも、実験の影響なのだろうか。本当に、傍迷惑な事をしてくれたものである。 無駄だとしても、そのうち傷口をふさいでおいた方がいいのだろうか。 「……」 白衣をキャッチして、貴方の靴が溶ける音に眉をひそめる。 そんな強い液体の中に、どうして先輩がいるのだろうか。 ▽ (26) 2022/06/07(Tue) 22:07:11 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+11 結木さん 「……杖は持ってるんですけど。 1本だけなので、担架にはなりそうにないですね」 キャッチした白衣を手に緩く巻いて、自分も強酸の海に足を踏み入れる。 写真撮影に影響のある手が無事であれば、他はいい。 今は、先輩を治療しなければ。 「勿論です。 先輩には、生きていてもらわないといけませんから」 「一緒に無事に帰るんです。絶対に」 そう約束したのだ。 だから、一緒に引き上げますよ。と言って。 貴方と2人で先輩を引き上げてしまうだろうか。 そのまま安全な場所まで運んでいくつもりだ。とはいえ手当の道具を持ってこないといけないから、酸の広がっていない廊下辺りか この近くの部屋になるだろう。 しかし 貴方が先輩とどんな会話をしたかなんて知る由もないけれど。危害を加えない関係であるなら良かった、と思うのだ。 (27) 2022/06/07(Tue) 22:12:47 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+12 「ここに来る前からの、知り合いですから」 ただ、それだけを。 だから、貴方のその声色が気になる事はなかった。 どう思われていても、貴方がすることも 自分がするべきことも、変わらない。 前に進むために手を貸してくれるのなら、その手を借りるだけだ。 生きなければならない。生きたい。生かしたい。 こんなところで死んでたまるか。 「麻酔があればよかったんですけど……そうもいきませんから。 起きた時の痛みは、我慢してもらうしかないですね……」 「布……貴方の荷物にあった、職員の制服も使えますかね。首回り以外は汚れていなかったと思いますし。 それに伊縫さんもきっとまだ持っているでしょうから。僕が会議室に取りに行ってきますよ」 他に必要なものはありますか、と尋ねながら。 汚れや血を洗うための水もストックから持ってくるべきかと頭を回す。 「……僕だって。 生きているなら、生きてもらいたいです。生きていたいです。 そうでなければ、ここに放り込まれた誰もが 報われない」 決して強い人間じゃないけれど、決意だけは。 (33) 2022/06/07(Tue) 23:57:10 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+13 結木さん 「じゃあ、先輩に渡した方が良いですね。 ただでさえ、すぐに眠ってしまうんですから。無防備な背中は隠れた方がいいでしょう」 願いを素直に聞いて、頷いて。 続いた問いには、少しだけ考えるような素振り。 「……少なくとも、ここにいた人達にはそうあってほしいですよ。例え手が汚れていたとしても。 手を直接汚した人だけが悪人ではないでしょう」 自分だって。救いの手を伸ばす前に、記録することを優先する人間だ。 それが原因で、救えた命を取りこぼしたことも 非難されたこともある。 だから、社会的な悪を断じる権利もないし。そもそも、決めつけることも決めつけられることも好きではないのだ。 自分がそう思って、行動に変えるだけ。 殆どの行いは、自分のためだ。 そう答えると、急ぎ足で会議室へと向かい 必要な物を取りに行くことだろう。 (41) 2022/06/08(Wed) 1:07:09 |
ライカは、暫くすれば戻ってきたのだろう。ペットボトルの水と、首周りの汚れた制服を持って。 (a59) 2022/06/08(Wed) 1:55:06 |
【人】 未だピンボケ ライカ2人の元に戻ってきて、篝屋先輩が気を失っている今のうちに 服の上からペットボトルの水をぶちまけるようにかけていく。 痛みを感じるかもしれないが、とにかく酸を流すためにペットボトルを空け続ける。 ちゃんとした応急手当のキットはないから、最低限の治療だけを施して。 上に職員の制服を羽織らせる。 あとは無事に目を覚ましてくれればよいのだけれど。 「……体力も落ちてるでしょうから、無理はさせられないですね」 自分が怪我もなく体力も余っていてよかった。 全員が満身創痍だったら何も出来なくなっていたところだ。 (48) 2022/06/08(Wed) 21:17:32 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+15 結木さん 「本当に。 伊縫さんも怪我をしていたようですし。深和さんたちももしかしたら何かに出くわしている可能性があります。 元々、体調や精神面も良くなさそうでしたしね……」 自分だって、余裕があるわけではないけれど。 少なくとも身体だけは、他の誰よりも元気で動き回れるはずだ。 「はい」 何だろう、と手をハンカチで拭いつつ。 先輩に向けていた目を貴方の方へ。 続く言葉に、暫し迷ったのち。 「そう、ですね。 ……僕の、潜在的な興味―――でしょうか」 あまり認めたくはないんですが、と続けながら。 「僕は元々、人物写真が好きでカメラを触っていたんです。 生きている人たちの生活、日常を切り取る事が好きだったように思います」 「高校生の頃―――交通事故の現場に鉢合わせるまでは」 ▽ (49) 2022/06/09(Thu) 19:36:57 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+15 結木さん 「女性が倒れていました。血だまりの中に倒れて、傷だらけで。 まだ事故が起きたばかりでしたから、生きていたかもしれません」 「僕は、無意識のうちにカメラを構えていました。 証拠写真のつもりだったと思います。 通報よりも先にカメラを構えた僕を、周りの人は問い詰めました。非難しました。 自分でも、興味本位で撮った写真ではないと思い込みたかったんです。きっと」 続ける。 「でも、その頃から」 「僕は生きている人よりも、 死んでいる人 死に直面しようとしている人を切り取ること に興味を覚えました」気付けば、向かった先には首を吊っている人が揺れていたり。 飛び降りようとしている人が屋上に立っていたり。 そういったことが増えていた。 それが偶然だったのか、自分が追い求めたものだったのか。 今はもう覚えていないけれど。 ▽ (50) 2022/06/09(Thu) 19:46:43 |
【人】 ピントを合わせて ライカ (51) 2022/06/09(Thu) 19:49:48 |
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